「これからの本県水産・海洋教育の在り方について」(PDF

平成27年度
第2回宮崎県産業教育審議会・第3回専門委員会合同会
議事の概要
1
日
時
平成28年3月22日(火)午後3時15分から午後4時30分まで
2
場
所
宮崎県立宮崎海洋高等学校 視聴覚室
3
出 席 者
【審 議 委 員】
穴 見 史 江
一般財団法人 みやざき公園協会 総務管理室 執行役員
宇戸田 定 信
宮崎県漁業協同組合連合会
大 森 伸 昭
株式会社 大森淡水 代表取締役社長
仙 臺 真 理
宮崎高砂工業 株式会社 代表取締役社長
髙 須 清 光
株式会社 タカスイ 代表取締役社長
田 北 賀 也
八興運輸 株式会社 相談役
竹 井 友 子
日南市漁協女性部加工グループ 代表
長 池 國 裕
一般財団法人 みやぎん経済研究所 常務理事
柳 本 明 子
株式会社 ウェブサイト 代表取締役社長
赤 嶺 そのみ
宮崎県農政水産部 漁村振興課 計画担当主幹
吉 田 郷 志
宮崎県立宮崎海洋高等学校
代表理事会長
校長
【専 門 委 員】
小 宮 敏 文
ヤンマー株式会社 九州販売部 日南営業所 所長
田 中 宏 明
宮崎県立高等水産研修所 所長
濱 田
有限会社 浜田水産 代表
勉
日 髙 啓 行
有限会社 丸哲 専務取締役
田 平 裕 三
宮崎海洋高校 教頭
井 上 芳 信
宮崎海洋高校 教諭
作 本 克 亮
宮崎海洋高校 教諭
汐 口 貴 広
宮崎海洋高校 教諭
竹 森 信 哉
宮崎海洋高校 教諭
馬 渡 和 尚
宮崎海洋高校 教諭
※欠席者 【専門委員】幡手英雄 委員長(宮崎大学農学部 海洋生物環境学科 教授)
東
修 委員(有限会社
東水産 代表取締役)
○県教育委員会事務局
教育次長(政策)、学校政策課長、課長補佐(政策)、高校教育担当主幹、産業教育担当主幹、産業教育
担当指導主事
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1 開会行事
2 教育委員会あいさつ
3 審議会委員・専門委員及び事務局職員紹介
4 議事
(1)専門委員会の経緯概要について
会長
〇本日は、限られた時間ではあるが、活発な議論とスムーズな議事の進行に御協力い
ただきたい。はじめに、第2回専門委員会の経過概要について専門委員会の副委員
長から御説明をお願いしたい。
副委員長
〇調査審議事項の報告(別冊資料より)
・P2「①小・中学校、高校における魚食「食育(=魚を食べる)」の実態
県内19の漁協から電話による聞き取り調査を行い、約半数の漁協において魚の
消費・普及活動が行われており、そのほとんどが継続的に取り組まれていた。学校
種別では、小学校で多く実施されており、かつおを使った活動が多く見られた。
・P3「5年~10年先の生徒数の予測及び学科関心の実態」
平成26年度に実施した学校基本調査の生徒数の推移をグラフに示している。中
学校の卒業生は平成元年が2万人、平成10年が1万6千人、平成20年が1万2
千人と減少しており、現中学校2年生から生徒数が右肩下がりとなり、小学校4年
生から一旦持ち直すが、再び減少していくことが分かっている。
また、進路に関するアンケート結果では、県立高校の募集定員全体に対する水産
の割合は、全体の1.6%(120名)であり、平成27年度の中学3年生の数は
約1万人となっているが、そのうちの約8割(約 8,800 名)が県立高校希望となっ
ている。そのうち、平成26年に3年生となる生徒の水産希望の割合が全体の0.
9%(80名)であり、調査時段階では定員に対して未充足(現高校1年生)とな
っている。ただし、平成21年、17年が0.8%であったとしても、実際の入学
生は定員を十分に満たしているのが実態である。
地区別の希望状況を見ると、海洋高校が宮崎市内にあるということもあり、宮崎
地区からの進学希望者が1.8%と最も多くなっている。
・P4~P6「③-1 女子生徒の進路先の現状」
平成25年度の専門の学びを活かした進路先は17.6%であったが、平成26
年度は35.0%、平成27年度66.7%と伸びている。一概には言えないが、
女子生徒の多い食品系においても平成26年度から乗船実習を取り入れており、こ
れらのことも専門の学びを活かした進路先が増加している要因とも考えられる。
・P7「④外国人雇用の実態」
県漁連からの提供資料であるが、本県漁船における外国人雇用数は、日本人20
4人に対してインドネシア人も204人と同数である。
外国人技能実習生受入状況も掲載しているので参考にしていただきたい。
・P8「⑤コミュニケーション能力向上のための英語科の取組」
本校は、英語の授業を1年と3年に設置している。授業以外の取組として、AL
Tが毎週木曜日に出勤してくるが、英語を楽しむためにALTと英語科教諭とのイ
ングリッシュランチを実施し、そこに生徒も迎え入れている。さらに、英語弁論大
会・英語によるプレゼンテーションコンテストにもここ2年出場している。
・P9~10は、第1回及び第2回の専門委員会で出された主な意見であるが、それ
らをまとめたものが、最後のページのフロー図である。これについては、後ほど事
務局から説明がある。以上が、専門委員会の経過概要についての報告である。
会長
〇只今の御報告について、御質問・御意見等がございましたらお願いしたい。
委員
○女子生徒の進路先の現状が出ているが、男子生徒の進路状況はないのか。
副委員長
〇審議会のほうで、女子生徒の進路先についての質問があったために、それに特化し
た形で調査したものである。
事務局
○今の件でよろしいか。男女含めた資料については、第1回審議会資料の12ページ
に掲載してあるため、そちらを参考にしていただきたい。
委員
○この後の、審議の進め方について質問させていただきたい。今、これまでの説明を
していただいたが、前回120分の審議会の中で110分余りの説明があり、残り
10分くらいで何か質問はないかと言われた。今回についても同じように進めて
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いくのか。
会長
〇これについては、審議会及び専門委員会の運営に係ることであることから、事務局
の方から基本的な考え方について御説明いただきたい。
事務局
○前回の第1回は、審議委員の皆様が初対面であり、まずは海洋高校や本県水産業の
現状、水産・海洋教育の現状について把握していただく必要があることから、説明
が中心となった。また、意見集約については、最初から視点に沿った形の意見は出
しにくいであろうと判断し、審議の視点ではなく、委員の皆様の自由なお考えを伺
いたいということで第1回は会議を進めさせていただいた。今回についても、事務
局の方から審議員の方に事前に資料の配付等を行い、内容をある程度御理解いただ
いた状況で出席していただければ良かったが、今回の御指摘を次回に生かしていき
たい。
委員
○批判ではなく、全員が熱心に海洋高校を応援したいという気持ちで出席していると
思うので、審議を活発にするためにどのような進め方が望ましいのだろうか。
会長
○それについては、私の方から申し上げるが、事務局の基本的な考え方に基づいて議
事を進めている。これから、事務局から説明してもらう審議の視点は、これまでの
審議会や専門委員会から出していただいた意見を区分けしたものである。その大き
な区分けに基づいて議事を進めていきたい。本会の進め方については、委員御指摘
のとおり、視点①、②、③から立ち上げて、その上での個別の対応という流れの方
が良かったのかもしれないが、御容赦いただきたい。それでは、事務局の方から審
議の視点について御説明いただき、その上で皆様から御意見を伺いたい。
事務局
○別冊資料の基礎資料説明
別冊資料の最後の折り込み資料と、同じく別冊資料の9ページ10ページを一緒に
見ながら説明をさせていただく。9、10ページについては、第1回及び第2回専
門委員会から出された意見であるが、10ページの第2回専門委員会の資料で説明
をさせていただく。10ページの一番上の○印、
「水産加工業界にも外国人がいるた
め、語学力が必要である。
」という意見については、折り込み資料の視点①の⑫番に
落とし込んでいる。
続いて、別冊資料10ページの□印の一番上には、
「食の6次産業化プロデューサ
ー」の人材育成が挙がってきているが、これは視点②の㉗番に落とし込んでいる。
このように見ていただき、まだ意見が薄い部分の意見をお願いしたい。
会長
○ただいまの事務局の説明で御理解いただけるか。視点①・②・③それぞれに分けて
意見を賜りたいと思っていたが、どこからでも結構である。御意見をお願いしたい。
委員
○先ほど女子生徒の進路について御説明いただいたが、女子生徒の多い食品系のクラ
スも乗船実習を行うことで、自分たちが求められる人材であることを認識し、それ
が専門性を生かした就職につながっているように感じた。また、社会の情勢やグロ
ーバル化などとなっているが、人口減や少子化、高齢化など、若い人たちがどれだ
け社会に求められているのか認識することと、職業観を実感できる様なカリキュラ
ムがあると良いと感じる。学校だけでなく、現場の力を活用することなども今後は
ポイントになっていくと思う。OB・OGの声を集めて、教育に反映できる様な取
組も必要かと思う。
会長
○経済同友会の中の下部組織である社会教育委員会で数年前からキャリア教育に取り
組んでいるが、委員は複数の企業経営者が務め、先日も海洋高校の卒業式に社会教
育委員長などが出席させていただいた。その中で、卒業生の進路を見ると、ここで
議論されている内容が自然と浮き彫りになる様なところもある。県内就職率が低か
ったり、専門性を生かしきれていない部分もある。そこで、経済同友会の委員の中
で意見が出たのは、携わる先生方の持ってらっしゃるメニューの広さ・狭さが影響
する部分もあり、このような審議会で議論されている部分の理想型とのギャップが
生じているのではないかといった意見もあった。
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委員
○進洋丸や学校の実習施設を見せていただいたが、あまりにも施設が古いと感じた。
この施設・設備で生徒に何を身に付けさせたいのかを考える必要がある。代船建造
の話も上がってきているが、11年経過しているにも関わらず、船体はきれいだが、
漁業者として知識を身に付けさせるのであれば現在搭載している機器では古い。
また、新しい知識を先生方に身に付けて、それを生徒達に伝えていく事が必要。
○小型船舶の免許についても資格は持っているが、細かいところまで知っているかが
疑問である。最新鋭の漁業にしても、フード食にしても全国的にも世界的にも素晴
らしい技術をもったところがどのような事をやっているかを先生方が勉強していた
だき、生徒に伝えてほしい。生徒は夢を持たせないと興味を示さない。
○昨日まで香港に行っていたが、魚の流通は難しいところがあり、ニーズに対応する
ために食品加工も必要であるが、グローバルに対応するためには施設が必要である。
○環境基準に対応したエンジンの操作方法なども必要である。しかし、学校に展示し
てあるエンジンは古すぎる。最新鋭の技術に子どもたちを触れさせる必要があるが、
まずは、先生達にもしっかりと勉強していただくことが大事であると考える。
会長
○進洋丸については、設計やプランニングを行ってもすぐに陳腐化するが、だからこ
そ最新のものを学校側が仕入れていくという重要性を、現場からの視点として委員
に述べていただいたというふうに受け止めさせていただきたい。
委員
○現在、社会的に船員が不足している中で、新しい航海技術等を学習する必要がある
が、予算の範囲内で実施するため全てができることではない。そこで、インターン
シップで今現在運航している船に乗り、生徒だけでなく先生方も最新鋭の船に乗る
ことが効果的であり、そのような取組をしても良いと思う。インターンシップに臨
む生徒の姿勢は非常に前向きである。
会長
○水産分野については、私もキャリア教育の一貫で数年前から海洋高校に関わらせて
いただいているが、先生方から事前に生徒さんの評価をお聞きするよりかは、活発
に議論に加わるなど、生徒の可能性は無限大であると私も考えている。
委員
○株式会社宮崎県という考え方で、ベクトルを合わせる必要があると考えている。縦
割りではなく、行政も産業界もつながっていると良いと思っている。
○「地域のために頑張る」と生徒に意識させるためには、先生方を含め、大枠の課題
を持っておくことが必要である。
○先生方が、産業界の悩みや夢を理解し生徒に話をすることで夢を持たせることがで
きると考える。
委員
○3つの視点は間違いのない方向性だと思うが、ここで議論されていることは、いか
に魅力ある宮崎海洋高校をつくるかということであり、誰に対して魅力あるものか
と言ったときに、生徒と業界に対してだと思っている。ここで議論している事は現
場からの要望である。現場からのニーズが難しいならキャリア教育をあてるなど、
これらは手法の問題である。
○本日、進洋丸や学校施設を見させていただいたことで、どのような状況なのか委員
の方の認識レベルが近づいたと思う。これらの現場からのニーズなどをまとめても
らえると、もっと分かりやすくなると思う。
会長
○今の委員からの御意見については、事務局でまとめてもらいたい。
委員
○宮崎海洋高校に校名が変わって弊社に9名入社している。特徴として、素晴らしい
人物で、5名は役職についている。若いながら頑張ってもらっている。これは、先
生方の指導力によるものではないかと思っている。離職率も低く、他校と比較して
も海洋高校の生徒が良いと思っている。
委員
○今年6月にヤンマーの尼崎工場見学に来ていただくが、これまでも宮崎海洋高校の
生徒の評価は高く、挨拶等もできて一番素晴らしいと伺っている。
委員
○「宮崎ならでは」の視点が入っているが、海洋高校の就職先は県外が多いようであ
る。今後は県内にもっと目を向けさせる方向で考えていくのか、あるいはこれまで
の県外の就職先との繋がりを大事にしていくのかお聞かせいただきたい。
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事務局
○県全体では3000名くらいの高校3年生が就職している。求人受付開始は7月か
らであるが、県外求人は7月、8月時点で7、8割程度は来ており、県内は少ない。
そのため、生徒は県内求人を待てないこともある。県内高卒求人は3000人ほど
あるが、実際には1500人程度しか県内就職していない。
○県外企業と競うためには、県内企業においても7月の時点で求人票を出していただ
くことが大事であると思っている。
○また、県内就職率を高めるためには、県内企業も学校と連携していただき企業の魅
力を発信していただくとともに、学校側は企業の新しい技術に触れさせるような取
組を考えていくことが必要だと考えている。
委員
○専門の学習をしている生徒は貴重である。先生方に地元企業を知ってもらう必要が
あると思う。
○企業が求めている人材と先生方の間には差があると感じている。先生方が現場の状
況を追い求めていくことも必要である。
○グローバル化については、経済が縮小していく中で、一人で複数のことができる人
材育成も必要だと感じている。
会長
○記憶が正確ではないが、海洋高校の今年度の卒業生が108名だったと思うが、7
6名が県外就職、23名が県内就職、9名が進学だったと思う。県内就職などを考
えるとギャップを感じる。
○人口減少の傾向の中でこのような課題に向かっていかなければならない。明らかに
生産年齢人口がどの分野でも下がっており、2060年頃は農業は10分の1程度
に就農人口が減るとの見通しがある。現在の生産額を維持するためにはどの分野で
もICT等を駆使した対応も想定されるので、本審議会については意義深いもので
あると感じている。
(2)その他 今後の審議日程について
会長
〇それでは、今後の審議日程について事務局から説明をお願いしたい。
事務局
〇今後の審議日程についてであるが、次回は4月下旬に第4回専門委員会を計画して
いる。審議会については、平成28年9月中旬に第3回、平成29年1月中旬に第
4回の審議会を計画しているが、審議の進行状況によっては、日程が変更になる場
合もあるため、その場合には御了承いただきたい。
〇なお、先ほど審議会の在り方について御質問があったが、これまで第2回の審議会
までは様々な視点、様々な角度から多くの意見をいただくことが目的であり、第3
回、第4回の部分はしっかりと整理して、そこから御意見を出しやすい様な形にし
ていきたい。そのために、委員の皆様に事前に資料を配付させていただき、説明を
簡潔にするなど工夫をしていきたい。
会長
〇以上を持って審議の全てを終了させていただく。
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6
閉会行事
教育委員会あいさつ
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