﹁一 橋 法 学 ﹂ の バ ー ジ ョ ン ア ッ プ を 目 指 し た い 専

新 任 者 メッセ ージ
法学部長・法学研究科長
国際・公共政策大学院長
野尋之
山重慎二
大規模な社会的変化に伴う﹁法化﹂社会の広
がり・深まりの中で、研究・教育の両面におい
とともに、弁護士や企業法務担当者など高度
り法学研究科のグローバル化を一気に進める
に活かされるはずです。
第三に研究の強化です。政治・経済・社会が
混沌とする中で、国際性・市民性・実践性を特
心に、長・短期の留学、英語の授業、海外大学
第一にグローバル化の進展です。法学部で
は2017年から国際法・国際関係法部門を中
くために、三つの重要な改革を進めます。
キュラム改革が行われます。これにより、一
でも、2017年には大規模な学期制・カリ
次世代リーダーの育成に尽力します。法学部
ものです。この力をさらに強めて、法曹界の
第二に教育の強化です。法科大学院の実績
と社会的評価は﹁一橋法学﹂の教育力を示す
い手を育成します。
実務と理論を架橋する法学研究の次世代の担
トさせました。これにより、国際性を備えた、
た形で、研究者養成の新たな仕組みをスター
5年には、法科大学院の法曹養成と結びつけ
ための態勢を固めていきます。すでに201
色とする﹁一橋法学﹂への社会的期待はます
との合同ワークショップ、大学院教育との接
つひとつの科目、一回一回の授業の重みがいっ
科の経営法務専攻が統合予定です。これによ
て、法学部・法学研究科・法科大学院が担うべ
専門職業人向けの教育を強化します。
続を含んだ法学部版のGLP︵グローバル・
そう増すことになります。法科大学院での緊
ます高まっています。これに積極的に応える
リーダーズ・プログラム︶を実施します。20
張感あふれる真剣な授業・教育の経験が、ここ
ていきたいと思います。公開セミナーやホーム
心を持っていることが分かっています。大学に
今年の新成人へのアンケートによれば、
﹁テロ﹂
﹁少子化﹂
﹁雇用﹂など、政策に関わる問題に関
を変えていくための﹁基礎﹂を、社会に提供し
現在の日本の社会は、国内でも国際関係でも
さまざまな課題を抱えています。そのような難
ページなどを通して、多くの方々が関心を持つ
について研究してきた私たちが発信しないで誰
しい課題を解決していくには、専門家の育成は
多くの方にとって、政策の問題は複雑で難し
いかもしれません。しかし政治の選択は一般の
が発信するのだとの思いを、新たにしています。
も、新たに選挙権を持つ若い人たちが入学して
そのために、私たちは、政策の専門家集団と
して、一橋大学における政策研究の成果を幅広
方々が行うわけですから、他人事ではないので
ようなテーマを取り上げて、情報発信していけ
く発信していきたいと思います。学内に、社会
す。小さな一票であっても、できるだけ多くの
同時に、しっかりした情報発信のためには、
私たち自身が研究を深めていかなければなりま
もちろん大事ですが、国民がもう少し幅広く政
全体に、そして世界に、情報発信し、国際・公
方に、考えて、投じてもらう。そして、投票以
せん。専門が異なる研究者とのオープンな場で
きます。不安や知りたいと思う気持ちは、日本
共政策について理解を深めてもらう取り組みは
外の方法でも、政治に参加してもらう。その一
の議論や産学連携での共同研究なども行い、成
ればと考えています。
重要ですが、そのような発信は、今まで必ずし
歩を踏み出すための後押しにつながるものが提
社会全体にも共通するでしょう。これまで政策
も十分に行われていませんでした。
私の在任中は、日本そして世界の難しい状況
果を社会に還元していきたいと思います。
︵談︶
供できれば幸いです。
策について理解を深めていくことも重要です。
専門家の育成と同時に政策に関する情報発信も積極的に
﹁一橋法学﹂
これらを柱として改革を進め、
の総合力を高めたいと考えています。
︵談︶
18年には、法学研究科と国際企業戦略研究
割を積極的に引き受け、社会の期待に応えてい
き役割はますます大きくなっています。その役
﹁一橋法学﹂のバージョンアップを目指したい
Hiroyuki Kuzuno
Shinji Yamashige
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