海外調査報告(イタリア)

資料1-2
海外調査報告
(イタリア)
平成28年4月15日
経済状況
○ リーマン・ショックを機に、2009年には経済が大幅に悪化。また、欧州債務危機の影響により、2012年から
2014年まで再びマイナス成長となった。足元の2015年にようやくプラス成長に回復。
○ 失業率は2014年まで一貫して上昇を続け、足元でも12%と高水準となっている。
(%) 14.0
12.0
リーマン・ショック
(2008年9月)
失業率:12.2%
(2015年)
10.0
ギリシャ危機
(2009年10月)
10年物国債金利:1.7%
(2015年)
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
▲ 2.0
実質GDP成長率:0.8%
(2015年)
▲ 4.0
▲ 6.0
2001
1
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015 (暦年)
1998.10~
2000.4
2000.4~
2001.6
2001.6 ~ 2006.5
2006.5 ~2008.5
2008.5~2011.11
2011.11~
2013.4
2013.4~
2014.2
2014.2~
ダレマ
アマート
ベルルスコーニ
プロディ
ベルルスコーニ
モンティ
レッタ
レンツィ
オリーブの木
オリーブ
の木
フォルツァ・イタリア
ル二オーネ
自由の人民、
北部同盟
実務家
内閣
民主党、
新中道右派、
無所属 等
民主党、
新中道右派、
無所属 等
(出典)IMF「World Economic Outlook」。但し、10年物国債金利についてOECD「Economic Outlook 98」。
財政状況
○ リーマン・ショック後に財政収支は大幅に悪化したが、財政健全化に取り組み、EU・IMF等からの支援を受け
ることなく危機を乗り切った。マイナス成長等の影響により2012年以降の収支改善のペースは緩やか。
○ 債務残高は高水準ながらもPBは黒字化しており、財政収支もEUの基準である▲3%以内を維持。
(%) 6.0
150 (%)
実質GDP成長率
(左軸)
4.0
104.7
2.0
リーマン・ショック
(2008年9月)
ギリシャ危機
(2009年10月)
112.5
101.9
100.4
100.0
101.9
102.5
102.3
99.7
116.4
115.3
123.1
128.5
132.1
133.1
120
PB対GDP比は
黒字化
90
0.0
60
PB対GDP比
(左軸)
▲ 2.0
▲ 4.0
財政収支対GDP比
(左軸)
▲ 6.0
2001
2002
2003
2004
一般政府ベースで
財政収支対GDP比
▲3%以内まで改善
債務残高
対GDP比
(右軸)
2012
2014
30
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2013
2015
(暦年)
1998.10~
2000.4
2000.4~
2001.6
2001.6 ~ 2006.5
2006.5 ~2008.5
2008.5~2011.11
2011.11~
2013.4
2013.4~
2014.2
2014.2~
ダレマ
アマート
ベルルスコーニ
プロディ
ベルルスコーニ
モンティ
レッタ
レンツィ
オリーブの木
オリーブ
の木
フォルツァ・イタリア
ル二オーネ
自由の人民、
北部同盟
実務家
内閣
民主党、
新中道右派、
無所属 等
民主党、
新中道右派、
無所属 等
(出典)IMF「World Economic Outlook」
2
金融危機後の経済・財政面における対応
金融危機後の対応
○ リーマン・ショックを契機とした経済金融危機に対応する中で、財政状況は大きく悪化。加えて、欧州債務危
機の影響により国債金利が上昇し、2011年11月には7%を超える水準となった。
○ このような状況の中、ベルルスコーニ政権では、2011年の7月及び9月に財政健全化策を策定したが、混乱
は収束せず辞任に追い込まれた。
○ その後のモンティ政権も2011年12月に追加の財政健全化策を策定したほか、翌年4月には憲法改正を実
施。2012年には財政収支赤字対GDP比▲3%以内を達成したが、緊縮財政や構造改革への批判も大きく、
2012年末に辞任を表明。
○ 2014年に発足したレンツィ政権では、低成長を克服するため各種の減税策を含む成長戦略を掲げつつも、
EUの財政規律は守るとしており、経済成長と財政健全化の両立に取り組んでいる。
イタリアが抱える課題
○ 2012年以降、10%を超える失業率が継続している 140
ほか、ユニットレイバーコストが高止まりしている。 130
○ 債務残高対GDP比は高水準かつ増加しており、
利払費が歳出の圧迫要因となっている(2016年
では利払費は対GDP比4%程度)。
(見通し)
(2000年=100)
150
イタリア
フランス
ドイツ
ユーロ圏
ギリシャ
スペイン
イタリア
120
110
100
90
00
3
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
(出所) 欧州委員会「Annual Macro-Economic Databases」をもとに作成。名目の値。
15
16
17
財政運営を規律するルール
○ 2012年に憲法改正を行い、原則として財政収支均衡を義務づけたほか、財源確保義務制度の厳格化を図
り、財政規律の強化を行った。
○ 財政健全化目標としては、景気循環の影響を考慮した構造的財政収支の均衡を目標と定めている。
○ 憲法(2012年4月改正、2014年より適用)
 「行政は、欧州連合の法規と一致するよう、予算の均衡及び公的債務の持続可能性を保障する」と規定。
※ EUの財政協定の策定(2012年3月)を踏まえ、同協定の発効前に憲法を改正。
○ 均衡予算原則の適用に関する法律(2012年12月)
 憲法を受けて、均衡予算の判定には構造的財政収支を用いる旨を規定。
※ 具体的な目標年次は安定化プログラムにて規定。「改訂版安定化プログラム2015」では2018年が目標年次。
※ 構造的財政収支とは、財政赤字から景気循環要因、一時的要因を取り除いたもの。
○ 財源確保義務制度(オブリコ・コペルツーラの原則)
 1948年の憲法制定時から導入されている原則。下記のとおり、累次の厳格化が図られてきた。
1948年(憲法制定時)
「新たな支出又は支出の増加を伴う予算以外のすべての法律は、そのための財源が示さ
れなければならない」との財源確保義務制度を規定。
1993年(国会細則で強化)
国会細則の中で、「財源増の無い議員の歳出増要求は認められない」旨を規定。
2012年(憲法改正で強化)
[2014年から適用]
「新たな負担又は負担の増加を伴うすべての法律は、その財源について措置する」と改正
され、本原則の予算への適用、文言の厳格化が図られた。
4
財政健全化に向けた取組
○ 危機に陥ったイタリアでは、2011年後半に、計3回にわたる大規模な財政健全化策を策定した。この結果、
市場の信認が維持され、GIIPS諸国で唯一、公的支援を受けずに危機を乗り切ることができた。
財政健全化策(ベルルスコーニ政権)
(億ユーロ)
○ 2011年7月と9月に、2014年までの4年間で総額 1,452億ユーロの健全化策を策定。
<歳出面>
・
・
・
・
年金費用抑制(退職後年金を受け取るまでの期間に待機期間を設定等) (▲79億ユーロ)
医療費抑制(医療サービス、薬剤、処方箋料等について削減目標を設定) (▲75億ユーロ)
公務員人件費削減(国家公務員の新規採用停止等) (▲12億ユーロ)
各省庁予算の抑制 (▲180億ユーロ)
<各年の財政健全化の見込額>
600
500
400
189
210
歳
出
抑
制
策
2013
2014
354
300
200
<歳入面>
207
100
・ 付加価値税率の引上げ(20→21%) (+134億ユーロ) ・ 印紙税率の引上げ (+84億ユーロ)
・ 電力・ガス会社等への法人所得税付加税の賦課 (+36億ユーロ)
イタリア救国の緊急政令(モンティ政権)
388
歳
入
増
加
策
26
2
2011
0
76
2012
<各年の財政健全化の見込額>
(億ユーロ)
500
○ 発足後すぐの2011年12月に、歳出改革・歳入改革・成長促進の3つの柱からなる
緊急政令(2014年までの3年間)を策定。3年間で1,035億ユーロ規模の健全化を行い、
うち405億ユーロ分を経済成長策に充てる(健全化寄与分は630億ユーロ)とされた。 400
<歳出面>
・ 大規模な年金改革 【後掲】
・ 地方自治体への交付金削減
300
<歳入面>
・ (必要に応じ)付加価値税率の2%増税(21%→22%→23%)
・ 主たる持ち家に対する不動産税の復活 ・ 物品税(燃料税)の改定
※ ただし、22%から23%の増税は現在まで実施されていない
200
5
268
266
100
<成長促進>
・ ビジネス環境の改善(法人所得税に関する控除、州事業税改正による負担軽減)
・ インフラ投資の強化(地域公共交通機関整備)
歳
入
増
加
策
118
0
54
2012
20122012
80
135
2013
20132013
歳
出
抑
制
策
265
102
財
政
健
全
化
寄
与
分
153
2014
20142014
(
歳
経出
済増
成・
長歳
策入
減
)
社会保障改革の取組(年金)
○ 特にモンティ政権における年金改革は年金制度の長期的な持続可能性を高めたと評価されている。
2011年の年金改革(フォルネーロ改革)
① 支給開始年齢を2018年までに66歳、2021年までに67歳以上に引上げ。
② 2013年以降、過去3年間の平均寿命(65歳時平均余命)の伸びを勘案し、支給開始年齢を自動的に引き
上げる制度を導入。
③ 2012年以降の保険料納付分について、すべて拠出方式(納付した保険料額を受給額の算定基礎とする方式)に
統一。これにより、長期間就労するインセンティブを付与。
④ 2012年及び2013年において、一定額を超える年金受給者に対して、年金受給額の増額を凍結。
支給開始年齢の自動的な引上げ(3年ごとに見直し。2019年以降は2年ごと。)には、国会の議決や大臣の署名は不要
とされている。これは、1995年の改革で年金支給額を10年毎に見直すとしていたが、見直しには関係省庁・関係団体と
協議の上、大臣の署名が必要とされていたことから、政治的な折り合いがつかず2005年に引上げができなかったという
反省を踏まえたもの。支給開始年齢を粛々と引き上げることができるとの仕組みは、EUからも高く評価されている。
(経済財政省ヒアリング)
年金分野での将来の見通し及び対策
(%)
<公的年金支出対GDP比の推移>
17.0
○ 公的年金支出対GDP比は約16%(2015年)から13.7%
(2060年)に減少すると推計されている(右図参照)。
16.0
15.5%
15.0
○ 他方で、年金保険料率は33%と非常に高いと
認識されているが、財政健全化の必要性から、現状
ではこれを下げることはできないと考えられている。
15.0%
14.0
13.7%
13.0
12.0
2010
2020 2025
2015
2035
2030
2040
2050
2045
(出典)イタリア経済財政省「改訂版安定化プログラム2015(2015年9月)」
2055
2060
6
財政健全化に向けた取組の評価
○ 一連の改革努力により、2012年には、財政収支対GDP比▲3%を達成したほか、PB対GDP比は2%程度の黒
字に改善、国債金利も4%半ばまで低下。一方で経済はマイナス成長に陥った。
○ 緊縮財政への国民の批判は強かったが、その当時としてはやらざるを得なかった改革を行ったと評価。
<イタリア中銀年次報告書における評価>
○ 危機前はPB対象経費は、平均して名目で年率4%、実質で年率
2%ずつ増加。
○ 危機後の5年間は、PB対象経費は平均して名目で0.4%、実質で
▲0.5%の伸びに抑制、危機前と比較してかなりの歳出抑制。
(出典)イタリア中銀年次報告書2014 (2015年5月)
(%)
<PB対象経費の推移>
PB対象経費の伸び率(実質)
(%)
○ モンティ首相は、外国報道機関との会見で、
「この緊縮財政策がなければ、ギリシャと同様
の事態に突入し破綻していたかもしれない」と
し、緊縮措置を打ち出さなければ破滅的な状況
に陥っていた可能性があるとの考えを示した。
緊縮財政策の実施により経済成長が圧迫さ
れるかもしれないが、市場の信頼が回復するこ
とで、成長下押しの影響は相殺されるとの見方
を示した。
(ロイター紙(2011年12月5日))
PB対象経費の伸び率(名目)
○ ソブリン債の危機の状態では、緊縮的な政策
は必要不可欠であり、やらざるを得なかった。
市場の信用回復のためには仕方がないことと
思う。その後、世界的な状況は変わってきてお
り、経済の好循環が必要となっているため、ガ
チガチの緊縮策を採るべきではない。
(イタリア中銀ヒアリング)
7
経済成長に向けた取組(レンツィ政権)
○ 2012年以降マイナス成長が続き、経済成長と財政健全化の両立の必要性が再認識されるようになった。
○ 現レンツィ政権では、減税等による経済成長を重視する方針が採られており、財政健全化の目標期限を後
ろ倒ししている一方で、EUの財政規律を守るとしており、財政健全化や構造改革にも取り組んでいる。
経済成長策
○ 正規雇用した企業に対する社会保険料の免除
(2015年中の採用の場合:36ヶ月間免除、2016年中の採用の場合:24ヶ月間40%を免除)
○ 個人所得税の減税(2015年)、一軒目の持ち家に対する不動産税の廃止(2016年)、法人所得税率を27.5%
から24%に引き下げ(2017年予定)
○ 学校・教育改革に必要な財源措置(特例的に教職員を増加、教職員のスキル向上及び実力による評価 等)
○ 戦略的インフラ投資の促進(公共事業の着工促進、高エネルギー効率建築への建替促進 等)
※ レンツィ政権発足以降、財政健全化の目標達成期限は2015年から2018年まで後ろ倒し。
構造改革
○ 労働市場改革法(Jobs Act)が成立し(2014年12月)、解雇規制を緩和。これにより、OECDによれば、今後5年
以内で成長率が0.7%上昇する見込み。
○ 構造改革に不可欠な立法措置の迅速化にも取り組んでいる。憲法改正により、完全に対等な上院・下院の
権限を見直す(2016年10月に国民投票を実施)ほか、選挙法改正により、安定政権を樹立できる環境を整備。
○ 司法制度改革により、民事裁判の長期化に伴う企業への悪影響を排除。
8
財政健全化に向けた取組(レンツィ政権)
○ 減税措置等の財源を確保する観点から、既存の歳出の効率性を評価し、評価結果を翌年度の予算編成に
反映する、スペンディングレビューを活用。
○ 財政健全化が予想どおりに進まなかった場合に備えて、予算安定化法に付加価値税率引上げのセーフ
ティー条項が設けられている。
スペンディングレビュー
○ 2013年に首相府直属のスペンディングレビュー委員が1名常設され、その委員の下に、各省担当者や外部
有識者等のメンバーによる、分野別の25のワーキンググループを設置。
<取組の例> 調達の中央化と調達部門の大幅削減(約30,000箇所を約50箇所に削減)
○ スペンディングレビューに基づく、各年の健全化の見込み額は下記のとおり。
各年の健全化の規模(合計額)
(億ユーロ)
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
36.1
180.0
250.3
276.5
286.8
(出典)イタリア経済財政省
セーフティー条項
○ 予算安定化法において、 構造的財政収支の均衡という目標達成に向けて、予定された財政健全化が達成
できなかった場合に付加価値税率を引き上げる「セーフティー条項」が盛り込まれている。
○ これにより、2017年において予定された健全化が達成できないと見込まれる場合、2017年より付加価値税
率は22%から24%(軽減税率:10%から13%)に引き上げられる。
9
経済財政状況の見通しと実績
○ リーマン・ショック後から2012年にかけてと、現政権における財政運営の方針の違いが明確に現れている。
○ 一方、成長率については、これまでのところ実績が見通しを下回り続けている。
経済・財政の見通しと実績
【財政収支対GDP比】
(%)
0.0
▲ 1.0
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
▲ 2.0
▲ 3.0
▲ 4.0
実績(見込み)
安定化プログラム2010
安定化プログラム2013
▲ 5.0
▲ 6.0
【実質GDP成長率】
(%)
4.0
2.0
0.0
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
▲ 2.0
▲ 4.0
▲ 6.0
実績(見込み)
安定化プログラム2010
安定化プログラム2013
(出典)安定化プログラム2010(2010年1月)、安定化プログラム2013(2013年4月)。
10
今後の経済・財政に関する見通しと当面の財政課題
○ 経済成長と財政健全化を両立させるためには、減税等の措置とあわせて、構造改革やスペンディングレ
ビューによる歳出削減を行い、成果を上げる必要がある。
○ 高い債務残高対GDP比を安定的に引き下げるためには、更なる財政健全化が必要。
今後の経済・財政に関する見通し
○ 最新の改訂版安定化プログラム2015(2015年9月)によれば、
2018年には構造的財政収支均衡という現在の財政健全化目標を
達成する見通しが示されているほか、債務残高対GDP比も2015年
以降安定的に低下が始まるとされている。
この間、実質GDP成長率も1%台半ばの水準が維持される見通し。
(%)
(%)
2.0
実質GDP成長率
(左軸)
1.5
130.0
構造的財政収支
対GDP比(左軸)
1.0
0.5
0.0
135.0
債務残高
対GDP比
(右軸)
125.0
120.0
115.0
▲ 0.5
▲ 1.0
110.0
2015
2016
2017
2018
2019
当面の課題
○ EUは、2015年以降の経済予測は妥当ではあるが、全ての構造改革が完全に実施されることが前提であ
り、達成に向けては困難が伴うと指摘している。また、EUの財政規律との関係上、減税等の措置とスペンディ
ングレビューによる歳出改革の両立も課題。
○ 債務残高が高く、毎年の利払費は対GDP比4%程度に達している。 2015年のPB対GDP比は1.3%の黒字と
なっているが、債務残高対GDP比を安定的に引き下げるためには、更なる財政健全化を進めることが必要。
○ レンツィ政権の支持率は低下が続いており、就任当時の70%程度から現在では30%台にまで低下してい
る。こうした中で、経済再生と財政健全化の両立を図る必要があり、厳しい政権運営が続くと考えられる。
11
ポイント
○ 欧州債務危機後、市場からの信認を維持するため、2011年にベルルスコーニ政権
及びモンティ政権において3度の大規模な財政健全化策を策定。その結果、債務残高
は高水準ながらもPBは黒字化し、財政収支もEUの基準である▲3%以内を維持して
いる。
○ 現在のレンツィ政権では、経済成長と財政健全化の両立を目指している。低成長を
克服するため各種の減税策を含む成長戦略を表明している一方で、EUの財政規律
を守るとしており、財源確保のため、従来のスペンディングレビューの取組を強化する
など歳出改革にも取り組んでいる。こうした取組に加えて、労働市場改革、議会・選挙
制度改革、司法制度改革などの構造改革も進めている。
○ モンティ政権における改革により、年金支給開始年齢が人口動態(平均余命)と連
動する仕組みが導入され、長期的な制度の持続性の確保と財政安定化に貢献してい
る。また、ルールに沿って3年ごとに粛々と見直しを行うとの改革内容は高く評価され
ている。
12