は じ め に いじめや体罰、児童虐待、インターネットの普及に 伴うSNSや掲示板などを利用した人権侵害、障がい 者や高齢者に対する差別や虐待、夫や恋人・パートナ ー間の暴力(DV)や性的嫌がらせ(セクハラ)な ど、人権問題に対して的確な対応が強く求められてい ます。このような状況の中、国では、障害者差別解消 法やDV防止法などの法整備も進められてきました が、従来とは異なった形で、より直接的な人権侵害で あるヘイトスピーチなどの差別的な言動が近年問題化 しています。これらの解決策として、すべての人たち の権利を健全に擁護し、健康で文化的な生活の実現につなげ、社会の一員として 参画が保障されるまちづくりを進めていかなければなりません。 野洲市においては、平成 16(2004)年の新市発足時から「野洲市人権尊重の まちづくりに関する条例」を施行し、平成 18(2006)年2月 25 日には「野洲市 『人権尊重のまち』宣言」、 「平和都市宣言『豊かな自然と歴史に彩られたまち・ 野洲市』」をそれぞれ採択しました。そして、同年3月に野洲市として最初の「野 洲市同和対策基本計画」、 「野洲市人権施策基本計画」の2つの計画を策定し、平 成 23(2011)年3月には、第2次同和対策基本計画及び第2次人権施策基本計画 を定め、平成 27(2015)年度までの間、同和問題をはじめとする人権問題解決に 向けたさまざまな取組を行ってきました。第2次同和対策基本計画では、同和 行政の速やかな終結と同和行政を必要としない社会の実現を目標として取り組 むことを明確にしました。今回策定した「第3次人権施策基本計画」では、この 間に充実整備を行ってきた、権利擁護、子育て支援、生活困窮者等への自立支援 などの取組みを背景に、差別をなくして自立を促し、必要な人に支援を提供す るための一般施策を行うことにより同和問題の解決に向け取り組んでいく仕組 みへの変換も行うものです。 今後は、人権施策基本計画を基本として、あらゆる人権問題の解決をめざし、 共生社会の実現に向けた取組を一層推進してまいります。 最後に、この行動計画の策定に当たりまして、ご尽力いただきました野洲市 人権施策審議会の委員の皆さまをはじめ、市民意識調査などにより貴重なご意 見、ご要望をいただきました市民の皆さまに厚く感謝申しあげます。 平成 28(2016)年3月 野洲市長 山 仲 善 彰
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