平成27年度 学校運営のための法制問答集

平成27年度
学校運営のための法制問答集
茨城県学校長会「学校長必携第32集」
茨城県小中学校教頭会「法制研修会記録」
平成27年12月
茨 城 県 学 校 長 会
茨 城 県 中 学 校 教 頭 会
平成27年度
茨城県学校長会
「学校長必携第32集」
1
「特別休暇」等に関する問題
1
2
「児童生徒の就学管理」に関する問題
4
3
「学校職員の服務と分担」に関する問題
7
4
「学校事故」に関する問題
9
5
「学校の組織及び施設設備の管理」に関する問題
12
○
平成27年度
14
編集者一覧
1 「特別休暇」等に関する問題
問1
子育て支援のための休暇や休業制度にはどのようなものがあるか。
わが国において急速に少子化が進行していることを踏まえ,国,地方公共団体,事業主など
が社会を挙げて,次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ,育成される社会を形成すること
を目的に,平成15年7月,次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)が制定された。
(平成26年度までの時限法とされていたが,平成36年度まで10年間延長された。
)
本県においても,平成17年3月31日に教育庁,学校以外の教育機関及び県立学校の常勤職員
全員を対象とした「茨城県教職員子育て応援プラン」が制定され,平成22年3月31日の改定を
経て,仕事と子育ての両立支援や子育てに関わる時間的な余裕の確保等が進められてきた。そ
して,平成27年6月1日に,職員が,子育ての意義について理解を深め,子育ての喜びが実感
できるような職場環境の構築を目指し,仕事と子育ての両立を図ることを目的に2度目の改訂
がなされた。今後の新たな取組として,職場の意識改革,男性職員の育児参加の促進,女性職
員の活躍促進,多様な働き方の推進があげられている。
なお,市町村立学校の県費負担教職員を対象とした特定事業主行動計画は,市町村教育委員
会に策定が義務付けられている。
<子育て支援のための休暇及び休業制度等一覧>
休暇及び制度
内容・利用限度等
利用期限
不妊治療のため 特別休暇 ・6日を超えない範囲(日・時間)
の休暇
法規
規20
(有給)
母子保健法に規 特別休暇 ・妊娠満23週まで4週間に1回
妊娠中又は出産後1年 規21
定する保健指導 (有給) ・同24週~35週 2週間に1回
又は健康診査を
・同36週~出産 1週間に1回
受ける場合の休
・産後1年まで 1回
暇
(必要と認める時間)
通勤に利用する 特別休暇 ・正規の勤務時間の始め又は終わり 妊娠の期間中
交通機関の混雑 (有給)
につき1日を通じて1時間を超え
の程度が母胎又
ない範囲内
規22
は胎児の健康保
持に影響がある
と認められる場
合の休暇
妊娠中の休養又 特別休暇 ・そのつど必要と認める時間
は捕食のための (有給)
休暇
-1-
-1 -
妊娠の期間中
規23
制
度
内容・利用限度等
利用期限
妊娠嘔吐(つわ 特別休暇 ・14日を超えない範囲(日・時間) 妊娠の期間中
法規
規24
り)のために勤 (有給)
務することが困
難な場合の休暇
産前・産後休暇 特別休暇 ・出産,養育のため
産前 出産の予定日
(有給)
規25
前8週間
産後
出産の日後8
週間
配偶者出産休暇 特別休暇 ・3日を超えない範囲(日・時間) 産前16週~産後2週
規26
(有給)
男性職員の育児 特別休暇 ・生まれてくる子又は小学校就学前 産前8週(多胎妊娠
参加休暇
(有給)
の子の養育
の場合14週)~産後
・5日を超えない範囲(日・時間)
育児休業
部分休業
休
規27
業 ・子の養育
8週
子が3歳に達するま
法2
(無給)
で
休
子が小学校就学の始
業 ・子の養育
(減額) ・勤務時間の始め又は終わりに,1
法19
期に達するまで
日2時間の範囲
育児時間休暇
特別休暇 ・子の養育
子が1歳6月に達す
規28
(有給) ・1日2時間を超えない範囲(時間) るまで
※ 両親とも職員である場合,合
計して2時間
育児短時間勤務 そ の 他 ・子の養育
子が小学校就学の始
(減額) ・勤務時間の短縮
法10
期に達するまで
週19時間35分(3時間55分×5日)
週24時間35分(4時間55分×5日)
週23時間15分(7時間45分×3日)
週19時間25分(7時間45分×2日
+3時間55分×1日)
子の看護休暇
特別休暇 ・子の看護(予防接種等も対象)
子が中学校就学の始
(有給) ・1年に5日を超えない範囲(日,
期に達するまで
規29
時間)
・子が二人以上の場合「10日」
注:表中法規の「規」は「職員の休日及び休暇に関する規則」別表第1(4条関係)を指す。
規20については,平成27年1月1日より規則の一部改正が実施され,5日から6日に拡充
された。
注:表中法規の「法」は「地方公務員の育児休業等に関する法律」を指す。
-2-
-2 -
問2
男性職員の育児休暇等の取得促進のために配慮すべきことは何か。
県総務部長からの通知「男性職員の育児参加休暇等の取得促進について(依頼)
(人第515号,
平成27年1月7日付)」には,『男性が子育ての始まりの時期に親子の時間を大切にし,積極的
に「子育て」に参加していくことは,子どもを持つ喜びの実感につながるとともに,出産前後
の女性をサポートする上でも大切であり,また,男性が「子育て」の重要性を認識することは,
女性の働きやすい職場環境づくりにもつながります。
』とある。
さらに,茨城県教育委員会教育長からの「男性職員の育児参加休暇等の取得促進について(依
頼)(教総第1028号,平成27年1月28日付)
」において,男性職員の育児参加促進の趣旨を踏ま
えた上で,「育児参加休暇」及び「配偶者出産休暇」の利用促進,「男性職員子育て計画表」の
作成及び計画どおりの休暇取得が求められている。
以上のことを踏まえ,男性職員の育児休暇等の取得促進のためには,次のような配慮が必要
となる。
(1) 子育て支援のための休暇や休業制度(特に男性職員子育て支援制度)を周知する。
(2) 校長自身も含めて,休暇の取得についての意識改革を行う。
(3) 職場全体で対象職員の子育て休暇の取得を支援する体制を整備し,休暇を取得しやすい環
境づくりを行う。
(4)「男性職員子育て計画表」を活用するなどして,該当職員への個別の働きかけを行う。
-3-
-3 -
2
問1
「児童生徒の就学管理」に関する問題
連続して欠席し連絡が取れない児童生徒や学校外の集団との関わりの中で「被害に
遭うおそれ」がある児童生徒の安全確保のために,学校はどのように対応すべきか。
校長は,常に,学校に在学する児童生徒の出席状況を明らかにしておかなければならない。
(「校長は,常に,その学校に在学する学齢児童又は学齢生徒の出席状況を明らかにしておか
なければならない。」学校教育法施行令第19条)また,校長は連続して7日間出席しない児童
生徒がいた場合は,速やかに市町村教育委員会に通知する義務がある。(「校長は,当該学校
に在学する学齢児童又は学齢生徒が,休業日を除き引き続き7日間出席せず,その他の出席状
況が良好でない場合において,保護者に正当な事由がないと認められるときは,速やかに,そ
の旨を当該学齢児童又は当該学齢生徒の住所の存する市町村の教育委員会に通知しなければな
らない。」学校教育法施行令第20条)したがって,在学する児童生徒の安全確認は,校長にと
って重大な責務と言える。
しかし,平成27年2月の川崎市における中学1年生殺人事件を受けて実施された「児童生徒
の安全に関する緊急調査」(平成27年2月27日時点)では,「7日間以上連続して連絡が取れ
ない状況の児童生徒」や「学校外の集団との関わりの中で,生命又は身体に被害が生じるおそ
れがあると見込まれる児童生徒」が,本県でも存在した。その後全員の安全の確認ができたも
のの生命や身体に危険が及ぶかもしれない児童生徒がいたことは大変憂慮すべき状況である。
そこで,学校では,児童生徒の生命や身体を守るという視点に基づき,児童生徒の安全の確
認と確保に努めなければならない。県教育委員会では,「児童生徒の安全の確認と確保につい
て(通知)」(平成27年3月19日付高教第2427号)により,各校で留意すべき事項を周知徹底
した。以下は,通知で示された項目と主な内容である。
1
2
早期発見…生活状況の注視,些細な変化を見逃さない,迅速かつ適切な生徒指導
実態把握…アンケート調査等による生活状況の理解,個別面談,スクールカウンセラ
ー等との連携
3 組織的対応…児童生徒の状況をできるだけ多くの教員で共有する。心配な児童生徒に
ついては,必ず管理職に報告する。
4 連携強化
(1)保 護 者…・日頃から電話等により積極的に情報交換する。
・必要に応じて家庭訪問や来校による面談を実施。
(直接会って話をする。
)
・理由不明の欠席は,その日のうちに保護者等と連絡を取り合い,理由
及び所在を明らかにする。
(2)関係機関…・「児童生徒の健全育成に関する警察と学校の連絡制度」の有効活用
・警察署,児童相談所,市町村福祉課等と協力,連携
・臨時の学校警察連絡協議会の開催
5 教育委員会への報告…一定期間(7日間を目安に)を経過しても児童生徒と連絡が取
れず,安否が確認できない場合は,市町村教育委員会に報告する。
-4-
-4 -
さらに,「連続して欠席し連絡が取れない児童生徒や学校外の集団との関わりの中で被害に
遭うおそれがある児童生徒の安全確保に向けた取組について」(平成27年3月31日付26文科初
第1479号文部科学省初等中等教育局長通知)で,平成27年度に特に力を入れて取り組む施策が
示されている。
問2
早期対応についての指針を策定する場合の留意点は何か。
「児童生徒の『被害のおそれ』に対する学校における早期対応について【指針】」(平成27年3月
31日付26文科初第1479号文部科学省初等中等教育局長通知)
,「茨城県立学校児童生徒の『被害
のおそれ』に対する早期対応について」【指針】(平成27年5月26日付)を踏まえ,各学校では,
実態に応じた指針を策定し,全教職員が共通理解のもと指針に従った対応をしていく必要がある。
また,策定した指針を適時見直し,実効性のあるものにしていかなければならない。指針の中に示
された日数はあくまでも目安であり,事案によっては,この日数が経過するのを待つことなく迅速
かつ適切な対応に心がけたい。
問3
本人,保護者と連絡がとれない場合や保護者が本人と合わせてくれない状態の場合
に,学校はどのように対応すればよいか。
(1)
本人,保護者と連絡がとれない場合(所在不明の場合)
以下の手立てを講じ,速やかに所在を明確にし,当人が家庭に戻るように働きかける。
○
他の児童生徒,地域の人々等からの情報収集に努める。
○
スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカー(SSW),スクールサポー
ターを活用する。
○
児童福祉等の関係部門や警察等との関係機関と連絡を取り合う。
家出や行方不明が疑われる場合
居住実態が把握できない場合
・所在把握に努める。
○
・速やかに警察に相談する。
所在確認を行う。
・市町村内,市町村間での情報提供
・関係機関との連携
(2)
○
保護者が本人と会わせてくれない場合
保護者との間で,教員(担任教員でなくても保護者が信頼を寄せている教員),SSW,
教育委員会職員等により,当人の「被害のおそれ」を取り除くという観点から十分な話し
合いを行い,早急に当人と連絡が取れる体制を組むように努力する。
○
早期に本人の所在確認を図るために,SSWを十分に活用し,市町村の福祉部局や児童
相談所等の関係機関から情報収集を図り,必要に応じて当人や家庭に対する支援体制の構
築についても検討する。その上で,所在不明の場合と同様の対策を進めていく。
-5-
-5 -
(1)(2)の場合に加えて,学校外の集団(成人が主な構成員である場合も含む)との関わり
がある場合や欠席が続く場合については,警察との連携を密接に図りながら,当人からのS
OSにつながり得る情報を幅広く収集するなどアウトリーチ型の少年サポート活動を推進す
る。
いずれの場合でも,「児童生徒の『被害のおそれ』に対する学校における早期対応につい
て【指針】」(平成27年3月31日付26文科初第1479号文部科学省初等中等教育局長通知),「茨
城県立学校児童生徒の『被害のおそれ』に対する早期対応について【指針】」(平成27年5
月26日付)を踏まえ,命を守ることを最優先にして,関係機関との連携を十分に図りながら,
個々の事案ごとに迅速,かつ適切に対応していくことが重要である。
-6-
-6 -
3
問1
「学校職員の服務と分担」に関する問題
小中一貫教育を推進している学校間で,中学校教員が小学校で行う「乗り入れ授業」
を計画している。兼務発令するためには,どのような条件が必要か。
中央教育審議会は,「子供の発達や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育シ
ステムの構築について(答申)」(平成26年12月22日)の中で,小中一貫教育の制度化につい
て提言している。これは,一体的な組織体制の下,9年間一貫した系統的な教育を施すことが
できる学校の設置を可能とすることで,地域の実情や子どもたちの実態に応じて,設置者の判
断で柔軟で多様な教育実践を可能とするものである。
平成27年7月30日には,学校教育制度の多様化及び弾力化を推進するために,小中一貫教育
を実施することを目的とする義務教育学校の制度創設を取り上げた「小中一貫教育制度の導入
に係る学校教育法等の一部を改正する法律について」(通知27文科初第595号)が通知された。
今後,各市町村が小中一貫教育を計画・推進していく中で,以下のような教員の兼務発令が
必要となる。
兼務発令するためには,市町村教委が兼務の必要を認めた上で,茨城県教育委員会に次の①
~③を提出する。(平成26年版教育例規集P965,「市町村立学校県費負担教職員の兼任・兼務
発令に関する内申について」平成14年2月5日義教第130号)
①
市町村教育委員会の内申書(様式第1号)
②
事由書(様式第2号)
③
計画書
(要件)
○
小学校・中学校の両方の教員の免許状を有する。(教育職員免許法第3条第1項)
○
中学校教諭の免許状を有する場合は,小学校の相当する教科及びその他の教科に関す
る事項で文部科学省で定めるものの教授又は実習を担任することができる。
(教育職員免許法第16条の5第1項
平成14年7月1日施行)
(他校種免許状による専科担任の任用に関する留意事項)
○
兼職する場合にあっては,当該教員にとって過度の負担とならないよう,また児童生
徒の指導等に支障が生ずることのないよう,校務分掌を適切に整える等の配慮を行うこ
と。
○
学校種間の連携の促進及び教科指導の充実という専科担任制度の目的を十分に踏まえ
るとともに,児童生徒の心身の発達段階を考慮し,当該学校種において教授することに
ついての適正等を個々に判断すること。
(教育職員免許法の一部を改正する法律等の施行について
--7-
7 -
通知14文科初第430号)
義務教育学校の場合(教育職員免許法の一部改正
平成28年4月1日施行)
「小中一貫教育制度の導入に係る学校教育法等の一部を改正する法律について」
(通知27文科初第595号)
1
改正の概要
①
義務教育学校の教員については,小学校の教員の免許状及び中学校の教員の免許状
を有する者でなければならないとしたこと。(第3条関係)
②
小学校教諭の免許状又は中学校教諭の免許状を有する者は,当分の間,それぞれの
義務教育学校の前期課程又は後期課程の主幹教諭,指導教諭,教諭又は講師となるこ
とができるものとしたこと(附則第20項関係)
※
留意事項として,都道府県教育委員会は,小学校及び中学校教員免許状の併有のため
の条件整備に努めること,併有の促進が教員の過度の負担に繋がることのないよう配慮
することが示されている。
問2
兼務発令されていない場合,乗り入れ授業を行う際の留意点は何か。
小学校長は中学校長に対して,乗り入れ授業をする職員の派遣依頼文書を送る。
単独での授業は行わず,小学校教員とのTT(補助的な立場)で授業を行う。
校舎が離れている場合は,学校間の移動の際に交通事故が発生する恐れもあり,教員の安全面に
配慮する必要もある。
問3
兼務が発令されている場合とされていない場合での勤務態様の違いは何か。
ア
兼務発令がされている
・同一施設内に小学校と中学校を設置しているもの…勤務
・分離・隣接に小学校と中学校を設置しているもの…出張
イ
兼務発令がされていない
・同一施設内に小学校と中学校を設置しているもの…勤務
・分離・隣接に小学校と中学校を設置しているもの…出張(派遣依頼文書が必要)
--8-
8 -
4
問1
「学校事故」に関する問題
平成27年6月道路交通法の一部を改正する法律の一部の施行により,「自転車は,車
道の左端に寄って通行しなければならない」等の「自転車安全利用五則」を厳守する
ことが求められている。改正道路交通法を踏まえ,学校ではどのような点に留意して
指導すべきか。
茨城県教育庁保健体育課長より,「児童生徒の自転車の安全利用の促進について」(平成27
年2月17日保体第1579号)で,「児童生徒が,交通事故に遭わないよう交通安全指導の徹底を
図ることはもとより,自転車による交通事故では,加害者にもなり得ることを理解させるとと
もに,高額な損害賠償を請求される事例も増加していることから,日常の安全点検や保険等の
加入も含めて指導すること」が通知された。これは,平成26年度自転車が関係した人身交通事
故が本県で2,000件発生し,特に小・中・高校生については,死者一人を含む約700人が死傷す
るという厳しい状況が背景にある。(平成27年2月4日茨交協発第31号・茨自協発第80号)
さらに,県教委では,
「自転車運転者講習の周知及び自転車の交通ルールの徹底について(平
成27年5月29日保体第377号)で,平成27年6月1日から平成25年改正道路交通法の自転車運
転者講習制度に係る規定が施行されることの周知と,自転車の交通ルールの遵守について十分
指導するよう通知した。
各学校では,児童生徒の命を守るという観点と併せて加害者にならないという観点から,自
転車の交通事故防止により一層積極的に取り組むことが求められている。改正道路交通法の施
行を,自転車の安全運転の意識高揚のよい機会ととらえ指導することが重要である。
(1) 小学校における指導
小学生には,安全運転の講習受講が義務付けられていない。しかし,「交通の危険を生じ
させる違反行為(14項目)」及び「自転車安全利用五則」の遵守について徹底できるよう常
時指導する。特にヘルメットの着用については,保護者に協力を求める。
(2) 中学校における指導
14歳以上については,道路交通法第108条の2第1項第14号及び第108条の3の4に基づき
「交通の危険を生じさせる違反を3年以内に2回以上繰り返したり,事故を起こしたりした
場合は,自転車運転者講習の受講命令を受けてから3か月以内に3時間の講習を受講しなけ
ればならない」等を指導する。
「交通の危険を生じさせる違反行為(14項目)」及び「自転車安全利用五則」についても
常時指導する。
<参考>「自転車安全利用五則」(茨城県警察)
①
自転車は,車道が原則,歩道は例外
②
車道は左側を通行
③
歩道は歩行者優先で,車道寄りを徐行
--9-
9 -
④
⑤
問2
安全ルールを守る
○
飲酒運転・二人乗り・並進の禁止
○
夜間はライトを点灯
○
信号遵守と交差点での一時停止・安全確認
子どもはヘルメットを着用(13歳未満の子どものヘルメット着用は保護者の義務)
地域の交通事情により,改正道路交通法の施行が現状にそぐわない場合は,どのよ
うに対応すればよいか。
やむを得ないと認められるときは,現状に合わせて対応することができる。
道路交通法第63条の3(自転車道の通行区分)に,「自転車道が設けられている道路におい
ては,自転車道以外の車道を横断する場合及び道路の状況その他の事情によりやむを得ない場
合を除き,自転車道を通行しなければならない。」とある。また,同法第63条の4(普通自転
車の歩道通行)「普通自転車は(中略)第17条第1項の規定にかかわらず,歩道を通行するこ
とができる。ただし,警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を
通行してはならない旨を指示したときは,この限りでない。」とある。
<参考>「平成27年6月22日
水戸教育事務所学校教育課生徒指導班事務連絡・一部抜粋」
道路交通法の一部を改正する法律(平成25年法律第43号)の一部の施行に伴う交通ルール
等の確認事項並びに注意喚起について
1
地域の交通事情により,「自転車安全利用五則」の適用が困難な場所がある場合,児童
生徒に指導してきたこれまでの交通ルールを尊重する。
例)道幅の狭い車道で,登下校時間中,トラック等の往来が激しい場所
・自転車は車道を通行することが危険であるため,歩道を注意して走行している。
(指導:自転車は歩道を走行するため,歩行者の安全を第一に考え,走行させる。)
例)小中学生の登下校の時間が重なる場所
・歩道の通行を左右で分けて通行している。
(小学生は右側歩道を歩く,中学生は左側歩道を通行する等)
2
1を尊重するに当たって,道路状況を再確認し,交通安全指導の徹底を図る。
(1) 関係機関との連携等
各中学校区ごとに,「自転車安全利用五則」の適用が困難な場所等を再度確認し,学
区内の小・中学校,警察署,交番等との連絡及びPTA・地域との共通理解を図る。
(2) 児童生徒への指導
①
「自転車安全利用五則」の適用が困難な場所であるため,特別なルールを適用し
ているということを周知する。
②
自転車運転時のヘルメット着用の励行及び交通モラルの理解啓発を図る。
--10-
10 -
問3
受講期日決定後に授業や学校行事等の関係で,指定された日に受講できなくなった。
このような場合,期日の変更が可能か。
受講命令が出た場合は,保護者と警察で受講方法について相談し,期日等を決めることにな
る。
設問の場合,変更については,期間内であれば可能である。
道路交通法108条の3の4(自転車運転者講習の講習命令)に「危険行為を反復した者が,
更に自転車を運転することが道路における交通の危険を生じさせるおそれがあると認めるとき
は,その者に対し,三月を超えない範囲内で期間を定めて,自転車運転者講習を受けるべき旨
を命ずることができる。」とある。
問4
自転車で下校途中の生徒が,道路左側の雑草を避けて,道路の右側を走行していた
ところ,前方を歩いていた歩行者と接触する事故を起こした。生徒は,転倒し右腕に
打撲傷を負い,歩行者も転倒して腕を骨折した。
この場合,生徒は独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害給付の対象となる
か。
災害給付対象となる。登下校は学校の管理下であり,通常の通学路であれば問題はない。
(独立行政法人日本スポーツ振興センター法施行令第5条2項)
しかし,この事例では,歩行者が負傷していることから,「道路の整備」,生徒の危険行為
で「安全義務違反」等が問われ,道路管理者及び保護者は責任を負う可能性がある。そこで,
学校としては,保護者に対し自転車保険加入を勧めておく必要がある。
--11-
11 -
5
問1
「学校の組織及び施設設備の管理」に関する問題
児童が放課後児童クラブ(学童保育)等に参加するために学校から移動中に発生した事
故について,学校は管理責任を問われるか。
「独立行政法人日本スポーツ振興センター法施行令」第5条第2項に,学校管理下となる場
合が掲げられており,その第4号には「児童生徒等が通常の経路および方法により通学する場
合」と規定されている。また,
「学校保健・学校安全管理の手引き(四訂版・平成 24 年 10 月,
茨城県教育委員会)」第3章第6節「独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付」
に学校管理下の範囲(場合)として『学童保育場所(学童保育中は対象外)への行き帰り』が
規定されている。
したがって,学校から放課後児童クラブ(学童保育)に移動する経路が通常の経路となって
おり,学校がそれを把握している状況であれば学校の管理下の事故として,学校の管理責任を
問われる。
なお,放課後児童クラブ(学童保育)等までの距離があり,バス等を利用して異動する場合,
そのバス等が学校の通学用であれば学校の管理下と考えられる。ただし,そのバスが放課後児
童クラブ(学童保育)等が責任を持って運行している場合は,学校の管理下ではない。
問2
この場合,日本スポーツ振興センターの災害共済給付の適用になるか。
「独立行政法人日本スポーツ振興センター法施行令」第5条第1項に,災害給付にかかる災
害が掲げられており,その第1号には「児童生徒の負傷でその原因である事由が学校の管理下
において生じたもの。ただし,療養に要する費用が五千円以上のものに限る。」と規定されて
いる。
したがって,問1の回答のとおり学校管理下における事故であるため,災害共済給付の適用
になる。
問3
学校の空き教室を利用して放課後子供教室が行われていて,児童の事故が起きた場合,
校長の責任はどこまであるか。
「 放 課後 子 ども 総合プ ラ ンに つい て」(26文 科生第 277号通知 , 平成 26年 7月 31日 )に は ,
市町村における放課後児童クラブ及び放課後子供教室の実施に関する「学校施設の活用に当た
っての責任体制の明確化」について以下のとおり掲載されている。
「放課後児童クラブ及び放課後子供教室は,学校施設を活用する場合であっても,学校教育
の一環として位置付けられるものではないことから,実施主体は,学校ではなく,市町村の教
育委員会,福祉部局等となり,これらが責任を持って管理運営に当たること。その際,事故が
起きた場合の対応や,例えば,教室不足等により放課後児童クラブ及び放課後子供教室に転用
--12-
12 -
したスペースを学校教育として使用する必要性が生じた場合の移動先の確保とスペースの返還
などの取決め等について,あらかじめ教育委員会と福祉部局等で協定を締結するなどの工夫に
より,学校施設の使用に当たって,学校や関係者の不安感が払拭されるよう努めること。」
さらに,実際の放課後子供教室の運営については,市町村教育委員会等が実施主体となり,
放課後子供教室の事業計画,安全管理方策の検討・策定等を行った上で,運営委員会を設置し
て運営されている。したがって,学校の管理責任は問われないと考える。
ただし,活動場所が余裕教室や校庭,体育館等学校の施設であり,児童の事故原因が施設・
設備管理上の瑕疵である場合には,校長の学校管理上の責任が問われることになる。
--13-
13 -
平成27年度
学校長会長
副
会
長
法制委員長
副 委 員 長
幹
小
委
事
委
員
員
坂 場
田 邉
酒 井
錦 織
井 坂
倉 持
大 髙
荒 井
遠 藤
吉 井
山 﨑
川 又
征 矢
小 畑
鈴 木
深 谷
柏
長 岡
小 宮
粕 谷
野 沢
鈴 木
吉久保
堀 口
作 山
折 笠
大 塚
青 木
熊 田
塩 幡
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弘 美(潮来市立日の出中学校)
不二男(守谷市立大井沢小学校)
治 之(桜川市立岩瀬東中学校)
容 子(笠間市立岩間第一小学校)
秀 雄(常陸大宮市立山方小学校)
隆 春(那珂市立菅谷西小学校)
眞 一(城里町立七会小学校)
恵 子(東海村立東海中学校)
弘 子(大子町立大子西中学校)
京 子(日立市立日立特別支援学校)
博 史(常陸太田市立郡戸小学校)
豊(北茨城市立関本第一小学校)
良 平(鹿嶋市立高松小学校)
秀 一(神栖市立神栖第一中学校)
利 宏(行方市立麻生小学校)
勝 幸(土浦市立土浦第二小学校)
克 三(龍ケ崎市立城西中学校)
理 明(取手市立永山小学校)
弘 親(牛久市立牛久南中学校)
信(つくば市立桜南小学校)
範 子(稲敷市立あずま北小学校)
宏 一(かすみがうら市立志士庫小学校)
徹(つくばみらい市立陽光台小学校)
好 明(稲敷郡美浦村立安中小学校)
清 史(北相馬郡利根町立文小学校)
長 男(古河市立上辺見小学校)
晃(結城市立山川小学校)
一 也(下妻市立大形小学校)
好 一(常総市立菅原小学校)
博 昭(筑西市立下館北中学校)
道 夫(坂東市立生子菅小学校)
章 公(結城郡八千代町立安静小学校)
隆一郎(猿島郡境町立静小学校)
-14-
- 14 -
平成27年度
茨城県小中学校教頭会
「法制研修会記録」
1
学校週5日制と土曜日等の授業について
15
2
修学旅行中のインフルエンザへの対応について
18
3
非常勤講師の校外における勤務について
21
4
職員の配偶者同行休業について
24
5
再任用教職員の療休休暇の取得について
27
6
講話要旨
30
-15-
-16-
1
【学校週5日制と土曜日等の授業について】
児童・生徒に対しては授業日の振替を行うことなく,土曜日等に教育課程内の学校教
育活動を行う市町村が見られるようになってきた。この場合,全教職員が授業日に週休
日の振替を行うことは困難であるため,長期休業中に振替を行うこととなるが,週休日
の振替や勤務の対応について,どのようなことに配慮すればよいのか。
<中央ブロック>
<質問事項への考え方>
(根拠となる関係法令)
Ⅰ
土曜日等授業について
1
学 校 教 育 法 施 行 規 則 第 61条
公立小学校における休業日は,次のとおりとする。ただし,第3号に掲
げる日を除き,当該学校を設置する地方公共団体の教育委員会が必要と認
める場合は,この限りでない。
(1)国 民 の 祝 日 に 関 す る 法 律 ( 昭 和 23年 法 律 178号 ) に 規 定 す る 日
(2)日 曜 日 及 び 土 曜 日
(3)学 校 教 育 法 施 行 令 第 29条 の 規 定 に よ り 教 育 委 員 会 が 定 め る 日
2
市町村学校における「土曜日等の授業」についての指針(茨城県教育委
員会教育長)
(1)本 指 針 に お け る 「 土 曜 日 等 の 授 業 」
・本指針において「土曜日等の授業」とは,「授業日の振替を行うこと
な く , 学 校 教 育 法 施 行 規 則 ( 昭 和 22年 文 部 省 令 第 11号 ) 第 61条 第 1 号
及び第2号で定められた休業日に教育課程内の学校教育活動を行うこ
と」を指す。
(2)「 土 曜 日 等 の 授 業 」 を 実 施 す る 際 の 留 意 点
・実施回数は,幼児児童生徒の負担を考慮し,各月2回を上限とするこ
と。なお,実施時間は,原則として半日単位とすること。
・ 市 町 村 立 学 校 県 費 負 担 教 職 員 の 勤 務 時 間 に 関 す る 条 例 ( 昭 和 46年 茨 城
県 条 例 56号 ) 等 の 規 定 に 基 づ き , 教 職 員 の 週 休 日 の 振 替 等 が 確 実 に 行
わ れ る よ う に 適 切 に 対 応 す る こ と 。な お ,国 民 の 祝 日 に 関 す る 法 律( 昭
和 23年 法 律 178号 ) に 規 定 す る 日 に , 教 育 職 員 に 勤 務 を 命 ず る 場 合 は ,
義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例
( 昭 和 46年 茨 城 県 条 例 第 55号 ) 第 7 条 2 項 に 定 め る 場 合 に 限 ら れ る こ
とに留意する。
Ⅱ
勤務時間について
1
労 働 基 準 法 第 32条
使 用 者 は , 労 働 者 に , 休 憩 時 間 を 除 き , 1 週 間 に つ い て 40時 間 を 超 え て
労働させてはならない。
2
職 員 の 勤 務 時 間 に 関 す る 規 則 ( 条 例 第 40号 : 平 13条 例 8・ 一 部 改 正 )
1 週 間 の 勤 務 時 間 ・ ・ ・ ・ 38時 間 45分 ( 条 例 第 40号 第 2 条 )
3
1 日 の 勤 務 時 間 ・ ・ ・ ・ ・ 7 時 間 45分 ( 条 例 第 40号 第 3 条 )
週休日の振替等
(1)1 日 又 は 半 日 ( 人 事 委 員 会 規 則 第 15 号 第 4 条 )
(2)期 間
前 4 週 間 ・ 後 8 週 間 ( 人 事 委 員 会 規 則 第 15 号 第 4 条 )
-15-
○
質問について
土曜日等授業の実施に係る週休日の振替等を実施する場合,現行制度では,勤務日の
前4週間,後8週間の期間内に振り替えることになっている。しかしこの期間内で振替
を行うことは,平日に振替を取らなければならないなど,授業等に支障が生じ,現実に
は困難な場合がある。そこで,他県においては,現行制度の前4週間,後8週間を前4
週 間 ,後 16 週 間 へ 改 正 す る な ど 変 更 を し ,長 期 休 業 期 間 中 に ま と め 取 り を 可 能 に し て い
る自治体もある。
長期休業期間中に振替を取得する場合,出張や部活動,学びの広場,面談等があった
り,長期休業の期間が短くなっている自治体もあったりして,振替日が取りにくい状況
もある。
今後,土曜日等授業を取り入れる場合は,年度当初に土曜日と週休日の振替先を指定
するなど計画的に行う必要がある。
<土曜日等授業を月 1 回とした場合の例>
土曜日等授業
1学期
半日×
4 回(2.0日)
2学期
半日×
4 回(2.0日)
3学期
半日×
3 回(1.5日)
計
振替先
半 日 × 11 回 ( 5 . 5 日 )
夏 季 休 業 期 間 に 1 学 期 の 4 半 日 と 2 学 期 の 1 半 日 を 振 替( 2 .5 日 )
冬季休業期間に2学期の3半日を振替(1.5日)
学年末休業期間に3学期の3半日を振替(1.5日)
週休日の振替から考えると,上記の日数程度の実施が妥当であると考えられる。
講師指導
土曜日等の授業を実施した際の週休日の振替については,解答のように適切に行う必要
がある。その際,次のようなことに留意する。
ア
土 曜 日 等 授 業 の 実 施 に 係 る 学 校 教 育 法 施 行 規 則 の 一 部 改 正 (平 成 25 年 11 月 29 日 公
布・施行)
第 61 条
公 立 学 校 に お け る 休 業 日 は ,次 の と お り と す る 。だ だ し ,第 3 号 に 掲 げ る 日
を除き,当該学校を設置する地方公共団体の教育委員会が必要と認める場合
は,この限りではない。
○
公立学校において,当該学校を設置する地方公共団体の教育委員会等が必要と
認める場合は,土曜日等に授業を実施することが可能であることを明確化した。
し た が っ て ,土 曜 日 等 の 授 業 の 実 施 に つ い て は ,市 町 村 委 員 会 が 行 う も の で あ る 。
○
平 成 27 年 度 ,茨 城 県 内 で は ,つ く ば 市 が 年 4 回 ,日 立 市 が 年 2 回 土 曜 日 授 業 を
実施している。実施日は,つくば市は各中学校区ごとに定め,日立市は,中学校
は全校同じ日,小学校は各学校ごととなっている。
イ
①
週休日の振替について
振替の期間
・ 現 在 の 前 4 週 後 8 週 で は ,5 月 ,9 月 ,10 月 の い く つ か の 土 曜 日 は ,長 期 休 業 中
に週休日を振り替えることは困難である。このことで,指針で示した土曜日等の
授業の内容が行えないということであれば,期間の延長について検討する必要は
ある。
-16-
②
振替の方法
・県で示した指針では,土曜日等の授業は「原則として半日単位」としているが,
1 日 実 施 し た 場 合 ,そ の 振 替 を 分 割 し て 行 う こ と は で き な い 。( 職 員 の 勤 務 時 間 に
関する条例第5条)
③
教職員への周知(職員の勤務時間に関する規則
第4条)
・週休日の振替又は半日勤務の割振変更を行った場合には,職員に対して速やかに
その旨を通知しなければならない。
④
事務職員,栄養職員について(教員との違い)
・ 同 一 週 内 に 振 替 が で き な か っ た 場 合 , 時 間 外 勤 務 手 当 を 支 給 す る こ と に な る 。( 職
員の給与に関する条例
第 16 条 ) し か し , そ の た め の 時 間 外 勤 務 手 当 は 措 置 さ れ
て い な い た め ,年 間 で 令 達 さ れ て い る 手 当 (通 常 は 平 日 勤 務 に お け る 時 間 外 勤 務 手
当 )の 中 か ら 支 給 す る こ と と な る 。 管 理 職 と し て , 法 を 踏 ま え て , 職 員 に 対 し 必 要
な配慮をすることが求められる。
ウ
「 市 町 村 立 学 校 に お け る 『 土 曜 日 等 の 授 業 』 に つ い て の 指 針 」( 平 成 26 年 3 月 31
日茨城県教育委員会)に示した内容と実施する際の留意点について 重要
○
学校・家庭・地域の三者が連携し,役割分担しながら社会全体で子供を育てると
い う 学 校 週 5 日 制 の 理 念 は 変 わ っ て い な い 。 こ の こ と を 踏 ま え ,「 内 容 」 と 「 実 施
する際の留意点」を十分に押さえて実施することが必要である。
※
三者の連携を踏まえた内容
2
「土曜日等の授業」の内容
(1)地 域 と 連 携 し た り ,保 護 者 や 外 部 人 材 の 協 力 を 得 た り す る こ と で 一 層 の 教 育 効 果
が期待できる教育活動
(2)開 か れ た 学 校 づ く り を ね ら い と し た 保 護 者 や 地 域 へ の 公 開 授 業
※保護者,地域住民,関係団体等への説明,配慮,周知
3
「土曜日等の授業」を実施する際の留意点
(1)( 中 略 )
(2)保 護 者 ,地 域 住 民 ,関 係 団 体 等 に 対 し て 当 該 学 校 又 は 市 町 村 教 育 委 員 会 か ら 実 施
の趣旨を十分に説明し,理解を得ること。
(3)実 施 日 の 設 定 に あ た っ て は ,土 曜 日 等 に 関 係 団 体 が 実 施 し て い る 活 動 に 配 慮 す る
こと。
(4)実 施 日 は ,年 間 の 行 事 予 定 表 等 に よ り 保 護 者 や 地 域 住 民 ,関 係 団 体 等 に 周 知 す る
とともに,計画を変更する際には,時間的余裕をもって周知に努めること。
(5)( 以 下 略 )
-17-
2
【修学旅行中のインフルエンザへの対応について】
修学旅行中の対応である。
単 学 級 で , 生 徒 が 30名 の 学 級 。 修 学 旅 行 第 1 日 目 に , 6 名 が イ ン フ ル エ ン ザ を 発 症 し
た場合,残りの生徒は活動を続けることができるかどうか。
① このようなケースでは,どのようなことに配慮すればよいか。
② 引率教師がインフルエンザにかかってしまった場合の対応はどうすればよいか。
<県北ブロック>
<質問事項への考え方>
(根拠となる関連法令等)
○ 教育長の権限に属する事務の一部を学校その他の教育機関の長に委任する規程
昭 和 33年 3 月 5 日 ( 校 長 に 対 す る 委 任 事 項 )
第2条 教育長は,次の各号に掲げる事務を校長に委任する。
(16)学 校 保 健 安 全 法( 昭 和 33年 法 律 第 56号 )第 20条 に 規 定 す る 臨 時 休 業 に 関 す る こ と 。
○ 学校保健安全法(臨時休業)
第 20条 学 校 の 設 置 者 は , 感 染 症 の 予 防 上 必 要 が あ る と き は , 臨 時 に , 学 校 の 全 部 又
は一部の休業を行うことができる。
【事務連絡】
平 成 22年 4 月 6 日 県 教 育 庁 総 務 課 長 県 教 育 庁 保 健 体 育 課 長
学校における新型インフルエンザ発生に伴う臨時休業の基準について
状況
・本県が従来より定めているインフルエンザ様疾患発生時の学級閉鎖の基準(平成
26年 3 月 6 日 付 保 体 第 1680 号 通 知 ) を 適 用 す る 。
※ 学 級 等 の 欠 席 率 が 20% に 達 す る な ど イ ン フ ル エ ン ザ の 感 染 拡 大 が 疑 わ れ る 場 合
範囲・期間
・保健所,学校医等の助言をもとに学校と教育委員会が協議して,範囲及び期間を
決定する。
【 学 校 保 健 安 全 法 20条 】
・学 校 の 設 置 者 は ,伝 染 病 予 防 上 必 要 が あ る と き は ,臨 時 に 学 校 の 全 部 又 は 一 部 の 休 業 を
行うことができる。
【 学 校 保 健 安 全 法 施 行 規 則 19条 】
・出 席 停 止:イ ン フ ル エ ン ザ( 特 定 鳥 イ ン フ ル エ ン ザ 及 び 新 型 イ ン フ ル エ ン ザ 等 感 染 症 を
除 く 。)に あ っ て は ,発 症 し た 後 5 日 を 経 過 し ,か つ ,解 熱 し た 後 2 日( 幼 児 に あ っ て
は,3日)を経過するまで。
【 茨 城 県 教 育 委 員 会 教 育 長 保 体 第 1206号 平 成 8 年 12月 27日「 イ ン フ ル エ ン ザ 様 疾 患 発 生 時
に措置について(通知)保健福祉部保健予防課】
・ 学 級 等 に お け る 欠 席 率 が 20% に 達 し た 場 合 は , 学 校 医 等 と 相 談 し , 時 期 を 逸 す る こ と
なく速やかに学級閉鎖,学年閉鎖及び休校等の措置をとる。
【 茨 城 県 教 育 委 員 会 教 育 長 教 総 第 178号 平 成 21年 5月 22日「( 11)新 型 イ ン フ ル エ ン ザ 発 生
に係る対応について(第四報)」
1 児童・生徒・保護者への対応」
・臨時休業の周知
・臨時休業期間における児童生徒の等の健康状態の把握
・臨時休業期間における自宅学習支援
・部活動等の自粛
-18-
2
教職員の対応
・臨時休業期間における計画的な勤務体制の整備
・臨時休業に際して準備が必要な事務の想定
○
質問①について
生徒の安全面を第一に優先した措置が望まれる。
学 校 長 が 保 健 所 ,学 校 医 等 の 助 言 を も と に 学 校 と 教 育 委 員 会 が 協 議 し て ,学 級 閉 鎖 の
範囲及び期間を決定する。
一 律 に 判 断 す る こ と は 困 難 で あ る が ,こ の 場 合 ,30 名 の 生 徒 の う ち 20% に 達 す る 6
名が発症しているという視点から判断すべきである。
学校長が配慮する内容としては
・すでに開始した行事であり現地での発症であること。
・遠隔地で容易には帰宅できないこと。
・三年間で一度の学校行事であること。
・全員の健康観察を十分に行うこと。
・6名以外に発熱しているなど風邪の症状の出ている生徒がいるかを確認すること。
・すでに罹患した生徒がいるかを確認すること。
それらを勘案し,次のように対応する。
・感染した生徒を直ちに隔離し,静養させる。この場合,保護者に引き取りをお願
いする。
・入院が必要なときは,学校長の判断により,適切な対応をする。
・旅行中に6名がインフルエンザを発症した場合は,その他の生徒の感染も疑われ
る。また,生徒の中には状態によって入院する生徒もいると思われる。現地では
柔軟に対応していく必要がある。
・旅行先の保健所や医療機関等と相談の上,修学旅行の継続について検討する。
こ の 場 合 , 20% の 生 徒 が 発 症 し , 今 後 集 団 発 生 が 考 え ら れ る の で , 修 学 旅 行 は
中止とする方向で検討したい。
・6名の生徒は上記の措置をとり,他の生徒は直ちに帰宅すべきであると考え
る。
・健康観察をていねいに行い,必要があれば発症していない生徒であっても保護
者の迎えをお願いする。
・旅行を中止した場合には,速やかに電話等をもって市町村教育委員会教育長あて
報告する。
※ 事前にすべき学校側の配慮
① 予防接種のお願い
② 出発時の検温で修学旅行を見合わせる基準を明確にしておく。
③ こ の よ う な 事 態 が 予 想 さ れ る 場 合 ,旅 行 打 ち 切 り の 条 件 を 前 も っ て 伝 え て お く 。
○
質問②について
この学校の引率教師は,校長,担任,養護教諭と最低3名はいると考えられる。1
名が発症した場合には,入院や隔離などの必要が出てくることが予想される。2名以
上の場合は,学校に連絡をして補助の教師を要請する必要がある。
引 率 者 も 感 染 を 疑 う 必 要 が あ る た め ,健 康 面・安 全 面 に 配 慮 し た 対 応 が 必 要 と な る 。
講師指導
○ 質問①について
解答は,法規,県教委の通知,生徒の健康状態や安全面から総合的に判断すること
については妥当である。対応については,以下の点から整理しておく必要がある。ま
-19-
た,校長会としても,このような場合の対応について,事前に教育委員会と話し合っ
ておく必要がある。
ア インフルエンザへの対応
イ ン フ ル エ ン ザ の 感 染 が 疑 わ れ る 生 徒 が 20% に 達 し た と き に , 速 や か に 時 期 を 逸 す
る こ と な く 対 応 す る こ と に つ い て は , 平 成 26年 3 月 6 日 の イ ン フ ル エ ン ザ に 関 す る 通
知 の 中 に 「 一 律 に 判 断 す る こ と は 困 難 で あ る が , イ ン フ ル エ ン ザ 感 染 者 が 20% に 達 す
るなどインフルエンザ感染拡大が疑われる場合は,学校医と相談して時期を逸するこ
と な く 速 や か に 学 級 閉 鎖 ・ 学 年 閉 鎖 の 必 要 な 措 置 を と る 」 と あ り , 感 染 者 が 20% に 達
していなくても,感染の拡大の恐れがある場合,適切に状況判断をすることが大切で
ある。
総合的な判断のポイントとして次のことがあげられる。
○ 生徒の健康,安全管理,安全確保ができるか。
○ 感染拡大を防ぐことができるか。(旅行の継続・中止,帰校方法,宿舎での他
校との接触等)
○ 保護者に対して納得できる判断,説明ができるか。事前に説明しているか。
また,出発前の健康観察による心身の健康状態の把握やインフルエンザの情報収集
をしっかりと行っておく必要がある。
旅行継続か中止かの判断については,学校医と相談の上,市町村教育委員会と協議
し て 決 定 す る 。判 断 に あ た っ て は ,旅 行 先 の 医 療 機 関 や 保 健 所 等 の 意 見 も 参 考 に す る 。
なお,臨時休業とする場合は,その決定は学校の設置者が行うものである(学校保健
安 全 法 第 20 条 ) 。
イ 旅行中止の場合の決定について
旅行を中止する際には,次のような点が発生するので,事前に検討しておく必要が
ある。
・感染拡大を防ぐための帰校方法,滞在中の宿舎等での他校との接触回避等
・感染者への対応(感染拡大を防ぐという観点からは,現地に滞在するか,他者と
接触なく帰校することが必要。)
・旅行中止に係る費用負担
・帰校途中で発熱者等が出た場合の対応 等
危機管理の観点から,旅行会社の約款や旅行保険を十分に確認し,必要な内容につ
いてカバーできるものであるかどうかを検討しておく必要がある。
ウ 保護者の迎えの依頼について
保護者の迎えについては,その交通費や現地の滞在費等も発生することを考え,対
応について事前に検討しておくことが必要である。その上で,保護者に対して,事前
の 説 明 を 十 分 に 行 い ,理 解 を 得 て お く 。( 迎 え の 依 頼 や 保 険 の 内 容・費 用 等 に つ い て )
また,迎えが困難な保護者についても,職員の付き添い帰校等,可能な対応を検討
しておく。
○
質問②について
健康面・安全面を第一に考えて判断するという解答については,妥当である。
状況によっては,教育委員会に相談し,学校だけで対応することが困難な場合,協
力を依頼することも考えられる。
修学旅行や遠足を行う際には,さまざまなことを想定して計画を立てることが重要
である。
-20-
3
【非常勤講師の校外における勤務について】
校内にプールがない場合,又は使用できない場合,体育の水泳の授業を市営プールや
近隣の学校のプール等を利用して行うことがある。
① 楽しく学ぶ学級づくり事業における非常勤講師が,決められた勤務時間の中にお
い て 授 業 場 所 で あ る 市 営 プ ー ル 等 に 出 向 き , TTと し て 授 業 を 行 う こ と は 可 能 で あ る
か。その勤務態様は出張でよいか。
② また,非常勤講師が学習指導中,又は市営プールまでの移動において事故があっ
た場合,公務災害として認められるか。
③ さらに,体育代替や学級改善支援事業での非常勤講師の場合も可能であるか。
〈県東ブロック〉
〈質問事項への考え方〉
(根拠となる関連法令等)
○
市 町 村 立 学 校 県 費 負 担 非 常 勤 講 師 取 扱 要 領 ( 平 成 26年 4 月 1 日 )
第 2 条 派遣職員の派遣は,次の各号のいずれかに該当する場合に行うものとする。
(3) 妊 娠 し て い る 女 性 教 員 の 母 体 保 護 の た め , 体 育 の 実 技 授 業 に 代 替 措 置 を
必要とする場合
(7) 小 学 校 及 び 中 学 校 に お け る 学 級 改 善 支 援 の た め 必 要 と す る 場 合
(9) 小 学 校 3 学 年 か ら 第 6 学 年 ま で に お い て 在 籍 児 童 数 が 35人 を 超 え る 学 級
が2学級又1学級の場合
第7条 派遣職員の勤務日及び当該勤務日における勤務時間は,第4条第3項に規
定する勤務時間を限度として,派遣職員が勤務する学校の校長が決めるもの
とする。
第 10条
3 派遣職員が公務のため旅行したときは,その旅行について,費用弁償と
して行政職4級以下の職務にある一般職の職員の受ける旅費と同一の額の
旅費を支給する。
〇
市 町 村 立 学 校 県 費 負 担 非 常 勤 講 師 取 扱 い に つ い て( 平成26年3月27日 義教第2255号)
1 派遣の条件(要項第2条関係)
(1) 要 項 第 2 条 第 3 号 に 規 定 す る 妊 娠 し て い る 女 性 教 員 の 母 体 保 護 の た め 体 育 の
実技の授業に代替措置が必要な場合の条件は,次のとおりとする。
② 派遣職員の措置要件
上記の①の期間中に当該教員が担当する体育の実技授業に対し,下記の時
間数の範囲内で措置する。
(4) 要 項 第 2 条 第 7 号 に 規 定 す る 学 級 改 善 支 援 の た め 必 要 と 認 め ら れ る 場 合 の 条
件は次のとおりとする。
(6) 要 項 第 2 条 第 9 号 に 規 定 す る 小 学 校 第 3 学 年 か ら 第 6 学 年 に お い て 在 籍 児 童
数 が 35人 を 超 え る 学 級 が 2 学 級 以 下 の 場 合 の 条 件 は 次 の と お り と す る 。
② 派遣職員の措置要件
1 週 間 当 た り 29時 間 ( 略 ) で 措 置 ( 派 遣 職 員 は 学 習 指 導 の み を 行 い , 校 務
分 掌 を 担 当 す る こ と は で き な い 。)
7 公務災害補償
派 遣 職 員 が 公 務 上 の 災 害 ( 負 傷 , 疾 病 傷 害 又 は 死 亡 を い う 。 以 下 同 じ 。) 又 は
通 勤 に よ る 災 害 を 受 け た 場 合 は , 労 働 者 災 害 補 償 保 険 法 ( 昭 和 22年 法 律 第 50号 )
に定める労働者災害補償保険を適用させるものとする。
-21-
○
少人数教育充実プラン推進事業実施要領
1 楽しく学ぶ学級づくり事業
(1) 目 的
小学校1・2年生において,各教科の学習指導に加え生活指導面からもきめ
細 か な 指 導 を 行 う と と も に , 小 学3 ~ 6年 生 に お い て は ,「読 み ・ 書 き ・ 計 算」
等の基礎・基本を確実に身に付けさせることにより,児童の学力向上を図る。
○
平 成 27年 度 学 級 改 善 支 援 事 業 実 施 要 領
1 目的
「学級がうまく機能しない状況」の兆候が見られる,あるいは可能性が心配さ
れる学級に非常勤講師を措置し,複数の教員によるきめ細やかな指導を行うこと
により,その状況が深刻化することを未然に防止するとともに,その解消に資す
る。
○
質問①について
授業を行うことができる。また,勤務対応は校長の命令があれば出張とすることがで
きる。
校内にプールがない場合は,授業の場所としての「市営プール」であり,校内にある
プールと同じ状況と考える。他校のプールを使用する場合も同様である。講師の派遣目
的に照らし合わせても,小学1・2年生は「各教科の学習指導」であり,3~6年生の
場 合 に お い て も ,「 読 み ・ 書 き ・ 計 算 」 と な っ て い る の で , T T と し て 活 用 す る こ と が
本務であり,活用目的を満たしている。
このことから,学校を離れて,市営プール等においてTTとして活用することは可能
であると考える。
○ 質問②について
公務災害に該当する。
「市町村立学校県費負担非常勤講師取扱いについて」の「7 公務災害補償」に照ら
し合わせて該当すると考える。
○ 質問③について
体育代替や学級改善支援事業での非常勤講師の場合も同様に可能である。
体育代替や学級改善支援事業における非常勤講師の活用の場合においては,その目
的 に 照 ら し 合 わ せ て み て も ,「 体 育 の 実 技 を 行 う た め の 市 営 プ ー ル 等 」 で あ り , ま た ,
「 複 数 の 教 員 に よ る き め 細 か な 指 導 」 と い う こ と で 該 当 す る の で ,「 楽 し く 学 ぶ 学 級 づ
くり事業 」における取扱と同様,校外のプールで指導を行うことは可能であり,公務
災害も適用すると考える。
講師指導
○ 質問①③について
ア 加配配置には目的があり,配置されているそれぞれの目的や条件に合った事業であ
れば活用は可能である。
イ 臨時的任用職員と非常勤講師では,出張旅費と公務上の災害について違いが出てく
る。非常勤講師は学校での活動を想定しており,旅費は事業ごとに予算化されている
が ,「 通 勤 手 当 相 当 額 」 が 原 則 と な っ て い る 。 ま た , 出 張 命 令 は 旅 費 の 範 囲 内 で 行 う
ものであるため,市民プールでの授業回数や移動方法を明確にし,各教育事務所総務
課へ相談をして対応をする。
ウ 楽しく学ぶ学級づくり事業の非常勤講師が遠足に参加する場合の通知「茨城県教育
委 員 会 ,平 成 14年 4 月 事 務 連 絡 」で は ,「 遠 足 」の 引 率 に 関 す る 公 務 認 定 に つ い て は ,
「年1回」としている。
-22-
○
質問②について
公務上の災害の場合,臨時的任用職員と非常勤講師では,適用法に違いがある。
・臨時的任用職員…地方公務員災害補償法(公務災害)の適用
・非常勤講師………労働者災害補償保険法(労災)の適用
(労災の申請について)
労働災害を申請する場合は,指定病院か否かで手続きが違う。非常勤講師の労災手続
きに関しては,公務災害と同様に丁寧な対応をしてほしい。
④支払い
(労災手続きの概略)
②請求書に証
①診療を受ける
治療費を支払
う。
事業主
厚生労働
本省
被災職員
②
請
求
書
に
証
明
③療養の費用請求
指定病院等
以外の医療機関
労働基準
監督署
※指定病院等の場合には,医療
の給付請求書を直接病院に提出
する。その際も,「事業主」の
証明が必要となる。
<様式のダウンロード>
「労災
→
申請」で検索
ダ ウ ン ロ ー ド 用 ( OCR)様 式 | 厚 生 労 働 省
必要書類をダウンロードする。
<茨城県の労災指定病院等>
「 茨 城 労 働 局 」 の HPで 確 認 で き る 。
・ 労 災 申 請 の 際 に 「 事 業 主 」 の 証 明 が 必 要 に な る が ,「 事 業 主 」 は , 学 校 , 市 町 村 教 育
委員会,県教育委員会のいずれになるか,管轄する「労働基準監督署」に問い合わせ
て 確 認 す る 。( 茨 城 県 に は , 平 成 27年 度 現 在 , 水 戸 ・ 日 立 ・ 土 浦 ・ 筑 西 ・ 古 河 ・ 常 総
・ 龍 ケ 崎 ・ 鹿 嶋 の 8 署 が あ る 。)
○
公務上の災害の認定について
出張が認められていても,会議の主催者等によっては,出張中の事故が「公務上の災
害」と認められないことがある。詳細については,県教育庁総務企画部福利厚生課に確
認すること。
-23-
4
【職員の配偶者同行休業について】
職員が,配偶者同行休業期間中に発病し,疾病の検査,治療のために帰国するこ
ととなった。検査の結果,十分な療養が必要と診断された。
① 帰国して検査,治療する場合の身分の扱いは,どのようになるのか。
② 療養休暇への切り替えは可能か。
<県南ブロック>
<質問事項への考え方>
(根拠となる関連法令等)
Ⅰ
期間中に発病し,検査,治療のために帰国する場合の身分の扱い
1 地 方 公 務 員 法 第 26条 の 6
第1項 任命権者は,職員が申請した場合において,公務の運営に支障がないと
認めるときは,条例で定めるところにより,当該申請をした職員の勤務成
績その他の事情を考慮した上で,当該職員が,3年を超えない範囲内にお
いて条例で定める期間,配偶者同行休業《職員が,外国での勤務その他の
条例で定める事由により外国に住所又は居所を定めて滞在するその配偶者
(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。第5項及び
第 6 項 に お い て 同 じ 。) と , 当 該 住 所 又 は 居 所 に お い て 生 活 を 共 に す る た
め の 休 業 を い う 。》 を す る こ と を 承 認 す る こ と が で き る 。
第6項 任命権者は,配偶者同行休業をしている職員が当該配偶者同行休業に係
る配偶者と生活を共にしなくなったことその他条例で定める事由に該当す
ると認めるときは,当該配偶者同行休業の承認を取り消すものとする。
第 11項 前 条 第 2 , 3 項 及 び 第 6 項 の 規 定 は ,配 偶 者 同 行 休 業 に つ い て 準 用する。
2
自己啓発等休業をしている職員は,自己啓発等休業を開始した時就
いていた職又は自己啓発等休業の期間中に異動した職を保有するが,
職務に従事しない。
3 自己啓発等休業をしている期間については,給与を支給しない。
6 前各項に定めるもののほか,自己啓発等休業に関し必要な事項は,
条例で定める。
2
Ⅱ
1
職員の配偶者同行休業に関する条例
第 1 条 こ の 条 例 は , 地 方 公 務 員 法 第 26条 の 6 第 1 , 2 項 及 び 6 か ら 8 項 ま で 並
び 第 1 1 項 に お い て 準 用 す る 地 方 公 務 員 法 第 26条 の 5 第 6 項 の 規 定 に 基 づ
き,職員の配偶者同行休業に関し必要な事項を定めるものとする。
第 4 条 地 方 公 務 員 法 第 26条 の 6 第 1 項 の 条 例 で 定 め る 事 由 は , 人 事 委 員 会 規 則
で定める期間にわたり継続することが見込まれる外国での勤務その他人事
委員会規則で定める事由とする。
第5条 配偶者同行休業の承認の申請は,配偶者同行休業をしようとする期間の
初日及び末日並びに当該職員の配偶者が当該期間中外国に住所又は居所を
定めて滞在する事由を明らかにしてしなければならない。
第 7 条 地 方 公 務 員 法 第 26条 の 6 第 6 項 の 条 例 で 定 め る 事 由 は , 配 偶 者 同 行 休 業
をしている職員の当該配偶者同行休業に係る配偶者が第4条に規定する事
由に該当しなくなったことその他人事委員会規則で定める事由とする。
療養が必要となった場合に療養休暇への切り替えは可能か
職員の休日及び休暇に関する条例
第3条 休暇の種類は,次のとおりとする。
① 年次休暇
② 療養休暇
③ 特別休暇
第4条 休暇は,年次休暇を除き,あらかじめ任命権者の承認を受けなければ与
えられない。ただし,病気,災害その他やむを得ない理由により,あらか
-24-
じめ承認を受けることができなかつたときは,人事委員会規則で定めると
ころにより事後に承認を受けることができる。
2 職 員 の 休 日 及 び 休 暇 に 関 す る 規 則 第3条
療養休暇は,療養のため勤務しないことがやむを得ないと認められる最小限度
の期間与えるものとする。
(1) 公 務 上 負 傷 し 若 し く は 疾 病 に か か り , 又 は 通 勤 に よ り 負 傷 し 若 し く は 疾 病 に
かかった場合
(2) 労 働 安 全 衛 生 法 に 基 づ き , 職 員 の 健 康 を 確 保 す る た め の 勤 務 時 間 の 短 縮 の 措
置を受けた場合
(3) 妊 娠 に 起 因 す る 疾 病 に か か っ た 場 合
○
質問①について
配偶者同行休業の承認条件は,職員が,外国での勤務その他の条例で定める事由に
より外国に住所又は居所を定めて滞在するその配偶者(届出をしないが事実上婚姻関
係と同様の事情にある者を含む)と,当該住所又は居所において生活を共にすること
で あ る 。( 地 方 公 務 員 法 第 26条 の 6 第1項 )
配偶者同行休業の取り消し条件は,配偶者同行休業をしている職員が,当該配偶者
同行休業に係る配偶者と生活を共にしなくなったこと,その他条例で定める事由に該
当 す る と 認 め る と き と 記 さ れ て い る 。( 地 方 公 務 員 法 第 26条 の 6 第 6 項 )
本県には,地方公務員法に基づき,職員の配偶者同行休業に関する条例,職員の配
偶者同行休業に関する規則が制定されている。これらに則って事例について考えてみ
ると,職員が,外国から帰国して,当該配偶者同行休業に係る配偶者と生活を共にし
なくなることから,配偶者同行休業の承認が取り消されることが妥当であると考えら
れる。しかし,一時的に帰国し,検査や簡易な治療を受ける場合は,あくまでも一時
帰国の扱いとなり,配偶者同行休業の承認は取り消されないものになるのではないか
と考える。
○
質問②について
療養休暇については,職員の休日及び休暇に関する条例第3条,第4条及び職員の
休 日 及 び 休 暇 に 関 す る 規 則 第 3 条 の (1)に 規 定 さ れ て い る 。 当 該 職 員 が , 検 査 の 結 果 治
療と療養が必要であると診断された場合は,療養休暇の所定の申請を行い,教職員健
康審査委員会の審査結果により療養が必要であると判定を受ければ,療養休暇を取得
することは可能であると考える。
この場合,先に,地方公務員法,職員の配偶者同行休業に関する条例の規定に基づ
き,配偶者同行休業の取り消しの申請を行った上で,取り消しの承認が必要になるの
ではないかと考える。
講師指導
○ 質問①について
ア 「配偶者同行休業取扱要項」で,承認取り消し要件に該当するかどうかを判断して
いく必要がある。
病気の治療が長期にわたり,第8条第1項第3号(生活を共にしなくなった場合)
に該当する場合には,承認を取り消すこともある。病気の治療内容や治療期間によっ
て,判断される。
配偶者同行休業取扱要項
制定:平成26年4月1日
(休業状況の報告等)
第8条 (中略)次の各号のいずれかに該当する場合には,配偶者同行休業変更届を所属長に
提出するものとする。(中略)
(1) 配偶者が死亡した場合
(2) 配偶者が職員の配偶者でなくなった場合
(3) 配偶者と生活を共にしなくなった場合
(4) 配偶者が海外の滞在する事由が,職員の配偶者同行休業に関する条例第4条の事由に該
当しなくなった場合
(5) 配偶者同行休業をしている職員が,出産に係る特別休暇を取得することとなった場合
-25-
(承認の取消し)
第9条 次の各号のいずれかに該当する場合には,配偶者同行休業の承認は取り消すものとす
る。
(1) 前条第1項第3号から第5号のいずれかに該当する場合
(2) 配偶者同行休業をしている職員について,育児休業を申請する場合
イ
○
配偶者同行休業の場合には無給,療養休暇の場合には給与が発生するということに
なるので,病気の治療が長期にわたる場合,帰国して治療するのかどうかも確認し,
判断していく必要がある。
質問②について
療養休暇を取得する場合,その期間を確認すると共に,その後の状況についても定
期的に確認していく必要がある。
イ 補充教職員について
・被補充者が療養休暇を取得する場合,補充者には配偶者同行休業補充の発令がされ
ているので,以下のようになる。
*「 海 外 同 行 休 業 補 充 」か ら「 療 休 補 充 」と な り ,「 任 用 の 種 類 の 変 更 」と な る 。
*任用の種類の変更に伴う人事発令は行わない。
*任用の種類変更日の7日前までに臨時的任用教職員の状況の変更についてを提
出する。
・ こ の 事 例 の 場 合 に は ,「 任 用 の 種 類 の 変 更 」 と な り , 補 充 教 職 員 は そ の ま ま 勤 務 す
ることになる。
ア
市町村立学校県費負担教職員の臨時的任用事務取扱要領
臨時的任用職員の任用の種類の変更
臨時的任用期間の満了日前において,任用の種類を変更する必要が生じた場合の取扱い
については,次に掲げるとおりとする。
(1)市町村教育委員会は,任用の種類に変更の必要が生じた場合においては,別表に基づ
き,所轄教育事務所長あて報告するものとする。
(2)任用の種類の変更に伴う人事発令は行わないものとし,既に発令している任用期間に
よるものとする。
(3)市町村教育委員会への通知は,臨時的任用職員の任用の種類の変更一覧表(別紙様式
3)により行うものとする。
8
・海外同行休業に係る他の事例として,配偶者に日本国内への転勤命令が出るなど,
被補充者が帰国し復帰する場合には,補充教職員は任用期間が残っていても,退職
となる。
補 充 教 職 員 は , 職 を 失 う こ と に な る た め , 30日 前 ま で に 「 解 雇 予 告 」 を す る 必 要
が あ る 。( 労 働 基 準 法 第 20条 ) こ の 事 例 に 限 ら ず , 常 に 被 補 充 者 の 状 況 把 握 に 努 め
るとともに,補充者へも事前に説明しておく必要がある。また,退職後,講師等の
新たな職についても,配慮していく必要がある。
○
その他の質問「配偶者が妊娠し,一時的に帰国をし出産したいと言った場合,産前産
後休暇,育児休業等の扱いはどうなるのか」について
ア 配 偶 者 同 行 休 業 取 扱 要 項 の 8 条 ( 休 業 状 況 の 報 告 ) の (5)に 該 当 す る た め , 変 更 届
を提出する。
イ 育 児 休 業 は , 第 9 条 ( 承 認 の 取 り 消 し ) の (2)に 該 当 す る た め , 承 認 取 り 消 し と な
り,育児休業を取得することになる。
海外同行休業の職員がいる場合は,その状況に変更がないかどうかということを定期的
に連絡を取る必要がある。さらに,職員の状況により雇用関係が切られてしまう補充職員
が出る可能性もあるので,対応を丁寧に行っていく必要がある。
「 法 令 の 中 で 定 め ら れ て い る こ と 」と「 配 慮 を す る こ と 」,管 理 職 は こ の 両 面 か ら 考 え ,
対応していく必要がある。
-26-
5
【再任用教職員の療養休暇の取得について】
再任用で初任者研修の拠点校指導員として,週2日勤務している職員(再任用短時勤
務職員)が,療養休暇を取りたいと申し出てきた。この場合,療養休暇は取得できるの
か。取得する場合は,どのような手続きが必要か。
・ 7 / 24~ 8 / 30( 38 日 間 ): 療 養 休 暇 ( 入 院 加 療 の た め ) 退 院 予 定 8 / 30( 診 断 書 )
・ 8 / 30: 退 院 。
・9/2:A中に出勤。
・9/3:B中に出勤。
・9/9:A中で夏季特別休暇取得。
・ 9 / 10: B 中 で 夏 季 特 別 休 暇 取 得 。
・ 9 / 15: 16 日 (水 )の 勤 務 を 休 み た い と 連 絡 を 受 け る 。
①
再任用教職員(短時間勤務)の休暇取得はどのようになっているか。
・休暇の種類と取得日数
② その他どのようなことに配慮すればよいのか。
・再度申請した療休の起点日(クーリング期間の年休,特休,勤務日の取扱い)
・ 療 養 休 暇 が 90 日 以 上 と な る 場 合 の 健 康 審 査 委 員 会 へ の 対 応
・若手教員研修の補填
<県西ブロック>
<質問事項への考え方>
(根拠となる関係法令等)
「職員の休日及び休暇に関する条例第3条」
○ 休暇の種類の中に,療養休暇が含まれている。
「職員の休日及び休暇に関する条例第9条」
○ 非 常 勤 職 員( 再 任 用 短 時 間 勤 務 職 員 及 び 任 期 付 短 時 間 勤 務 職 員 を 除 く 。)の 休 日 及
び休暇については,第2条から前条までの規定にかかわらず,人事委員会の定める
規準に従い,任命権者が定める。
「職員の休日及び休暇に関する規則第3条」
○ 条例第6条の規定による療養休暇は,療養のため勤務しないことがやむを得ない
と認められる最小限度の期間与えるものとする。ただし,次に掲げる場合以外の場
合 に お け る 療 養 休 暇( 以 下 こ の 条 に お い て「 特 定 療 養 休 暇 」と い う 。)の 期 間 は ,次
に掲げる場合における療養休暇を利用した日その他の人事委員会が定める日(以下
こ の 条 に お い て 「 除 外 日 」 と い う 。) を 除 い て 連 続 し て 90 日 を 越 え る こ と は で き な
い。
※ 以上の条例や規則をもとに解釈すると,本職員は,再任用短時間勤務職員であるた
め , 療 養 休 暇 を 取 る こ と が で き る が , 90 日 を 超 え る こ と は で き な い 。 手 続 き に 関 し て
は,一般の教職員と同様である。
○ 質問①について
※ 条例や規則をもとに解釈すると,本職員は,再任用短時間勤務職員であるため,療
養 休 暇 を 取 る こ と が で き る が , 90 日 を 超 え る こ と は で き な い 。 手 続 き に 関 し て は , 一
般の教職員と同様である。
その他の休暇(職員の休日及び休暇に関する規則)
※ 年次有給休暇:定年退職時の年次休暇の残り日数が引き継がれる。
再任用年度の1月1日に付与される年次休暇の日数
( 20 日 ×2 / 5 = 8 日 )
-27-
※
夏 季 特 別 休 暇 : 5 日 ×15.5 時 間 ÷38.75 時 間 = 2 日
5 日 に 該 当 職 員 の 1 週 間 当 た り 勤 務 時 間 ( 15.5h) を 38.75h で 除 し
て得た数に乗じて得た日数
(「 H26 年 度 末 退 職 予 定 者 説 明 会 資 料 」 茨 城 県 教 育 委 員 会 )
○ 質問②について
1回目の療養休暇後の現在進行中の事例
・9/2:A中に出勤。
・9/3:B中に出勤。
・9/9:A中で夏季特別休暇取得。
・ 9 / 10: B 中 で 夏 季 特 別 休 暇 取 得 。
・ 9 / 16: A 中 休 み た い と の 申 し 出 。
※ 9 / 16 か ら 9 / 30 ま で 療 養 休 暇 と な る 。
「 平 成 26 年 度 学 校 運 営 の た め の 法 制 問 答 集 」 P 25 の 事 例 検 討 か ら 療 養 休 暇 と 療 養 休
暇の間に取った週休・祝日・年休等(特別休暇も含む)は療養休暇の期間計算に含む。
し か し , こ の 場 合 , 実 勤 務 日 ( 9 / 3 ) と 療 養 休 暇 ( 9 / 16) に は さ ま れ て い る の で ,
特 別 休 暇 は 期 間 計 算 に は 含 ま な い 。 療 養 休 暇 の 起 点 日 は 9 / 16 と す る 。
※ 11/ 6 で 療 養 期 間 が 90日 と な る た め , 10/ 20に 行 わ れ る 健 康 審 査 委 員 会 の 準 備 を 進
める。
※ 療養休暇を1か月以上取得する場合には,補充職員の申請をしなければならない。
(任用予定日の7日前までに関係書類提出が必要)療養休暇が,1か月を超えないた
め,校内で補填する。
講師指導
〇 質問①について
ア 療養休暇についての解答は妥当である。現在療養休暇に関しては様々な事例が報告
さ れ て き て い る 。平 成 26 年 度 か ら 再 任 用 短 時 間 勤 務 が 開 始 さ れ ,対 応 に 注 意 を 要 し て
いる。
イ 年 次 有 給 休 暇 及 び 夏 季 特 別 休 暇 に つ い て は ,1 日 未 満 の 端 数 が 出 る 場 合 に は ,四 捨 五
入とし,日を単位として与える。
質問②について
ア 療 養 休 暇 に つ い て は 期 間 が 90日 以 上 と な る 場 合 , 短 い 期 間 内 に 健 康 審 査 会 へ の 申 請
が必要となるので予め家族や職員とこまめな連絡や配慮が必要である。
・連 続 す る 療 養 休 暇 の 間 に あ る 場 合 に は ,療 養 休 暇 を 使 用 し た 日 と み な し て 通 算 す る 。
・ 本 事 例 で , 療 養 休 暇 と 実 勤 務 日 に は さ ま れ て い る 日 は 夏 季 特 休 も 含 め , 9/15 ま で
は , 療 養 休 暇 期 間 に は 含 め な い 。 し た が っ て , 9/16 か ら 療 養 休 暇 の 期 間 計 算 を 行
うという解答は妥当である。
8/30
8/31 9/1 9/2 9/3 9/4 9/5 9/6 9/7 9/8 9/9 9/10 9/11 9/12 9/13 9/14 9/15 9/16 9/17
日
月
火
水
木
金
土
日
月
火
水
木
金
土
日
月
火
水
木
療
・
・
出
出
・
・
・
・
・
夏
夏
・
・
・
・
・
療
療
① ②
療休
期間計算に
実勤務
38日
含まない。
日
※
期間計算に含まない。
39
40
療 養 休 暇 と 実 勤 務 日 に は さ ま れ て い る 週 休 日 ,祝 日 ,年 次 休 暇 を 取 得 し た 日 等
に つ い て は , 期 間 計 算 に 含 め な い 。( 等 に は 特 別 休 暇 も 含 ま れ る 。)
-28-
イ
再任用短時間勤務職員の療養休暇取得時の補充職員について
・短時間勤務の再任用教職員に対して,療休補充や休職補充の臨時的任用職員の発令
をすることはできない。
市町村立学校県費負担教職員の臨時的任用事務取扱要領
1 趣旨
こ の 要 領 は ,(中 略 )市 町 村 立 学 校 職 員 給 与 負 担 法( 昭 和 23 年 法 律 第 135 号 )
第 1 条に規定する職員の代替補充として市町村立学校に臨時的に任用する常
時 勤 務 を 必 要 と す る 県 費 負 担 教 職 員( 以 下「 臨 時 的 任 用 職 員 」と い う 。)の 任
用の手続き及びその他の取扱いに関し,必要な事項を定めるものとする。
・被補充者の職務内容によって,非常勤講師を補充者として派遣することとなる。
-29-
6
【講
話
要
旨】
講師 茨城県教育庁学校教育部義務教育課 管理主事 岩田 利美 先生
1
はじめに
茨城県学校長会 法制委員会並びに茨城県小中学校教頭会法制部合同研修会では,学校における
様々な事例を取り上げ,法令に付き合わせての研修を重ねている。これまでの事例を見ると,法令
改正や新たな制度について,まず,校長会が「学校長必携」において,その内容や意義の整理を行
い,翌年には,教頭会の「法制研修会」でその運用面の課題を取り上げている。各学校において法
的な根拠・配慮をもって学校経営を行う上で,法制研修会の果たす役割は大きい。研修をとおして法令
の背景にあるもの,改正の意味等を含めて理解し,法的根拠に基づいた教職員の勤務環境の整備(安
心して働くことのできる職場)をしていくことは,管理職としての責任である。また,例えば,男
性職員の育休や不妊治療など新たな制度や法令改正も多く,その内容については,管理職だけでなく,
全職員で情報を共有していくことが必要である。
2
日常の勤務と法令
事例から
(1) 新採教員の療養休暇
A教諭は,条件付採用期間中の,9月1日から療養休暇を取得している。医師から,90 日間経過後
も自宅療養が必要であるとの診断がされた。
①療養休暇取得後 90 日を経過した後の勤務態様はどのようになるか。
②どのような手続きが必要か。
ポイント
○療養休暇の概要(趣旨,目的)
・最初の疾病の療養休暇から 90 日を超えて取得する場合
○病気休職の概要(趣旨,目的)
・地方公務員法第 28 条第2項第1号
・職員の休日及び休暇に関する規則 第3条
○給与 ・職員の給与に関する条例
(療養休暇)
附則第 16 項
※療養休暇に至るまで及び療養休暇後の条件付採用者への組織的な対応
【回答・対応】
①休職は,分限であり,条件付採用者は,分限の適用除外なため休職ではなく,療養休暇を取得する
ことになる。
②90 日を超えて療養休暇を取得することになるので,給与は半減になる。
給与半減については,異なる疾病により療養休暇が 90 日を越える場合も同様。
③新規採用者を全職員で育てる体制
・日常的に相談しやすい職場環境になっているか。
・任せ,認める場面を大切にしているか。常に指導され続ける状況になっていないか。
(2)(演習形式)
○中学校に勤務するA~Cの者が,勤務時間外に①~③の仕事をし,報酬を受けることは可能か。
必要な手続きは何か。
A臨時的任用職員の場合
①学習塾の講師
B非常勤講師の場合
②通信添削
C再任用短時間勤務職員の場合
③私立E高校の野球部の顧問
-30-
ポイント
○
地方公務員法 38 条で制限されている「営利企業等の従事」に該当するか。
○ 教育公務員特例法 17 条の「兼職・兼業」に該当するか。
○ 許可の基準は何か。
【回答・対応】
①学習塾の講師
A臨時的任用
職員
②通信添削
原則不可
③私立E高校の野球部の顧問
許可基準に照らして判断
・臨時的任用職員は,地公法が適用される。
B非常勤講師
可
・非常勤講師は,地公法が適用されない。
C再任用短時
間勤務職員
許可基準に照らして判断
原則不可
・再任用短時間勤務職員は教諭であり,地公法
が適用される。
<手続き>
営利企業等に従事しようとするときは,営利企業等従事許可願を提出し,市町村教育委員会の許可
を得ることとなる(各市町村立学校職員服務規程)。許可する際の基準は,以下のとおりである。
許可基準の「3点セット」
(営利企業の従事制限[趣旨]
)(逐条地方公務員法第三次改訂版)
①当該営利企業に従事しても,職務遂行上,能率低下を来すおそれがないこと(職務専念義務)
②当該営利企業等と職員が属する地方公共団体との間に相反する利害関係を生じるおそれがなく,
かつその他職務の公正を妨げるおそれがないこと(職員の公正の確保)
③職員の品位を損ねるおそれがないこと(職員の品位の維持)
任命権者の許可は裁量行為であると解されるが,以上の3点のいずれかについて相当の懸念が実
在するにもかかわらず許可を与えるようなことは,裁量の範囲を逸脱するものと言えよう。
③私立高校野球部顧問について
教育公務員特例法第 17 条「教育に関する他の事業若しくは事務」の範囲に該当するが,上記の
「許可基準の『3点セット』」の観点から市町村教育委員会が判断することとなる。
B非常勤講師について
地方公務員法は適用されないが,公務に支障を来したり,公務の信用を失墜させたりすることな
どのないよう,十分留意する必要がある。
C再任用短時間勤務職員について
以下のような弾力的運用が可能。
教育公務員の雇用と年金の接続に係る留意事項について
(事務連絡平成 25 年4月4日 文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課財務課)
1
(中略)雇用と年金の接続については,現行の地方公務員法(昭和 25 年法律第 261 号)の再任
用制度に基づき,総務副大臣通知を踏まえ,適切に対応すること。
地方公務員の雇用と年金の接続について
(平成 25 年3月 29 日 総行高第2号
総務副大臣通知)
5 (中略)
再任用短時間勤務職員に対する営利企業等の従事の許可については,公務に支障を来たした
り,公務の信用を失墜させたりするなどのおそれがないよう十分留意しつつ,再任用短時間勤
務職員の勤務形態等を勘案して必要に応じ弾力的な運用を行うことが可能であること。
-31-
3
管理職に望むこと
(1)学校マネジメント力を高める。
①
教職員が安心して意欲を持って勤務できる学校づくり(職場環境整備と人材育成)
○ 教員評価,新人事評価を生かす。(人材育成,学校活性化のシステム)
・一人一人の自己目標,取組状況を日々の職務から見取り,認める。
・30~40 歳代をどう育てるか。管理職として,どこで誰にどう任せ,どんな力を育てていく
か等の組織マネジメント力を高めていくこと。
○ 教職員の多忙感の解消と業務の効率化
・効率化だけでは限界があるので,やりがい感を高めることが必要。負担感とやりがい感の
バランスが崩れる時は,時間(超過する時間が増える)と組織(自分だけがやっていると感
じている)のどちらかが過重になっている。
②
保護者や地域住民から信頼される学校づくり
○ 組織としての対応力
○ 地域の力を生かせる(地域の力を強みにする)学校経営・運営
③
経営ビジョンと経営戦略
○ 強みを生かす。
○ 国や県の戦略を知り,生かす。
学力向上,生徒指導,特別支援教育,公募型人事異動 等
(2)教職員の服務規律の確保~「コンプライアンス」の推進~
平成26年12月
臨時的任用職員研修会,管理職研修会,校内研修資料
平成27年2月5日 コンプライアンスだよりNo.1「事故の未然防止と信頼される学校づくり」
・コンプライアンスとは
・懲戒処分の指針
・チェックリスト【交通違反・飲酒運転】
2月9日 第1回県コンプライアンス推進委員会
5月27日
第2回県コンプライアンス推進委員会
6月25日
コンプライアンスだよりNo.2「体罰を許さない学校づくり」
・懲戒処分の現状
11月20日
・チェックリスト【体罰】
コンプライアンスだよりNo.3「学校における個人情報の取扱い」
・チェックリスト【個人情報の管理】
【ソーシャルメディア】
11月25日 第3回県コンプライアンス推進委員会
○学校コンプライアンス推進委員会等の設置
※組織として,個人の意識をどう高めるかが課題
○ 信用失墜行為の根絶
・体罰事故
・飲酒運転
・セクハラ,わいせつな行為
・USBメモリ等個人情報の紛失,流出事故
・金銭管理
・パワハラ
等
(3)学校事故防止について
○ 児童生徒に係る事故
○ 教職員に係る学校事故
○ 学校施設整備に係る学校事故
(4)問題,学校事故等が起きたときには
○
組織としての初期対応が重要
・管理職の的確な事実確認と判断
・苦情への迅速かつ組織的な対応 等
※その土台となるのは,一人一人の教職員が問題を抱え込まず,相談できる職場環境を整える
こと
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