NEWS RELEASE - 格付投資情報センター

NEWS RELEASE
2016年4月11日
DMG森精機が独DMG MORI株追加取得、財務負担となるもCF掌握
DMG 森精機(証券コード:6141、発行体格付=A-)は 7 日、ドイツ・フランクフルト市場に上場する
独 DMG MORI 株式を追加取得したと発表した。取得総額は約 600 億円(1 ユーロ=125 円換算)とみられ
る。持株比率が 60.67%から 76.03%に高まり、ドイツ法制に基づく会社間契約である「ドミネーション・
アグリーメント」の締結が可能となった。この契約締結により DMG 森精機は DMG MORI を直接マネジメン
トできるようになる。DMG MORI が今年下半期に開催する株主総会の承認、商業登記を経て契約発効とな
る予定。
今回の追加取得は、DMG 森精機の信用力にとってプラスの要素がやや上回る。2015 年 12 月末時点で、
DMG 森精機の自己資本は 1600 億円弱、有利子負債は約 2200 億円。追加取得に伴う資金調達で財務負担
が一段と増す半面、経営の一体化を進めやすくなる利点がある。契約締結によって、事実上、DMG MORI
のキャッシュフロー(CF)を掌握できるようになるため、DMG MORI が保有する約 700 億円(2015 年 12
月末時点)に及ぶ現預金の多くを、DMG 森精機の有利子負債返済に充当することが可能になる。現預金
と有利子負債がともに減少し、連結バランスシートはスリム化する。
DMG 森精機グループは金属加工技術の先端を走る世界最大の工作機械メーカー。2009 年の資本・業務
提携以降、現場レベルでの連携を深め、共同開発製品の投入、資本関係の強化、社名の統一と一体経営
に向けた取り組みを進めてきた。今回の契約締結をテコに、こうした動きが加速すると予想される。DMG
森精機が内製化する主軸など主要部品の相互利用が増え、製造原価の低減も期待できる。ブランド力を
活用した販売戦略とコスト競争力の強化によって、財務改善のスピードを上げていけるか注目していく。
主任格付アナリスト:奥定
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