業務仕様書 [PDFファイル/263KB]

愛知県医療療育総合センター(仮称)医療情報システム企画・設計業務委託仕様書
愛知県健康福祉部障害福祉課
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委託業務名
愛知県医療療育総合センター(仮称)医療情報システム企画・設計業務委託
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業務の目的
平成30年度に改築により開所予定である愛知県医療療育総合センター(仮称)(以下「医療療育
総合センター」という。)に係る医療情報システムの導入にあたって、専門的かつ中立的な立場から
分析・検討を行い、機能・コスト両面において最適な方法の助言・提案を行うとともに、システム構
築業務発注に必要な情報の整理及び仕様書類の作成を支援する業務を委託するものである。
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委託業務内容
(1) システム導入の基本方針策定
ア 現状調査・分析
イ ヒアリング及び課題・問題点の抽出
ウ 導入の必要性、目的等策定
エ 導入による効果等予測及び評価指標の設定
オ 新業務フロー案作成
カ 新施設の特性や情報共有の方策も取り入れた基本方針策定
(2) システム導入基本計画書策定
ア システムの基本構成と機能の全体概要計画
イ 導入すべきシステムの内容確認
ウ 汎用製品(パッケージ)の活用・対応への検討及び評価
エ 外部関係機関との情報共有ネットワーク構築及びデータの標準化等への対応計画
オ センター内統合ネットワークの検討
カ ソフト開発から運用開始までのスケジュール
キ システム導入に伴う費用対効果
(3) システム導入に伴う費用の算出
ア システム設計からシステム導入に係る概算費用の積算内容等
イ 運用開始後の保守管理費用等のランニングコストの概算費用の積算
ウ 医療機器現有品調査の実施
エ 医療機器整備概算費用の積算(機種の選定を含む)
(4) 仕様書作成
ア システム設計及び導入業務の委託に係る仕様書のあり方検討支援
イ 仕様書作成支援
ウ 総合評価落札方式の採用に必要な判定基準の作成支援
(5) 再編整備計画に伴う設備設計支援
ア 設備設計図面の確認及び問題点の取りまとめ
イ 建築・設備工事との調整支援
4 システムの内容
(1) 概要
改築後の医療療育総合センターにおける主たる対象者は、知的障害児、重症心身障害児者として
いる。このため、これまで多くの病院に導入されている医療面を主体とした医療情報システムとは
異なり、これらの児者に対する診療部門、医療型障害児入所施設、療養介護事業所 、福祉型児童
障害児入所施設、短期入所事業所、相談支援事業、発達障害研究所等の特性を配慮した上で、無駄
のないシステムを構築しようとするものである。
また、各事業を執り行う上で必要となる事務用端末に係るLANについて、医療療育総合センター
の前身である愛知県心身障害者コロニー中央病院・発達障害研究所・こばと学園他の旧事務用機
器・回線をとりまとめ、機密性・可用性・完全性の3点に配慮した情報セキュリティを備えたネッ
トワークの構築を行うものである。
(2) システムの機能
現在検討を想定している機能は次のとおりである。
ア
医療部門
(ア) 電子カルテシステム:カルテ文書、オーダー機能、看護支援、予約管理機能、クリティカル
パスほか
(イ) 放射線システム:PACS、RIS、REPORT、画像・レポート情報ほか
(ウ) 臨床検査システム:検体・細菌・輸血・病理・生理検査 ほか
(エ) リハビリシステム:リハビリテーション管理 ほか
(オ) 手術システム:手術・麻酔記録管理ほか
(カ) 歯科カルテシステム:歯科管理
(キ) 外来受付システム:再来受付機、予約
(ク) 薬剤管理システム:調剤・服薬指導
(ケ) 栄養管理システム:栄養管理、栄養指導 ほか
(コ) その他関連機能:チーム医療(インシデント管理、褥瘡管理、感染管理、NSTなど会議閲
覧システム)、勤務管理、患者認証システム、病診連携(一般・精神)システム、診療支援
システム、診断書作成支援システム、診療情報管理システム(病歴・診療録管理)に必要な
機能
イ
事務部門
(ア) 医事支援システム:医事会計管理(レセプト電算・DPCのオンライン請求対応、診察券自
動発行システム)、経営分析 ほか
(イ) 事務用LAN:センター内各施設における事務用機器のネットワーク回線
ウ
療育部門
(ア) 療育支援システム:医療型障害児入所施設・療養介護事業所・短期入所事業所・相談支援事
業など個別支援計画、活動記録 ほか
エ
その他
(ア) 地域医療・療育支援システム:情報管理(外部機関との医療情報共有等と情報管理機能)
5 検討内容
(1) 構築するシステムに関して、専門的かつ中立的立場からの分析や、情報提供を行い、パッケージ
導入を前提とした、カスタマイズを最小限に抑えたスリムで品質の高いシステム構築及びシステ
ム選定のための要件整理等
(2) 愛知県心身障害者コロニーの職員とともに細部仕様の確認を行い、仕様確定後の追加・変更作業
等の手戻りや追加改造によるシステム調達費用の増高の防止等
(3) システムのベンダーロックイン(独自技術に大きく依存したシステム等を採用することで、他ベ
ンダーの提供する同種の製品、サービス、システム等への乗り換えや共存が困難になる現象のこ
と。
)による維持管理費用、システム改修費用の高止まりリスクの最小化及び追加システム調達の
際のベンダーロックイン回避等
(4) システムの要求仕様を満たし、かつ運用可能であることを確認するための検収要件の整理等
(5) 運用保守で求める作業範囲と内容(サービスレベル)を明確にしたシステム維持管理を円滑に行う
ための要件整理等
(6) 患者情報保護を含む診療・療育サービス面・安全面、また各部門・診療科の特性を重視した機能
要件の洗い出し
(7) セキュリティ面を含め、ネットワーク基盤やハードウェア側で実装すべき機能と、ソフトウェア
側で実装すべき機能の明示的な切り分け
(8) 上記(1)~(7)を踏まえ、レセプト出力等の定型業務に加え、バックアップや監視作業等の運用管理
業務や保守作業までを含めたシステム全体の業務機能要件の策定
ただし、機能要件の対象を主たる業務処理のみに限定せず、緊急・突発的事象の発生等によって
想定し得る例外的処理についても考慮すること。
(9) 十分な二重化(冗長化)を意識し、データの暗号化等万全のセキュリティの確保
(10) セキュリティ面を考慮した統合ネットワークの構築
(11) 導入するサーバ機器、端末やプリンタ、ネットワークを含む関連機器等の設置場所、必要数の
見積り、調達要求仕様の策定
(12) 基幹システムと部門システムの接続に関する要件の策定
(13) 地域医療・療育連携や、患者への診療情報の提供といったデータ連携・提供のためのインタフェー
ス(データ形式等)要件の策定
(14) 想定されるシステム機能や処理性能等のシステム規模から類推されるイニシャルコスト及び運
用に必要な人的資源も考慮したランニングコストの試算や日標値の設定
(15) 医療部門・事務部門のシステム相互の情報管理体制の策定
(16) 医療・療育情報システムを構築するに当たり、事前に整備しなければならない設備や機器等のリ
ストアップ
(17) 愛知県心身障害者コロニー中央病院から愛知県医療療育総合センター(仮称)への機能移管を行
うに当たり、医療・療育情報システムに関連する情報機器並びに整備を必要とする医療機器に関
する設備設計図面の確認
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作業遂行上の留意点
(1) 応札者見積時の高コスト要因の排除を行う。
(2) 仕様確定に向け、各作業フェーズでのポイントを示す。
(3) 運用・改造の効率化を考慮した要求仕様(システム開発)とする。
(4) 効率的な運用及び改造作業が実現できる要求仕様(システム運用)とする。
(5) ベンダーロックイン排除の方策を開発要求事項として示す。
(6) 本業務の受託者は業務の中立性を確保するため、本業務終了後予定しているシステム構築業務へ
の参加は認めない。
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想定される成果物
別紙資料のとおり。各成果物について、製本した資料3部及び電子データ(CD-R)を愛知県健
康福祉部障害福祉課障害者施設整備室及び愛知県心身障害者コロニー中央病院にそれぞれ提出する
こと。
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概算費用の算出
(1) 一次算出
医療情報システム概算予算について、要求仕様のとりまとめ段階の概略数字(機能面、画面数、帳票数、
DB 数等)から概略金額を算出する。算出期限は平成28年9月上旬とする。
(2) 最終算出
(ア) 医療情報システム最終算出
仕様書の再検討から第一次算出値を修正する。算出期限は平成28年11月上旬とする。
(イ) 医療機器概算予算
現有品調査内容等の結果をもとに、愛知県心身障害者コロニー中央病院等医療機器ヒアリングを
実施する。ヒアリング結果に基づき、愛知県医療療育総合センター(仮称)で必要となる医療機器
の概算金額を算出する。算出期限は平成28年12月中旬とする。
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その他の付帯業務
(1) 当課職員等との打ち合わせの実施 (月1回程度)
(2) 愛知県心身障害者コロニーとの各種検討・調査及び日時調整等
(3) 状況により他の関係機関との検討も適宜行う。
(4) 上記、検討会等の企画及び日時等の調整は障害者施設整備室と協議の上、決定する。
10 履行期間
契約日から平成 29 年 3 月 17 日(金)までとする。