ᰂඹḡቊՃ⦙ᮿ᳤ɄɼɈʁ 永久磁石や軟磁性材料は、今後ますます増加すると期待されている次世代自動車や電化製品などの高性 能モーターを構成する重要な材料となっています。また、磁気熱量材料はフロンを使用しない次世代冷 凍システム(磁気冷凍システム)の構 成材料として期待されています。当セン ターでは、資源、環境、エネルギーの問 題に対応したこれらの磁性材料を開発 することを目的として、資源リスクの 少ない高性能磁石の開発や、磁気熱 量材料を使用した高効率冷凍システ ムの開発を進めます。 当 センターは 、経済産業省の未来開拓プロ ジェクト・次世代自動車向け高効率モー ター用磁性材料技術開発を進めている技術 研究組合(MagHEM)に参画しています。 ■ Sm-Fe-N磁石粉末の焼結 Nd-Fe-B(ネオジム−鉄−ボロン) 系磁石に含まれるDy(ジスプロシウム) は、重希土類元素であり、地殻埋蔵量が少なくかつ生産地域が限定される 元素であるため、価格の高騰や供給不安が著しい元素です。Sm-Fe-N(サ マリウム−鉄−窒素) 系磁石粉末はNd-Fe-B系磁石に次ぐ高い磁石特性 を持つ材料で、重希土類元素であるDyを使用しない磁石材料として期待さ れています。 しかし焼結性が悪いため、現在はSm-Fe-N系磁石粉末を樹脂 などで固めたボンド磁石としてのみ製品化されています。当ラボでは、より磁 石性能を高めるために、Sm-Fe-N焼結磁石を作製する技術開発を行ってい 作製したSm-Fe-N等方性焼結磁石の外観 ます。Sm-Fe-N磁石粉末を、サーボプレスによる荷重制御とパルス電流を 流して焼結するパルス通電焼結法を組み合わせることによって、低温で高密度に焼結する技術を開発しました。この手法により、 高性能な等方性磁石の作製に成功しています。さらなる高性能化を目指し、異方性焼結磁石の開発に取り組んでいます。 ■ 磁気冷凍材料の開発 冷凍冷房は、現在社会においてもはや欠く事の出来 ないインフラ技術となっていますが、従来の気体圧縮式 には冷媒としてフロン類が用いられてきたため、冷媒の 環境負荷が喫緊の問題となっています。当ラボで開発 に取り組んでいる磁気冷凍材料・システムは、磁性材料 における熱変化の応用に根ざしており、フロン類が撤廃 できる上に、圧縮機の代わりに磁気回路を用いる事がで きるため、冷凍効率の向上や静音性も期待できます。
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