良好な資金調達環境を背景に業績急拡大が続く

ビーロット
(3452・東証マザーズ)
2016 年 4 月 14 日
良好な資金調達環境を背景に業績急拡大が続く
ベーシックレポート
個人富裕層を主要顧客とする不動産ベンチャー
2008 年に設立された不動産ベンチャー。不動産売買仲介から不動産
再生流動化、さらに開発へと展開。主要な
㈱ティー・アイ・ダヴリュ
堀部 吉胤
顧客は個人富裕層やその資産管理会社で
相続税対策などソリューション型のビジネ
スを展開。首都圏から北海道、九州、海外
会
社
概
要
にも事業展開し、関西も注力中。取扱うア
所
在
地
東京都港区
セットタイプはレジデンスを中心に、事務
代
表
者
宮内 誠
所・店舗、コンパクトホテルなど。顧客ニ
設 立 年 月
2008/10
ーズに対応し多様化を進めている。良好な
資
本
金
932 百万円
資金調達環境を背景に業績急拡大中。
(2015/12/31 現在)
主力の不動産投資開発事業が牽引し、業績の急拡大が続く
上
場
日
15/12 期決算は売上高 69.5 億円(前期比 87.4%増)
、営業利益 8.0
U
R
L
2014/12/11
億円(同 2.1 倍)と急伸。ホテルのコンバージョン案件など物件の大
型化が進展し、大幅増収増益となった。良好な資金調達環境を背景に
http://www.b-lot.co.jp/
業
種
した不動産市況の活況を受け、物件の仕入れ、販売が想定以上に順調
不動産業
に進捗し、期初予想を大幅に上回った。16/12 期会社業績予想は、売上
主要指標 2016/04/12 現在
株
価
高 112 億円(前期比 62.1%増)、営業利益 9.7 億円(同 21.8%増)。在
1,545 円
1,730 円
(2016/02/02)
938 円
(2016/01/18)
年初来高値
年初来安値
発行済株式数
3,879,600 株
売 買 単 位
100 株
時 価 総 額
5,993 百万円
予 想 配 当
未定
(
会
予 想
社
)
E P S
155.94 円
( ア ナ リ ス ト )
実 績
業
P B R
績
2015/12
動
2017/12
売上高
百万円
向
価格などを保守的にみているため上振れる可能性が高いだろう。
インバウンド関連ビジネスに注力
16/12 期~17/12 期の 2 年間の中期経営計画を策定。重点施策として
①インバウンド関連事業の収益化、②関西圏の強化などを掲げている。
インバウンド関連では、空ビルのコンパクトホテルへのコンバージョ
ンで他社に先行しており、既に 1 号案件を売却したほか、新宿区の 2
号案件が昨年 11 月に開業。新宿区でコンパクトホテルの開発にも乗り
出した。また、ニセコでコンドミニアムの開発を予定しており、海外
富裕層への分譲を目指している。17/12 期はこうした開発案件の一部が
EXIT を迎えるとみられることなどから業績拡大が続く見込み。
前期比
%
営業利益
百万円
前期比
%
経常利益
百万円
前期比
%
当期純利益
百万円
前期比
%
EPS
円
績
6,950
87.4
800 2.1 倍
655 2.2 倍
400 2.3 倍
112.60
想
(2016 年 2 月発表)
11,263
62.1
974
21.8
735
13.2
482
20.4
124.33
ア ナ リス ト 予想
12,100
74.1
1,140
42.5
930
42.0
605
51.3
155.94
ア ナ リス ト 予想
14,140
16.9
1,630
43.0
1,360
46.2
884
46.1
227.86
実
会
2016/12
2.47 倍
庫物件の増加を背景に業績続伸見込み。会社予想では物件の売却想定
社
予
アナリストレポート・プラットフォーム
1
えんけつ
会
社
会
社
概
概
要
要
 会社概要
東証 1 部上場不動産会社の元役員 3 名によりリーマンショック直後の
2008 年 10 月に設立された不動産ベンチャー。当初は売買仲介からスタート
し、資金調達力の向上とともに中古不動産の再生流動化、さらに開発流動化
へと展開。個人富裕層を主要顧客とする。レジデンスの実績が豊富で、事務
所・店舗、介護施設、ホテルなどへ取扱うアセットタイプの多様化を図って
いる。事業エリアは首都圏を中心に北海道、九州、関西などに拡大。他社に
先駆けて札幌に支社を開設したことから北海道の物件開拓力に強みがある。
資金調達環境の改善、不動産市況の活況とともに順調に業績を伸ばし、会
社設立後約 6 年で東証マザーズにスピード上場を果たした。
(百万円)
14,000
12,000
10,000
業績の推移
(%)
14
売上高
経常利益
12
売上高経常利益率(右軸)
10
8,000
8
6,000
6
4,000
4
2,000
2
0
09/12
10/12
11/12
12/12
13/12
14/12
15/12 16/12CE17/12CE
0
(出所)決算短信、目論見書
(注)CEは会社予想、17/12期CEは中計に基づく。14/12期までは単体決算
経
営
者
 経営者
代表取締役社長の宮内 誠氏は 1969 年生まれ。慶応大学法学部卒業後、
米ワシントン大学で MBA を取得。1995 年に旧三和銀行(現 三菱東京 UFJ 銀
行)に入行し、国内外のプロジェクトファイナンスなどを担当。その後、三
和証券(現 三菱 UFJ 証券)に出向し、不動産証券化のアレンジメント業務
に従事。業務を通じ、2006 年に上場不動産会社に取締役投資企画部長とし
て迎え入れられた。経営陣として不動産の実務を経験した後、2008 年 10 月
に当社を設立。代表取締役社長に就任し、現在に至っている。
宮内 誠氏はオリックス(8591)の元 CEO(2014 年 6 月からシニア・チェ
アマン)の宮内 義彦氏の長男であることが知られている。宮内 義彦氏と
は親子として経営相談をする関係であり、顧客紹介、ネットワーク構築で支
援を受けることはあるが、資本関係はない。
アナリストレポート・プラットフォーム
2
会
社
概
要
オリックスとも資本関係はなく、一金融機関として融資を受けることはあ
り得るが、事業上の関係は基本的にない。
設
立
経
緯
 設立経緯
実質の設立メンバーは現社長の宮内氏を含めた 3 人。他の 2 人は長谷川
進一氏(現 取締役副社長/北海道支社長/シンガポール現法社長)と望月 雅
博氏(現 取締役副社長/投資開発部長)
。3 人は前職時代、同じ上場不動産
会社の取締役を務め、ファンドバブルと称された時期に若手経営陣として苦
楽をともにした。当時の役職は長谷川氏が常務取締役/受託資産運用本部長、
望月氏が常務取締役/アセットマネジメント本部長だった。当時から同世代
のプレーイングマネジャーとして新たな不動産金融ビジネスに取り組みた
いと、3 人が主導して案件創出、不動産再生に取り組んでいたため、3 人パ
ートナーで起業することに違和感はなかったという。
当社における 3 人の役割分担は、宮内氏は全社業務の統括とアセットマネ
ジメント事業、長谷川氏は仲介や顧客開拓など不動産コンサルティング事業、
望月氏は不動産再生や新規ビジネスとなっている。
企
業
理
念
 企業理念
不動産・金融分野において社会へ価値を与えるビジネスの創出を行い「社
会から求められる企業」として、全てのステークホルダーに対し社会規範に
準拠した上での利益の追求と長期継続的な成長を行うことで社会に貢献す
る。
社名のビーロット(B-Lot)は、Brain(頭脳)と Lot(口語で仲間・連中
の意)を組み合わせた造語。「頭脳を使って考え抜いたことを現場で実践で
きる仲間」といったニュアンスを持たせている。
コーポレートアクション
 直近のコーポレートアクション
2014 年 12 月:公募増資(10 万株、公募価格 2,010 円)を実施し、東証マ
ザーズに上場
2015 年 4 月:1:3 の株式分割を実施
2015 年 7 月:公募増資(36 万株、発行価格 2,697 円)を実施し、手取り
で 9.19 億円を調達
2015 年 8 月:第三者割当増資(オーバーアロットメント)により 3.81 万
株の新株を発行し、手取りで 0.97 億円を調達
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3
会
沿
社
概
要
革
 沿革
2008 年
10 月
港区に不動産投資開発事業、不動産コンサルティング
事業を主目的に当社設立
2009 年
2011 年
2012 年
2013 年
11 月
宅地建物取引業免許を取得
2月
賃貸管理の受託事業を開始
7月
第二種金融商品取引業登録
10 月
投資助言・代理業免許を追加取得
3月
韓国の AM 会社 JRAMC と業務提携
4月
札幌市中央区に札幌支店(現 北海道支社)を開設
2月
サムティと業務提携
6月
自社保有物件の管理・運営事業を開始
9月
福岡市中央区に福岡支社を開設
12 月
第一号開発案件竣工(八王子の店舗で売却は翌年)
2014 年
12 月
東証マザーズに上場
2015 年
2月
ビーロット・アセットマネジメントを設立(完全子会社)
5月
B-Lot Singapore Pte.Ltd.を設立(完全子会社)
4月
米不動産会社 Relo Redac と業務提携
2016 年
(出所)有価証券報告書、会社資料、ニュースリリースをもとに TIW 作成
バンクフォーメーション
 バンクフォーメーション
メインバンクは特に定めていない。取引の多い銀行は、三井住友銀行、り
そな銀行、北海道銀行など。
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4
会
大
社
概
株
要
主
 大株主(2015 年 12 月 31 日現在)
株主
所有株式数
(株)
所有比率
(%)
1
長谷川 進一
667,000
17.19
2
望月
577,000
14.87
3
(株)エムアンドエム
409,500
10.56
4
宮内
296,500
7.64
5
Bang-Joo Lee
90,000
2.32
5
Kwan-Young Kim
90,000
2.32
5
(株)ザイマックス
90,000
2.32
8
望月
79,000
2.04
9
(株)SBI 証券
72,400
1.87
10
サムティ(株)
45,000
1.16
2,416,400
62.28
雅博
誠
文恵
上位 10 位計
(出所)有価証券報告書
(注)1 位、2 位とも取締役副社長。8 位は 2 位の配偶者。
4 位は代表取締役社長、3 位は 4 位の資産管理会社。
5 位の個人 2 人は業務提携先の韓国の独立系 AM 会社 JRAMC の役員。
5 位のザイマックスはリクルートから分離独立した PM などを行う不動
産マネジメント会社。
10 位は業務提携先の東証 1 部上場の総合不動産会社。
アナリストレポート・プラットフォーム
5
事
事
業
業
概
の
内
要
容
 事業の内容
不動産投資開発事業、不動産コンサルティング事業、不動産マネジメント
事業の 3 セグメント制。不動産投資開発事業が中核事業。いずれも主に個人
富裕層の相続税対策、資産運用のニーズに応える形で事業を展開している。
部 門 別 事 業 内 容
 部門別事業内容
 不動産投資開発事業
不動産再生と不動産開発に細分される。不動産再生は、収益性が低かった
り遵法性に瑕疵があるなど何らかの理由により、本来持つ実力を充分に発揮
できていない不動産を個人富裕層などから取得し、遵法性の治癒や収益性の
改善(稼働率・賃料水準の向上、テナントの入替、管理体制・管理コストの
見直し、リニューアル工事、最有効使用が現況と異なる場合はコンバージョ
ンを行う場合もある、など)によるバリューアップを図ったうえで、個人富
裕層、その資産管理会社を中心に事業法人、不動産会社、私募ファンド等に
売却し、キャピタルゲインを得る事業。保有期間中の賃料収入は不動産マネ
ジメント事業に計上される。
不動産再生は 2012 年から本格的に事業展開した。取扱う物件は通常、数
投資家のニーズの
多 様 化 に応じ 、ア
セットタイプやエリ
アの多様化を推進
億円規模で 10 億円を超える場合もある。事業期間は概ね半年以内。実績の
多いアセットタイプはレジデンス。1~5 億円程度のレジデンスは景気や金
融環境にあまり左右されずに安定した個人富裕層の需要があることによる。
区分所有マンションも確実に売却できることから破産案件など機会があれ
ば扱う。このほか、事務所・店舗、戸建、ホテル、介護施設など取扱うアセ
ットタイプの多様化を進めている。事業エリアは首都圏が中心だが、顧客投
資家の分散投資ニーズに応え、支社を開設した北海道、九州、また支社はな
いが関西などへと拡大している。特に北海道には首都圏の富裕層における分
散投資ニーズが高まる前の 2011 年に支社を開設し、不動産情報収集のネッ
トワークを構築してきたことから強みを持っている。他社に先駆けて早くに
北海道(札幌)に進出したのは、長谷川副社長の出身地でもあることや、札
幌の収益不動産は建物の評価割合が高いため相続税対策の効果が大きい、地
震リスクが低い、などの理由による。
資金調達力の向上を背景に 2013 年から不動産開発事業を開始し、14/12
期に 1 号案件となる八王子の店舗を売却した。このほか、福岡市のマンショ
ン、港区の店舗ビルの開発実績があるほか、ホテル、コンドミニアムの開発
も初めている。開発期間は概ね 1 年~1 年半程度。再生案件と開発案件を合
わせた物件の保有期間は過去 3 年間の平均で 7.7 ヶ月。
アナリストレポート・プラットフォーム
6
事
業
概
要
 不動産コンサルティング事業
売買仲介が中心業務。物件が築浅で稼働率が高く再生余地が乏しい場合は、
当社で物件を取得することなく売買仲介を行う。資金を必要としないフィー
ビジネスのため、創業時は売買仲介からスタートした。当初は、創業メンバ
ー3 人が前職で培った個人富裕層の人的ネットワークを活用し、都心の店舗
や事務所などの 1 棟もの(数億円~数十億円規模)の売買仲介を手掛けてい
た。不動産売却・購入希望者の相続税対策などのニーズに応えるコンサルテ
ィング型の売買仲介を展開してきたため、両手取引となることも多い。事業
エリアは不動産投資開発事業と同様に首都圏中心に北海道、九州など。北海
道の物件情報提供に関し、2012 年にサムティ(3244)と業務提携しており、
実際、これまでに実績がある。
売買仲介の派生業務として、個人富裕層に対する相続税対策、土地有効活
用等のコンサルティング業務も行っている。物件情報やプランニング提案に
より、案件ごとにフィー収入を得ている。
従来、当該セグメントの売上高の大半は売買仲介手数料だったが、2015
年 1 月からの相続税の課税強化を受け、15/12 期は相続コンサルフィーが
46%と半分近くを占めた(件数ベースでは売買仲介が 23 件、相続コンサル
が 6 件)
。
 不動産マネジメント事業
不動産投資開発事業で保有中の棚卸資産及び固定資産からの賃料収入が
中心。固定資産として保有する収益不動産は、従前は千代田区の店舗ビル
(15/12 期末簿価約 1.9 億円)1 棟だけだったが、安定収益拡大のため 15/12
期に石川県のウェディング施設(同約 3.8 億円)
、横浜の借地権付きマンシ
ョン(同約 8.8 億円)の 2 棟を取得。16/12 期に入って沖縄県の賃貸用不動
産を取得し、足元では 4 件となっている。
個人富裕層などが所有する不動産の管理運営も行っている。PM の受託が
基本だが、顧客の要望によりサブリースすることもある。
15/12 期末の管理運営受託件数は前期末比 7 件増の 43 件(PM が 40 件で残
りは BM とサブリース)。不動産投資開発事業や不動産コンサルティング事業
で関与した物件が約半数を占める。受託案件の 15/12 期の年平均稼働率は
91.4%。新築物件の取得などにより一時的に低下することもあるが総じて安
定的に高水準で推移している。
また、2011 年に韓国の独立系 AM 会社 JRAMC と業務提携し、日本国内の物
件取得に関するアドバイスを行っており、アドバイザリーフィーを得ている。
14/12 期、15/12 期にそれぞれ 1 件の実績がある。将来は、自ら不動産ファ
ンドを組成・運用することも視野に入れているとみられる。
アナリストレポート・プラットフォーム
7
事
業
拠
概
点
要
網
 拠点網
東京都港区新橋の本社のほかに、北海道支社(札幌市中央区)
、福岡支社
(福岡市中央区)を開設している。
インバウンド需要の恩恵を受け、また、東京に比べ利回りの高い大阪の物
件の取扱いが増えていることから、将来、大阪支社の開設の可能性があろう。
大阪支社を開設すればひとまず拠点整備は一巡するとみられる。
売
上
構
成
 売上構成
 セグメント別売上構成(15/12 期)
不動産コンサ
ルティング
3%
不動産
マネジメント
9%
不動産
投資開発
88%
(出所)決算短信
 地域別の売上構成の推移
14/12期
13/12期
北海道
10%
九州
1%
その他
0%
15/12期
関西
17%
九州
26%
九州
11%
関東
89%
北海道
12%
関西
2%
関東
48%
関東
60%
北海道
24%
(出所)有価証券報告書、目論見書
アナリストレポート・プラットフォーム
8
事
業
概
要
 アセットタイプ別の売上構成の推移
13/12期
14/12期
その他
3%
レジデ
ンス
43%
店舗
9%
15/12期
その他
2%
その他
1%
ホテル
31%
事務所
28%
店舗
48%
レジデ
ンス
62%
事務所
6%
(出所)有価証券報告書、目論見書
(注)不動産マネジメント事業は含まない
ビ ジ ネ ス モ デ ル
レジデ
ンス
46%
事務所・
店舗
21%
 ビジネスモデル
主力の不動産投資開発事業と不動産コンサルティング事業はフロービジ
ネス。資金調達環境、不動産市況に影響を受けやすいが、主力の顧客は個人
富裕層で相続税絡みの仕入れ、販売が多いため、比較的安定した需要がある。
現在、個人富裕層の顧客数は数百人。うちコアとなるのは数十人。東京の
在住者が中心。既存顧客からの紹介のほか、上場による知名度向上により仲
介会社が当社を指名して案件を持込むことも多く、顧客数、案件数は漸増傾
向にある。2015 年 5 月のシンガポール現法設立により海外富裕層の取り込
みも図っている。顧客との取引は一度きりではなく、繰り返し発生すること
が多い。相続税対策として収益不動産を取得しても、時間の経過とともに建
物の減価償却が進むことで節税効果が薄れるため、物件入替ニーズが生じる
ことなどによる。
不動産マネジメント事業は基本的にストックビジネス。他の事業とシナジ
ー効果を発揮している。管理物件数は着実に積み上がっているほか、長期保
有目的の賃貸用不動産(固定資産)への投資を拡大し、収益の安定化を図っ
ている。
類
似
企
業
 類似企業
自己勘定で不動産の再生流動化を手掛ける上場企業は、いちごグループホ
ールディングス(2337)をはじめ、トーセイ(8923)、サンフロンティア不
動産(8934)、サムティ(3244)、ムゲンエステート(3299)、イントランス
(3237)、ファーストブラザーズ(3454)など多々あるが、個人富裕層向け
のコンサル的な色彩を持つという点でエー・ディー・ワークス(3250)
、青
山財産ネットワークス(8929)と類似性が高いといえよう。
アナリストレポート・プラットフォーム
9
財
務
分
析
不動産投資開発事業の積極展開に伴う総資産の急拡大に伴い有利子負債
アセット急拡大でも
自己資本比率は比
較的高い水準を維
持
も増加しているが、14/12 期の IPO、15/12 期の PO や、期間利益の積み上げ
により 15/12 期末の自己資本比率は 24.4%(前期末比 5.8pt 増)と充分な
水準にある。
有利子負債についても、棚卸資産の場合でも資金調達の長期化を図ってお
り(平均調達期間は 10 年程度になっているもよう)
、金融環境が急変し、不
動産の流動性が枯渇した場合のリファイナンスリスクに備えている。
先述のように再生流動化の事業期間は概ね半年以内と短いため、総資産回
転率は 15/12 期で 0.7 回(14/12 期も 0.7 回)と不動産会社としてはかなり
高く、総資産の拡大を抑制している。
総資産回転率の高さは ROE にも寄与している。プロフィットマージン(当
期純利益/売上高)は 15/12 期で 5.8%(14/12 期 4.7%)と格別高いわけで
はないが、総資産回転率の高さにより ROE は 15/12 期で 16.5%(14/12 期
25.3%)と高水準にある。
(百万円)
12,000
10,000
自己資本比率の推移
(%)
30
総資産(左軸)
有利子負債(左軸)
自己資本比率(右軸)
25
8,000
20
6,000
15
4,000
10
2,000
5
0
0
12/12
13/12
(出所)決算短信、目論見書
アナリストレポート・プラットフォーム
14/12
15/12
10
業
績
 経営環境解説
金融資本市場は動
揺しているが、現
物の不動産投資市
場に特段の影響は
みられない
昨年末の米国の利上げや中国の景気減速懸念の高まり、原油価格の急落な
どを受け、年初から世界的に株式市場が急落するなど金融資本市場が動揺し
ている。2 月中旬から一旦落着きをみせていたが、4 月に入って再び不安定
な状況になっている。ほぼあらゆる通貨に対し急速に円高になっていること
を受け、日本の株式市場の下落が大きくなっている。
昨年夏の世界的な株式市場の急落時には現物の不動産投資市場に特段の
変調はみられなかった。足元でも特段の変調はみられない。ただし、急激な
円高は、海外投資家の日本の不動産への投資意欲を減退させることになると
考えられるほか、企業業績の悪化により賃料の緩やかな回復傾向に水を差す
恐れがあり、今後の為替動向には注意が必要だろう。
2015 年の国内銀行による不動産業向けの新規貸出は 10.6 兆円(前年比
金融機関の不動産
融資姿勢は引続き
積極的
6.1%増)
。過去最高だった 1989 年末の 10.4 兆円を 26 年ぶりに上回った。
不動産業向け融資残高をみても 2015 年末に 65.7 兆円と 18 年ぶりに過去最
高を更新した。
昨年末頃から一部金融機関の間で不動産価格上昇に対する懸念の声が聞
かれるようになったが、総じて金融機関の不動産融資姿勢は引続き非常に積
極的。特に慢性的に貸出先が乏しい地銀の積極姿勢が目立つ。
(兆円)
70
60
アナリストレポート・プラットフォーム
国内銀行の不動産業向け貸出残高の推移
貸出残高
貸出全体に占める割合(右軸)
(%)
16
15
50
14
40
13
30
12
20
11
6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12
00 01 02 03
04 05 06 07
08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)日本銀行
(年月)
11
業
績
(兆円)
4.5
国内銀行の不動産業向け新規貸出額(四半期推移)
4
新規貸出額
前年同期比(右軸)
3.5
(%)
50
40
30
3
20
2.5
10
2
0
1.5
▲ 10
1
▲ 20
0.5
▲ 30
0
▲ 40
6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12 6 12
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)日本銀行
(年月)
1 月 29 日には日銀がマイナス金利導入を発表した。これを受け 10 年国債
日銀のマイナス金
利導入は基本的に
不動産投資市場に
プラスといえよう
利回りは急低下し、足元はマイナス圏で推移している。マイナス金利導入は
キャップレートのもう一段の押下げ要因になると考えられるほか、金融機関
の不動産融資に対する緩和姿勢の継続の面でもプラスに働くとみられ、今後
も現物不動産の高い流動性は維持されるだろう。
物流施設のように供給過剰が懸念されるアセットタイプはあるものの、ほ
ぼあらゆるアセットタイプでキャップレートの低下傾向が続いている。特に
近年はインバウンド需要に沸くホテルのキャップレートの低下が顕著にな
っている。
投資家別の動向をみると引続き買いの主体は J-REIT であるが、私募ファ
ンド、不動産会社、事業会社、個人富裕層などの収益不動産に対する取得意
欲も旺盛。海外投資家は 2015 年後半から売り越しとなっているが、新たに
参入する海外投資家もみられ需要は堅調といえる。
当社に影響の大きい個人富裕層は 2015 年 1 月からの相続税課税強化も手
伝い引続きレジデンスなどを積極的に取得している。
物件売却には良好な環境が続いており、逆にいえば、物件取得には厳しい
環境が続いている。
アナリストレポート・プラットフォーム
12
業
績
レジデンスのキャップレートの推移
(%)
9
東京(城南)
札幌
福岡
大阪
8
7
6
5
15/10
15/4
14/4
14/10
13/10
13/4
12/4
12/10
11/10
11/4
10/4
10/10
09/10
09/4
08/4
08/10
07/10
07/4
06/4
06/10
05/10
4
(出所)一般財団法人日本不動産研究所「不動産投資家調査」
(注)期待利回りベース
最寄駅から徒歩10分以内、築5年未満、平均専有面積25~30㎡、
総戸数50戸程度のレジデンスを想定
宿泊特化型ビジネスホテルのキャップレートの推移
(%)
9
東京
8
札幌
福岡
大阪
7
6
5
15/10
15/4
14/10
14/4
13/10
13/4
12/10
12/4
11/10
11/4
10/10
10/4
09/10
09/4
08/10
08/4
07/10
07/4
06/10
06/4
05/10
4
(出所)一般財団法人日本不動産研究所「不動産投資家調査」
(注)期待利回りベース
最寄駅から徒歩5分以内、築5年未満、客室数100室程度、ADR6~8千円、
OCC(客室稼働率)80%以上のホテルを想定
アナリストレポート・プラットフォーム
13
業
績
 15/12 期業績解説
主力の不動産投資
開発事業などが牽
引し、業績急伸
15/12 期業績は、売上高 69.5 億円(前期比 87.4%増)
、営業利益 8.0 億円
(同 2.1 倍)、経常利益 6.5 億円(同 2.2 倍)、純利益 4.0 億円(同 2.3 倍)
。
15/12 期から連結決算に移行しており、前期比は前期の単体決算との比較。
主力の不動産投資開発事業と不動産マネジメント事業が牽引し、販管費が
人員増や東京本社の増床により 7.5 億円(同 1.9 億円増)と増加したことを
吸収し、前期比大幅増益の好決算となった。
昨年 6 月 22 日に会社業績予想は、
①不動産投資開発事業における仕入れ、
販売が当初の見込み以上に好調に推移していること、②販売用不動産の仕入
れ好調や固定資産としての賃貸用不動産の購入による賃料底上げ、を理由に
大幅上方修正されていたが、この修正予想をさらに上回って着地した。結局、
期初予想からは、売上高で 15.4 億円、営業利益で 2.9 億円、経常利益で 2.2
億円、純利益で 1.5 億円、それぞれ上回った。
セグメント別の業績をみると、不動産投資開発事業は、売上高 61.3 億円
売却物件の 1 件当
り金額が大型化
(前期比 89.6%増)
、営業利益 8.3 億円(同 80.8%増)
。売却物件数は 13
件と前期比 9 件減少したが、
「ファーストキャビン築地」
を海外投資家に 19.7
億円で売却するなど、1 件当りの平均売却価格が 4.7 億円(同 3.2 倍)と大
型化したことにより大幅増収増益となった。
「ファーストキャビン築地」は
ホテル再生第 1 号案件で、空ビルの状態で取得したオフィスをコンパクトホ
テルにコンバージョンした(詳細は 17 頁)
。通常の再生案件に比べ大きな追
加投資が必要だが、その分、比較的高採算だったもよう。このホテル以外の
売却物件のアセットタイプ別の内訳は、レジデンス 7 件、事務所・店舗ビル
4 件、戸建用地 1 件だった。また、売却 13 物件のうち開発案件はレジデン
ス 1 件、事務所・店舗 1 件の計 2 件だった(14/12 期は 1 件)
。エリア別の
内訳は、首都圏 8 件、北海道 3 件、九州 1 件、関西 1 件だった。
不動産コンサルティング事業は、売上高 1.7 億円(前期比 13.1%減)
、営
。14/12 期にリピーターの顧客による 10 億円
業利益 0.5 億円(同 26.5%減)
超の大型案件の成約が複数あった反動により減収減益となったが、全体への
影響は僅少。
成約件数は 29 件(前期比 9 件増)と増加した。うち売買仲介が 23 件、相
続コンサルが 6 件だった。相続税の課税強化を受け、相続コンサルティング
フィーの売上構成比が 46%(前期は 3%)と高まった。
アナリストレポート・プラットフォーム
14
業
績
不動産マネジメント事業は、売上高 6.4 億円(前期比 2.3 倍)
、営業利益
14/12 期 に 続 き
大型 AM 案件を受
託
2.8 億円(同 3.2 倍)と急伸した。不動産投資開発事業の拡大に連れて棚卸
資産の保有期間中の賃料が増加したほか、固定資産として取得した 2 物件の
賃料収入が寄与した。PM 等の受託案件 43 棟の年平均稼働率は 91.4%と高水
準を維持した。
また、14/12 期に続き、AM 事業の大型案件を受託し、アドバイザリーフィ
ーを得た。これは、2011 年に業務提携した韓国の独立系大手不動産 AM 会社
の JRAMC が運営するファンドが約 100 億円の東京の物流施設を取得するに当
たり日本側のアドバイザーを務めたもの。ファンドの投資家は、韓国最大の
投資家である NPS(韓国国民年金公団)
。14/12 期には JRAMC 関連の 1 号案
件として、約 150 億円の都心のオフィスビルの取得の日本側アドバイザーを
務めた。
15/12 期の物件の仕入れは 19 物件(前期比 1 件増)
。固定資産としても 2
仕入れは取得環境
が厳しい中でも順
調に進捗
物件を取得した。良好な資金調達環境を受け物件取得競争は厳しいが、流動
性の高いボリュームゾーンの物件を手掛けていることや、上場による知名度、
信用力の向上により順調に進捗した。19 物件のアセットタイプ別の内訳は、
レジデンス 9 件、事務所・店舗 4 件、介護施設 1 件、住宅用地 1 件、開発用
地 4 件。介護施設の取得は今回が初めて。
期末の在庫物件数は 18 件(前期末比 6 件増)
、棚卸資産は 60.6 億円(同
26.6 億円増)と拡大した。このうち開発案件は、新宿区百人町のホテル、
ニセコのコンドミニアム開発、北海道のレジデンスの 3 件となっている。
保有不動産の推移
(百万円)
8,000
7,000
6,000
(件)
20
仕掛販売用不動産
販売用不動産
有形固定資産
在庫物件数(右軸)
18
16
5,000
14
4,000
12
3,000
10
2,000
8
1,000
6
0
4
12/12
13/12
14/12
15/12
(出所)決算短信、会社資料、目論見書
(注)再生案件はバリューアップが完了し売却可能となった時点で販売用不動産
としている。在庫物件数には固定資産を含まず
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15
業
績
 16/12 期業績予想
豊富な在庫物件を
背景に業績続伸見
込み
16/12 期会社業績予想は、売上高 112 億円(前期比 62.1%増)
、営業利益
9.7 億円(同 21.8%増)、経常利益 7.3 億円(同 13.2%増)、純利益 4.8 億
円(同 20.4%増)
。在庫物件は積み上がっており、商品化も概ね順調で賃料
収入も増加傾向にあることから業績続伸見込み。
増収率に比べ増益率を低くみているのは、①人員増による販管費の増加を
会社業績予想は保
守的で上振れの可
能性が高いだろう
見込んでいること(9 人程度の増員を見込んでいるもよう)、②物件の想定
売却価格を保守的にみている、③不動産投資開発事業における再生案件のう
ち、期中仕入れ期中売却に関する予想を保守的にみている、などによる。
急速な円高により景気の先行き不透明感が高まっているが、現物の不動産
投資市場に特に変調はみられず、売却価格は想定を上回って推移するとみら
れるほか、期中仕入れ期中販売も順調に進展しよう。
アセットの拡大に伴い、賃料収入も増加しよう。業務提携先の韓国の AM
会社が運営するファンドが日本の不動産を取得する際は、必ず当社が日本側
のアドバイザーを務めることになっており、14/12 期、15/12 期に続いてア
ドバイザリーフィーを計上する可能性があろう。
TIW 予想は表記のように会社予想を大きく上回ると予想した。
 17/12 期業績予想
ホテル などの 開発
案件の EXIT が業
績を牽引しよう
15/12 期決算発表と同時に 16/12 期~17/12 期の 2 ヶ年の中期経営計画が
発表された。中計における 17/12 期業績計画は、売上高 123 億円(16/12 期
会社予想比 9.7%増)、営業利益 13.6 億円(同 39.7%増)
、経常利益 11.0
億円(同 49.7%増)
、純利益 7.1 億円(同 48.1%増)
。16/12 期とは逆に増
収率は低めの計画であるのに対し、高い増益率をみている。これは現在取組
んでいるコンパクトホテルやコンドミニアムなどの開発案件の EXIT を一部
織り込んでいるためとみられる(詳細次頁)
。
今後、仕入れる物件の売却益については、保守的な想定を置いているため
上方修正の可能性が高いだろう。
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16
業
績
中計における重点施策としては、①インバウンド関連ビジネスの取組み強
インバウンド関連ビ
ジネスや関西圏に
注力する方針
化、②関西圏での事業展開の強化、③新規ビジネスモデル構築のための社外
ネットワークの連携強化、などを掲げている。
外国人観光客の急増に対し、大都市圏でのホテル不足が顕在化してきたこ
とにいち早く着目し、空ビルのコンパクトホテル(旅館業法上の簡易宿所)
へのコンバージョンで他社に先行している。第 1 号案件は、築 28 年の空ビ
ルをコンバージョンし、2015 年 1 月に開業した「ファーストキャビン築地」
(地積 320 ㎡)
。取得から開業までは 13 ヶ月だった。同年 3 月、海外投資家
に売却。オフィスからコンパクトホテルへのコンバージョンの事例が少ない
状況下で、海外投資家と取引実績を残したことにより注目された。第 2 号案
件の新宿区の「IMANO TOKYO」は昨年 11 月に開業。運営は AB アコモ(株)
に委託している。多様化するステイスタイルに対応しドミトリータイプ、POD
タイプなど様々な客室タイプをリーズナブルな価格で提供しているのに加
え、旅の情報交換の場としてコモンスペースを設けるなどし、昨年 12 月の
宿泊客のうち外国人の比率は 81.3%となっている。アジアに偏らず欧米、
豪州などから幅広く集客できている。トラックレコードを積んだうえで、
16/12 期ないし 17/12 期の売却を目指しているとみられる。
これらホテルの再生 2 案件で経験を積んだことから、ホテル開発を開始し
た。開発の第 1 号案件は、新宿区百人町で約 200 人が宿泊可能なコンパクト
ホテル。運営は(株)ナインアワーズに委託する。同社は成田や京都などで
デザイン・カプセルホテルを展開しており、外国人の間で知名度が高い。来
年早々の竣工を目指しており、業績へのインパクトは大きいとみられる。
強みを持つ北海道では、外国人の人気の高いニセコにおいてコンドミニア
ム(7 戸)の開発を予定している。今年末の竣工予定で、シンガポール現法
のネットワークを活用し、海外富裕層への分譲を目指している。
関西圏に注力する方針なのは、東京に比べ物件の利回りが高く安定的な取
引が発生していることや、インバウンド需要が旺盛なため。既に京都におい
てホテルの開発用地を取得している。
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17
業
績
損益計算書
単体
売上高
不動産投資開発
不動産コンサルティング
不動産マネジメント
売上原価
売上総利益
販管費
営業利益
不動産投資開発
不動産コンサルティング
不動産マネジメント
調整額
営業外収益
営業外費用
うち支払利息
経常利益
特別利益
特別損失
税金等調整前当期純利益
法人税等合計
当期純利益
売上総利益率(%)
売上高営業利益率(%)
12/12
13/12
14/12
15/12
1,338
1,069
192
76
1,011
327
242
84
120
71
3
▲ 110
0
6
6
78
0
0
78
36
41
2,230
1,896
145
188
1,614
616
399
217
310
57
45
▲ 196
0
35
35
182
0
0
182
78
104
3,709
3,236
197
275
2,772
936
558
378
464
78
88
▲ 253
3
86
68
295
0
0
295
118
176
6,950
6,137
171
642
5,394
1,556
756
800
839
57
283
▲ 381
6
151
128
655
0
0
655
254
400
24.4
6.3
27.6
9.7
25.2
10.2
22.4
11.5
(単位)百万円
連結
16/12
17/12
CE
E
CE
E
11,263 12,100 12,354 14,140
na 10,800
na 12,500
na
200
na
240
na
1,100
na
1,400
na 10,060
na 11,440
na
2,040
na
2,700
na
900
na
1,070
974 1,140 1,361
1,630
na
1,190
na
1,600
na
70
na
80
na
400
na
610
na ▲ 520
na ▲ 660
na
10
na
10
na
220
na
280
na
200
na
260
735
930 1,100
1,360
na
0
na
0
na
0
na
0
na
930
na
1,360
na
326
na
476
482
605
714
884
na
8.6
16.9
9.4
単体
12/12
920
320
20
555
25
239
59
1,160
179
62
720
681
259
13/12
2,302
567
1,292
398
45
239
56
2,542
1,007
737
1,086
1,049
449
14/12
5,014
1,008
596
2,806
604
254
51
5,268
3,085
2,749
1,204
1,167
977
15/12
8,343
2,106
0
6,069
168
1,632
821
9,984
1,836
1,296
5,716
5,607
2,431
有利子負債計
743
1,786
3,916
6,903
自己資本比率(%)
22.3
16.4
18.6
24.4
(出所)決算短信、有価証券報告書、目論見書、会社資料
(注)CEは会社予想、EはTIW予想。17/12期CEは中計に基づく
アナリストレポート・プラットフォーム
19.1
11.5
(単位)百万円
要約貸借対照表
流動資産
現預金
販売用不動産
仕掛販売用不動産
その他
固定資産
うち有形固定資産
資産合計
流動負債
うち有利子負債
固定負債
うち有利子負債
純資産
na
11.0
連結
16/12
CE
E
na 11,800
na
2,400
na
500
na
8,500
na
400
na
2,000
na
1,100
na 13,800
na
1,800
na
1,200
na
8,965
na
8,800
na
3,036
na
na
10,000
22.0
17/12
CE
na
na
na
na
na
na
na
na
na
na
na
na
na
E
15,100
2,600
500
11,500
500
2,300
1,400
17,400
2,000
1,300
11,481
11,200
3,920
na
na
12,500
22.5
18
(出所)㈱QUICK
上記チャート図の一部又は全部を、方法の如何を問わず、また、有償・無償に関わらず第三者に配布してはいけません。
上記チャート図に過誤等がある場合でも㈱QUICK 社及び東京証券取引所は一切責任を負いません。
上記チャート図の複製、改変、第三者への再配布を一切行ってはいけません。
2013/12
株 価 推 移
2014/12
2016/12 予
(アナリスト)
2015/12
株価(年間高値)
円
14 年 12 月上場
6,796
5,633
-
株価(年間安値)
円
14 年 12 月上場
3,303
1,151
-
月間平均出来高
百株
14 年 12 月上場
76,188
5,871
-
売
上
高
百万円
2,230
3,709
6,950
12,100
営
業
利
益
百万円
217
378
800
1,140
経
常
利
益
百万円
182
295
655
930
百万円
104
176
400
605
業 績 推 移
当 期 純 利 益
E
P
S
円
68.97
81.18
112.60
155.94
R
O
E
%
32.3
25.3
16.5
19.9
流動資産合計
百万円
2,302
5,014
8,343
-
固定資産合計
百万円
239
254
1,632
-
資
百万円
2,542
5,268
9,984
-
産
合
計
貸借対照表
流動負債合計
百万円
1,007
3,085
1,836
-
主 要 項 目
固定負債合計
百万円
1,086
1,204
5,716
-
負
百万円
2,093
4,290
7,553
-
株主資本合計
百万円
417
977
2,432
-
純 資 産 合 計
百万円
449
977
2,431
-
キャッシュフ
営業活動による CF
百万円
-859
-1,802
-1,680
-
ロー計算書
投資活動による CF
百万円
-22
-220
-1,241
-
主 要 項 目
財務活動による CF
百万円
1,129
2,462
4,019
-
現金及び現金同等
物の期末残高
百万円
567
1,007
2,102
-
債
合
計
(注)2014/12 期までは単体決算。2015 年 4 月に 1:3 の株式分割実施。過去の株価、出来高、EPS は遡及修正。
アナリストレポート・プラットフォーム
19
リ
事
関
ス
ク
分
す
業
る リ
析
に
ス ク
 事業に関するリスク

フロービジネスの不動産投資開発事業に収益が偏っており、金融機関
の不動産融資姿勢の大幅な厳格化などにより不動産の流動性が低下、
不動産価格が下落した場合、資産回転率が低下したり、物件の売却価
格が低下し業績が悪化する恐れ。

リーマンショックのように極度に資金調達環境が悪化した場合、リフ
ァイナンスが困難になる恐れ。

日銀の異次元金融緩和、その後の追加緩和を受け、足元の不動産売買
市場は過熱気味であり、物件取得競争の一段の激化により不動産を高
値掴みした場合は、棚卸資産評価損や減損リスクを抱えることになる。

連結の従業員数は 15/12 期末で 35 人と少人数であり、社長をはじめ
とする創業メンバーの人的ネットワークに依存するところが依然か
なり大きい。

急激な円高の進行、中国の一段の景気減速、日中関係の悪化などによ
りインバウンド需要が減退した場合、ホテル再生・開発事業が影響を
受ける恐れ。

民泊が急拡大し、ホテル再生・開発事業の収支に悪影響を与える恐れ。

業容が急拡大期にあり、資金需要が旺盛なため、株式市場の低迷によ
りエクイティファイナンスが困難になった場合、成長のボトルネック
となる恐れ。

大地震の発生などによる保有不動産の損壊。

顧客情報の外部漏洩による信用の低下。個人富裕層を主要顧客として
いるため個人情報の管理の重要性は高いといえよう。
アナリストレポート・プラットフォーム
20
デ ィ ス ク レ ー マ ー
1.本レポートは、株式会社東京証券取引所(以下「東証」といいます。
)が実施する「アナリストレポー
ト・プラットフォーム」を利用して作成されたものであり、東証が作成したものではありません。
2.本レポートは、本レポートの対象となる企業が、その作成費用を支払うことを約束することにより作
成されたものであり、その作成費用は、当該企業が東証に支払った金額すべてが、東証から株式会社テ
ィー・アイ・ダヴリュ(以下「レポート作成会社」といいます。
)に支払われています。
3.本レポートは、東証によるレビューや承認を受けておりません(ただし、東証が文面上から明らかに
誤りがある場合や適当でない場合にレポート作成会社に対して指摘を行うことを妨げるものではありま
せん)
。
4.レポート作成会社及び担当アナリストには、この資料に記載された企業との間に本レポートに表示さ
れる重大な利益相反以外の重大な利益相反の関係はありません。
5.本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的として作成されたもので、有価証券の
取引及びその他の取引の勧誘又は誘引を目的とするものではありません。有価証券の取引には、相場変
動その他の要因により、損失が生じるおそれがあります。また、本レポートの対象となる企業は、投資
の知識・経験、財産の状況及び投資目的が異なるすべての投資者の方々に、投資対象として、一律に適
合するとは限りません。銘柄の選択、投資判断の最終決定は、投資者ご自身の判断でなされるようにお
願いいたします。
6.本レポート作成にあたり、レポート作成会社は本レポートの対象となる企業との面会等を通じて、当
該企業より情報提供を受けておりますが、本レポートに含まれる仮説や結論は当該企業によるものでは
なく、レポート作成会社の分析及び評価によるものです。また、本レポートの内容はすべて作成時点の
ものであり、今後予告なく変更されることがあります。
7.本レポートは、レポート作成会社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、東証及
びレポート作成会社は、本レポートの記載内容が真実かつ正確であり、そのうちに重要な事項の記載が
欠けていないことやこの資料に記載された企業の発行する有価証券の価値を保証又は承認するものでは
ありません。本レポート及び本レポートに含まれる情報は、いかなる目的で使用される場合におきまし
ても、投資者の判断と責任において使用されるべきものであり、本レポート及び本レポートに含まれる
情報の使用による結果について、東証及びレポート作成会社は何ら責任を負うものではありません。
8.本レポートの著作権は、レポート作成会社に帰属しますが、レポート作成会社は、本レポートの著作
権を東証に独占的に利用許諾しております。そのため本レポートの情報について、東証の承諾を得ずに
複製、販売、使用、公表及び配布を行うことは法律で禁じられています。
<指標の説明について>
本レポートに記載の指標に関する説明は、東京証券取引所ウェブサイトに掲載されております。
参照 URL ⇒ http://www.jpx.co.jp/listing/reports/analyst-report/03.html
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