家畜保健衛生だより 平成24年度 第 15号 腐蛆病にご注意ください 腐蛆病は全国的に発生がみられており、本県でも川崎市(平成 24 年 5 月)と 鎌倉市(平成 24 年 10 月)で 11 年ぶりに発生がありました。いずれの発生も、 飼育者の蜂群に異常があるとの通報を受けて家畜保健衛生所が検査をした結果、 腐蛆病と診断されました。 春先は蜂の管理が大変な時期ですが、予防薬の投与などにより、引き続き適 切な管理を行ってください。 腐蛆病とは… 蜂児がかかる病気で、家畜伝染病予防法によって法定伝染病に指定されています。原 因菌により、アメリカ腐蛆病とヨーロッパ腐蛆病の2種類があり、それぞれ症状は次の とおりです。 ●アメリカ腐蛆病 有蓋蜂児が主に死亡。死亡した蜂児は、粘稠性で茶褐色の腐蛆となり、巣房にマッチ 棒などを差し込むと糸をひく。巣房の蓋は、やや陥没して小孔がみられる。感染が拡大 すると巣箱内で刺激臭がする。 ●ヨーロッパ腐蛆病 無蓋蜂児が主に死亡。死亡した蜂児は、透明なコイル状蜂児、乳白色で水っぽい腐蛆 となり、粘着性はない。時に酸臭がする。 予防対策と早期発見による感染拡大防止が重要です。感染予防のため には、蜂群を強く保つために適正な管理を行うことが大切です。器具の 消毒の際は消毒薬の残留に注意してください。蜂具は消毒薬で消毒し、 水洗・乾燥を行ってください。巣箱は消毒薬を使わず、水洗、火炎消毒をしてください。 アメリカ腐蛆病の予防薬としては、 「みつばち用アピテン」があります。抗生物質なの で蜂蜜に残留しないよう注意してください。用法を守り、投薬期間や休薬期間に注意し て使用し、使用の際は帳簿をつけてください。 蜂群に異常があった場合は、家畜保健衛生所までご相談ください。 神奈川県湘南家畜保健衛生所 〒259-1215 平塚市寺田縄 345 TEL:0463-58-0152 FAX:0463-58-5679 <西部出張所>(足柄上合同庁舎第 2 別館 3 階) 〒258-0021 足柄上郡開成町吉田島 2489-2 TEL:0465-83-3003 FAX:0465-82-6330
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