ビジネスニュースレター 2016 年 4 月号 日頃は「ビジネスニュースレター」をご愛読いただき、誠にありがとうございます。 今月号は、【経理業務改善のためのプロセスマネジメント】と【みなさん、“かとく”って ご存知ですか?~長時間労働対策専門の担当官の配置が全国 47 拠点に拡大されました】を テーマにとりあげています。 経理業務改善のためのプロセスマネジメント 経理業務の重要性を、再確認してみましょう。将来的な人手不足が想定される中で、継続して 経理業務を行える体制が整っていますか?間接業務であるからこそ、安定して業務が遂行される 状況が求められています。 経理は間接業務ですが、会社の重要な業務です。まず、出納業務を行い、現預金を直接扱う事 になるので、取扱に注意する必要があります。また会計業務により、試算表を作成しますが、経 営層は試算表を基に会社の業績を把握するので、意思決定の重要な判断基準となります。 一方で、経理作業者による横領などの不正や、経理作業者の能力によって試算表の信頼性が担 保できないなどの、会社としての潜在的なリスクも抱えています。 経理事務員の仕事自体は、外から見ると簡単な事務作業のように見えますが、継続的・安定的 に職務を遂行するには、属人的な部分を減らし、作業を標準化する必要があります。標準化の中 に承認フローやチェック機能を整備すれば、潜在的なリスクの低減にもつながります。 作業を標準化するためには、まず現状を把握する事が重要です。どんな業務を行っているのか 業務フローや業務記述書で“見える化”し、以下の観点で再検討を行います。 ECRS による業務改善 そして、最終的に必要な情報をしっかり と定義した上で、経理部署に適切なイン Eliminate:排除 廃止する事ができないか? Combine : 統合 同一の作業でできないか? Rearrange:交換 順序の変更をできないか? 体についても、システム(エクセル等)の進 Simplify:簡素化 作業を単純化できないか? 歩と共に進化させなければなりません。 プット情報が送られるよう、他部署との連 携整備が欠かせません。また、経理処理自 業務改善を成功に導くには、会社としてのメリットを求める事と並行して、作業者自身に メリットを感じさせる事が必要です。 会社のメリット: 業務の標準化(個人に左右されない業務遂行) リスクの低減(承認による業務内容の把握) 個人のメリット: 作業負担の軽減(ルールの明確化、不要業務の廃止) 責任感の軽減(業務範囲・承認の明確化によるもの) 上記の点を踏まえて、経理業務を見直してみる機会になれば幸いです。 みなさん、“かとく”ってご存知ですか? ~長時間労働対策専門の担当官の配置が全国47拠点に拡大されました 過重労働撲滅特別対策班、通称“かとく”。平成 27 年 4 月に発足したこの制度は、長時間労働に関 する監督指導を専門的に行う担当部門として、東京と大阪労働局に設置されました。本年 4 月からの 組織再編により、広域捜査活動を迅速に行うため、全国 47 拠点の労働局に長時間労働対策専門の担 当官が配置されることとなりました。 昨今、過重労働による健康被害の訴えやブラ ック企業などのキーワードがメディアを賑わせ ています。景気の回復とともに改善されない労 働環境を背景に、厚生労働省が新たな対策を 公表しました。 通称“かとく”と呼ばれる「過重労働撲滅特 別対策班」。制度発足当初は、東京と大阪労働局 にそれぞれ7名、6名が配置されていました。 今回の組織再編で、 「過重労働撲滅特別対策班」 は“本省かとく”として、本省の労働基準局監 督課に6名程度の班を設けることになりました。 そして、全国 47 の労働局に長時間労働に関す る監督指導等を専門に担当する、 「過重労働特別 監督監理官」(仮称)が新設され、各1名配置 されることになりました。 厚生労働省の長時間労働削減推進本部資料に よると、その職務内容は下記のとおりです。 問題業種に係る重点監督の総括 (企画・立案・実施) 月 80 時間超の残業のある事業場に対する 全数監督の総括 本社監督の総括 同資料によりますと、労働基準監督署による 監督指導の強化として下記の事項も公表されて います。 月残業 100 時間超から 80 時間超へ重点監督 対象を拡大 平成 28 年度は年間約2万事業場を対象として 自主点検を求め、月 80 時間超の残業が疑われ る全ての事業場に監督指導を実施するとされて います。 監督指導・捜査体制の強化・全国展開 前述のとおり、全国 47 の労働局に長時間労働に 関する専門の担当官が配置され、本省かとくが広 域捜査の指導調整を行うこととされました。 取引の在り方や業界慣行に踏み込んだ取組等 長時間労働の原因となり得る、 「手待ち時間の 発生」や「短納期発注」などの取引環境・条 件の改善に向けた取組を、業界や関係省庁(国 土交通省や、中小企業庁・公正取引委員会)と 連携して行うこととされました。 平成 27 年度はトラック業界で先行して取り 組みが行われ、今年度もその取り組みは継続 されます。平成 28 年度からは IT 業界が新規 取り組みの対象として公表されています。こ の2つの業界以外では、医療分野の勤務環境 の改善について、都道府県、業界団体と連携 した取り組みも行われる予定です。 (問題企業の把握分析・実施・調整・指導) みらいコンサルティンググループでは、長時間労 夜間臨検の実施・調整 働削減のための取り組み支援も含め、企業経営にお 長時間・過重労働に係る司法処理事案の ける課題解決のために、会計・税務・人事労務など 監理等 様々な専門家がチームを組んでご支援しています。 お困りごとがあれば、まずはお声掛けください。 弊社ビジネスニュースレターでは、毎号、ビジネスシーンで欠くことのできない ◆◆ ニュースレター編集委員会 ◆◆ 法制度や海外進出などの最新動向、及び対応手法などを発信しております。 大谷/松本(佑)/羽淵/矯/岡本/大塚 この内容についてのお問い合わせはこちらへ 本書がビジネスの最新情報入手のための一助になれば幸いです。 Address:[email protected]
© Copyright 2024 ExpyDoc