1 仕 様 書 1. 業務名 平成 28 年度 上級者臨床研究コーディネーター

仕
様
書
1. 業務名
平成 28 年度
上級者臨床研究コーディネーター養成研修業務
2. 目的
臨床研究・治験実施医療機関において、臨床研究・治験を一層推進し、医療機
関における適正な臨床研究・治験の実施に寄与することを目的として、臨床研究
コーディネーター(以下「CRC」という。)としての十分な経験があり、現在も
医療機関内で治験等の実施体制の中心的な役割を果たしている者、及び医療機関
内外の研修会等でCRCの指導的立場にある者を対象として、リーダーシップが
とれる上級者CRCを育成するための研修を実施する。
3. 請負期間
契約締結日~平成 29 年3月 31 日
4. 業務概要
以下に示す内容に従い、研修業務を実施するものとする。
なお、実施に当たっては、関係機関(7.その他を参照のこと)並びに関係者と
の協議・調整を行うものとする。
(1) 業務の概要及び研修必須項目
① 研修の種類
「講義研修及び演習(グループワーク)」(80 名程度×1 か所)を設定する。
② 研修の対象者等
医療機関に所属し、以下のア~ウを満たすこと
ア. 医療機関における勤務経験がCRC担当期間も含めて5年以上であるこ
と
イ. 専任(週 40 時間)として3年以上CRCとしての実務経験※があること
ウ. 厚生労働省・文部科学省等が主催するCRC養成研修を終了しているこ
と
※実務経験とは、担当したプロトコールが 10 以上、かつ症例数が通算 30 症
例以上をいう。
③ 研修期間・内容
ア. 1.5 日+0.5 日(講義+演習、東京地区で開催)
※
1.5 日の研修の後、一定の期間を空けた後、フォローアップ研修として
0.5 日開催する。
1
イ. CRCに求められる人材像との一貫性の確保を目的に、「臨床研究コーデ
ィネーター養成カリキュラムの標準化に関する研究」(平成26年度厚生
労働科学研究費補助金
医療技術実用化総合研究事業
楠岡班)にて標
準カリキュラムが作成された。標準カリキュラム(別紙参照)に沿った
下記のテーマに関する講義とディスカッションを組み合わせた構成とし
た研修プログラムを作成すること。
ウ. 1.5 日の研修
【講義】・・・10 コマ(1コマ 45 分):約 7.5 時間

臨床研究に関する規制要件の動向と運用(倫理指針・再生医療・研究開
発)

研究倫理とIRB/ECが果たすべき役割・機能

国際共同試験の動向と対応

ICの概念とその適応

臨床研究とプロジェクトマネジメント等
【演習】・・・2コマ(1コマ 45 分):約 1.5 時間

ロールプレイに対するスーパーバイズ方法を学ぶ(臨床研究のICの課
題に対する教育的関わり、開示すべき情報とその説明方法等)
※
演習のグループワークでは、1 グループ6~8 名程度とする。
エ. フォローアップ研修・・6コマ(1コマ 45 分):約 4.5 時間
【講義】
・ 臨床研究の実施における組織マネジメントとリーダーシップ
・ 臨床研究関係者に対するコンサルテーションと教育
【演習】
目標:標準カリキュラムに定められた演習課題に対して、各グループに分か
れて取り組み、最終的に合同で全体討論を行う。
※
講義全体の終了後、講義内容の復習を目的とした小テスト(30 分)及び
解説を行う。
(2) 募集要項及び応募申請書の作成・受付に関する業務
① 研修生募集要項及び応募申請書の作成(企画等)並びに受付
② 研修会の周知・広報(ホームページ掲載、関連学会等への周知等)
③ 応募者からの問い合わせへの対応
④ 応募申請書の内容チェック、取りまとめ、集計及び国立研究開発法人日本医
療研究開発機構(以下「機構」という)への報告
2
⑤ 採用候補研修生の人数調整等を機構と調整
⑥ 採用決定研修生の研修施設、時期に関する調整及び機構への報告
⑦ 採用決定の研修生、研修生派遣申請者(所属機関長等)等への実施通知
⑧ 採用研修生への提出書類の指示及び確認等
(3) 講義研修の実施業務
① 講義内容及び講師選定について機構との調整協議
② 講師等関係者との連絡調整
③ 講師及び講師の所属長に対する講師派遣依頼手続
④ 講義日程及び内容(内容に応じた講師依頼)に沿った講義研修会の運営
(会場の選定、講師へのテキスト原稿の依頼、講義要旨の印刷製本、講義方
法の確認、講義会場設営、配布資料の印刷等)
⑤ 講師への旅費並びに会場貸与者への会場・設備借料の支払い
⑥ 研修生に係る受入条件の確認、申込書の受理と受付、受諾通知の作成・発出
⑦ 講義終了後の小テストの開催と解説の実施(設問作成、用紙印刷等)
⑧ 研修終了後、研修生へのアンケート調査の実施とまとめ(設問作成、用紙印
刷、回収、集計、関係先への報告)
⑨ 研修生の事後レポート(修了報告書)の課題について機構との調整
(4) 修了証書の発出業務
① 研修生からの研修修了報告書の回収及び取りまとめ
② 研修修了報告書の校正、印刷製本、配布
(研修生、研修生所属機関長、研修生受入機関、研修実施関連部署、講師、後
援団体)
③ 研修生で一定の要件を満たした者に対する修了証書の発給
(作成・印刷・名入れ・郵送前確認・郵送等)
※ 申請受付から当日の受講状況を含め、修了証書の発行対象者となるリスト
の一元管理をすること。
④ 修了証書の作成時の注意事項
修了者への修了証書は、機構が指定した者の名で発行すること。
⑤ 修了証書の発送時の注意事項
ア. 修了証書の氏名(研修生名)は正確に楷書で記入すること。
イ. 発行者名の末文字に被さるように発行者の公印を入れること。
ウ. 確実に修了証書が研修生の元に届くように、封書の宛名(又は所属機関
名)と修了証書の氏名(研修生名)の確認は複数人によるダブルチェック
を行うこと。
3
5. 受注者要件
(1) 過去 3 年間に、公的研究費等による臨床研究・治験に関する人材育成のため
の研修等を行った実績があること。また、当該研修等は期日内にプロジェクトを
完了させていること。
(2) 本事業の実施に当たっては、受注後速やかに事務局を設置し、円滑な事業遂
行のための複数名の人員で対応すること。
(3) 臨床研究及び治験の規制等に関する知見を有し、臨床研究・治験を取り巻く情
勢を理解しているスタッフが1名以上含まれていること。
(4) 研修生に関する個人情報を就業斡旋等、営利目的に使用してはならないこ
と。また、当該事業を営利目的としてはならないこと。
(5) 本事業を請け負った事業者は、自ら事業を実施し、個人情報を取り扱うこと
を十分認識し、研修生及び協力先医療機関の情報を自ら管理すること。
6. 成果物の提出先及び期限
(1) 納品物
① 電子ファイル
ア.募集要項、イ.受講者リスト(応募者・受講者・修了証書発行対象者)
ウ.研修修了報告書
② 研修修了報告書の製本5冊( AMED/厚生労働省分)
③ 事業報告書(原則A4で提出)
(2) 納品期限
平成 29 年3月 31 日
(3)納品場所
〒100-0004
東京都千代田区大手町 1 丁目 7 番 1 号読売新聞ビル 21 階
国立研究開発法人日本医療研究開発機構
臨床研究・治験基盤事業部
規制科学・臨床研究支援室
7. その他
(1) 本事業を実施するために必要となる関係機関との連絡調整を行う。関係機関
は、機構、講義研修会場(講師が所属する医療機関等を含む)等とする。なお、研
修会場は、受講人数及び研修当日の演習を考慮し確保すること。
(2) 研修開催は、原則として平日を避け、国内で開催されている類似の研修や学
会と重複しないように企画をすること。
(3) カリキュラム、講師、会場の選定に当たっては、機構と協議の上、決定する
こと。なお、昨年度実施された研修プログラム及び講義内容等の資料に関して
は、機構から情報を提供する。
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(4) 研修対象者を特定の職種のみに限定することがないようにすること。
(5) 講師及びオブザーバーへの謝金は、原則として当機構が定める額とするこ
と。
(6) 講義研修については、機構の職員が聴講し実施状況を確認する場合がある。
(7) 下請け業者又は関連会社に本業務の一部を実施させる場合、事前に機構の承
認を得るものとする。なお、受注者は下請け業者又は関連会社に同等の守秘義務
を負わせるものとする。
(8) 契約の履行に関して生じた成果物の知的財産権は受注者が従前から保有する
ものを除いて全てAMEDに帰属する。
(9) 従事者が業務遂行にあたり、AMED及び第三者に損害を与えた時は、受注
者が責任を持って、その処理・解決にあたること。その際に生じた一切の費用は
受注者の負担とする。
5
2015年2月22日
上級者CRC養成カリキュラム
この養成研修の受講者像(受講者の条件)
1. 医療機関での勤務経験5年程度の知識を有し、CRCとして3年程度以上の経験がある
2. 初級CRC養成研修を受講している
教育方法と時間
ACRP
14のContent
Areas
注1)
授業科目の目標
被験者保護の概念に精通し、実施す
Human subject
1 protection
被験者保護
テーマ
(上級CRCに期待されるスキル)
る臨床研究に適用する方法を説明で
きる
講義
講義時間
ICの概念とその適用
1コマ
演習
演習時間 時間合計
被験者保護の概念
とその適用/イン
フォームドコンセ
開示すべき情報とその説明
方法
注2)
2コマ
4コマ
ント(IC)
研究倫理の本質を理解し、よりよい 研究倫理と倫理審
倫理審査のあり方を説明できる
査
研究倫理とIRB/ECが果た
すべき役割・機能
1コマ
Management of
essential
2 documents
試験関連文書の管
初級プログラムで既習のため上級プ
ログラムでは含めない
理
臨床研究に関する
3
Regulatory
規制要件や研究倫理に関する知識お 規制要件の動向と
knowledge and
よび最新の動向に精通し、実施する 運用(最新の動向
臨床研究に関する規制要
1コマ×3
件の動向と運用
(3コマ)
ethics 規制と倫 臨床研究に適用する方法を説明でき から、規制要件や
理
る
臨床研究に関する規制要件
の自施設への運用の実際注
3コマ
3)
制度を3つ以上含
める)
Invetigative site
4 management
研究実施機関管理
Clinical trial
5 management
臨床試験管理
臨床研究実施体制の課題と
自施設の臨床研究実施体制の課題を 臨床研究実施体制
説明でき、対応方法を説明できる
対応方法注3)
の課題と方略
2コマ
2コマ
初級プログラムで既習のため上級プ
ログラムでは含めない
Test article
accountability
6
and
初級プログラムで既習のため上級プ
ログラムでは含めない
management
被験薬・機器の管
理責任
Project
7
management
プロジェクトマネ
ジメント
Quality
8 management
品質管理
9
臨床研究の多様性を理解し、それに
対応するための実施体制を説明でき
る
ジメント
を理解し、質の高いデータマネジメ データマネジメン
データマネジメン ントを臨床研究実施施設で実現する ト
方法を説明できる
Clnical research 臨床研究の国内外の動向を理解し、
Business
management
skills ビジネス
スキル
クトマネジメントに実施施
1コマ
設のCRCが与える影響注3)
本質と実施施設への適用
データ完全性 date
データ完全性 date integrityの概念
臨床研究環境
1コマ
ログラムでは含めない
management
10 environment
臨床研究におけるプロジェ
臨床研究におけるプロ
ジェクトマネジメントの
初級プログラムで既習のため上級プ
Data
ト
11
プロジェクトマネ
臨床研究環境の変化への対応方法を
説明できる
国内外の臨床研究関係者と望ましい
職務上の関係を形成する方法を理解
できる
integrity注8)の概念と
データマネジメントが研
1コマ
1コマ
1コマ
1コマ
1コマ
1コマ
究結果に与える影響
臨床研究の国際的
国際共同試験の動向と対
動向
応
医療英語コミュニ
国際会議でのプレゼン
ケーション
テーション・スキル
6
教育方法と時間
ACRP
14のContent
Areas
注1)
Interpersonal
12 skills 対人
(人間関係)能力
授業科目の目標
テーマ
(上級CRCに期待されるスキル)
講義
講義時間
演習
演習時間 時間合計
臨床研究の関係者(被験者と依頼者
を含む)の意向の調整・合意形成
コーディネーショ
臨床研究チームのコー
(コーディネーション)方法を説明 ン論
ディネーション
1コマ
臨床研究チームのコーディ
ネーションの実際
注6)
1コマ
できる
Personal/proges
国内外の社会的要請を理解し、臨床
sional
13 management
研究専門職の役割と機能を説明でき
個人/専門職とし る注7)
ての管理
臨床研究の実施における組織マネジ
メント方法を理解し、人的・物的資
源の整備方法を説明できる
組織マネジメント
論
組織マネジメントとリー
臨床研究の体制整備について臨床研
究関係者(被験者と依頼者を含む)
Supervisory
14 skills 管理者
としてのスキル
の状況の把握と課題解決(リーダー
臨床研究の体制整備の実際
臨床研究の実施における
1コマ
ダーシップ
と上級者CRCに求められる
リーダーシップ
1コマ
注3)
リーダーシップ論
シップ)方法を説明できる
臨床研究関係者(被験者と依頼者を
含む)からの相談への対応方法を説
明できる
コンサルテーショ
ン論
臨床研究関係者からのコン
臨床研究関係者に対する
コンサルテーションと教
1コマ
サルテーションへの対応方
1コマ
法注6)
育
臨床研究関係者(被験者と依頼者を
含む)に対する効果的な教育方法を 教育論
説明できる
臨床研究の実施に関連深い法律、制
15 その他
度やトピックスを説明できる
最近の臨床研究に
関する法・制度・
臨床研究に関連する最近
のトピックス
トピックス注4)
1コマ×3注5)
項目3に
含まれる
注の説明
ACRPの専門職開発委員会有志が、各種多彩なオンラインセミナーやカンファレンスにおいて開催されるセミナー等について分析し、また、2010年に
ACRPが国際的に実施した職業分析調査の中で、CRCに対して各自の典型的業務内容(責任)に対する調査票を用いた自己申告により得たデータをも
注1
とに、典型的な臨床研究支援人材の役割・責務をカテゴライズしたもの。
Jennefer Holcomb. The Professional Development Pathway -Establishing a Standard for Clinical Research Training-. Monitor,Decenber
2011, 78-81.
注2
注3
注4
注5
注6
上級CRC研修であるため、ロールプレイに対するスーパーバイス方法を学ぶことにウエイトをおくこと
項目3、項目4、項目7、項目14の組織マネジメントおよびリーダーシップの講義を受けての共通のグループ討論・全体討論
臨床研究の実施に直接影響する規制要件や制度は項目3.に含めるが、ここでは「関連深い」法・制度・トピックスを取り上げる
項目3の講義とあわせて合計3時間とする
項目4の演習、項目12の演習、項目14の演習の3つに分かれて取り組み、最終的に合同で全体討議
注7
プログラム受講によって統合的に達成できると考えるため、講義や演習は含めない
注8
date integrity データが、正しく、欠けることなく収集され、保存されていること。再構築性があること。
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