青天の霹靂 - 青森県産業技術センター

事
ね
項
ら
い
「青天の霹靂」栽培指導へのリモートセンシング技術の活用法
「青天の霹靂」の優れた食味および品質の能力を十分発揮させるため、産地スケールでの
リモートセンシング技術の栽培指導への活用方法が明らかになったので参考に供する。
1
栽培指導への活用法
「青天の霹靂」
生産者
指導機関 (県・JA等)
活用場面
指
(時期・マップ種類)
【水土里情報システム】 ※図1
導
①収穫指導
参
考
9月上旬(収穫前)
【速報版適期マップ】
生産者ごとのデータの検索、タンパクの
高い圃場の生産者の絞り込み等に使用。
(生産者情報とマップ情報を利用)
②施肥設計の指導
1~4月(翌春)
【タンパクマップ】
内
容
直接指導
(圃場毎の情報)
面談・手紙・電話
【マップ表示用Webアプリ】 ※図2
現地指導
(圃場毎の情報)
スマートフォンなどで、タンパクマップを
閲覧するのに使用。
(マップ情報を利用)
青空教室
現地講習会
特に指導が
必要な生産者等
(指導効率化)
生産者全般
2
マップでみたタンパク質含有率及び成熟期の状況
(1) タンパク質含有率は、同じ生産者でも圃場ごとに差がある(図3)。
(2) 成熟期は、同じ地域でも圃場間の差が大きい(図4)。
3
期待される
効
果
技術活用の利点
(1) タンパクマップの活用によって、タンパク質含有率の高い圃場、低い圃場を把握で
き、圃場の状況に応じた施肥が可能になる。
(2) 速報版収穫適期マップの活用によって、圃場単位で成熟期の早晩を把握でき、収穫
の時期や順番の参考にできる。
「青天の霹靂」の食味及び品質の安定に寄与する。
1 衛星撮影の時期は天候に左右される。速報版収穫適期マップは、8月末までに撮影が
利用上の
成功しなかった場合、収穫前までにマップ完成が間に合わない場合がある。
注 意 事 項 2 撮影時に雲があった地域は推定できない。
3 事前に生産者および作付圃場の特定作業が必要である。
4 成熟期の予測日は目安である。収穫は圃場で籾黄化率90%を確認して行う。
5 本システムは、指導機関を対象にしたものである。
問い合わせ先
農林総合研究所
生産環境部(0172-52-4391)
(電話番号)
発表文献等
対 象 地 域 青天の霹靂
作付対象地域
平成26~27年度 試験成績概要集(農林総合研究所)
本研究の一部は、総合科学技術・イノベーション会議のSIP「次世代農林水産業創造技術」
(管理法人:略称「生研センター」)によって実施された。
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【根拠となった主要な試験結果】
図1 水土里情報システム(操作画面)
【特徴】
・クラウドで動作するWebGIS。PCで使用。
・生産者情報とマップのデータが入力済みで、タ
ンパク質含有率に応じた圃場や生産者情報等の
検索ができる。
・利用には有料のライセンスが必要。
タンパク 生産目標オーバー
施肥の見直しが必要
タンパク かなり低い
収量が低い場合は
増肥を検討
図2 マップ表示用Webアプリ
【特徴】
(平成27年度 青森工業総研)
・スマートフォンで、タンパクマップ等を
閲覧できる。使用機種は問わない。
・アプリのインストールが不要で、指定の
URLにアクセスして利用する。
・圃場を検索しやすいよう、現在地が表示
される。利用は無料(工業総研開発)。
色付き圃場: 「青天の霹靂」
数字 9月○日
タンパク質含有率 % (水分15%)
4.9 5.3 5.7 6.1 6.5 6.9 7.3以上
←低い
高い→
図3
タンパクマップ(同じ生産者)
成熟期 (月日)
(平成27年 青森農林総研)
9/13以前 14 15 16 17 18 19 20 21以降
同じ生産者の圃場でも、タンパク質含有率には
←早い
遅い→
差がある(水分15%換算 5.4~6.2%)。
図4 速報版収穫適期マップ(同じ地域)
(注)1 27年産「青天の霹靂」タンパクマップの
(平成27年 青森農林総研)
推定誤差(RMSE):0.21ポイント
同じ地域でも、圃場によって成熟期に9日
2 (参考)図3の生産者の食味計測定データ
程度の差が生じている(9/12~9/21)。
搬入されたロッド単位で7回に分けて測定
(注)1
27年産「青天の霹靂」収穫適期マッ
①5.5%、②5.6%、③5.7%、④5.7%、
プの推定誤差(RMSE):2.2日
⑤5.8%、⑥5.8%、⑦6.1%
合計727俵分が搬入され、1ロットには30a圃
場で3.8枚程度が含まれる(9俵/10aとして (参考価格)
・水土里情報システム利用料
換算)→食味計ではどこの圃場でタンパクが
15万円~/年(利用面積で変動)
高いのか判断が付かない。
・衛星画像 SPOT6号 184万円/2,996km2
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