プレサンス コーポレーション 伪近畿圏及び東海・中京

Company Research and Analysis Report
FISCO Ltd.
http://www.fisco.co.jp
プレサンス
コーポレーション
3254 東証 1 部
伪伪近畿圏及び東海 ・ 中京圏ではマンション供給数 No.1
プレサンスコーポレーション <3254> は、 ファミリーマンション及びワンルームマンションの企
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画・開発・分譲を手掛ける独立系デベロッパーである。 近畿圏及び東海・中京圏ではマンショ
ン供給数 No.1 であり、 都心主要駅から徒歩 10 分以内の利便性の良い立地に、 自社で企画
開発するプレサンスシリーズのマンションを展開する。 士気の高い販売部隊が強みの源泉で
2016 年 4 月 6 日 (水)
あり、 完成在庫の売れ残りは極めて少ない。 1997 年の設立以来、 順調な成長を続けており、
2007 年に東証 2 部上場、 リーマンショックにも大きな影響を受けずに 2013 年には東証 1 部
Important disclosures
and disclaimers appear
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上場を果たしている。
足元の業績も好調である。 2016 年 3 月期第 3 四半期 (2015 年 4 月- 12 月) の売上高
は 69,846 百万円 (前期比 21.8% 増)、 経常利益 14,270 百万円 (前期比 17.7% 増) となり、
企業調査レポート
執筆 客員アナリスト
角田 秀夫
売上高 ・ 経常利益ともに前年同期を大幅に上回った。 不動産販売事業において、 近畿圏を
中心とする 3 大都市圏でファミリーマンションやワンルームマンションの販売実績を伸ばしたこ
とが要因だ。 2016 年 3 月期通期予想においても、売上高 78,540 百万円 (前期比 19.7% 増)、
経常利益 13,238 百万円 (前期比 9.7% 増) という当初計画は変えていない。 第 3 四半期売
上高の通期に対する進捗率は 88.9%、 各利益に関する進捗率も 100% を超えており、 6 年連
企業情報はこちら >>>
続増収増益と計画どおりの着地に懸念はなさそうだ。 高い収益性と財務の安全性は折り紙付
きであり、 2015 年 8 月に JPX 日経インデックス 400 銘柄に選定されている。
中期的には営業利益を毎年 2 ケタ増 (10% 強の成長) を目標としている。 過去 7 年間の
実績では営業利益の年平均成長率 13.9% (08/3 期から 15/3 期) で推移しており、 堅実な計
画値と言える。 2015 年 12 月末の仕掛販売用不動産の中の取得済の土地をマンション戸数
に換算すると、 ファミリーマンション 4,476 戸 (16/3 期計画の 3.2 年分)、 ワンルームマンショ
ン 4,408 戸 (16/3 期計画の 3.1 年分)、一棟販売 2,352 戸 (16/3 期計画の 5.8 年分) となり、
成長のための先行投資が順調であることがわかる。 一部のマンション用地をホテルに転用す
ることで、 ホテル事業への参入も決定しており 2018 年 3 月期以降に成果が表れる。
伪伪Check Point
・ ファミリーマンション販売が主力、 環境性に富む立地で自社ブランド販売
・ 士気の高い販売部隊の存在が完成在庫を少なくし早期資金回収を可能に
・ 近畿圏及び東海 ・ 中京圏を中心にマンション用地の先行取得を進めてきた
本資料のご利用については、 必ず巻末の重要事項 (ディスクレーマー) をお読みください。
1
通期業績の推移(連結)
(百万円)
(百万円)
売上高(左軸)
経常利益(右軸)
㻤㻜㻘㻜㻜㻜
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プレサンス
コーポレーション
㻢㻜㻘㻜㻜㻜
3254 東証 1 部
㻠㻜㻘㻜㻜㻜
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2016 年 4 月 6 日 (水)
㻟㻞㻘㻜㻜㻜
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㻜
㻜
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(予)
出所 : 決算短信
伪伪会社概要
ファミリーマンション販売が主力、 環境性に富む立地で自社ブラン
ド販売
(1) 沿革
同社の母体は、1997 年 10 月に株式会社日経プレステージとして大阪で設立されたワンルー
ムマンション販売会社である。 2002 年 4 月に株式会社プレサンスコーポレーションに商号変
更された。 1998 年に建物管理業務及び保険代理業務、 1999 年にはファミリーマンション販
売及び不動産賃貸管理業務に進出するなど、 周辺業務を取り込みながら業容を拡大してき
た。 2000 年代に入ってからは自社開発物件を手掛け始め、 東海及び関東へ販売エリアを広
げた。 2008 年には中古物件売買 ・ 仲介業務、 2014 年には建設事業及び家賃保証業務に
進出するために子会社を設立している。 リーマンショック (2008 年 9 月~) の影響で不動産
業界は大きな痛手を負ったが、 同社は業績を維持し、 分譲マンション準大手企業に成長した。
2007 年に東証 2 部上場、 2013 年には東証 1 部上場を果たす。
主な沿革
1997年10月 ( 株 ) 日経プレステージを設立
1997年10月 宅地建物取引業免許 (大阪府知事) を取得
1998年11月 自社ブランド第 1 棟 「プレサンス難波東」 を販売
1998年12月 建物管理業務、保険代理業務を行う ( 株 ) プレサンスコミュニティを設立(現 ( 株 ) パシフィック)
1999年  6月 ファミリーマンションの販売を行う ( 株 ) 日経アシストを設立 (現 ( 株 ) プレサンス住販)
1999年  6月 不動産賃貸管理業を開始
2000年  7月 初めての自社開発物件 「プレサンス心斎橋 EAST」 を販売
2002年  4月 株式会社プレサンスコーポレーションに商号変更
2003年  5月 東海エリアに初めての自社開発物件として 「プレサンス名古屋城前」 を販売
2005年  2月 名古屋販売センターを開設
2005年  7月 名古屋販売センターを名古屋支店に昇格
2007年12月 東京証券取引所市場第 2 部に上場
2008年  8月 中古物件売買、 仲介業務を行う ( 株 ) ルームプロを設立 (現 ( 株 ) プレサンスリアルタ)
2008年12月 東京支店を開設
2013年10月 東京証券取引所市場第 1 部に上場
2014年  4月 建設事業を行う ( 株 ) トライストへの出資と株式取得により子会社化
2014年  8月 家賃保証業務を行う ( 株 ) プレサンスギャランティを設立
2015年  8月 不動産ソリューション ・ コンサルティング事業を行う ( 株 ) プレサンスリアルエステートを設立
出所 : 有価証券報告書等
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2
■会社概要
■
(2) 事業概要
現在の事業の柱は 「ファミリーマンション販売」 であり、 売上高の 60.2% を占める。 住戸専
用面積で 50 ~ 100 平方メートル、主要駅より徒歩 10 分圏内で環境性に富む立地に建設され、
「プレサンス ロジェ」 などのブランドで販売される。 販売は子会社の ( 株 ) プレサンス住販が
プレサンス
コーポレーション
担当する。 次に大きいセグメントが創業からの中核事業である 「ワンルームマンション販売」
であり売上高の 26.4% である。 住戸専用面積で 20 ~ 50 平方メートル、 都心の主要駅より徒
歩 5 分圏内で利便性に富む立地に建設され、 「プレサンス」 ブランドで販売される。 ワンルー
ムマンションは資産運用を目的に購入されるものであり、 主に高給与所得者 ・ 富裕層などが
3254 東証 1 部
ターゲット顧客である。 「一棟販売」 は自社開発したマンションの卸売販売であり、全体の 5.8%
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である。 「その他事業」 には自社開発した物件の賃貸事業が含まれ、 3.5% の売上構成であ
る。 地域別に見ると、 全国で 2,859 戸 (2016 年 3 月期第 3 四半期) 供給された中、 近畿圏
2016 年 4 月 6 日 (水)
で 1,911 戸、 東海 ・ 中京圏で 776 戸、 沖縄圏で 122 戸、 首都圏で 50 戸となり、 本拠地であ
る近畿圏に強く、 東海 ・ 中京圏を攻略済み、 首都圏へ進出している。
事業の内容と構成 (2016 年 3 月期第 3 四半期累計)
事業セグメント
不動産販売事業
その他事業
主な業務内容
ファミリーマンション販売
ワンルームマンション販売
一棟販売
その他不動産販売
その他住宅販売
不動産販売附帯事業
自社物件の賃貸事業など
合計
販売数量 (戸) 売上高 (百万円)
1,345
42,020
1,153
18,477
330
4,053
-
1,743
31
881
-
225
-
2,444
2,859
69,846
売上構成 (%)
60.2%
26.4%
5.8%
2.5%
1.3%
0.3%
3.5%
100.0%
出所 : 決算短信
(3) マンション市場の動向
2015 年 1 月から 12 月に全国主要都市で発売されたマンションは 78,089 戸であり、 前年比
で 6.1% の減少だった。同社の地盤である近畿圏に限れば、18,930 戸の供給があり、前年比 0.6%
の微増であった。 マンション価格は全国平均で 4,618 万円 (前年比 7.2% 増) となり、 1973
年の調査開始以来最高となった。 首都圏での価格上昇が 9.1% 増と顕著だが、 近畿圏におい
ても 3.9% 増と上昇傾向は変わらない。 首都圏での過度の価格上昇は、 市場における懸念材
料である。
マンション発売戸数 ・ 価格の推移
マンション発売戸数
2014 年
2015 年
前年比
(戸)
(戸)
(%)
首都圏
44,913
40,449
-9.9
近畿圏
18,814
18,930
0.6
その他
19,478
18,710
-3.9
全国
83,205
78,089
-6.1
出所 : 不動産経済研究所資料、 FISCO
2014 年
(万円)
5,060
3,647
3,204
4,306
マンション価格
2015 年
(万円)
5,518
3,788
3,512
4,618
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3
前年比
(%)
9.1
3.9
9.6
7.2
■会社概要
■
確かな販売力で完成在庫を少なくし早期資金回収を可能に
(4) 競合ポジション
同社はマンション市場において、 上位に位置している。 近畿圏では、 分譲マンション供給
プレサンス
コーポレーション
ランキングで 6 年連続第 1 位 (2015 年)、 東海 ・ 中京圏でも 4 年連続の第 1 位 (2015 年)
を獲得している。 全国では 2015 年に第 6 位となり前年からランクアップした。 近畿圏や東海・
中京圏においては過去から地場の不動産業者等との信頼関係を築いてきたために土地の取
得に強みがある点、 顧客のニーズにマッチしたマンションを適正価格で供給している点がラン
3254 東証 1 部
ク向上のドライバーとなっている。 ちなみに、 同社の物件平均単価はファミリーマンションで
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31.2 百万円であり、 全国市場平均 46.1 百万円や近畿圏平均 37.8 百万円と比べても低く設定
されている。
2016 年 4 月 6 日 (水)
地域別分譲マンション供給ランキング (2015 年)
順
位
近畿圏
ランキング
プレサンス
1
コーポレーション
2 日本エスリード
供給数量
(戸)
1,669
1,377
順
位
東海 ・ 中京圏 供給数量
ランキング
(戸)
プレサンスコーポ
1
695
レーション
2 野村不動産
374
順
位
全国
ランキング
供給数量
(戸)
1 住友不動産
5,398
4,556
3 住友不動産
915
3 大和ハウス工業
342
4 野村不動産
856
4 大京
298
5 和田興産
838
5 矢作地所
287
6 近鉄不動産
775
6 マリモ
286
7 日商エステム
709
234
8 東急不動産
659
7 宝交通
三井不動産レジデ
8
ンシャル
2 野村不動産
三井不動産レジデ
3
ンシャル
三菱地所レジデン
4
ス
5 大和ハウス工業
プレサンスコーポ
6
レーション
7 東急不動産
201
8 東京建物
1,501
9 静岡鉄道
181
9 大京
1,440
10 東レ建設
163
10 タカラレーベン
1,399
三菱地所レジデン
610
ス
10 阪急不動産
595
出所 : 不動産経済研究所資料
9
4,308
4,005
2,770
2,512
1,838
(5) 強み ・ 優位性
同社はワンルームマンションの販売事業からスタートしており、 確かな販売力を有する営業
部門の存在が強さの源泉である。 営業部門全体で 1 物件を一定期間に集中販売するために、
社内競争が促され、 営業員の士気が向上する。 また、 自社開発 ・ 自社ブランドのマンション
のみを販売するために、 物件の仕様 ・ 特徴を細かい点まで熟知しているのも販売力を高める
要因だ。 完成在庫を少なくし、 早期の資金回収が可能になるために、 財務にも好循環が生
まれる。 安全性の指標である自己資本比率は 43.9% (15/3 期)、 収益性の指標である売上
高経常利益率は 18.4% (15/3 期) と、 ともに業界内において顕著に高い。 2015 年 8 月には
優れた財務内容が評価され、 JPX 日経インデックス 400 銘柄に選定されている。 健全な財務
内容は、積極的な土地の仕入れを可能にし、金融機関やゼネコンとの交渉条件も有利にする。
立地に関しては、 長期にわたり資産価値が継続することを重視し、 都心主要駅から 10 分圏
内を基準とする。 自社で企画開発するために、 リーズナブルな価格帯で、 バランスの良い機
能を備えたコストパフォーマンスの高い商品に仕上げるのが得意だ。
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4
■会社概要
■
同社の強み ・ 優位性
プレサンス
コーポレーション
3254 東証 1 部
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2016 年 4 月 6 日 (水)
伪伪業績動向
16/3 期 3Q は関西圏を中心とする 3 大都市圏で販売実績を伸ば
し増収増益
○ 2016 年 3 月期第 3 四半期の業績動向
2016 年 3 月 期 第 3 四 半 期 の 売 上 高 は 69,846 百 万 円 ( 前 期 比 21.8% 増 )、 営 業 利 益
14,418 百万円 (前期比 17.7% 増)、 経常利益 14,270 百万円 (前期比 17.7% 増)、 親会社株
主に帰属する四半期純利益 9,502 百万円 (前期比 21.6% 増) となり、 売上高 ・ 各利益ともに
前年同期を上回った。 不動産販売事業において、近畿圏を中心とする 3 大都市圏でファミリー
マンションやワンルームマンションの販売実績を伸ばしたことが要因だ。
2016 年 3 月期第 3 四半期の業績
売上高
売上原価
売上総利益
販売費及び一般管理費
営業利益
経常利益
親会社株主に帰属する四半期純利益
出所 : 決算短信
15/3 期 3Q
実績
構成比
(百万円)
(%)
57,342
39,327
68.6
18,015
31.4
5,763
10.1
12,252
21.4
12,125
21.1
7,814
13.6
実績
(百万円)
69,846
48,611
21,235
6,817
14,418
14,270
9,502
16/3 期 3Q
構成比
(%)
69.6
30.4
9.8
20.6
20.4
13.6
前期比
(%)
21.8
23.6
17.9
18.3
17.7
17.7
21.6
○ 2016 年 3 月期通期の業績見込み
2016 年 3 月期計画は、売上高 78,540 百万円(前期比 19.7% 増)、営業利益 13,492 百万円(前
期比 10.0% 増)、 経常利益 13,238 百万円 (前期比 9.7% 増)、 親会社株主に帰属する当期純
利益 8,794 百万円 (前期比 13.4% 増) の見込みである。 第 3 四半期売上高の通期に対する
進捗率は 88.9%、 各利益に関する進捗率も 100% を超えており、 進捗は順調である。 ただし、
同社の売上計画はすべて個別物件と紐付けが成されており、 今期の引き渡し物件が変わら
ないため、 売上の大きな上振れはないことに留意したい。
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5
■業績動向
■
2016 年 3 月期通期 (連結、 見込み)
プレサンス
コーポレーション
売上高
営業利益
経常利益
親会社株主に帰属する
当期 (四半期) 純利益
出所 : 決算短信
15/3 期通期
実績
(百万円)
65,641
12,262
12,065
16/3 期通期 (見込み)
計画
前期比
(百万円)
(%)
78,540
19.7
13,492
10.0
13,238
9.7
7,758
8,794
16/3 期 3Q
実績
通期進捗率
(百万円)
(%)
69,846
88.9
14,418
106.9
14,270
107.8
13.4
9,502
108.1
3254 東証 1 部
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○財務状況
2015 年 12 月末の総資産残高は 106,215 百万円となり、前期末比 4,666 百万円増となった。
現預金 23,998 百万円 (前期末比 3,055 百万円増) がより厚くなったのが大きな要因だ。 販
2016 年 4 月 6 日 (水)
売用不動産が 3,861 百万円 (前期末比 1,259 百万円増) にとどまっていることは、 完成在庫
の売れ残りが抑えられている証左である。
一方、 負債は 55,624 百万円 (前期末比 1,292 百万円減) となった。 主な減少は、 流動
負債の 9,001 百万円減である。 主な増加は固定負債の 7,708 百万円増であり、 長期借入金
の増加が主な要因である。 資金調達の長期化が進んでいる。
2015 年 12 月末において、 流動比率 507.9% (前期末 328.4%)、 自己資本比率 47.5% (前
期末 43.9%) と財務の安全性は高く、 さらに健全化した。
連結貸借対照表、 経営指標
流動資産
(現金及び預金)
(販売用不動産)
(仕掛販売用不動産)
固定資産
総資産
流動負債
固定負債
負債合計
純資産合計
負債純資産合計
<安全性>
流動比率 (流動資産÷流動負債)
自己資本比率 (自己資本÷総資産)
出所 : 決算短信
2015 年 3 月末
94,070
20,942
2,602
68,854
7,478
101,549
28,647
28,269
56,916
44,632
101,549
2015 年 12 月末
99,777
23,998
3,861
70,341
6,438
106,215
19,646
35,977
55,624
50,591
106,215
328.4%
43.9%
507.9%
47.5%
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6
(単位 : 百万円)
増減額
5,707
3,055
1,259
1,487
-1,040
4,666
-9,001
7,708
-1,292
5,959
4,666
-
伪伪成長戦略
近畿圏を中心にマンション用地の先行取得を進めてきた
○中長期的な利益目標
同社は外部環境に即応し経営の自由度を確保するために、 あえて中長期計画を策定しな
プレサンス
コーポレーション
い方針を取っているため、 具体的な数値目標はない。 ただし、 経済環境が悪化するなどの
3254 東証 1 部
考えている。 2008 年 3 月期から 2015 年 3 月期までの 7 年間の営業利益の伸びが年 13.9%
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特別な要因がなければ、 営業利益ベースで前期比 2 ケタ増 (10% 強の年成長率) を目標と
であったという実績からすると、 この目標は堅実なものと考えてよいだろう。 ちなみにこの期
間はリーマンショックや東日本大震災などがあり、 必ずしもマンションデベロッパーにとっての
環境が良かったわけではない。
2016 年 4 月 6 日 (水)
○仕掛販売用不動産の残高
土地の仕入れが雌雄を決するマンションデベロッパーにとって、 現状の首都圏マンション用
地の高騰は懸念材料である。 同社は潤沢な内部留保を背景に、 近畿圏中心にマンション用
地の先行取得を進めてきた。 2015 年 12 月末の仕掛販売用不動産は 70,341 百万円、 販売
用不動産は 3,861 百万円。 これら 2 つの合計から事前工事代などを差し引いた取得済用地
の資産額は 56,846 百万円である。 これらの土地をマンションに換算すると、 ファミリーマンショ
ン 4,476 戸 (16/3 期計画数の 3.2 年分)、 ワンルームマンション 4,408 戸 (2016 年 3 月期計
画数の 3.1 年分)、 一棟販売 2,352 戸 (2016 年 3 月期計画数の 5.8 年分) に相当する。 積
極的な仕入れを可能にしているのは資金力だけではなく、 情報力も一役買っている。 リーマ
ンショック時も用地を買い続けた実績や審査 ・ 回答の早さが同社の強みであり、 地場の不動
産業者からの一次情報を獲得するうえで有利に働いている。
取得済用地の状況
㻞㻜㻝㻢年㻟月期計画(戸)
㻞㻜㻝㻡年㻝㻞月末 取得済用地(戸)
ファミリーマンション販売
㻟㻚㻞倍
ワンルームマンション販売
㻟㻚㻝倍
一棟販売
㻡㻚㻤倍
㻜
㻝㻘㻜㻜㻜
㻞㻘㻜㻜㻜
㻟㻘㻜㻜㻜
㻠㻘㻜㻜㻜
㻡㻘㻜㻜㻜
出所 : 会社資料をもとにフィスコ分析
○ホテル事業への取り組み
訪日外国人旅行者の増加を背景としてホテル不足は深刻化しており、 この傾向は近畿圏
においても同様である。 同社では大阪・京都の中核駅に隣接した取得用地の中から、マンショ
ン事業よりもホテル事業として取り組んだほうが収益向上を見込める場所ではホテル事業を
展開する方針だ。 既に完成予定の物件が 4 件 (2018 年 3 月期に大阪で 2 物件完成、 京都
で 1 物件。 2019 年 3 月期に大阪で 1 物件完成) あり、 この 4 物件に関しては、 ホテル事業
会社へ売却するスキームだが、 中長期的には自社保有や自社運営を含めた多角的な展開を
視野に入れている。
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伪伪株主還元
好調な業績を背景に増配を行う予定
同社は、 将来の事業展開のための内部留保を重視しながらも、 株主への適切な利益還元
プレサンス
コーポレーション
をバランス良く行う方針である。 2016 年 3 月期は、 好調な業績を背景に 60 円 / 年 (期末、
前期比 10 円増) の配当を行う予定である。 配当性向は過去数年間 10% 前後であり、 2016
年 3 月期においても同水準を維持する予想である。
3254 東証 1 部
https://www.pressance.co.jp/ir/ir.html
2016 年 4 月 6 日 (水)
同社は株主優待として、決算期末(3 月末日)に 100 株以上を保有している株主に対し 5,000
円相当の JTB ナイスギフトを贈呈している。
配当金と配当性向の推移
(円)
年間配当(左軸)
配当性向(右軸)
㻣㻜
㻞㻤㻑
㻢㻜㻌
㻢㻜
㻞㻠㻑
㻡㻜㻌
㻡㻜㻌
㻡㻜
㻞㻜㻑
㻠㻜
㻟㻡㻌
㻟㻡㻌
㻞㻡㻌
㻟㻜
㻝㻞㻚㻠㻑
㻝㻞㻚㻤㻑
㻝㻢㻑
㻝㻞㻚㻝㻑
㻥㻚㻥㻑
㻥㻚㻤㻑
㻝㻜㻚㻡㻑
㻝㻞㻑
㻞㻜
㻤㻑
㻝㻜
㻠㻑
㻜
㻜㻑
㻝㻝㻛㻟期
㻝㻞㻛㻟期
㻝㻟㻛㻟期
㻝㻠㻛㻟期
㻝㻡㻛㻟期
㻝㻢㻛㻟期(予)
注 : 2011 年 4 月 1 日に 1 : 200 の株式分割を行う
出所 : 決算短信
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