国内外での営業基盤強化により着実に業績は拡大

大阪工機
(3173・東証 2 部)
2016 年 4 月 1 日
国内外での営業基盤強化により着実に業績は拡大
アップデートレポート
㈱ティー・アイ・ダヴリュ
高田 悟
主 要 指 標 2016/3/30 現 在
期初から見通し悪化も 16/3 期着地は 2 桁営業増益の見込み
16/3 期 3Q 累計(4-12 月)の営業利益は前年同期比 18.3%増の 568
百万円となった。飲料容器メーカー向けの設備の販売減から、耐摩工
具事業売上が減少した。しかし、柱の切削工具事業売上が自動車業界
向け堅調や営業拠点拡充による顧客の増加により着実に増加したこと
に加え、自動車産業が集積するメキシコ牽引により海外事業売上が大
幅増となったことなどから同 9.3%増収となった。増収による粗利の増
株
価
754 円
で国内外営業拠点拡充に伴う先行費用の増や東証 2 部への市場変更費
995 円
(2015/12/21)
585 円
(2015/8/25)
用の影響などを吸収し 2 桁増益。中国景気後退を主因とした海外事業
発行済株式数
6,868,840 株
悪化する中でも、近年進めた国内外での営業基盤強化による増販が効
売 買 単 位
100 株
時 価 総 額
5,179 百万円
予 想 配 当
22.5 円
17/3 期は国内自動車生産低迷が予想され、加えて新興国景気悪化が
52.56 円
想定されるなど、当社の事業環境は厳しい。それでも TIW は前期から
年初来高値
年初来安値
の見通し悪化や耐摩工具事業の想定外の低迷から 1 月末に通期計画を
営業利益で期初の 912 百万円→760 百万へ下方修正。従来から見通しが
き、16/3 期は海外が 12 月決算で既に終わっていることもあり、新会社
計画線の 2 桁営業増益で着地したと見られる。
(
会
予 想
社
)
E P S
( ア ナ リ ス ト )
実 績
P B R
1.18 倍
直前のレポート発行日
引き続き 17/3 期も切削工具と海外牽引による増益を予想
連続で 2 桁営業増益を予想。理由は(1)提案型営業をベースとした独
自商品の投入効果や近年、基盤強化を図った東日本地域での増販など
により主力の切削工具事業でシェア拡大による増収が見込める。(2)
海外事業は景気堅調な米国で新拠点開設が予定されており、北米牽引
ベーシック
2015/9/4
により一段の売上拡大が想定される。(3)新基幹システム導入に伴う
営業管理や在庫戦略強化による収益力向上が見込める。などによる。
業
績
動
売上高
百万円
向
前期比
%
営業利益
百万円
前期比
%
経常利益
百万円
前期比
%
当期純利益
百万円
前期比
%
EPS
円
2015/3 3Q(4-12 月)
実
績
14,535
na
480
na
515
na
296
na
43.23
2016/3 3Q(4-12 月)
実
績
15,886
9.3
568
18.3
540
4.8
292
-1.5
42.57
2015/3 通
実
績
19,827
na
670
na
713
na
382
na
55.71
新 ・ 会 社 予 想
21.480
8.3
760
13.4
719
1.0
361
-5.4
52.68
(2015 年 5 月発表)
22,690 14.4
912
36.2
910 27.7
517
35.2
75.32
新・アナリスト予想
21,480
8.3
760
13.4
719
1.0
361
-5.4
52.56
旧・アナリスト予想
(2015 年 9 月発表)
22,950 15.8
906
35.2
925 29.7
525
37.4
76.44
新・アナリスト予想
23,650 10.1
950
25.0
950 32.1
540
49.6
78.62
旧・アナリスト予想
26,250 14.4
1,200
32.5
1,215 31.4
690
31.4
100.46
期
(2016 年 1 月発表)
旧 ・ 会 社 予 想
2016/3 通
2017/3 通
期
期
(2015 年 9 月発表)
注 1)15/3 期数値は 16/3 期 1Q の会計方針変更を遡及修正。注 2)実績及び予想 EPS は平成 28 年1月実施の株式分割を考慮した数値を記載。
アナリストレポート・プラットフォーム
1
業
績
機械工具生産は
外需鈍化から、一進
一退で推移しよう
 経営環境解説

機械工具生産金額の推移
(図表 1)は 12 年 12 月から 15 年 12 月までの過去 3 年間の機械工具生産
金額と鉱工業生産指数の月次推移である。機械工具生産金額には当社の主要
商材である超硬工具(超硬合金を用いた工具の総称で、生産ラインの工作機
械に装備され、超高精度の金属加工を実現する工具)生産額を含む。そして、
機械工具生産額に占める超硬工具生産額の比重も高い。また、機械工具生産
金額は鉱工業生産指数との相関が強くほぼ連動して推移している。
機械工具生産金額は 13 年前半から 14 年前半にかけアベノミクス効果もあ
り緩やかに増加。しかし、14 年 4 月の消費増税後は横ばいからやや減少で
推移した。その後、14 年後半から 15 年半ばにかけ増税の反動もあり持ち直
すが、足下は外需鈍化などからやや減少気味で推移している。
機械工具生産金額は人口減、高齢化による内需の縮小、国内生産の減など
により長期的には減少が想定される。こうした中、当面は低金利長期化に加
え、オリンピックなどビックイベントを控えることを背景に堅調な内需が期
待できる一方で、中国を中心としたアジア景気減速から外需の低迷が予想さ
れるため、鉱工業生産に連動し一進一退での推移が見込まれる。
影響の大きい国
内自動車生産は前
年割れが継続

国内自動車生産
(図表 2)は 13 年 1 月から 16 年 1 月までの過去 3 年間の国内自動車生産
の月次推移である。連結売上高の 7 割弱を占める当社中核の切削工具事業に
おいては自動車業界向けの売上げ比重が最も高い。また、自動車産業は裾野
が広く、自動車の生産動向は例えば工作機械など他業界の生産動向にも大き
く影響する。自動車生産動向は当社切削工具売上に直接的に影響するだけで
はなく、他業界を通じて間接的に切削工具売上に影響を及ぼす。このため、
国内自動車の生産動向は当社業績の予測に当たり極めて重要な指標となる。
国内自動車生産は東日本大震災後のエコカー補助金導入効果による需要
増の反動減が収まった 13 年後半から 14 年前半にかけ、14 年 4 月の消費増
税前の駆け込み需要や米国新車市場好調などによる輸出増などが俟って大
きく上向いた。しかし、駆け込み需要の受注残の消化が進んだ 14 年の夏場
以降は消費増税影響の本格化から減速傾向が鮮明となる。各社の新車投入や
好調な輸出が支えるが、15 年 4 月からは軽動車税増税による軽自動車販売
悪化が響き、ほぼ毎月、前年の生産台数を下回る状況が足下も継続。
自動車生産からは同社にとって厳しい経営環境が続く。
アナリストレポート・プラットフォーム
2
業
績

鉱工業生産指数と機械工具生産金額の月次推移(図表 1)
機械工具生産金額
鉱工業生産指数(右軸)
(鉱工業生産指数)
(百万円)
50,000
104.0
102.0
40,000
100.0
98.0
30,000
96.0
20,000
94.0
92.0
10,000
90.0
88.0
0
12/1213/3 13/6 13/913/1214/3 14/6 14/914/1215/3 15/6 15/915/12
(出所)経済産業省、生産動態統計及び鉱工業生産指数(2010 年を 100 とする)

国内自動車生産の月次推移(図表 2)
自動車生産台数
前年同月比
(千台)
1,100
(%)
120.0
1,000
110.0
900
100.0
800
90.0
700
80.0
600
70.0
500
60.0
13/1 13/4 13/7 13/10 14/1 14/4 14/7 14/10 15/1 15/4 15/7 15/10 16/1
(出所)(社)日本自動車工業会
アナリストレポート・プラットフォーム
3
業
績
3Q 累計は増収、
2 桁営業増益
 16/3 期 3Q 累計(4-12 月)業績解説
3Q 累計は売上高 15,886 百万円(前年同期比 9.3%増)、営業利益 568 百万
円(同 18.3%増)、経常利益 540 百万円(同 4.8%増)、純利益 292 百万円(同
1.5%減)となった。耐摩工具事業の売上が減少したが、主力の切削工具事
業売上が前年を上回り、海外事業及び光製品事業で大幅に売上を伸ばしたこ
とから増収。利益面は国内外における営業基盤拡充に伴う人件費の増加や東
証 2 部への市場変更費用などの影響による販管費の増加影響などを増収に
よる粗利益の増で吸収し、営業段階で 2 桁の増益となった。しかし、営業外
での為替差損益の悪化などから最終段階利益は横ばいとなった。
切削工具堅調と
メキシコ貢献によ
る海外増益で耐摩
工具悪化を吸収
3Q 累計のセグメント別利益(図表 4 参照)は切削工具が 247 百万円(前
年同期比 22.7%増)、耐摩工具が 192 百万円(同 14.7%減)
、海外が 100 百
万円(同 3.0 倍)、光製品が 31 百万円(同 32.8%増)となった。切削工具
は機械工具業界において、工作機械及び切削工具などの受注及び生産が堅調
に推移する中、主要販売先である自動車業界向け販売が好調であったことに
加え、営業所及び出張所の拠点拡充による顧客の増加などにより 2 桁増益。
耐摩工具は主要顧客である飲料缶メーカーの設備投資案件が前年に比べて
少なかったことから減収となり減益。とはいえ、利益率は 10.1%と 10%台
の高水準の利益は維持した。海外は景気後退から先行する中国で販売は伸び
悩んだが、後発のメキシコ子会社において自動車業界向けに販売が好調であ
ったことなどにより順調に収益を拡大した。光製品は外観検査装置業界向け
の大口案件の受注などの寄与により大幅増収大幅増益となった。以上、切削
工具事業、海外及び光製品事業の増益で耐摩工具の減益を吸収した。
3Q のみでは耐摩
工具回復と海外牽
引により大幅増益
3Q(10-12 月)のみの業績は売上高が 5,434 百万円(前年同期比 8.1%増)、
営業利益が 220 百万円(同 64.2%増)となった。引き続き主力の切削工具
事業が堅調に推移する中、収益性の高い耐摩工具事業の売上が前年並みの水
準に戻ったことに加え、海外事業業績が米国自動車販売堅調に伴うメキシコ
好調が牽引し大幅に拡大したことから大幅増益。ちなみに 3Q のみでの海外
事業業績は売上高が 1,003 百万円(同 28.2%増)
、セグメント利益が 46 百
万円(前年同期は収支均衡)となった。
アナリストレポート・プラットフォーム
4
業
績
 16/3 期通期計画下方修正
通期計画を下方
修正したが、前期
を上回る着地見通
しに変化なし

下方修正とはいえ、業績は前年を上回る推移で堅調
3Q 累計決算公表(平成 28 年 2 月 8 日)に先立つ 1 月 27 日に 16/3 期通期
計画の下方修正を発表。期初の平成 27 年 5 月 12 日に公表した予想値から売
上高を 1,210 百万円、営業利益を 152 百万円、経常利益を 190 百万円、当期
純利益を 155 百万円、それぞれ下方修正する内容。一方、単体に関しては期
初から売上高を 543 百万円、経常利益を 99 百万円、当期純利益を 320 百万
円、それぞれ下方修正。連結財務諸表上は相殺されるため、連結業績への影
響はないものの、単体では子会社であるインドネシア及びベトナム、並びに
インドへの投資に関し関係会社株式評価損及び貸倒引当金繰入額を特別損
失として計上。計画を下方修正したとはいえ、当初の計画が高すぎたとの見
方もでき、連結、単体とも売上、各段階利益ともに前年を上回って堅調に推
移しており、修正後の 16/3 期着地予想も前期を上回る見込みである。
セグメント別には
海外事業と耐磨工
具事業を中心に
全般に下方修正

計画下方修正には中国景気の減速が全般に影響
計画下方修正の主な要因は(1)海外事業業績が売上、利益ともに前年を
上回って堅調に推移しているものの、想定外の中国景気減速やそれに伴う東
南アジア地域の景気低迷などにより当初計画に届かぬ見込みとなったこと、
(2)耐摩工具業績が主要販売先である飲料容器メーカーの設備投資の低迷
などから前年を下回って推移していること、
(3)中国景気減速の国内生産へ
の影響に伴う切削工具見通しの若干の悪化、などによる。このため、事業セ
グメント別には海外事業の売上高、耐磨工具事業の利益を中心に全般に下方
に見直した。なお、計画を下方に見直したとはいえ、耐磨工具事業を除く、
全ての事業セグメントが前期を上回る(光製品事業は 3Q 累計で利益計画を
超過達成)見込みでセグメント別に見ても業績は概ね堅調と言えよう。
16/3 期は会社
新計画線での着地
を見込む
 業績展望

16/3 期通期業績見込み
(1)
(図表 3)に示すとおり、 国内が書き入れ時となる 4Q(1-3 月)を残
し、3Q 累計で修正後の通期計画に対し売上高で 74.0%、営業利益で 74.7%
を遂行している、(2)海外が 12 月決算であり既に終了している、加えて、
(3)光製品事業の計画遂行が特に良好である、などから修正後の会社計画
の達成は可能と見る。会社新計画線での着地を予想し、従来の TIW 業績予想
は今般、会社計計画並みに下方修正した。
アナリストレポート・プラットフォーム
5
●
業績推移、計画遂行状況(図表 3)
単位:百万円
売上高
売上原価
売上総利益
(売上比)
販菅費
(売上比)
営業利益
(売上比)
経常利益
純利益
(売上比)
15/3期上期
15/3期3Q累計
9,510
14,535
7,601
11,659
79.9%
80.2%
1,909
2,876
20.1%
19.8%
1,563
2,396
16.4%
16.5%
346
480
3.6%
3.3%
357
515
222
297
15/3期
19,828
15,931
80.3%
3,896
19.6%
3,226
16.3%
670
3.4%
713
383
16/3期上期
前年比
10,453
109.9%
8,386
110.3%
80.2%
2,066
108.2%
19.8%
1,718
109.9%
16.4%
349
100.8%
3.3%
333
93.3%
181
81.7%
80.0%
3,179
20.0%
2,611
16.4%
568
3.6%
16/3期3Q累計
15,886
12,708
前年比
109.3%
109.0%
16/3期(計画)
21,480
17,208
前年比
計画進捗率
108.3%
74.0%
108.0%
73.8%
110.5%
80.1%
109.0%
4,272
19.9%
118.3%
3,512
109.7%
74.4%
16.4%
108.9%
74.3%
760
3.5%
113.4%
74.7%
540
292
104.8%
98.5%
719
361
101.0%
75.1%
94.6%
80.9%
(出所)会社資料より TIW 作成
●
セグメント別業績推移(図表 4)
単位:百万円
15/3期
16/3期
3Q累計
通期
(売上比)
3Q累計
(売上比)
(売上比)
通期(計画)
(前年比)
(売上比)
(前年比)
(進捗率)
切削工具
売上高
売上総利益
9,627
1,809
100.0%
18.8%
13,162
2,449
100.0%
18.6%
10,375
1,936
100.0%
18.7%
107.8%
107.0%
13,950
2,609
100.0%
18.7%
106.0%
106.5%
74.4%
74.2%
201
2.1%
304
2.3%
247
2.4%
122.7%
367
2.6%
120.4%
67.4%
2,077
100.0%
2,770
100.0%
1,905
100.0%
91.8%
2,550
100.0%
92.0%
74.7%
401
225
19.3%
10.8%
534
298
19.3%
10.7%
366
192
19.2%
10.1%
91.2%
85.3%
489
258
19.2%
10.1%
91.7%
86.7%
74.8%
74.2%
2,219
551
100.0%
24.8%
3,086
763
100.0%
24.7%
2,854
733
100.0%
25.7%
128.6%
133.0%
4,080
1000
100.0%
24.5%
132.2%
131.1%
69.9%
73.3%
34
1.5%
46
1.5%
100
3.5%
296.6%
112
2.7%
242.3%
89.1%
売上高
612
100.0%
809
100.0%
752
100.0%
122.8%
900
100.0%
111.2%
83.6%
売上総利益
セグメント利益
118
24
19.3%
3.9%
155
28
20.8%
3.4%
146
31
19.4%
4.2%
124.4%
132.8%
176
25
19.5%
2.8%
113.2%
90.6%
83.2%
125.2%
セグメント利益
耐摩工具
売上高
売上総利益
セグメント利益
海外事業
売上高
売上総利益
セグメント利益
光製品
(出所)会社資料よりTIW作成
アナリストレポート・プラットフォーム
6
業
績
 業績展望
17/3 期は切削
工具国内シェア拡
大や海外北米伸長
による増益を予想

17/3 期通期業績見込み
17/3 期は大幅増収、2 桁営業増益を TIW は予想。理由は(1)切削工具は
国内において関連の深い鉱工業生産並びに自動車生産がともに伸び悩みが
想定される。しかし、当社においては直販での提案型の営業をベースに卸に
おいて、独自商品(Cominixs)の開発投入効果が見込めることに加えて、近
年、営業基盤を強化してきた関東、東北などの地域で増販が期待できるため、
厳しい環境下にはあるが着実なシェア拡大による増収が主力の切削工具事
業において想定される。
(2)成長途上の海外事業においては景気堅調な米国
に現地法人を設立予定で切削工具に止まらず製缶工具の拡販展開も強化さ
れることから、先行するメキシコに加え、米国拠点が牽引する形で一段の売
上拡大が予想される。こうした中、利益面では(3)新基幹システム(SAP)
導入による営業管理や在庫戦略強化による収益力向上が見込める。など、
主力で比重の高い切削工具及び海外事業での増販効果に加え、基幹システム
導入による収益改善効果が見込めることによる。
海外事業展開ス
ピード鈍化から
中計目標達成は
一年後ろ倒し
 新興国景気の減速から中期経営計画を一部見直し
1 月 27 日に当社は昨年 5 月 22 日公表の 18/3 期を最終年度とする中期
経営計画の一部見直しを発表。当初は 18/3 期に海外事業の伸長牽引による
海外売上比率の拡大などにより売上高 300 億円、営業利益 15 億円(営業
利益率 5.0%)を到達目標として掲げた。しかし、中国を中心とした新興国
地域の景気減速を背景に主に海外での事業展開のスピードが当初想定より
鈍化していることを踏まえ、一年後ろ倒しにし、同目標を 19/3 期での達成
目標とした。現状を踏まえた妥当な修正と考える。
アナリストレポート・プラットフォーム
7
特
記
事
項
株式分割を実施、
流動性を高める

分割割合は 1 対 2
平成 27 年 12 月 31 日を基準日とし普通株式 1 株につき、2 株の割合をも
って株式分割を実施した。効力発生日は平成 28 年 1 月 1 日。分割後の発行
済み株式数は 6,868,840 株、分割後の発行可能株式総数は 9,600,000 株と
分割前から倍増した。株式の流動性を高め、投資家が投資しやすい環境を
整えることで投資家層の拡大を図ることが目的。
配当方針を変更、
株主還元を強化

連結配当性向は 30%を目途とし、期末配当予想を引き上げ
平成 27 年 11 月 7 日付けで当社は配当方針の変更を発表。従来の配当方針
においては、配当性向への言及はなかったが、今回の変更後の配当方針は「連
結配当性向 30%を目途として、将来の持続的成長に必要な内部留保の充実
を図りながら、継続的かつ業績に応じた利益還元を行っていく方針」とする
ことで、株主への利益還元の姿勢をより明確にするとともに、積極的な利益
還元を図っていく。従来からの株式優待制度と合わせ株主還元が一段と強化
される。今般の配当方針変更により 16/3 期期末配当予想を株式分割換算後
で従来の 1 株当たり 6.00 円→12.50 円へ引き上げた。
海外ネットワークは
更に充実

中国及びメキシコで拠点を開設
当社は昨年 9 月 2 日に中国武漢に事務所を開所し、本年 2 月 2 日にはメキ
シコにアグアスカリテンス事務所を開所した。海外進出で先行する中国にお
いては既に複数の拠点が設立されているが、メキシコは先行したイラプアト
(現地法人)に次ぐ、2 カ所目の拠点となる。当初先行費用が嵩む海外拠点
ではあるが、先行した拠点で着実に売上を伸ばし高収益を上げることで海外
事業全体では黒字となっている。なお、17/3 期には米国において現地法人
設立の予定。関連の深い自動車産業の成長が見込める中国及び北米での更な
る営業基盤の強化により海外事業の一段の成長が期待される。
アナリストレポート・プラットフォーム
8
(出所)㈱QUICK
上記チャート図の一部又は全部を、方法の如何を問わず、また、有償・無償に関わらず第三者に配布してはいけません。
上記チャート図に過誤等がある場合でも㈱QUICK 社及び東京証券取引所は一切責任を負いません。
上記チャート図の複製、改変、第三者への再配布を一切行ってはいけません。
2013/3
株 価 推 移
2014/3
2016/3 予
(アナリスト)
2015/3
株価(年間高値)
円
336
355
845
-
株価(年間安値)
円
257
278
321
-
月間平均出来高
千株
212
158
376
-
売
上
高
百万円
15,057
17,887
20,192
21,480
営
業
利
益
百万円
423
543
695
760
経
常
利
益
百万円
440
571
738
719
百万円
273
291
400
361
業 績 推 移
当 期 純 利 益
E
P
S
円
39.76
42.40
58.27
52.56
R
O
E
%
8.0
7.9
9.9
8.1
流動資産合計
百万円
6,790
8,962
10,250
-
固定資産合計
百万円
1,828
2,291
2,312
-
資
百万円
8,620
11,254
12,562
-
産
合
計
貸借対照表
流動負債合計
百万円
4,441
6,351
7,271
-
主 要 項 目
固定負債合計
百万円
623
1,043
1,023
-
負
百万円
5,065
7,394
8,294
-
株主資本合計
百万円
3,533
3,714
4,037
-
純 資 産 合 計
百万円
3,555
3,860
4,267
-
営業活動による CF
百万円
208
183
-189
-
投資活動による CF
百万円
2
-414
-137
-
財務活動による CF
百万円
-206
533
462
-
現金及び現金同等
物の期末残高
百万円
765
1,112
1,285
-
キャッシュフ
ロー計算書
主 要 項 目
債
合
計
注1) 株価推移及び業績推移(EPS)などに関し平成 28 年 1 月 1 日の株式分割(1 対 2)の影響を勘案
注2) 16/3 期 1Q に会計方針の変更あり、遡及修正非実施につき 15/3 期以前と 16/3 期数値との比較不可
アナリストレポート・プラットフォーム
9
リ
事
関
ス
ク
分
す
業
る リ
析
に
ス ク
 事業に関するリスク

有利子負債の一部は変動金利になっており、金利スワップ等活用によ
りリスク回避を図っているものの、金利上昇で収益が悪化する恐れ。

与信管理の徹底を図ってはいるが、今後の景気変動等によっては想定
を超えて取引先の信用状態等が悪化する可能性がある。

特に切削工具については多品種の在庫保有により顧客へ即納体制を
確立しているため、需要動向及び市況の変化によっては過剰在庫や多
額の商品評価損が発生するリスクがある。

大地震の発生など自然災害により当社グループ及び取引先の営業員
や従業員が被害を受けることで売上減少、物流機能麻痺、営業拠点の
修復又は代替のための費用発生等が生じる可能性がある。

1954 年 8 月に住友電気工業(株)と特約販売契約を締結し同社が製
造する切削工具販売を中心に事業を展開してきた。当該契約書には対
象となる製品、販売地域、支払方法及び解除事由等が記載されている。
現在、当社と同社の関係は良好でリスクは低いが、今後、同社との関
係の変化や同社の特約販売戦略や特約販売店各社に対する諸条件や
諸戦略の変更により、特約販売契約の内容等に変更の可能性や契約継
続に支障を来す要因発生による契約解除のリスクがある。

販売チャネルの一つとしてオンライン発注システムを構築しており、
予期せぬシステム障害の発生が機会損失、信用失墜に繋がる恐れ。

海外進出地域での政治、法律、経済等の激変により事業戦略の見直し
を余儀なくされるリスクがある。また、外貨建て輸出入取引を行って
おり、急激な為替変動により業績が激変するリスクを抱える。
業
関
す
界
る リ
に
ス ク
 業界に関するリスク

切削工具は自動車業界が主要なユーザーであり円高や需要減に伴う
国内自動車・部品生産の減、設備投資縮小による需要減。

米国及び中国などの新興国景気変調による世界的景気後退。

当社主要製品である超硬切削工具に使用される原材料(タングステ
ン)は主要切削工具メーカーのほとんどがその調達を中国からの輸入
に依存する。このため、中国の政治、経済情勢等の変化、法律改正、
紛争、自然災害の発生等、不測の事態により原材料が円滑に調達でき
なくなった場合や原材料価格に急激な上昇が発生した場合、業界各社
の販売活動低迷や収益悪化に繋がる可能性がある。
アナリストレポート・プラットフォーム
10
デ ィ ス ク レ ー マ ー
1.本レポートは、株式会社東京証券取引所(以下「東証」といいます。)が実施する「アナリストレポー
ト・プラットフォーム」を利用して作成されたものであり、東証が作成したものではありません。
2.本レポートは、本レポートの対象となる企業が、その作成費用を支払うことを約束することにより作
成されたものであり、その作成費用は、当該企業が東証に支払った金額すべてが、東証から株式会社テ
ィー・アイ・ダヴリュ(以下「レポート作成会社」といいます。)に支払われています。
3.本レポートは、東証によるレビューや承認を受けておりません(ただし、東証が文面上から明らかに
誤りがある場合や適当でない場合にレポート作成会社に対して指摘を行うことを妨げるものではありま
せん)。
4.レポート作成会社及び担当アナリストには、この資料に記載された企業との間に本レポートに表示さ
れる重大な利益相反以外の重大な利益相反の関係はありません。
5.本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的として作成されたもので、有価証券の
取引及びその他の取引の勧誘又は誘引を目的とするものではありません。有価証券の取引には、相場変
動その他の要因により、損失が生じるおそれがあります。また、本レポートの対象となる企業は、投資
の知識・経験、財産の状況及び投資目的が異なるすべての投資者の方々に、投資対象として、一律に適
合するとは限りません。銘柄の選択、投資判断の最終決定は、投資者ご自身の判断でなされるようにお
願いいたします。
6.本レポート作成にあたり、レポート作成会社は本レポートの対象となる企業との面会等を通じて、当
該企業より情報提供を受けておりますが、本レポートに含まれる仮説や結論は当該企業によるものでは
なく、レポート作成会社の分析及び評価によるものです。また、本レポートの内容はすべて作成時点の
ものであり、今後予告なく変更されることがあります。
7.本レポートは、レポート作成会社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、東証及
びレポート作成会社は、本レポートの記載内容が真実かつ正確であり、そのうちに重要な事項の記載が
欠けていないことやこの資料に記載された企業の発行する有価証券の価値を保証又は承認するものでは
ありません。本レポート及び本レポートに含まれる情報は、いかなる目的で使用される場合におきまし
ても、投資者の判断と責任において使用されるべきものであり、本レポート及び本レポートに含まれる
情報の使用による結果について、東証及びレポート作成会社は何ら責任を負うものではありません。
8.本レポートの著作権は、レポート作成会社に帰属しますが、レポート作成会社は、本レポートの著作
権を東証に独占的に利用許諾しております。そのため本レポートの情報について、東証の承諾を得ずに
複製、販売、使用、公表及び配布を行うことは法律で禁じられています。
<指標の説明について>
本レポートに記載の指標に関する説明は、東京証券取引所ウェブサイトに掲載されております。
参照 URL ⇒ http://www.jpx.co.jp/listing/reports/analyst-report/03.html
アナリストレポート・プラットフォーム
11