入学式が挙行されました。 - 島根県立松江北高等学校

本日、入学式が挙行されました。280名の新入生を迎え、松江北高校の平成28年度が
スタートです。
平成2 8 年度入学式 式辞
たとえ学びの積み重ねが、辛いものであっても、そこから逃げな
い、立ち向かう姿勢を培うのである。
坂道に、桜の花びら舞う中、2 8 0 名の新入生を迎え、ここ赤山
は、若いエネルギーで、熱を帯びております。
中身を充実させる=質、役に立たせる=実、困難に立ち向かうタ
フネス=剛健である。これが、私の定義です。校訓は、「本物の
学習者であれ。」と、めざすべき方向を示しているのです。
本日、多数の来賓ご臨席のもと、平成2 8 年度の入学式を挙行で
きますことは、教職員・在校生の大きな喜びであります。有り難う
ございます。
校訓のとおり、ここ赤山には、考えて行動する人が集っています。
前年度3 学期に新聞記事となった取組を紹介しましょう。
「個々の力を最大限に発揮し歴史を塗り替える」と宣言し、「科
保護者の皆様、お子さまのご入学、誠におめでとうございます。
心より喜び申し上げます。入場される我が子に、ちょっぴり大人び
た姿をお感じになっておられるのではないでしょうか。
それは、彼らが大いなる決意をもって高校生活に臨もうとしてい
る証拠です。
健やかに、伸びやかに、そして逞しく、と願いつつ、いよいよ我
が子が公教育最終段階を迎えたことに、保護者としての新たな決意
をお持ちのことと存じます。
ご期待にお応えすべく、教職員、2 ・3 年生は、2 8 0 名の高校
生活を、しっかり支え、成長を促して参ります。
学の甲子園」に島根県代表として出場したチームは、島根県勢とし
て過去最高全国1 9 位の成績を上げ、さらに上へと動き始めました。
日本臨床腎移植学会高校生セッションに招待されたグループは、
「偏見のない生きやすい社会を構築し、問題を解決するには他人の
立場に立って考えることが必要」と英語で2 0 分のプレゼンを行い
ました。
「グローバル課題研究」のまとめを、「興味を持ち、知ろうとす
る姿勢が大切。」と振り返ったチームがありました。
高齢者を対象とする英会話教室を企画・開催しているグループの
代表者は「参加していただいた方々が喜んでおられ、やりがいにな
った。」と語りました。
新入生の皆さん、入学おめでとう。今日から、島根県立松江北高
等学校の生徒です。平成3 1 年3 月まで、約1 0 7 0 日の高校生活
が始まります。
出会う、見る・感じること。そこから、考える、想像すること。
自ら取りに行く姿勢で学び続ける、そして行動する人たちが、ここ
には集っているのです。
歴史のお話をいたします。本校の創立は、明治9 年(1 8 7 6
新入生の皆さん、先輩に続きましょう。「そんな世界についてい
年)に創設された教員伝習校変則中学科、翌年独立した松江中学ま
けるのか、恐くて飛び込めそうもない。」今は、不安、緊張で、気
で遡ります。今年、創立1 4 0 周年を迎えます。1 4 0 年、何だか、
持ちいっぱいいっぱいでしょう。
中途半端な数字ですが、私は、大きな意義を感じています、なぜか。
大丈夫です。私たち教職員は、皆さんに対して、敬愛の心を持っ
ここに2 本の旗を掲げています。向って左は旧制の松江中学、右
て接していきます。「丁寧に柔らかく向き合おう」は、本年度の重
は新制の松江北高校の校旗です。旧制中学校の最終卒業生は6 9 期、
点目標の1 つです。2 ・3 年生も、同様な気持ちで、君たちに接し
皆さんは新制高校7 0 期生、皆さんの入学により、歴史的に、新制
てくれます。聞いてみましょう。
高校が旧制中学に追いついたのです。
「2 ・3 年生は、新入生にチャレンジを促し、最初に飛び込む人、
この1 4 0 年、松江北高は、校訓「質実剛健」、シンボルである
二本の松(双松)のもと、4 万人を超える卒業生を輩出。地域・国
ファーストペンギンとしての手本になり、時には相談相手として、
1 年生を支えていきますか? 」・・・
だから大丈夫。
内外において、行政・医療・福祉・教育・商工業等のリーダーとし
て、さらには学術・芸術・文化領域にも、第一線で活躍する人材を
世に送り出してきました。
皆さんを含め、在校生9 0 9 人は、次の7 0 年へ向う、とば口に
立つ、松江北高第3 ステージ1 期生なのです。
NHK の朝ドラ「あさが来た」の主題歌A K B 4 8 が歌う「3
6 5 日の紙飛行機」に、こんな歌詞があります。
その距離を競うより
どう飛んだかどこを飛んだのか
それが一番大切なんだ
「私たちが、新しい北高の扉を開くのだ。」と、3 年生・2 年生
さあ心のままに3 6 5 日
は自覚しています。
ここに集う、全校生徒・教職員、保護者の皆様を含めて「北高は
時代のパイオニアたれ。」と、意識してほしいと願います。
校歌3 番、「世界の人たる誇りに立たん」の歌詞のとおり、本校
どう飛ぶのか、どこを飛ぶのかは、皆さん一人一人の覚悟が決め
るのです。悩みながら、一歩ずつ前に前に進む。この過程で培われ
る知識・技能、そして重ねていく経験の先に、未来を切り拓く勇気
が、全県を牽引するリーディングスクールであることに、自負と気
・志が生まれてくる。皆さんの3 6 5 日が、高校3 年間が、私の中
概を持ちましょう。新入生の皆さん、今日から、その一員です。
で、この歌詞と重なります。
ところで、「質実剛健」とは、どういう意味なのか。辞書には、
皆さんの笑顔やひたむきに学ぶ姿が、行動が、家庭や、学校を、
質実とは、中身が充実していて飾り気がないこと。剛健は、心や体
そして地域・社会・世界を、明るく元気にし、周囲の人々に、勇気
が強くたくましいこととあります。なるほどと、納得できます。で
と希望を与えるのです。皆さんが、活力あふれる高校生活を送って
は、この言葉から思い浮かぶ、この言葉が理想として求めている北
くれることを祈念して、入学式の式辞といたします。
高生の姿とは何か。私の解釈は、こうです。
たゆまぬ勉学により知識を増やすことだけで終わるのは本物の学
びではない。獲得した知識を使うこと、知識を役立てる、他者・社
会の幸せにつなげることこそが本物の学びである。
平成二十八年四月九日
島根県立松江北高等学校
校長
泉雄二郎