第12回社会資本整備等WG資料

第12回社会資本整備等WG 資料
平成28年4月15日
国土交通省
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
コンパクト・プラス・ネットワークの形成
1
コンパクトシティ形成支援チームによる具体的な取組①
コンパクトシティ形成支援チーム
コンパクトシティ化に取り組む市町村
(H27.3設置)
国土交通省(事務局)
内閣官房、復興庁、総務省、財務省、金融庁
文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省
省庁横断的
な支援
現場ニーズに即した支援施策の充実
○コンパクトシティの取組に活用可能な国の支援施策を一覧形式でとりま
とめ。市町村に送付・公表。【H27.9, 随時更新】
○市町村との現地相談会を開催し(H28.3)、現場からの課題・ニーズを吸
い上げ。関係省庁と連携し、29年度要求に向け支援施策の充実につい
て検討。
コンパクトシティ関連施策との連携強化の例
【2020年までの数値目標】
立地適正化計画を作成する市町村数を150
都市機能誘導区域内の誘導施設の立地割合が増加している市町村数を100
居住誘導区域内の人口割合が増加している市町村数を100
公共交通の利便性の高いエリアに居住している人口の割合
三大都市圏90.5%→90.8%
地方中枢都市圏78.7%→81.7%
地方都市圏38.6%→41.6%
取組成果の「見える化」
コンパクトシティ化の評価指標の提供、充実
○市町村のまちづくりの目標設定等を支援するためコンパクトシティ
化に係る評価指標を幅広く提示。【H26.8】
○さらに都市計画基礎データの充実とあわせ、より効果を適切に評
価する指標を検討し、提供。【H28年度中】
「都市構造の評価に関するハンドブック」の主な評価指標
○スマートウェルネス住宅等推進事業の拡充【住宅局】
H28年度から、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の整備に係る
補助要件に、「市町村のまちづくり方針との整合」を追加。
・地元市区町村への意見聴取に係る手続等
歩行量に関する指標の開発
○都市規模別等に住民の歩行量を整理・分析。【着手済】
・スマートウェルネスシティ総合特区都市での歩行量調査
・過年度の「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)の調査結果の整理・分析
○歩行量に関する多様な調査手法等について、ガイドラインを作
成・提供。【H28年度中】
市町村における効果の検証
市区町村は立地について
支障が無いか確認し、回答
※政令市・中核市は都道府県を経由せず、直接意見聴取
支援チームにおける継続的なモニタリング・検証
○市町村の取組の進捗状況や効果、課題などを関係省庁で継続
的にモニタリング・検証し、市町村の取組を支援。【H28年度~】
2
コンパクトシティ形成支援チームによる具体的な取組②
市町村に対するコンサルティング
モデル都市の形成・横展開
○制度普及に向けて、全国ブロック別に地方公共団体、交通事
業者、都市計画コンサルタント等向けの合同説明会を実施。
【H26年度~:500超の市町村が参加】
○モデル都市の形成・横展開を図るため、関係省庁の担当者とともに現地を訪問す
るなど、立地適正化計画の作成に向けて重点的にコンサルティングを実施。
【H28年度中】
○地方整備局・運輸局等にワンストップの相談窓口を設置。
○都市局内に地区ごとの担当チームを設け、立地適正化計画
策定市町村に対し現地訪問等きめ細やかなコンサルティング
を実施。【約80市町村(H28.3末現在)】
○施策間連携の観点等から優れた取組の事例集を作成し、市
町村に情報提供。 【H28年度中に実施】
先行的取組事例のイメージ(A市:人口約19万人)
【A市のまちづくりの課題】
○年少人口が減少する一方で高齢化が進展
[年少人口の推移:33,341人(H2年) → 26,170人(H26年)]
[高齢化率:20.7%(H21年) → 25.6%(H26年)]
モデル都市のイメージ(例)
取組事例①
・高齢化による社会保障費の増加
・地域コミュニティの活力低下
歩いて暮らせるまちづくり
取組事例②
・バス事業者の厳しい経営状況
・高い自動車依存、渋滞の発生
持続可能なバス経営を
軸にした都市構造再編
○拠点エリアでの交流・にぎわい空間づくり
○バス路線見直しによるアクセス改善、遊歩 ○バス路線沿線への居住・都市機能の誘導
道・公園等の整備による回遊性の向上
○バス専用レーンの導入、バス利用促進策
○健康意識の啓発(健康イベントの開催等)
○まちなかの小学校の余裕教室を改修し、地域に必要な
高齢者福祉施設の整備に活用
・施設構成イメージ
空き教室を改修・転用
小学校
高齢者福祉施設
児童と高齢者の交流
○外出機会・滞在時間増加による消費拡大
○健康増進による社会保障費の抑制
○多世代交流、高齢者の社会参画
○公共交通機関のサステナブルな事業運営
○バス事業者への赤字補填の増加の抑制
※実際には、これらの複数の課題解決に向けた取組が互いに連携することで、より多くの
効果を発揮するケースを想定。
3
(参考)立地適正化計画の作成に係る現行の支援措置
(1)計画作成費等補助
(コンパクトシティ形成支援事業)
・立地適正化計画の作成、地域住民等の合意形成に必要な専門家派遣等
の費用を補助
・居住誘導区域外から都市機能誘導区域内に一定の誘導施設が移転する
際の当該施設の除却、跡地整備を補助
(補助率:国1/3~1/2 )
(4)誘導施設の整備に対する容積率の特例
・都市計画(特定用途誘導地区)に誘導施設として一定の用途を
定めた場合、その用途に限定して容積率を緩和できる
[例:誘導施設として病院を定めた場合]
老朽化した病院
(2)誘導施設の整備に対する補助・金融・税制支援
①補助(都市機能立地支援事業、社会資本整備総合交付金)
エリアを指定
・都市機能誘導区域内の誘導施設(医療、社会福祉、教育文化、商業)の整
備に対する補助(補助率:国1/3~1/2)
※市町村が公的不動産の賃貸料減免等をした場合、国から民間事業者へ
の直接支援も可能
②金融(民間都市開発推進機構)
・都市機能誘導区域内の誘導施設の整備に対する出資等
エリアを指定して、病院用途に限定して
容積率を緩和
③税制
・都市機能誘導区域の外から内への誘導施設移転に係る事業用資産の買
換え特例
・誘導施設用地を提供した者に対する所得税等の軽減
・都市機能と併せて整備される都市利便施設等に係る固定資産税の軽減
等
※複合施設とすることも可能
[例:容積率200%のところを病院に限定して400%に]
老朽化した病院を建て替え
(3)公共交通ネットワークの整備に対する補助
(社会資本整備総合交付金)
・生活に必要な機能へのアクセスや立地誘導を支える公共交通施設(LRT、
駅前広場、バス乗換えターミナル・待合所等)に対する補助
(補助率:国1/3~1/2)
4
都市計画基礎データを利用できる環境づくり
■ユーザー目線の計画策定・より効果的な評価指標の提示のため、都市計画基礎データを充実
・高齢者・子育て世代など利用者の特性に応じて、ユーザー目線の施設配置を計画し、快適性や効率性の向上を図るとともに、
滞在時間、立ち寄り回数、歩行距離等の効果的な評価指標を提供するため、都市計画基礎調査データの充実が必要。
→現在、都市交通調査(パーソントリップ調査等)で得ている人の行動データについてもビッグデータ等を活用して調査を効率的に実施、さらに新たな
ニーズに対応した行動データ等を把握するシステムを構築し、各自治体における調査実施を促進していく。【平成28年度より検討開始】
■自治体の政策立案や民間サービスの創出のため、都市計画基礎データのデーターベース化を促進
・地方自治体における政策立案、民間による新たなサービスの創出(来訪者に応じた施設の立地)等のため、都市計画基礎調査
データの活用が重要。
→都市計画基礎データは各公共団体が独自に保有していることから、「G空間情報センター」を活用して、都市計画基礎データや情報加工ツールを集
積。利用者が容易に検索し、入手・利用できる環境を整備し、各自治体からの登録を促進していく。【平成28年度中に運用開始】
■都市計画基礎データの充実
○都市交通調査の効率化
既存調査(アンケート)
交通関連ビッグデータを活用して効率化
■都市計画基礎データのデータベース化
○G空間情報センター:地理空間情報活用推進基本計画(H24.3月閣
議決定)に基づき、H28年度中に本格運用開始予定
○新たなニーズに対応した都市交通調査(行動データの取得)
・スマートフォンのGPSの軌跡を活
用して「個人の移動特性」を把握
パーソントリップ調査 +
プローブ調査
・ビッグデータをもとに各エリアの「時
間ごとの滞留量・移動量」を 把握
携帯基地局
データ調査等
人の属性ごとの「行動データ」を把握するシステムを構築
【ロードマップ】 28年度
: 都市計画等DBの構築、行動データ等の分析ツールの開発
29年度~ : システムの公開・運用開始
5
民間都市開発推進機構による地方都市におけるまちづくり支援制度
○まち再生出資
都市再生整備計画等の区域において行われる優良な民間都市開発事業に対し、民都機構が出資により事業の立上げを支
援。事業の自己資金が充実し、リスクが縮減されることで、民間金融機関からの融資等の呼び水となる。
⇒ 平成28年度より空き店舗・空き地等の低未利用土地を有効活用するため面積要件を緩和。
○住民参加型まちづくりファンド支援(ゼロ金利環境に即応した見直しを検討中)
自治体等が立上げるまちづくりファンドに対して、民都機構が資金拠出により支援。地縁やクラウドファンディングにより地域
の資金等を景観形成・観光振興等のまちづくりへ振り向ける。
⇒ 地域金融機関に眠っている資金を用いて遊休不動産を有効活用するまちづくりファンドについて検討中。
まち再生出資
支援事例
オガールプラザ整備事業(岩手県紫波町)
○ 長年遊休地となっていた駅前の町有地において、民間のア
イディアと資金を活用して、公益施設(図書館、子育て支援
センター)と民間施設(物販・飲食施設等)を合築で整備。
○ 公益施設の賑わいが商業にも波及し、地域の活性化に寄与。
住民参加型まちづくりファンド支援
支援事例
京町家まちづくりクラウドファンディング活用支援基金(京都市)
○ クラウドファンディングを活用して京都市内にある約4,800軒の
まち家の保全・再生・活用(カフェやシェアハウスにリノベーショ
ン等)を推進。
○ 京町家の減少を食い止め、京都固有のくらし、空間、まちづくり
の文化の継承・発展とまちなみ景観の保全・創造、さらには地域経
済の活性化を図る。
6
不動産市場の強化による土地・不動産の有効活用①
○ コンパクト・プラス・ネットワークの実現や我が国経済の成長のためには、土地・不動産について流動化等を通じた有
効活用を図り、国民サービスの向上や 需給のミスマッチの解消、新たな需要の創出等を進めることが不可欠。
<地 方>
<都 市>
課題
空き室の多い既存建物を需
要の高いホテルにコンバー
ジョンしたい
ネット通販に対応してインター
周辺に物流施設をつくりたい
地域のために空き家を再生し、やる
気のある事業者に賃貸したい
空き地をもっと有効に活用できないか。
しかし、資金や情報が不足
しているし、そのままか・・・
高齢者のために
老人ホームを他
地域に広げたい
しかし、現行制度では、事業
要件が厳しく取り組めない・・・、
また、相談できる人材もお金
もないし、そのままか・・・
対策
多様な投資家から資金を調達し、リノベーションや施
設整備等を促進するため、リート等への支援を拡充
不動産証券化の手続の簡素化や規制緩和等により、
事業の案件形成をより一層加速
土地について需要を踏まえた的確な活用の円滑化や
流動化を重点的に支援
成長分野等の質の高い不動産の供給・再生、キャッシュフローの拡大
国民への良質なサービスの提供
事業者の経営効率・収益性の向上
多様な投資家への安定した運用機会の提供
投資を集めて、まち
なかの遊休資産や公
的不動産を有効活用
したい
小口の投資を集めた空き家再生等のための新たな
制度を創設
寄付された資産等を地域が連携して交流や移住、
起業等の場として管理・活用する取組を支援
地域の金融機関や自治体等の連携強化や人材育
成等を支援
不動産情報を充実させ、より早く、より便利にデータを提供
実現
資産の寄付をしたいが、管理
が大変で受け取ってもらえない
不動産鑑定評価の充実
実現
空き家・空き店舗等の再生
地域の資産が民間資金等によって再生される好循環の創出
地域コミュニティの活性化
7
不動産市場の強化による土地・不動産の有効活用②
都市力の向上に資する不動産のイメージ
地方の創生に資する不動産のイメージ
団地を再生した
高齢者向け住宅
宿泊施設
未利用の公有地を活用
した拠点施設整備
高機能物流施設
協定に基づく空き地等
の暫定的な一般利用
クラウドファンディングを活用した古民家改装
Jリートの資産規模の推移
リート(Real Estate Investment Trust、不動産投資信託):
多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなど複数の
不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する仕組み
2020年頃
30兆円へ倍増
2015年12月
約15兆円
2001年9月
(Jリート誕生)
約2,600億円
名目GDP600兆円達成に向け、
2020年頃にリート等の資産
総額を約30兆円に倍増
2011年9月
(10周年)
約8兆円
8
(参考)リートによる不動産市場の活性化(イメージ)
② オペレーターは施設の運営に特化
6方良しの
民間資金活用
<経営効率の向上>
運営に特化したBホテルは
3年で黒字化
③ 関連ビジネスの拡大
<波及効果の向上>
オペレーター(運営)
① 売却資金を再投資に活用
<土地・不動産の有効活用>
A社は老人ホームをリートに売却してバランス
シートを改善し、新規事業を展開
ホテル・旅館運営事業者、
介護事業者等
関連サービス
(物件管理、法務等)
賃貸借
事業者等
Jリート市場の2013年までの
生産波及効果は累計約7.7兆円
リート(所有・管理)
物件売却
④良質なサービスの提供
<サービス水準の向上>
C社は買収した温泉旅館でスタッフのチーム
化により、効率的に良質なサービスを提供
再開発、
設備投資等
売却代金
オーナー
利用者
売却
フランチャイズ化等
⑥ 対日投資の拡大
<運用効率の向上>
海外投資家のJリート投資口保有額:
1.96兆円(H26.8)→2.16兆円(H27.8)
⑤ 資産運用機会の拡大
海外投資家
国内投資家
~実需に支えられた健全な投資~
<運用効率の向上>
10年国債金利が-0.094%の中、
Jリート平均利回りは3.29%
9
公共施設のストック適正化に向けた取組
10
インフラ老朽化対策の推進
○インフラ長寿命化計画(団体毎、施設毎)の策定・実行を推進し、 定期的な点検・診断に基づき、優先順位を定
めて計画的に必要な対策を実施。
○これにより、予防保全を基軸とする戦略的メンテナンスを行い、インフラの安全性を確保しつつ、将来的に増加
するメンテナンスコストの縮減・平準化を図る。
インフラ老朽化対策の推進
・高度成長期以降に整備されたインフラが今後一斉に老朽化
・メンテナンスコストは、近い将来現在の最大約1.5倍に増大見込み
※国交省所管インフラの維持管理・更新費の推計:約3.6兆円(H25年度)→約4.6~5.5兆円(20年後)
国土交通省
地方公共団体
インフラ長寿命化計画の策定(H26.5)・実行
・予防保全の考え方に基づく長寿命化
・新技術の開発・導入
人的支援
・研修の充実・強化
・資格制度構築
支
援
長寿命化計画(団体毎、施設毎)の策定・実行
「メンテナンスコストの山」を低くして平準化
縮減・平準化イメージ
(メンテナンスコスト:A>B)
事後保全型の
メンテナンスコスト
技術支援
・基準類の体系的整備
・直轄診断
財政支援
計画的な取組
により平準化
A
新技術導入や予防保全
等で山を低くする
B
・防災・安全交付金
メンテナンスコストの縮減・平準化イメージ
11
個別施設ごとの長寿命化計画(個別施設計画)の策定
○個別施設計画は、平成32年度までに策定予定。
○維持管理・更新等に係るコストの縮減・平準化を図るため、個別施設計画において、維持管理・更新等に係るコ
ストを算定することを推進。
○また、必要な社会資本についても、更新等の機会を捉えて、社会経済状況の変化に応じた機能転換や集約・再
編等の規模の適正化を図る。
○なお、個別施設計画の策定にあたっては、公共施設等総合管理計画と相互に整合が図られるよう留意を促す。
<個別施設ごとの長寿命化計画(個別施設計画)の策定率※1>
現状
道路(橋梁)
道路(トンネル)
河川 [国、水資源機構]
[地方公共団体]
ダム [国、水資源機構]
[地方公共団体]
砂防 [国]
[地方公共団体]
海岸
下水道
港湾
空港(空港土木施設)
鉄道
自動車道
航路標識
公園 [国]
[地方公共団体]
官庁施設
公営住宅
目標
年度
平成26年度
数値
―
※2
→
年度
平成32年度
平成26年度
―
※2
→
平成32年度
平成26年度
88%
→
平成28年度
平成26年度
83%
→
平成32年度
平成26年度
21%
→
平成28年度
平成26年度
28%
→
平成32年度
平成26年度
28%
→
平成28年度
平成26年度
30%
→
平成32年度
平成26年度
1%
→
平成32年度
平成26年度
―
→
平成32年度
平成26年度
97%
→
平成29年度
平成26年度
100%
→
平成32年度
平成26年度
99%
→
平成32年度
平成26年度
0%
→
平成32年度
平成26年度
100%
→
平成32年度
平成26年度
94%
→
平成28年度
平成26年度
77%
→
平成32年度
平成26年度
42%
→
平成32年度
平成26年度
86%
→
平成32年度
※3
数値
100%
※1 公営住宅は、「国土交通省インフラ長寿命化計画(行
動計画)」のフォローアップ(H27.12)による。それ以外は、
社会資本整備重点計画(H27.9)による。
※2 これまでも、国土交通省及び地方公共団体等において
、橋梁の長寿命化修繕計画等を策定し、計画的な点検・修
繕を実施しているところ。
平成26年度に、橋長15m未満の橋梁やトンネル等に
ついても、個別施設計画を策定することとしたため、現在、
橋梁(約72万橋)・トンネル(約1万本)等の道路施設につい
て、個別施設計画の策定に向け調整中であり、平成27年
度末時点の計画策定状況を調査して把握する予定。
※3 これまでも、下水道施設の長寿命化計画を策定し、計
画的な点検・修繕を実施しているが、平成27年度の改正
下水道法において、維持修繕基準を創設するとともに、計
画内容の拡充を行い、新たな計画策定マニュアルを策定
したところ。
今後、新たなマニュアルに基づいた平成27年度末時点
の計画策定状況を調査して把握する予定。
12
個別施設計画策定の実効性の確保 ① (マニュアル等の策定・周知)
○実効性のある計画の策定を促進するため、対策の優先順位の考え方の明確化や対策内容の実施時期の整
理を促す計画策定のマニュアル等の策定・周知を実施。
○また、計画に基づいた点検・修繕等が確実に行われるよう、部材や構造毎の点検のポイントや施設の健全性
を判定する区分等を示した点検マニュアル等の策定・周知。
【個別施設計画策定のマニュアル等の事例(公園)】
【点検マニュアル等の事例(道路橋)】
13
個別施設計画策定の実効性の確保② (研修による技術的支援)
○確実な維持管理が行えるよう、従来の取組みに加え、実務的な点検の適切な実施・評価に資する研修体制を
充実・強化。
○技術者不足が指摘されている地方公共団体等への技術的支援の一環として、平成26年度より研修への地方
公共団体等職員の参加を呼びかけている。
○港湾分野(海岸保全施設を含む)の研修
○道路、河川分野の研修
各地方整備局等の技術事務所等を利用した
全国的な研修体制を敷くことで、維持管理に係
る能力を特に強化
道路: 5000人/5年
河川: 3000人/6年
平成26年度道路・河川管理実務者研修の様子(近畿地方整備局)
国土技術政策総合研究所において全国の国及び
港湾管理者の職員を対象にした研修の実施をもって、
維持管理に係る能力を特に強化
港湾: 400人/4年
平成26年度港湾における維持管理の研修の様子
14
メンテナンス情報の見える化の推進
○インフラ老朽化対策に関する国民の理解促進等のため、点検実施状況や点検結果等のメンテナンス情報の
見える化を推進。
<取組事例>
【行動計画のフォローアップ(H27.12公表)】
国土交通省全体のインフラ老朽化対策(個別施設計
画、点検、修繕、基準類等)の進捗状況を毎年公表
【フォローアップ項目】
・点検と修繕の進捗
・基準類の整備
・データベースの改善・構築
・個別施設計画の策定
・新技術の開発・導入
・法令等の整備
・地方公共団体への支援
【道路メンテナンス年報(H27.11公表)】
(点検結果の集計情報の公表例)
【インフラメンテナンス情報ポータルサイト(H27.9開設)】
インフラ老朽化対策
に関する情報を容易
に確認できるポータ
ルサイトを開設
【点検実施状況(H26)の公表状況】
橋梁、トンネル等の点検の実施状況や結果等を調査
し、個別施設の点検結果も含め、「道路メンテナンス
年報」として公表
【市区町村の橋梁の点検結果(H26)】
0.3%
(101)
15%
(5,029)
H26年度
橋梁
32,451橋
49%
(15,840)
35%
(11,481)
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
健全
予防保全段階
早期措置段階
緊急措置段階
※1道路法に規定する道路における橋梁。点検対象総数723,495橋(平成26年12月31日時点)
※2道路法に規定する道路におけるトンネル。点検対象総数10,878箇所(平成26年12月31日時点)
※3主要な港湾施設(係留施設、外郭施設(防波堤のみ)、臨港交通施設)に限る。点検対象総数約42,000施設。
※4建築基準法に基づく点検(敷地・構造に限る)の対象施設。
点検対象施設を有する606(被災3県及び県下市町村を除く)事業主体の実施状況。
※5建築基準法等に基づく点検(敷地・構造に限る)の対象施設。点検対象総数5,255施設。
※6河川堤防を除く河川管理施設(可動堰、閘門、水門、揚排水機場の取排水口、樋門・樋管、陸閘等)。
点検対象総数22,176施設。
※7河川管理施設のダム。点検対象総数551施設。
15
施設の集約・再編等を促すガイドライン等の策定・周知
○汚水処理施設については、「持続的な汚水処理システム構築に向けた都道府県構想策定マニュアル」を平成
26年1月に策定・周知済。
○都市公園と公営住宅については、改革工程表に沿って平成28年度中に事例を取りまとめ、平成29年度以
降、ガイドラインとして周知予定。
○この際、施設の集約・再編等は、各地域の社会経済状況や各施設の状況等に応じて実施することが必要であ
ることから、地方公共団体が地域の実情に応じて取組を進められるよう、取組事例を類型化するなど集約・再
編等の具体的な方法をわかりやすく示すとともに、取組にあたっての留意事項・考え方等を示す。
○その後も、先進的な事例について、地方公共団体に周知。
<汚水処理施設>
国土交通省、農林水産省、環境省が共同し
て「持続的な汚水処理システム構築に向けた
都道府県構想策定マニュアル」を平成26年1
月に策定するとともに、地方公共団体への説
明会を開催し、都道府県構想の見直しを要請
【ガイドライン等について】
<都市公園>
<公営住宅>
都市機能の向上等に資する都市公園のストッ
ク再編を推進するため、統廃合を行う場合の
考え方、事例等を平成28年度に取りまとめ、
平成29年度以降、ガイドラインとして周知予定
建替えの機会を捉えた再生・再編や民間住宅
ストックの活用等に関する地方公共団体の具
体的な取組事例を平成28年度に取りまとめ、
平成29年度以降、ガイドラインとして周知予定
<再編イメージ>
<再生・再編の事例>
(処理区域設定の考え方や取組内容毎にま
とめた事例等を記載)
<汚水処理の集約化のイメージ>
※「新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等のあり方検討会」において検討中
16
下水道事業の広域化の推進
○下水道事業の広域化については、複数市町村等による下水汚泥の共同処理、維持管理業務の共同化、ICT活
用による集中管理、処理区の統合などの効率的な運営に資する取組を進めているところ。
○こうした取組を更に促進するため、平成27年5月に下水道法を改正し、複数の下水道管理者による広域的な連携
に向けた協議の場として、協議会制度を創設。
○今後とも、国として、協議会の活用を含め、広域化の取組を支援。
○ 取組の例
下水汚泥の共同処理
単独公共
下水道等
維持管理業務の共同化
A市
ICT活用による集中管理
処理区の統合
T
発注
現
況
:処理場
:ポンプ場
P
汚水処理集約化のイメージ
処理区の結合
B市
発注
民間事業者
処理区
処理区
処理区
T
T
処理区
T
P
T
C町
発注
○協議会制度の創設(下水道法改正)
17
ストック効果の最大化を図る社会資本整備の推進
18
ストック効果の最大化を図る社会資本整備の推進
○第4次社会資本整備重点計画(平成27年9月18日閣議決定)に基づき、「賢く投資、賢く使う」インフラマネジメ
ント戦略に転換するため、ストック効果の最大化のための取組を開始。あわせて、ストック効果の「見える化」の
ための取組も検討を開始。
ストック効果の最大化のための取組
ストック効果の見える化のための取組
「効果が出る」から「効果を出す」へ発
想を転換し、ストック効果を一層高める
ため、次の取組を開始
さまざまなストック効果の的確な把握と
投資の重点化に資するため、次の取組を
推進
(1) 「賢く投資」 (投資面の工夫)
データ分析に基づく投資、ピンポイント
の投資等により投資効果を高める
(2) 「賢く使う」(施設の運用面の工夫)
料金等の見直し、 ICTの活用、規格の
共通化等により既存施設を最大活用
(3)ストック効果早期発現等の工夫
ストック効果最大化に向け、的確なタイミングでの供
用を目指した官民対話、完成時期等の情報のきめ
細やかな共有、行政手続の円滑化等の仕組み化
○同種の新規投資に
よって期待される効
果を予測
○行政の自らの気付
き、インフラ利用者
との対話を促進
○インフラのもたらす
様々なストック効果
を国民に実感しても
らえるような情報提
供に資する
(1)ストック効果の客観的・定量的把握の推進
社会資本がもたらした渋滞解消や工場立地
など様々な効果を、事後、継続して客観的・
定量的に把握
(2)経済分析手法の活用検討
事前の効果把握のための経済分析手法の
更なる活用を検討
(3)「見える化」から「見せる化」へ
ユーザー等が効果を実感できるような情報
提供・共有
19
ストック効果最大化に向けた取組事例(賢く投資、賢く使う)
●道路・港湾等のインフラ整備を背景に、大手製材メーカーが進出し、国産材輸出が増加。(東九州自動車道、細島港等)
●インフラ整備により水害リスクが大きく低減し、企業立地が急増。(首都圏外郭放水路)
くだまつ
●港湾整備により大型船の接岸が可能となり、輸出拠点を事業所近傍に移転。輸送期間とコストの削減を実現。(徳山下松港)
○首都圏外郭放水路(2006年6月全区間通水)
○東九州自動車道、細島港 等
(2014年3月延岡~宮崎開通) (2014年岸壁新設完了)
東九州自動車道や港湾等の整備により
・大手製材メーカー
(下記写真)の進出
・アジアを中心に
国産材輸出量が増加
・外郭放水路の整備により、春日
部市の水害リスクが低下
・首都圏から近く、国道が交差す
る地の利をいかした企業誘致が
可能に
地場産業(林業)の再生
日向市細島港にある
中国木材(株)日向工場
資料)国土交通省
2015年9月の関東・東北豪雨では、首都圏外郭放水路の通水開始以来最
大の流入量を記録。これにより1986年8月の洪水と比較すると、雨量は約
1.1倍だったが、浸水戸数は約9割減少(16,874戸→1,849戸)。
資料)国土交通省
資料)国土交通省
中国木材(株)ウェブサイト
(m3)
200,000
九州主要港の
木材輸出の推移
(志布志港が全国の
木材輸出量の7割強)
細島
佐伯
大分
179,706
八代
150,000
100,000
木材輸出が急激
に増加
志布志
春日部市産業指定区域内の企業の立地状況
資料)水害統計、埼玉県公表資料より国土交通省作成
く だ ま つ
〇徳山下松港
(2015年7月より
出荷開始)
資料)国土交通省
・高速鉄道車両の輸出(イギリス向け)の本格化に伴い、徳山下松港に
大型運搬船用の係船柱等を設置し、輸出拠点を神戸港から移転。(輸
送期間とコストの削減を実現)
木材輸出が急激に増加
(全国の約7割強)
52,412
49,356
35,495
19,437
50,000
0
2009
2010
2011
2012
2013
2014
資料)財務省「貿易統計」より国土交通省作成
資料)国土交通省
20
ストック効果「見える化」・「見せる化」の取組事例
●ビッグデータやアンケート等の多様な手法を用いて、ストック効果を可能な限り客観的に把握し、公表(「見える化」)
●ストック効果をさらに効果的に提供しユーザーと共有(「見せる化」)することで、インフラユーザーがよりストック効果を実感しやすくなる。
ストック効果の「見える化」
○アンケートの活用(尾道松江線)
○ビッグデータ※の活用(京都縦貫自動車道)
※携帯電話による位置情報
・尾道松江線開通の影響を、事業所アンケート、道路利用者アンケート等により、
多様な観点から整備効果を捕捉
・宿泊者数(万人)※左図の赤塗り部分
<参考>京都縦貫自動車道
・区 間:京丹波わちIC~丹波IC
・開通日:平成27年7月18日(土)
・延 長:18.9km
<事業所アンケート>
<道路利用者アンケート>
・訪問箇所4カ所以上の
訪問者数(万人)
京都縦貫道経由が
約3万人増加
約4.7万人
約7.7万人
資料)近畿地方整備局
※分析期間は、開通前:H26.7.18~9.30、開通後:H27.7.18~9.30の休日
回答数=100
(製造業、卸売業・利用経験有)
効果的な情報提供・共有(「見せる化」)
○関東インフラプロジェクト・アーカイブス
①事後評価の記録や資料等を整理・保存(アーカイブ化)
②得られた知見を今後の事業に有効
活用することはもとより、インフラに一
層理解を深めてもらうために、一般の
方向けにインフラ整備の意味を分か
りやすく解説・紹介
(掲載例)「人と自然、都市と地域の交流・共存」するダム
~宮ヶ瀬ダム建設事業の概要~
○プロジェクトの効果(その他の効果)
・地域振興への寄与
(地域との協働による様々なイベント開催、観光放流などダムの
役割・機能等に関する利用者へのアピール等)
宮ヶ瀬ダム建設前
○インフラツーリズム
資料)中国地方整備局
湯西川ダム(栃木県)
川治ダム(栃木県)
資料)関東地方整備局
2,588
効果:636百万円
宮ヶ瀬ダム建設後
3,224
(約2割増)
※宮ヶ瀬ダムのH15年の利用者数約135万人と、ダム建設前の津久井町、愛川町、清川村の年
間観光客数約78万人を基に、景気動向等の要因を調整後、利用者の居住地からの交通費をもと
に便益を試算。
観光放流
クリスマスツリー点灯
宮ヶ瀬湖交流文化祭
資料)関東地方整備局
資料)国土交通省
ダムを楽しんでもらいつつ、ダムの効果を
分かりやすく解説
21
インフラメンテナンスを取り巻く状況
○笹子トンネルの事故(H24.12)以降、国内ではインフラメンテナンスに幅広い業種が関心を持って取り組んでいるところ。
○H27年末のインフラメンテナンスに関心のある企業・団体との意見交換会では、異業種との技術交流、新たなビジネスモデルの検討、
表彰制度の創設などを求める意見あり。
○国内のインフラメンテナンスの市場規模は約5兆円※1 (日本のGDP※2の約1% )に対し、世界に目を転じると、インフラ老朽化や需要拡大
への対応に約200兆円※3の市場があり、これは世界の自動車市場規模を上回る(2012年自動車市場約175兆円※4)
国内の状況
・・・・
H24
H25
H26
学
官
○異業種の企業が相次いで
関連部署を立ち上げ
○建設業界の
一部が関心を
寄せる
H27
○異業種の企業が専門の
子会社を設立
○メンテナンスに
特化した学内機関
の設置(H26.1東北、
舞鶴高専)
○社会資本メンテ
ナンス戦略小委員
会の開催
(H24.8~H27.3)
○インフラ長寿命化
基本計画(H25.11)
○「今後の社会資本
の維持管理・更新の
あり方について」答
申(H25.12)
○メンテナンス元年
○大学間のネット
ワーク形成
○地方公共団体と
の連携の進展
○国土交通省インフラ長
寿命化計画(行動計画)
(H26.5)
○点検・診断の本格実施
○個別施設計画の作成
○地方公共団体での維持管理
の包括的民間委託ひろがり
平成27年11月末~12月意見交換会の実施(計4回)
○参加者(計78者)
・ゼネコン、コンサル、
IT・通信、材料、NPO など
■参加者の構成(業種別)
■参加者の構成(企業規模別
※企業分類は中小企業基本法の分類を参考。
○主な意見
・異業種間の技術交流の活性化
・地域の銀行、IT業界の参画など、新たな
ビジネスモデルの検討・普及
・インフラメンテナンスの仕組の海外輸出
・表彰制度の創設や重要性を周知する取組
・今後の地域産業として有望
・資格の活用促進や人材育成のための取組
・現場の最前線の施工技術者が交流
・グッドプラクティスを集め、集積
約7割
Allen Hamilton Inc.
世界市場 約200兆円(推定)*Booz
推計結果
空港・港湾
4%
国土交通省
所管以外
約3割
○地方公共団体等と連携
し、実証実験を実施
○産官共通の高度な
知識を持った総合技
術者の養成開始
(H20~岐阜、長崎)
国内市場
約5兆円(推定)
○中央自動車道笹子
トンネル天井板落下事故(H24.12)
産
海外の状況
メンテナンスの市場規模の比較
約40倍
国土交通省所管
中東 2%
アフリカ 3%
道路・
鉄道
19%
電力
関係
22%
米国・
カナダ
15%
水関係
55%
中南米
18%
欧州
22%
約3.6兆円※5
分野内訳
(参考)コンクリートアンカー*製造企業の売上規模の比較
国内最大手企業
約180億円
約33倍
アジア・
オセアニア
39%
地域別内訳
*コンクリート構造物の補修・補強等に用いられる建設資材
世界最大手企業(本社リヒテンシュタイン公国)
約6000億円 (※研究開発費:240億円~300億円)
日本で開発した下水管の再生工法(SPR工法)を海外44ケ国でビジネス展開中
(総施工延長約111km)※2014年末時点 。シンガポールにおいて、No.1シェアを獲得
【 SPR工法】
1.既設管の内側に新たに管を形成し、
強度を復元・向上
2.道路を掘り返すことなく施工可能。
3.下水を流しながら施工可能。
米国
ロシア
シンガポール
ドイツ
● 生産拠点(5拠点)
● 事業拠点(4拠点)
● 施工拠点(2拠点)
● ライセンシー
パートナー
※1:国土交通省「今後の社会資本の維持管理・更新のあり方について 答申」、内閣府「日本の社会資本2012」をもとに算定(国土交通省所管の社会資本の2013年度
の維持管理・更新費が約3.6兆円であること、またその割合が7割であることから、約5兆円と推定)
※2:内閣府「平成26年度発表国民経済計算確報」
※3:Booz Allen Hamilton, Strategy & Business, no. 46, 2007 (from Booz Allen Hamilton, Global Infrastructure Partners, World
Energy Outlook, OECD, Boeing, Drewry Shipping Consultants, U.S. Department of Transportation) をもとに算定(2005年から2030年の更新費(機能アップ含む)
の累計5000兆円という試算をもとに1年あたり約200兆円と推定)
※4:経済産業省 「我が国企業の国際競争ポジションの定量的調査」調査結果(富士キメラ総研)
※5:国土交通省所管の社会資本10分野の国、地方公共団体、地方道路公社、(独)水資源機構が管理者のものを対象に、建設年度毎の施設数を調査し、過去の維持
管理・更新実績等を踏まえて推計。
22
インフラメンテナンス国民会議の創設(青写真)
○幅広い業種からの新規参入を促進し、メンテナンス技術の分野での生産性革命をおこす。
○国民会議が伴走するコンサルタントの役割を担い、技術開発を促進するオープン・イノベーションの導入、自主的な勉強会・交流会
の活動を支援する公認フォーラム制度等の導入、海外展開等を通して、ビジネスを最大化。
○インフラメンテナンス大賞(仮称)の創設等により、メンテナンス分野の取組を周知し、国民へのメンテナンスの理念の普及を図る。
戦略1 インフラメンテンナンス分野における技術開発の
生産性革命(オープン・イノベーションの導入・推進)
オープン・イノベーションとは
(背景)自前主義の限界、知識労働者の増加と分散
○「企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値を創造すること」
(2003年
ハーバード大学ヘンリー・チェスブロウ教授(当時))
○「メーカーが自社のみでは解決できない研究開発上の課題に対し
て、既存のネットワークを超えて最適な解決策を探し出し、それを
自社の技術として取り込むことによって、課題を解決すること」
(「社外の技術でビジネスをつくる実践ステップ
オープンイノベーションの教科書」星野達也著)
◆インフラメンテナンスの分野でオープン・
イノベーションを導入し、技術開発のスピード
アップを図る。
◆インフラメンテナンス国民会議がオープン・
イノベーションを行う場を提供し、活動に伴走
しながら企業の取組を支援。必要に応じ、
資金調達についても支援。
戦略2
メンテナンス技術
のイノベーション
(成功事例)
・フィリップスのノンフラ
イヤー
高温の熱風をまんべんな
く循環させる技術を社外か
ら導入して実現。世界で累
計400万台を販売(2015.3
フィリップス社調べ)
企業・団体
のビジネス
の最大化
○インフラメンテナンスに係る自主的な勉強会・交流会(フォーラム)を国民会議が
一定の条件で認定し、活動を支援
(認定条件の例) 目的、フォーラム開催回数、参加人数 など
(支援方法)必要な情報の提供、活動資金調達の支援
など
包括的民間委託
の実施検討
(実施内容)
・包括委託の課題
の共有
・課題の解決方法の
検討など
研修会開催
(実施内容)
・講師の調整
・参加者の募集
・研修会の実施
認定・支援
(大学、地方公共団体、
コンサルタント、建設業者 等)
公認フォーラム
技術コンペ
の実施
<発起人>
申請
<発起人>
申請
公認フォーラム
認定・支援
公認フォーラム
ビジネス
モデル研究
公認フォーラム
IT活用による
データ取得と
分析技術の研究開発
<発起人>
申請
インフラメンテナンス国民会議(伴走コンサルタント)
認定・支援
200兆円巨大海外市場への挑戦
(インフラメンテナンスの海外展開)
◆海外展開を狙うメンテナンス技術を
英訳して世界に発信
◆国際規格(ISO等)の認証取得推進
◆有望な市場での二国間会議の活用や
技術展等への参画推進
(イメージ)
戦略5
中南米
約40兆円市場
アジア・オセアニア
約80兆円市場
世界市場で十分に勝負できる
「潜在力」を持つ民間企業
…
(例)・海外展開一貫支援ファストパス制度(経済産業省、外務省)
・中小企業海外展開支援施策集(中小企業庁)
・中小企業海外展開現地支援プラットフォーム(日本貿易振興機構
(ジェトロ))
など
戦略4
米国・カナダ
約30兆円市場
欧州
約40兆円市場
◆関係機関による連携支援
インフラメンテ
ナンス国民会議
の5つの戦略
ビジネスチャンスの創出
(公認フォーラム制度導入)
公認フォーラム
戦略3
国際建設
技術協会
支援の輪
…
JICA
事務局
インフラメンテナンス
国民会議
メンテナンス技術の限界突破
(技術コンペの実施)
○単純・明快な技術レベルを設定し、コンペを実施
(コンペの流れ)
・コンペのテーマを公募で決定
・参加者募集
・公開の実証審査で技術を競う
(例)5時間、250km飛行するドローン
現在
約30分
約10倍
5時間
設定レベル
メンテナンスのメジャー化(表彰制度の創設)
○インフラメンテナンス大賞(仮称)の創設
・表彰対象 :インフラメンテナンスにかかる特に優れた
取組・技術開発(ベストプラクティス)
・表彰の種類:内閣総理大臣賞(未調整)、国土交通大臣賞等
○メンテナンス技術の活用促進
・NETISに登録されている優れたメンテナンス技術など
を積極的に活用
(表彰スケジュール案)
H28年
秋頃 創設
募集
審査
H29年
決定・表彰式
23
インフラメンテナンス国民会議の創設までの動き
H
H
~
. 日本再興戦略 改-訂2015 -
インフラメンテナンス国民会議(
仮称)
の設立に向けた
意見交換会の実施
第二 3つのアクションプラン 二.戦略市場創造プラン
テーマ3:安全・便利で経済的な次世代インフラの構築
(3)新たに講ずべき具体的施策
②インフラメンテナンス産業の育成・
活性化
「
インフラ長寿命化計画(
行動計画)
」
等を実行するための基盤となるインフラメンテナンス産業の育
成・
活性化を図るため、来年度より、産官学が総力を挙げてこれに取り組むプラットフォームとして
インフラメンテナンス国民会議(
仮称)
を設立するとともに、ベストプラクティスを表彰し理念を普及
するインフラメンテナンス大賞(
仮称)
を創設する。
.
.
.
. 経済財政諮問会議 改革工程表
約80の企業・
団体から意見をヒアリング。
.
金)
に初回。20者程度ずつに分けて計4回程度実施)
/(
インフラメンテナンス国民会議(
仮称)
の設立に向けた
. ~ 意見交換会(第2回)の実施
(
秋 インフラメンテナンス国民会議(
仮称)の創設
国民会議の青写真をもとに意見交換会を実施し、
①やる気のある企業・
団体の発掘
②発起人、参加企業のリスト化
4
15
H
H 年度 ・
インフラメンテナンス国民会議(
仮称)
の設置
・
インフラメンテナンス大賞(
仮称)
の創設
.
H 年度 ・
産学官が連携し、民間の新技術の掘り起しや異業種からの新規参入の
促進等を実施。
・
インフラメンテナンスに係るベストプラクティスを普及
28
29
国民会議の具体的活動として、
①オープンイノベーションによる技術開発(
H 年度に5事例程度)
②公認フォーラム制度による企業間連携活動の推進
(
包括的民間委託勉強会、技術コンペ実施 など)
③複数の機関と連携したメンテナンス技術の海外展開支援
の公募開始
④インフラメンテナンス大賞 仮(称)
28
H
H
27
6
27
12 11
16 27
27
12
24
28
4
15
28
24
現場の担い手・技能人材に係る構造改革等
25
2.現場の担い手・技能人材に係る構造改革等
「ICTの全面的な活用(ICT土工)」等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム
全体の生産性向上を図るi-Constructionを推進し、 「賃金水準の向上」、「安定した休暇の取得」、
「安全な現場」、「女性や高齢者等の活躍」など、建設現場の働き方革命を実現。
委員会の開催・推進体制の構築
【これまでの取組】
・i-Construction委員会
第1回(H27.12.15)、第2回 現地視察(H28.1~3月)、第3回
(H28.3.9)、第4回(H28.3.30)開催済み。
取りまとめられた報告書を4月11日に同委員長から国土交通大臣
に対して手交。
・i-Construction推進本部
平成27年度中に全地方整備局等においてi-Construction推進本
部を発足。
【今後の取組】
・ICT土工に対応できる技術者・技能者の拡大に向けた講習
ICT土工に対応できる技術者・技能者の拡大を図るため、民間の
協力を得ながら全国の技術事務所等の30ヶ所程度の研修施設を
活用し講習を開催予定。
・i-Constructionを推進するためのコンソーシアム
急速に発展するIoTなど最新技術の動向等を踏まえるため、産学
官よりなるi-Constructionを推進するためのコンソーシアムを設立
予定。
i-Construction委員会
(有識者委員)
小澤 一雅 東京大学大学院工学系研究科
教授
◎小宮山 宏 (株) 三菱総合研究所理事長
建山 和由 立命館大学理工学部教授
田中 里沙 (株)宣伝会議取締役副社長兼
編集室長
冨山 和彦 (株)経営共創基盤代表取締役
CEO
藤沢 久美 シンクタンク・ソフィアバンク代表
※ 50音順、敬称略
(オブザーバー)
(一社)日本建設業連合会
(一社)全国建設業協会
(一社)全国中小建設業協会
(一社)建設産業専門団体連合会
(一社)全国建設産業団体連合会
(一社)建設コンサルタンツ協会
(一社)全国測量設計業協会連合会
(一社)日本建設機械施工協会
26
2.現場の担い手・技能人材に係る構造改革等
ICTの全面的な活用(ICT土工)
【これまでの取組】
・15の新基準及び新積算基準の整備・公表
公共測量マニュアルや監督・検査基準などの15の新基準、及びICT建機のリース料を含む新積算基準を整備。
【今後の取組】
・大規模土工へICT土工を全面適用
平成28年度より直轄事業については、大規模土工は、原則としてICT土工を全面適用。中小規模土工は、希望
する施工者についてICT土工を適用。
測量
ドローン等を用いた測量マニュアルの導入により、
3次元測量が拡大
従来測量
検査日数
3次元測量
ICTを前提とした監督・検査要領等の導入により、
検査日数が約1/5に短縮
(2kmの工事の場合 10日→2日へ)
人力で計測
10断面
/
2km
GNSSローバー等で計測
1断面のみ
/
1現場
施工
ICT土工用積算基準の導入により、
ICT建機による施工が拡大
丁張りによる施工
検査書類
ICT建機による施工
ICTを前提とした監督・検査要領等の導入により、
検査書類が1/50に削減
工事書類
(計測結果を手入力で作成)
3次元データ
受注者(設計と完成形の比較図表)
50枚
/
2km
1枚のみ
/
1現場
27
2.現場の担い手・技能人材に係る構造改革等
施工時期の平準化
〈国における取組〉
【これまでの取組】
・計画的な事業執行に関する通知発出(H27.12.25)
国土交通省所管事業において、平準化に向けた計画的な事業執行を推進するよう通知
・2カ年国債の活用
平準化を推進するため、2カ年国債の活用 (H27-28:約200億)
【今後の取組】
・2カ年国債の継続的な活用
平準化を推進するため、引き続き2カ年国債を活用 (H28-29:約700億)
<地方公共団体の取組に対する支援>
・ 地域発注者協議会等を通じて、国や地方
公共団体等の発注機関が協働して平準化
を推進
・ 社会資本整備総合交付金等におけるゼロ
県債の活用や、国の取組事例を参考に、
平準化を推進するよう、総務省とも連携し
て、自治体に通知(H28.2.17)
28
建設業における中長期的な担い手の確保①
○ 足許では建設投資額の動きに伴って技能労働者数は堅調に推移し、人手の需給は緩和
■ 近年は建設投資の動きに伴い、技能労働者数は堅調に推移
(兆円)
(万人)
500
技能労働者
(%)
300
40
200
不足
全国
4.0
400
60
20
5.0
3.0
2.0
1.0
0.0
-1.0
100
民間投資額(兆円)
政府投資額(兆円)
0
0
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27
(見込み) (見込み) (見通し)
出典:国土交通省「建設投資見通し」、総務省「労働力調査」
-2.0
リーマン
ショック
-3.0
-4.0
震災
過剰
H18.1
3
5
7
9
11
H19.1
3
5
7
9
11
H20.1
3
5
7
9
11
H21.1
3
5
7
9
11
H22.1
3
5
7
9
11
H23.1
3
5
7
9
11
H24.1
3
5
7
9
11
H25.1
3
5
7
9
11
H26.1
3
5
7
9
11
H27.1
3
5
7
9
11
H28.1
80
■ 足許での人手の需給は緩和
○ 一方、労働力人口の減少の中で、中長期的な建設業の担い手の確保が課題
中央建設業審議会・社会資本整備審議会 産業分科会 建設部会 基本問題小委員会にて、中長期的な担い手の確保・
育成に向けた施策目標と総合的な対策のとりまとめに向けた検討を開始(6月とりまとめ)
担い手確保・育成に関する主な現行施策
・社会保険未加入対策
・適正な賃金水準の確保
担い手確保に向けた施策ターゲット整理
・現在も担い手確保・育成に関する施策を
推進しているが、更に施策の効果・実現
性を高めるためには対象・課題(施策ター
ゲット)を明確化する必要
・担い手確保・育成コンソーシアム
・若者向けの戦略的広報の推進
担い手の分類
A.若者の入職(新卒者採用)
B.中途採用
C.離職防止(現役)
D.女性の活躍促進
E.高齢者(引き留め)
・「もっと女性が活躍できる建設業」
推進パッケージ
生産性向上による供給力の確保
・経営の多角化など建設企業の経営戦略の強化
・複数の工種に対応できる人材の育成など人材の効率的活用
技能労働者の技能・経験が蓄積されるシステムの構築
建設生産を支えるために必要な技能労働者数・供給力の確保
29
建設業における担い手の中長期的な確保②
○ 担い手の分類ごとに、現行の施策の課題等を抽出し、施策ターゲットに応じた具体的な施策を検討
■新規学卒者採用
90
(千人)
9.2%
10.0%
9.0%
70
8.4%
7.9% 8.0%7.8%
60
50
5.6%
10
6.0%
78
77
4.0%
74
3.9%
70
66
4.0%
5962
58
42
4947454645
47
47
46
4340
4239
4142 43
40 36394444
353232313231 31313337
34
2.0%
29
建設業新規学卒者の入職数
就業者数(建設業/全産業)
■中途採用
17.9%
25.0%
3,374
3,221
製造業 3.6%
10.6% 9.8%
3,527
9.0% 9.1%
15.2% 16.1%
3,778
3,495
3,637
3,316
15.7%
8.2%
0.0%
2000 2001
H12
13 2002
14 2003
15
8.9% 7.6% 9.3%
10%
■女性活躍
全産業
2,800
20%
30%
4,500
2,700
4,000
2,650
3,500
2,600
3,000
2,550
6.8% 6.2% 7.0%
6.4%
5.5% 5.1%
4.8% 4.8% 4.4% 4.6% 4.4%
2,000
1,500
建設業
120
110
90
500
80
2004
16 2005
17 2006
18 2007
19 2008
20 2009
21 2010
22 2011
23 2012
24 2013
25 2014
26 (年)
出典:厚生労働省「雇用動向調査」
13.8%
15.9%
14.8%
40%
50%
60%
29.0%
7.1%
22.5%
10.7%
70%
職場の人間関係
結婚
会社都合
80%
90%
100%
会社の将来が不安
出産・育児
その他の理由(出向等を含む)
-女性就業者の割合は全産業に比べ鈍い伸び
(万人)
70
60
43.2%
43%
女性就業者数(全産業)
女性比率(全産業)
42%
2,754
41%
40%
(万人)
16.4%
100
1,000
0
7.5%
能力・個性・資格を生かせず
労働条件が悪い
定年・契約期間の満了
2,750
2,500
10.4% 10.0%
24.7%
7.6%
出典:厚生労働省「雇用動向調査」
(千人)
4,155 4,265
11.0% 12.8% 12.0% 13.3%
10.0%
10.3%
製造業/産業計
3,180 3,135
14.2%
0%
12.5%
8.4% 10.2%
6.9%
出典:総務省「労働力調査」、文部科学省「学校基本調査」
4,008 3,896
3,857
16.6%
3,761
14.8%
15.0%
新規学卒者の入職数(建設業/全体)
建設業/産業計
14.6%
12.9%
9.4% 6.0% 9.2%
仕事の内容に興味を持てず
収入が少ない
介護・看護
―全体の転職者数は増加傾向にあるが、建設業を転職先
に選ぶ割合は減少傾向
産業計
30.0%
5.0%
建設業
0.0%
0
20.0%
全産業 5.8%
8.0%
6.2%
5.6%
4.9%
20
前の勤め先を辞めた理由
10.4%
9.9%
30
―建設業からの離職の主要因は処遇や労働条件への不満
12.0%
80
40
■離職防止
-新規学卒者の入職数は、近年回復傾向
17%
女性就業者数(建設業)
女性比率(建設業)
16%
15.0%
15%
112
75
14%
13%
30
出典:総務省「労働力調査」
建設産業の担い手確保・育成に向けた取組
○ 建設業の将来を担う若者の入職・定着を促し、人材を確保することが最重要課題であり、若者に
とって魅力のある建設業を目指し、担い手確保・育成対策の更なる強化を官民を挙げて計画的に推進
技能労働者の処遇改善
■ 適正な賃金支払の浸透
○ 公共工事設計労務単価を適切に設定
安定的・持続的な見通しの確保
■ 公共事業予算の安定的・持続的な確保
⇒ 企業が将来の見通しを持つことができ、若者の雇用が促進
○ それを踏まえた適切な賃金水準の確保を業界団体に要請
■ 社会保険加入の促進
○ 平成29年度までに、建設業許可業者の社会保険加入率100%を
目指し、関係者一体となった取組を推進
○ 法定福利費を内訳明示した標準見積書の活用推進
■ 建設技能労働者の経験が蓄積されるシステムの構築
○ 技能労働者の技能や経験の適切な評価に基づく処遇を実現する
システムの構築に向け検討(平成29年度の運用開始を目指す)
※ 建設業団体、学識者、行政等による官民コンソーシアムにて議論
若者や女性の更なる活躍等
■ 若者の早期活躍の推進
○ 優秀な技術・技能を持ち、今後の活躍が期待される若者を建設
ジュニアマスターとして表彰する等、誇りをもてる環境整備を推進
○ 早期かつ裾野の広い入職促進を図るべく、戦略的広報としての
キャラバンを、工業高校に加え、小・中学校や普通高校でも実施
○ 技術検定の学科試験(2級)を実務経験なしで受験可能とする
■ 女性の更なる活躍の推進
○ 官民挙げた「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」の実践
○ 女性活躍に地域ぐるみで取り組む活動の更なる深化・定着の推進
■ 歩切りの根絶、ダンピング対策の強化
○ 4度にわたる調査等により、歩切りを行っていた全ての地方公
共団体が、歩切りを廃止することを決定
○ 低入札価格調査制度等の未導入団体に対し働きかけを強化
■ 教育訓練の充実強化
○ 建設産業担い手確保・育成コンソーシアムにおいて、地域連携
ネットワークによる教育訓練システムの全国での構築を支援
○ 富士教育訓練センターの建替(平成29年4月供用開始)
31
建設分野で活躍する外国人の状況
○ 建設分野で活躍する外国人の数は、平成22年度から2倍以上に増加(1.3万人→2.9万人)
○ 在留資格別では技能実習生が最も多く(1.9万人)、近年増加傾向にある
➢建設分野で活躍する外国人数
(単位:人)
➢建設分野における技能実習生の数
(技能実習2号移行申請者の数)
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H22→H27
(単位:人)
15,000
全産業 649,982 686,246 682,450 717,504 787,627 907,896
建設業
13,490
12,830
13,102
15,647
20,560
29,157
1.4倍
2.2倍
13,200
※1
12,500
10,000
H22年度比
272.5%の増加率
7,500
製造業 259,362 265,330 260,988 262,544 272,984 295,761
1.1倍
5,000
3,543
3,679
4,595
7,759
5,347
2,500
➢外国人雇用事業所数
(単位:事業所)
H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度
※1 平成27年度の値は、4月~11月の前年度伸率で延伸し推計
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H22→H27
増加率
全産業 108,760 116,561 119,731 126,729 137,053 152,261
40.0%
建設業
4,721
4,674
4,721
5,553
7,022
9,763
106.8%
製造業
34,407
34,704
34,516
35,016
36,140
37,919
10.2%
出典:外国人雇用状況届出(厚生労働省)、JITCO白書((公財)国際研修協力機構)
➢在留資格別の状況(H27.10時点)
(建設分野で活躍する外国人数29,157人の内訳)
①就労目的で在留が認められる者
(いわゆる「専門的・技術的分野」)
②身分に基づき在留する者(永住者等)
③技能実習(開発途上国への国際協力)
④特定活動(外国人建設就労者等)
⑤資格外活動(留学生のアルバイト等)
2,324人
7,434人
18,883人
287人※2
228人
※2 認定済み適正監理計画に基づくと平成28年度末までに1,000名程度が入国
予定
32
建設分野における外国人材の活用に係る緊急措置(外国人建設就労者受入事業)
○ 復興事業の更なる加速を図りつつ、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の関連施設整備等による当面の一時的な建設需
要の増大に対応するため必要となる技能労働者については、まずは、就労環境の改善、教育訓練の充実強化等によって、離職者の
再入職や高齢層の踏み止まりなどにより、国内での確保に最大限努めることが基本
→ その上で、当面の一時的な建設需要の増大への緊急かつ時限的措置(2020年度で終了)として、国内での人材確保・育成と併せ
て、即戦力となり得る外国人材(技能実習修了者)の活用促進を図り、大会の成功に万全を期する
外国人建設就労者受入事業の流れ
特定活動
技能実習
求職申込み
帰国
(国外)
2年目
1年目
3年目
2年目
送り出し国での
事前準備、
入国審査等
1年目
( 継続 )
入国 日本国内での
外国人建設就労者受入事業における監理体制
国土交通省
制度推進事業実施機関
業務提携
入国 日本国内での 帰国 入国
技能実習
帰国
3年目
2年目
1年以上経過
1年目
3年目
2年目
1年目
送り出し国での
事前準備、
入国審査等
特定活動
適正監理推進協議会
入国
技能実習
巡回指導等
特定監理団体・適
正監理計画の認定
雇用契約
帰国
2年目
入国 日本国内での 帰国
1年目
3年目
2年目
1年目
( 再入国 )
送り出し国での
事前準備、
入国審査等
特定活動
外国人建設
就労者
送出し機関
(国内)
(本図は再入国の場合)
特定監理団体
(優良な事業協同組合等)
元請企業団体
元請企業
訪問指導
・監査等
受入
建設企業
定期報告の徴求等
元請企業による受入企業
(下請)への指導の徹底
国土交通省
等許可部局
立入検査、監督処分
(注)上記に加え入国管理当局、労働基準当局が外国人の在留管理や受入企業等の監督等を実施
外国人建設就労者の受入状況等(平成28年3月31日現在)
➢
➢
特定監理団体:107団体、適正監理計画・・・214計画(214企業)を認定
外国人建設就労者:401名を受入れ(認定済み適正監理計画に基づくと平成28年度末までに1,000名程度が入国予定)
(内訳:中国…191名、ベトナム…68名、フィリピン…62名、ラオス…4名、インドネシア…74名、モンゴル…2名)
33
国土交通省生産性革命プロジェクトについて
34
国土交通省生産性革命プロジェクトの推進①
ねらい
我が国は人口減少時代を迎えているが、これまで成長を支えてきた労働者が減少しても、
トラックの積載率が41%へ低下する状況や道路移動時間の約4割が渋滞損失である状況
の改善など、労働者の減少を上回る生産性を向上させることで、経済成長の実現が可能。
そのため、本年を「生産性革命元年」とし、省を挙げて生産性革命に取り組む。
経済成長 ← 生産性 + 労働者等
労働者の減少を上回る生産性の上昇が必要
3つの切り口
「社会のベース」の生産性を
高めるプロジェクト
「産業別」の生産性を
「未来型」投資・新技術で
高めるプロジェクト
生産性を高めるプロジェクト
35
国土交通省生産性革命プロジェクトの推進②
第1回・第2回本部会合で選定されたプロジェクト
(1) 「社会のベース」の生産性を高めるプロジェクト
・ピンポイント渋滞対策
~渋滞解消で労働力の創出~
・渋滞をなくす賢い料金
・クルーズ船需要の取込み
・コンパクト・プラス・ネットワーク
~密度の経済で生産性を向上~
・土地・不動産の最適活用による生産性革命
(2) 「産業別」の生産性を高めるプロジェクト
・本格的なi-Constructionへの転換
・新たな住宅循環システムの構築と住
生活産業の成長
・i-Shippingによる造船の輸出拡大と地方創生
・オールジャパンで取り組む「物流生産性革命」
の推進
・トラック輸送の生産性向上に資する道路施策
・観光産業を革新し、我が国の基幹産業に
(3) 「未来型」投資・新技術で生産性を高めるプロジェクト
・急所を特定する科学的な道路交通
安全対策
・インフラ海外展開による新たな需要の創造・市
場の開拓
~成長循環型の「質の高いインフラ」の積極的海外展開~
36
人口減少下における経済成長のカギ(生産性革命)
●我が国は、2008年をピークに人口減少社会へ突入した。人口減少下でも持続的な経済成長を実現するためには、生産性の向上がカギ。
●特に、道路移動時間の約4割が渋滞に費やされている状況など、様々な社会の「ムダ」を減らすことにより、経済活動や国民生活を向上させることができる。
●今後は、このような「社会のベース」の生産性を向上させるストック効果の高いインフラの戦略的な整備が一層求められる。
○経済成長の要因分解
4.6%
5%
(%)
4.1%
○将来の生産性・人口と
実質GDP成長率の推計
○社会のベースの生産性向上の必要性
■渋滞損失は移動時間の約4割
年間約50億人時間、約280万人分の労働力に匹敵
[大型車では約8億人時間、約45万人分の労働力]
2.5
4%
2.0
3%
一人あたり約100時間
一人あたり約40時間
生産性向上・人口安定
1.5
生産性向上・人口減少
2%
1.2%
1%
1.5%
-0.1%
0.8%
生産性停滞・人口安定
0.5
1%強
生産性停滞・人口減少
0.0
0%
約50億人・時間
約50億時間
約4割
■渋滞は都市部だけの問題ではない
【人口あたり渋滞損失時間】
(時間)
60
平均:約40時間
中京圏
首都圏
50
京阪神圏
40
1980-85 1985-90 1990-95 1995-2000 2000-2005 2005-2010 2010-2012
-1%
約80億人・時間
約80億時間
1.0
0.9%
損失時間
損失時間
混雑で余計にかかる時間
混雑で余計にかかる時間
基準所要時間
基準所要時間
すいている時の走行時間
すいている時の走行時間
労働投入増加の寄与
資本投入増加の寄与
TFP上昇率
GDP成長率
(出典)(独)経済産業研究所「日本産業生産性(JIP)データベース」より国土交通省作成
30
▲ 0.5
2011-2020 2021-2030 2031-2040 2041-2050 2051-2060
(出典)経済財政諮問会議専門調査会『「選択する未来」委員会報告
<参考資料集>』より国土交通省作成
20
10
鹿児島県
沖 縄県
宮 崎県
大 分県
熊 本県
長 崎県
佐 賀県
福 岡県
高 知県
愛 媛県
香 川県
徳 島県
山 口県
広 島県
和歌山県
岡 山県
島 根県
鳥 取県
奈 良県
兵 庫県
大 阪府
京 都府
滋 賀県
三 重県
愛 知県
静 岡県
岐 阜県
長 野県
山 梨県
福 井県
神奈川県
石 川県
富 山県
新 潟県
東 京都
千 葉県
埼 玉県
群 馬県
栃 木県
茨 城県
福 島県
山 形県
生産性向上が労働力減少分のマイナスを補うことができれば、
今後の人口減少下においても、経済成長を達成することが可能
秋 田県
生産性向上:TFPが2020年代初頭までに1.8%程度へ上昇
生産性停滞:TFPが2020年代初頭で1.0%程度(2000~2005年の平均並み)の上昇にとどまる
宮 城県
(注)シナリオの仮定
人口安定:①合計特殊出生率は、2.07に上昇、②50年後の人口は1億人を維持
人口減少:①合計特殊出生率は、1.33に低下、②50年後の人口は8,500万人に減少
岩 手県
※TFP:全生産量の伸びから労働投入及び資本投入の寄与分を除いた残差
(技術革新、労働者の能力向上、IT技術を含む設備投資等)
青 森県
経済成長を生み出す3つの要因
①労働力、②資本、③全要素生産性(TFP)※
北 海道
0
人口減少下でも、生産性向上シナリオと
生産性停滞シナリオを比較すると、
実質GDP成長率で1%強の差が生じる。
出典)渋滞損失時間はH24年度プローブデータ、人口は総務省統計資料(H24.10)
生産性を低下させている「ムダ」・「非効率」をなくすことが重要
○フロー効果とストック効果
※
1
※
※1:フロー効果
2
公共投資の事業自体により生産、雇用、消費等の経済活動
が
派生的に創出され、短期的に経済全体を拡大させる効果
※2:ストック効果
整備された社会資本が機能することによって、整備直後から
継続的に中長期にわたり得られる効果。安全安心効果、
生活の質の向上効果、生産性向上効果がある。
37
(プロジェクトの一例)高速道路の渋滞のピンポイント対策
■高速道路の渋滞と主な発生要因
・高速道路の全2,548区間のうち、約1割の区間で、高速道路全体の渋滞損失時間の約4割が発生。
依然として残る渋滞
料金所
サグ部及び上り坂
約28%
インター
チェンジ
接続道路から
の渋滞など
約10%
約26%
事故
工事
約20%
約12%
その他
約5%
※NEXCO3社が管理する高速道路における要因別渋滞量
(平成25年(2013年)1月~12月)
ETC導入でほぼ解消済
(※ETC導入前は渋滞の約3割)
データ分析によるピンポイント対策で解消を図る
■高速道路の渋滞対策
[ピンポイント対策(主な箇所)]
[ネットワーク整備]
〔事例〕
○中国道 宝塚付近
⇒ 新名神の整備(H28)
※ 関係機関や地元の合意を得ながら、対策を検討・実施
○東名高速 大和トンネル付近
全国ワースト1位の渋滞損失が発生
(高槻JCT~神戸JCT)
○東名阪 四日市
⇒ 新名神の整備(H30)
○中央道 小仏トンネル付近
写真.大和トンネル付近の渋滞状況(上り線)
休日、全国ワースト3位の渋滞損失が発生
(新四日市JCT~亀山西JCT)
朝方の渋滞損失が、
全国の都市高速の中でワースト5位
○阪神高速 阿波座付近
午前中の渋滞損失が、
全国の都市高速の中でワースト6位
付加車線 約4km
大和TN 大和BS
横浜町田IC
至 東京
中央環状の全線開通により、
都心の交通量が5%減少、
渋滞が5割減少。
○首都高速 板橋・熊野町JCT
(仮)綾瀬スマートIC
(事業中)
綾瀬BS
至 名古屋
〔効果例〕
○首都高品川線開通
海老名SA
海老名JCT
付加車線 約5km
上下線の大和トンネル付近において、
上り坂・サグ部等の対策を実施。
付加車線
約0.5km
38