太地地区(PDF:2116KB)

【整理番号7】
事前評価書
都道府県名
事業名
地区名
和歌山県
関係市町村
水産資源環境整備事業
タイジ
太地
太地町
水産生産基盤整備事業
(
事業主体
)
和歌山県
Ⅰ 基本事項
1.地区概要
漁港名(種別)
陸揚金額
登録漁船隻数
主な漁業種類
漁業経営体数
地区の特徴
太地漁港(第2種)
306
百万円
214
隻
定置網、捕鯨業
73
経営体
漁場名
-
陸揚量
769.60
トン
隻
利用漁船隻数
252
主な魚種
さば類、ぶり類、海産ほ乳類
人
組合員数
254
太地漁港は南海トラフ巨大地震等により甚大な被害が予想されており、太地町地
域防災計画において地震防災上緊急に整備すべき地区に位置付けられている。ま
た、現在は水産庁の規制の下で沿岸捕鯨(小型鯨類)及びミンク鯨の調査捕鯨が
行われている。
2.事業概要
事業目的
津波被害を軽減させるため、防波堤等の機能強化を図るとともに、海岸保全施設
の整備を連携して行う防護を実施する。また、被災後の水産業の早期再開のため
に岸壁の耐震化を行う。これらの取り組みにより、災害に強く安全な地域づくり
の推進を図る。
○漁港施設:改良工事として向嶋防波堤 L=110m、北防波堤 L=135m、南護岸
主要工事計画 L=99m、-3.0m岸壁 L=89m
事業費
1,117百万円
事業期間
平成28年度~平成37年度
Ⅱ 必須項目
1.事業の必要性
①当該地区には、南海トラフ巨大地震等による津波避難困難地域が存在し、津波から漁業関係
者、地域住民、来訪者等の命を救うため、津波避難時間を確保することに資する防波堤や堤防
(海岸事業)を整備する防護の考え方で津波避難困難地域を解消することが求められている。
②また、災害時の応急活動で緊急物資輸送を行うための岸壁が十分に整備されていない状況であ
る。
③このため、人的被害の軽減及び災害対応活動の円滑化のため、外郭施設、岸壁等の整備を推進
する必要がある。
2.事業採択要件
① 計画事業費 1,117百万円 (採択要件:500百万円)
② 漁港種別 第2種漁港 (昭和27年1月指定)
③ 登録漁船数 214隻(平成24年)(採択要件:50隻以上)
3.事業を実施するために必要な基本的な調査
(1)利用面、防護面、施工面等から適切な位置を選定するための地理的条件、自然条件に関する基本的な調査
該当無し
(2)施設の利用の見込み等に関する基本的な調査
災害時における耐震岸壁前面での港内静穏度を調査
(3)自然環境、生活環境等の周辺環境及びそれに与える影響の把握
漁港区域内の外郭施設を改良することに伴う景観面や観光面に与える影響を調査
【整理番号7】
4.事業を実施するために必要な調整
(1)地元漁業者、地元住民等との調整
漁港施設を改良するため、太地町を通じて、太地町漁業協同組合・地元住民(漁村)との調整を
行う予定である。
(2)関係都道府県、関係市町村、関係部局(隣接海岸、道路、河川、港湾、環境等)との事前調整
和歌山県農林水産部水産局水産振興課、太地町産業建設課等との事前調整を行う予定である。
5.事業の投資効果が十分見込まれること
7.07
費用便益比 B/C:
※別紙「費用対効果分析集計表」のとおり
※発現効果を分離計測できないため、漁港施設と海岸保全施設は一体的に扱う
Ⅲ 優先配慮項目
分類項目
有
効
性
生
産
力
の
向
上
と
力
強
い
産
地
づ
く
り
水産資源の保護・ 水産資源の維持・保全
回復
資源管理諸施策との連携
生産
陸揚げ
荷捌き
集出荷
流 通
加 工
生活
漁家経営の安定
生産量の増産(持続・増産・下降抑制)
評価
-
-
-
(水産物の安定供給) 生産コストの縮減等(効率化・計画性 の向上)
-
水域環境の保全・ 水質・底質の維持・改善
創造
環境保全効果の持続的な発揮
-
安全・安心な水産 品質確保
物提供
消費者への安定提供
-
漁業活動の効率化 漁港機能の強化
-
労働環境の向上
就労改善等
生活者の安全・安 定期船の安定運航
心確保
災害時の緊急対応
-
-
-
-
A
計画時におけるコスト縮減対策の検討
B
他計画との整合
地域の水産関連計画等との整合性及び地元調整
B
他事業との調整・連携
他事業との調整・連携
B
循環型社会の構築
リサイクルの促進
-
地域に与える効果
産業誘発効果等
B
環境への配慮
生態系への配慮等
B
多面的機能発揮に向けた配慮
多面的機能の発揮
-
効率性 コスト縮減対策
事
業
の
実
施
環
境
等
評価指標
小項目
中項目
大項目
Ⅳ 総合評価
当該地区には、南海トラフ巨大地震等による津波避難困難地域が存在し、津波から漁業関係者、地
域住民、来訪者等の命を救うため、津波避難時間を確保することに資する防波堤や堤防(海岸事業)
を整備する防護の考え方で津波避難困難地域を解消することが求められている。また、災害後の水産
業の早期再開を行うための岸壁が十分に整備されていない状況にある。
当該事業は、人的被害の軽減及び災害対応活動の円滑化を図る目的で既存の外郭施設や岸壁等の改
良及び新設の胸壁等を整備する必要がある。
また、費用便益比率も1を超えていることから、事業の実施は妥当であると判断される。
【整理番号7】
多段階評価の評価根拠について
都道府県名:和歌山県
地区名:太地
分類項目
評価指標
大項目
中項目
漁家経営の
安定(水産
物の安定供
給)
水域環境の
保全・創造
有
効
性
生産力の
向上と力
強い産地
づくり
水産資源の維持・
該当無し
保全
-
資源管理諸施策と
該当無し
の連携
-
生産量の増産(持
続・増産・下降抑 該当無し
制)
生産コストの縮減
等(効率化・計画 該当無し
性 の向上)
-
環境保全効果の
持続的な発揮
該当無し
-
該当無し
-
該当無し
-
該当無し
-
該当無し
-
該当無し
-
・漁港区域内の防波堤、岸壁の整備(耐震化)、また、河川
海岸保全区域内の堤防の整備(耐震強化改良)により、津
波到達時間を遅らせることができ、漁業関係者、地域住民
等の津波避難困難者数を減少させることから、「A」とした。
・漁港区域内の施設整備により、被災後の緊急物資輸送
や水産業の早期再開が可能となることから、「A」とした。
A
定期船の安定運
航
事
業
の
実
施
環
境
等
-
該当無し
労働環境の
就労改善等
向上
効
率
性
-
水質・底質の維
持・改善
品質確保
安全・安心
な水産物提
消費者への安定
陸揚げ 供
提供
荷捌き
集出荷
流 通 漁業活動の
漁港機能の強化
加 工 効率化
生活
評価
小項目
水産資源の
保護・回復
生産
評価根拠
生活者の安
全・安心確
保
災害時の緊急対
応
コスト縮減対策
計画時におけるコ
既設施設の有効活用を図ることでコスト縮減を図ることか
スト縮減対策の検
ら「B」とした。
討
B
他計画との整合
地域の水産関連
和歌山県「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」を推
計画等との整合性
進する事業であることから「B」とした。
及び地元調整
B
他事業との調整・連携
他事業との調整・ 津波対策事業として、海岸事業(水国土)との一体整備に
連携
より、効果が期待できることから「B」とした。
B
循環型社会の構築
リサイクルの促進
該当無し
-
地域に与える効果
産業誘発効果等
当事業により、地震津波後の水産業の早期再開が図られ
るため、地域内における関連産業への経済波及効果が期
待されることから「B」とした。
B
環境への配慮
生態系への配慮
等
水質の汚濁など自然環境への影響を抑制するよう十分配
慮することから「B」とした。
B
多面的機能発揮に向けた配慮
多面的機能の発
揮
該当無し
-
【整理番号7】
費用対効果分析集計表
1 基本情報
都道府県名
事業名
和歌山県
地区名
水産生産基盤整備事業
太地
施設の耐用年数
50年
2 評価項目
評価項目
便益額(現在価値化)
①水産物生産コストの削減効果
千円
②漁獲機会の増大効果
千円
③漁獲可能資源の維持・培養効果
千円
④漁獲物付加価値化の効果
千円
漁業就労環境の向上
⑤漁業就労環境の労働環境改善効果
千円
生活環境の向上
⑥生活環境の改善効果
千円
地域産業の活性化
⑦漁業外産業への効果
千円
⑧生命・財産保全・防御効果
千円
水産物の生産性向上
便
益
の
評
価
項
目
及
び
便
益
額
非常時・緊急時の対処
⑨避難・救助・災害対策効果
6,479,977
⑩自然環境保全・修復効果
千円
千円
自然保全・文化の継承 ⑪景観改善効果
千円
⑫地域文化保全・継承効果
千円
⑬漁港利用者の利便性向上効果
千円
⑭その他
千円
その他
計(総便益額) B
6,479,977
千円
総費用額(現在価値化) C
916,794
千円
費用便益比 B/C
7.07
※発現効果を分離計測できないため、漁港施設と海岸保全施設は一体的に扱う
3 事業効果のうち貨幣化が困難な効果
・漁港区域内の防波堤、岸壁の耐震化への改良により、緊急物資輸送及び災害時の水産業の早
期再開に資する
・漁業関係者、地域住民、来訪者等の津波避難意識の向上に繋がる
水産生産基盤整備事業
太地地区
事業概要図
【整理番号7】
南護岸 L=99.0m
北防波堤 L=135m
向嶋防波堤 L=110.0m
堤防 L=100m
-3.0m岸壁 L=89.0m
漁港施設
海岸保全施設(水国土)
事業主体:和歌山県
○漁港施設:全て改良
向嶋防波堤110m 北防波堤135m
南護岸99m
-3.0m岸壁89m
事業費:1,117百万円(精査中)
事業期間:平成28年度~平成37年度
太地地区 水産生産基盤整備事業の効用に関する説明資料
[整理番号7]
1.事業概要
(1)
事
業
目
的
:
津波被害を軽減させるため、防波堤等の機能強化を図
るとともに、海岸保全施設の整備を連携して行う防護
を実施する。また、被災後の水産業の早期再開のため
に岸壁の耐震化を行う。これらの取り組みにより、災
害に強く安全な地域づくりの推進を図る。
(2)主
要
工
(3)事
事
計
業
画 : 北防波堤L=135.0m、向嶋防波堤L=110.0m、南護岸
L=99.0m、
-3.0m岸壁L=89.0m
費 : 1,117百万円
(4)工
期 : 平成28年度~平成37年度
2.総費用便益比の算定
(1)総費用総便益比の総括
区分
算定式
数値
総費用(現在価値化)
①
916,794 (千円)
総便益額(現在価値化)
②
6,479,977 (千円)
総費用総便益比
②÷①
7.07
(2)総費用の総括
施設名
整備規模
漁港計
1.漁港整備事業
事業費(千円)
1,117,000
北防波堤
L= 135.0m
287,000
向嶋防波堤
L= 110.0m
56,000
南護岸
L= 99.0m
80,000
-3.0m岸壁
L= 89.0m
694,000
海岸計
2.関連事業(海岸整備事業)
L= 100.0m
堤防
漁港按分比率
300,000
300,000
0.788
計(関連事業含む)
1,417,000
計(漁港整備事業)
1,117,000
維持管理費等
50,000
総費用(漁港整備事業)
1,167,000
現在価値化後の総費用(漁港整備事業)
(3)年間標準便益
効果項目
区分
916,794
年間標準便益額
(千円)
物的被害の低減
人的被害の低減
漁業生産被害の低減
避難・救助・災害対策効果
445,371
計
効果の要因
445,371
[整理番号7]
(4)費用及び便益の現在価値算定表
便益(千円)
費用(千円)
事業費
現在価値
評
価
期
間
デフ (維持管理 (維持管理
割引率
レータ
費含む)
費含む)
年
度
①
②
③
①×②×③ 物的被害の減少
0
27 1.000 1.000
0
0
0
0
1
28 0.962 1.000
105,000
101,010
0
0
2
29 0.925 1.000
106,000
98,050
0
0
3
30 0.889
1.000
106,000
94,234
0
0
4
31 0.855
1.000
106,000
90,630
0
0
5
32 0.822
1.000
115,000
94,530
0
0
6
33 0.790 1.000
115,800
91,482
0
0
7
34 0.760 1.000
115,800
88,008
0
0
8
35 0.731 1.000
115,800
84,650
0
0
9
36 0.703
1.000
115,800
81,407
0
0
10 37 0.676
1.000
115,800
78,281
0
0
11 38 0.650
1.000
1,000
650
65,799
378,694
878
445,371
289,491
12 39 0.625 1.000
1,000
625
65,799
378,694
878
445,371
278,357
13 40 0.601 1.000
1,000
601
65,799
378,694
878
445,371
267,668
14 41 0.577 1.000
1,000
577
65,799
378,694
878
445,371
256,979
15 42 0.555
1.000
1,000
555
65,799
378,694
878
445,371
247,181
16 43 0.534
1.000
1,000
534
65,799
378,694
878
445,371
237,828
17 44 0.513
1.000
1,000
513
65,799
378,694
878
445,371
228,476
18 45 0.494 1.000
1,000
494
65,799
378,694
878
445,371
220,013
19 46 0.475 1.000
1,000
475
65,799
378,694
878
445,371
211,551
20 47 0.456 1.000
1,000
456
65,799
378,694
878
445,371
203,089
21 48 0.439
1.000
1,000
439
65,799
378,694
878
445,371
195,518
22 49 0.422
1.000
1,000
422
65,799
378,694
878
445,371
187,947
23 50 0.406
1.000
1,000
406
65,799
378,694
878
445,371
180,821
24 51 0.390 1.000
1,000
390
65,799
378,694
878
445,371
173,695
25 52 0.375 1.000
1,000
375
65,799
378,694
878
445,371
167,014
26 53 0.361 1.000
1,000
361
65,799
378,694
878
445,371
160,779
27 54 0.347
1.000
1,000
347
65,799
378,694
878
445,371
154,544
28 55 0.333
1.000
1,000
333
65,799
378,694
878
445,371
148,309
29 56 0.321
1.000
1,000
321
65,799
378,694
878
445,371
142,964
30 57 0.308 1.000
1,000
308
65,799
378,694
878
445,371
137,174
31 58 0.296 1.000
1,000
296
65,799
378,694
878
445,371
131,830
32 59 0.285 1.000
1,000
285
65,799
378,694
878
445,371
126,931
33 60 0.274
1.000
1,000
274
65,799
378,694
878
445,371
122,032
34 61 0.264
1.000
1,000
264
65,799
378,694
878
445,371
117,578
35 62 0.253
1.000
1,000
253
65,799
378,694
878
445,371
112,679
36 63 0.244 1.000
1,000
244
65,799
378,694
878
445,371
108,671
37 64 0.234 1.000
1,000
234
65,799
378,694
878
445,371
104,217
38 65 0.225 1.000
1,000
225
65,799
378,694
878
445,371
100,209
39 66 0.217
1.000
1,000
217
65,799
378,694
878
445,371
96,646
40 67 0.208
1.000
1,000
208
65,799
378,694
878
445,371
92,637
41 68 0.200
1.000
1,000
200
65,799
378,694
878
445,371
89,074
42 69 0.193 1.000
1,000
193
65,799
378,694
878
445,371
85,957
43 70 0.185 1.000
1,000
185
65,799
378,694
878
445,371
82,394
44 71 0.178 1.000
1,000
178
65,799
378,694
878
445,371
79,276
45 72 0.171
1.000
1,000
171
65,799
378,694
878
445,371
76,159
46 73 0.165
1.000
1,000
165
65,799
378,694
878
445,371
73,486
47 74 0.158
1.000
1,000
158
65,799
378,694
878
445,371
70,369
48 75 0.152 1.000
1,000
152
65,799
378,694
878
445,371
67,696
49 76 0.146 1.000
1,000
146
65,799
378,694
878
445,371
65,024
50 77 0.141 1.000
1,000
141
65,799
378,694
878
445,371
62,797
51 78 0.135
1.000
1,000
135
65,799
378,694
878
445,371
60,125
52 79 0.130
1.000
1,000
130
65,799
378,694
878
445,371
57,898
53 80 0.125 1.000
1,000
125
65,799
378,694
878
445,371
55,671
54 81 0.120 1.000
1,000
120
65,799
378,694
878
445,371
53,445
55 82 0.116 1.000
1,000
116
65,799
378,694
878
445,371
51,663
56 83 0.111 1.000
1,000
111
65,799
378,694
878
445,371
49,436
57 84 0.107
1.000
1,000
107
65,799
378,694
878
445,371
47,655
58 85 0.103
1.000
1,000
103
65,799
378,694
878
445,371
45,873
59 86 0.099 1.000
1,000
99
65,799
378,694
878
445,371
44,092
60 87 0.095 1.000
1,000
95
65,799
378,694
878
445,371
42,310
避難・救助・
災害対策効果
人的被害の減少
漁業生産被害の減少
残存価値(漁港整備事業)
計
1,167,000
916,794
計
※評価期間は、便益対象施設が複数ある場合、各施設の整備毎に効果が発生するものとして算定
※端数処理のため各項目の和は必ずしも合計とはならない。
計
現在価値
(千円)
④
①×④
16,749
6,479,977
[整理番号7]
3.効果額の算定方法
(1)生命・財産保全・防御効果
1)物的被害の低減
○効果の考え方
東海・東南海・南海3連動地震が発生した場合、津波により防波堤等の外郭施設が倒壊し多大な被害が想定される。
しかし、防波堤の耐震強化対策等により施設を維持させることで被害を最小限に低減させることが可能となる。
このため、津波浸水高や流速を低減し浸水範囲の減少が図られることによる一般資産額の被害額減少を便益として計
上する。
○太地町の資産数量
家屋数
1,417 戸
(H22国勢調査 地域メッシュ統計(500m))
世帯数
1,417 世帯
(H22国勢調査 地域メッシュ統計(500m))
100.82 ㎡/戸
(平成20年住宅・土地統計調査(那智勝浦))
家屋1棟当たりの床面積
○一般資産の資産評価額
家屋資産
180.0 千円/㎡
家庭用品評価額
(治水経済調査マニュアル(案) 各種資産評価単価及びデフ
レーター 平成27年2月 平成26年評価額)
14,007 千円/世帯
事業所償却資産額
2,926 千円/人
事業所在庫資産額
1,268 千円/人
漁船建造費
3,352 千円/トン
農漁家償却資産額
1,931 千円/戸
農漁家在庫資産額
440 千円/戸
(水産基盤整備事業費用対効果分析のガイドライン-参考資料(平成26年度4月、水産庁))
(治水経済調査マニュアル(案) 各種資産評価単価及びデフ
レーター 平成27年2月 平成26年評価額)
○対象施設
家屋、事業所、漁船、公共土木施設(橋、道路、公園等)、公共事業等(電気、ガス、水道)、漁港構造物・海岸保全施
設
○年効果額算定式
一般資産額(家屋等) =家屋等平均床面積×家屋等数×家屋等1㎡当り単価×被害率
一般資産額(家庭用品) =1世帯当り家庭用品評価額×被害世帯数×被害率
一般資産額(事業所資産)=従業員1人当り平均事業所資産額×被害従業員数×被害率
一般資産額(漁船) =1トン当り漁船建造費×被害漁船トン数×漁船被害率
一般資産額(蓄養殖施設)=施設単価×施設数×被害率
一般資産額(農漁家資産)=農漁家1戸当り資産評価額×被害戸数×被害率
公共土木被害額 =一般資産被害額×1.80
公共事業等被害額 =一般資産被害額×0.03
漁港構造物他 =Σ損壊した施設延長(m)×単位延長当たりの事業費
※ 公共土木被害額及び公益事業等被害額の係数は、「平成23年東日本大震災を踏まえた漁港施設の地震・津浪対策
の基本的な考え方 平成26年1月 水産庁漁港漁場整備部」P40による。
※ 一般資産額は、家屋等・家庭用品・事業所資産・漁船・蓄養殖施設・農漁家資産の被害額の合計額である。
○年効果額の算定
表1-1 津波による資産評価額(単位:百万円)
単位:百万円
③事業所
区分
整備前
被害額
整備後
被害額
便益額
便益額
(漁港按分)
①
家屋
②
家庭
用品
2,005 1,548
償却
在庫
農漁家
小計
④
漁船
⑤
蓄養殖
施設
公共土木施設
⑥その他
償却
在庫
⑦公共
土木施設
小計
計
⑧
漁港構造物
海岸保全施設
小計
299
129
428 1,645
10
14
3
17
-
-
-
5,653
10
7
1
8
-
-
-
2,916
871
672
130
56
187 1,167
1,134
875
168
73
241
477
0
8
2
9
5,010
603 5,613 8,350
894
690
133
57
190
376
0
6
1
7
3,948
475 4,423 6,580
×地震発生確率(1/100)
65.80
※端数処理のため合計が一致しない場合がある。
[整理番号7]
2)人的被害の低減
○効果の考え方
東海・東南海・南海3連動地震が発生した場合、津波により防波堤等の外郭施設が倒壊し多大な被害が想定される。
しかし、防波堤の耐震強化対策等により施設を維持させることで被害を最小限に低減させることが可能となる。
このため、津波浸水高や流速を低減し浸水範囲の減少が図られることによる人的被害の被害額減少を便益として計上
する。便益計上の対象となる項目としては、軽減される人的損失額(逸失便益、精神的損害額)を基本とする。
○避難困難者
避難困難者(整備前)
532 人 (避難シミュレーション結果より、浸水深30cmの津波の到達時間≦避難時間の人数)
避難困難者(整備後)
265 人 ( 〃 )
○対象者
死亡者(整備前)
375 人 (避難困難者のうち、浸水深に応じた死亡率を乗じた人数)
死亡者(整備後)
175 人 ( 〃 )
○年効果額算定式
人的被害額 =逸失便益+精神的被害額
逸失便益 =Σ(死亡者数×一人当たりの(年収-生活費)×ライプニッツ係数)
精神的被害額 =死亡者数×精神的損害額単価
○年効果額の算定
表2-1 諸数値
人口比
(%)
区分
生活費控除
割合
平均年収
(千円)
平均年齢
(歳)
ライプニッツ係数
男性
44.9
4,846
0.45
46
12.821
女性
55.1
3,206
0.35
50
11.274
※ 人口比・平均年齢は、平成22年度国勢調査より。平均年収は、平成25年度賃金構造統計基本調査(和歌山県)より。
生活費控除割合は、民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(財)日弁連交通事故相談センター東京支部共編より。
ライプニッツ係数は、ライプニッツ表(国土交通省/自動車総合安全情報)より。
表2-2 死亡損失額(単位:億円/人)
調査年度
平成17年度 平成22年度
平成25年度
デフレータ
99.9
93.8
93.3
死亡損失額
2.26
2.13
2.12
※ 平成17年度・平成22年度は、交通事故の被害・損失の経済的分析に関する調査研究報告書(平成24年、内閣府)より。
平成25年度は、平成24年国民経済計算(内閣府)デフレーター(連鎖方式、年度)を用いて算定。
表2-3 津波による人的被害額(単位:百万円)
区分
逸失便益
死亡者数
精神的損害額
人的被害額
整備前の被害額
375
10,608.1
79,500.0
90,108.1
整備後の被害額
175
4,950.4
37,100.0
42,050.4
-
5,657.7
42,400.0
48,057.7
-
4,458.2
33,411.2
37,869.4
便益額
便益額(漁港按分)
×地震発生確率(1/100)
378.694
※端数処理のため合計が一致しない場合がある。
[整理番号7]
3)漁業生産被害の低減
○効果の考え方
東海・東南海・南海3連動地震が発生した場合、津波により防波堤等の外郭施設が倒壊し多大な被害が想定さ
れる。しかし、防波堤の耐震強化対策等により施設を維持させることで被害を最小限に低減させることが可能と
なる。
このため、津波浸水高や流速を低減し浸水範囲の減少が図られることによる漁業生産被害(直接被害・営業停
止被害)の被害額減少を便益として計上する。
○対象物(直接被害)
荷捌き所等漁業関連施設、製氷・受電施設、車両、漁業被害
○年効果額算定式
漁業生産被害額 =直接被害額+営業停止被害額
直接被害額 =荷捌き所等の被害額+製氷・受電施設の被害額+車両の被害額+漁業被害額
各被害額(漁業被害以外) =施設単価×被害率
漁業被害額 =漁業生産減少額×粗付加価値額比率
営業停止被害額 =Σ(従業員数×付加価値額×(停止日数+停滞日数/2)
※ 各施設単価(漁船以外)は、太地漁港へのヒアリングより。漁船の単価(建造費)は、「水産基盤整備事業費用対効果分析のガ
イドライン 参考資料 H26.4 水産庁漁港漁場整備部」より。荷捌き所等および製氷・受電施設の被害率は、「平成23年東日本大
震災を踏まえた漁港施設の地震・津波対策の基本的な考え方 平成26年1月」より。車両の被害率は、「利根川の洪水(須賀堯三
監修・利根川研究会編、1995年」より。粗付加価値額比率は、「平成17年産業関連表 和歌山県」より。営業停止日数・停滞日
数は、「治水経済調査マニュアル(案) 平成17年4月」より。
○年効果額の算定
表3-1 被災時漁業生産減少額算定表
発災~
復旧~
0
0
30
30
経過日に対する復旧状況
90
180
360
90
180
360
720
720
1080
1080
1800
1800
荷捌き所
復旧率
23
37
65
100
100
100
100
100
漁具
復旧率
0
8
25
50
100
100
100
100
船舶
復旧率
34
38
45
55
76
100
100
100
%
0
8
25
50
76
100
100
100
290,762
330,411
660,822
項目
全体復旧率
各期間漁業生産額
千円
被災時漁業生産額
千円
※
1,101
9,086
30,976
104,079
1,427,237
通常時漁業生産額は、港勢調査(太地漁港)より。各施設の復旧率は、「平成23年東日本大震災を踏まえた漁港施設の地震・
津波対策の基本的な考え方 平成26年1月」より。
表3-2 津波による漁業生産被害額(単位:百万円)
直接被害
区分
営業停止被害
荷捌き所等
製氷・受電施設
車両
漁業被害
小計
漁業生産被害
計
整備前の被害額
246.4
41.5
49.4
125.9
463.2
122.3
585.5
整備後の被害額
219.9
41.5
49.4
125.9
436.8
37.2
474.0
便益額
26.5
0.0
0.0
0.0
26.5
85.0
111.5
20.8
0.0
0.0
0.0
20.8
67.0
87.8
便益額(漁港按分)
×地震発生確率(1/100)
0.878
※端数処理のため合計が一致しない場合がある。