平成26年度次世代エネルギー技術実証事業費補助金(補正予算に係るもの) C-1.ネガワット取引に係るエネルギーマネジメントシステム構築と実証 関西圏 需要家の特徴を把握したアグリゲーターによるフレキシブルな ネガワット取引のポテンシャルの調査・研究 事業者名 :株式会社東光高岳 共同申請者名 :株式会社グローバルエンジニアリング 補助事業の名称:C-1.ネガワット取引に係るエネルギーマネジメントシステム構築と 実証需要家の特徴を把握したアグリゲーターによるフレキシブルな ネガワット取引のポテンシャルの調査・研究 全体の事業期間:平成27 年6月~平成28 年3月 実証事業の目的・目標 我が国におけるネガワット取引において、応答反応時間長・長時間抑制継続なタイプ、応答反応 時間短・短時間抑制継続のタイプのネガワットのポテンシャルを需要家の属性を考慮したアグリゲ ーターがもたらす最適ポートフォリオを構築による経済性の検証を行い、有効な電源の一つとして 位置付けること目指す。 また、あわせてネガワット取引ガイドラインの妥当性の検証も行うことを目的とする。 実証事業の概要 現在実施している DR については、一般電気事業者とアグリゲーターの間で締結している契約の 中で協力企業が決められた時間帯に実施する硬直的な DR であるため、より送電事業者がフレキシ ブルに発動できるよう、需要家の特性の把握を行う。 需要家の削減手法に関しては、発電設備・生産ライン・空調など複数の手法にて実証を行う。ま た、 実証に参加する需要家には、抑制等の結果を踏まえたインタビューを行い、その結果を通じて業 種・手法・時期ごとの特性の把握の補助とする。 更に、収集した調査・分析に対しての必要データを C-2 事業者に提供することにより、ネガワッ ト取引ガイドラインの妥当性の評価・把握を行い、抑制依頼に応じたベースラインのシステム構築、 需要家に対してスピードを重視した確実性のある通知方法を構築する。 1 各社分担 事業者 機能分担 東京電力株式会社 電力DRサーバー 株式会社グローバルエンジニアリング サーバー部 コンテンツサーバー パーソナルサーバー 株式会社東光高岳 需要家部 DR自動制御 サーバー部 OpenADR パーソナルサーバー 需要家部 ゲートウェイ DR自動制御 実証事業のスケジュール 平成27~28年 6-9月 DR 実証準備(需要家契約手続き) DR 実証準備(計測器設置工事) システムにて DR 実証・評価 DR 実証データ整理 システム設計・開発(関東圏で実施) 応用システム開発・構築(関東圏で 実施) ポートフォリオ実証試験対応(関東 圏で実施) DR発動アプリ実証試験対応(関東 圏で実施) 需要抑制費算定、支払 2 10-12 月 1-3月 3需要家の DR 発動日別総削減量一覧 10分前予告DR 発動日/ 抑制時間 1時間前予告DR 抑制時間 総削減量(kWh) 9/3 15:00~17:00 2,142 9/11 13:00~15:00 2,424 9/17 14:00~16:00 2,514 9/18 14:00~16:00 2,486 15:00~17:00 2,714 15:00~17:00 2,373 メニュー 総削減量(kWh) 10/8 16:00~17:00 2,223 10/20 16:00~17:00 0 10/21 11/16 10:00~11:00 1,756 9:00~11:00 -2,618 11/20 18:00~19:00 0 17:00~19:00 3,501 12/9 10:00~11:00 -263 9:00~11:00 3,026 12/17 18:00~19:00 2,019 17:00~19:00 2,801 12/18 10:00~11:00 2,383 9:00~11:00 1,922 12/25 18:00~19:00 0 17:00~19:00 2,564 1/7 18:00~19:00 1,509 17:00~19:00 2,185 9:00~11:00 3,228 1/13 1/19 18:00~19:00 1,831 17:00~19:00 2,182 1/20 9:00~10:00 1,212 9:00~11:00 2,680 1/26 9:00~10:00 0 需要家(3 事業所) <10分前予告DR:抑制容量総量(1,500kW)> 抑制手法:発電機(1事業所) <1時間前予告DR:抑制容量総量(1,100kW)> 抑制手法:発電機(1事業所) 生産ライン・空調(1事業所) 4 ベースライン算定方法<10分前予告DR> 10分前予告DRのベースラインの考え方においては、事前事後計測を基本とし、 DR発動予告の30分前~DR発動予告時の平均値分との比較をする。 ベースライン算定方法<1時間前予告DR> 1時間前予告DRのベースラインの考え方においては、DR発動の対象時間で前 日までの対象日5日間の数値の高い4日間を選定し(high4of5)、対象時間30分 ごとに平均値をとる(平均値①とする)。更に、その4日間のDR発動予告の3時間 前~DR発動予告時の各平均と当日の受電電力との差異の30分6コマ平均値を補 正値とし、平均値①に加算し、ベースラインとする。 ※high4of5 の対象日に関しては、発動日の前日を含めた前5日間を対象とする。 但し、以下を除くものとする。 ・土曜日、日曜日、祝日、12月29日から31日 ・本実証における発動日、アグリゲーター単独での対象需要家への発動日 5 実証事業全体の成果 本実証では、OpenADR を利用した一般電気事業者からアグリゲーター及び需要家 への発動に対して開発したシステムを利用、データを収集し、需要家ごとの特性を把 握することで、ベースラインの妥当性を検証することを可能とした。今回採用された ベースラインは概ね妥当性が高いと考えらえるが、当日の需要の状況によっては誤差 が生じるケースがあることも確認できた。 また、アグリゲーターとして、DR 発動の発動状況及び抑制を実施する需要家の分 析、分類し、成功率や達成率を基に最適なポートフォリオを構築するための基礎デー タの取得が出来た。今後のポートフォリオの構築にあたり、今回得られたデータを活 用することで、需要家の特性を理解し系統運用者のニーズに合わせて需要家を適切に 選定する、フレキシブルでコストパフォーマンスの高いネガワットを提供する事が可 能となる。 今後のビジネス化にあたっては、アグリゲーター側から参加需要家へのアプローチ を促進するためにも、今回運用を行ったアプリの機能を充実していくなど、需要家と のコミュニケーションを確実かつリアルタイムに行う手法の拡充が需要家の拡大と確 実性の向上には銃であると考えられる。 6
© Copyright 2024 ExpyDoc