20歳代開業者の実態と課題

2016 年 3 月 31 日
日本政策金融公庫
総 合 研 究 所
20歳代開業者の実態と課題
~「2015年度新規開業実態調査(特別調査)」の結果から~
Ⅰ
調査目的と実施要領 ---------------------------- 1
Ⅱ
アンケート回答企業の概要 ---------------------- 2
Ⅲ
1
2
3
4
5
Ⅳ
調査結果
属性とキャリア ----------------------------- 事業の概要 --------------------------------- 開業動機 ----------------------------------- 開業準備 ----------------------------------- 開業後の状況と課題 --------------------------
3
6
8
11
14
まとめ ---------------------------------------- 17
<問い合わせ先>
日本政策金融公庫総合研究所
小企業研究第一グループ
TEL 03-3270-1687
担当 楠本、井上
Ⅰ 調査目的と実施要領
1 調査目的
日本政策金融公庫総合研究所では、新規開業企業の実態を把握するために、1991年度から毎年「新規開業実態調査」を実施し、開業時
の年齢や開業費用など時系列で比較可能なデータを中心に蓄積すると同時に、さまざまなテーマで分析を行ってきた。
後継者不足などから、廃業を選択する中小企業が増加しており、わが国の中小企業は減少を続けている。いかに新たな開業者を生み出
し、開業率を向上させるかは、経済の活力を維持するうえで重要な課題である。なかでも、20歳代で開業することは、より長期的な事業
運営が可能であり、企業数の維持に資するものとなる。そこで、本調査では20歳代開業者の特徴や、開業の課題について分析した。
【参考】開業時の年齢
(%)
2.2
100
9.3
1.4
2.1
2.3
1.7
1.7
9.0
11.8
11.1
11.5
12.3
2.6
12.8
2.9
2.6
2.7
14.6
18.8
21.1
3.9
3.8
21.5
19.1
4.2
6.4
5.3
23.2
24.1
23.1
27.3
27.7
29.1
33.4
31.9
34.2
5.8
20.5
21.1
80
34.1
36.7
34.3
34.3
36.0
34.9
32.6
4.3
4.8
7.1
6.5
7.7
6.6
5.6
6.5
5.9
15.5
17.4
15.4
60歳以上
50歳代
18.9
17.7
16.9
19.4
28.4
28.3
29.8
26.5
30.5
29.2
34.2
40歳代
38.5
39.2
39.4
35.6
38.6
35.8
30歳代
18.4
31.7
30.4
28.3
31.9
60
29.2
24.3
26.4
28.4
40
39.8
38.5
37.8
39.0
36.9
37.9
37.0
35.6
36.1
35.4
32.2
34.4
39.5
36.5
38.9
40.2
20
14.5
14.1
14.7
13.4
13.2
13.0
15.0
15.2
1991
92
93
94
95
96
97
98
12.1
12.1
11.0
13.4
11.8
10.3
9.9
8.3
11.3
9.5
9.1
8.7
8.2
9.8
8.1
7.6
99
2000
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
0
7.4
29歳以下
15 (調査年度)
資料:日本政策金融公庫総合研究所「新規開業実態調査」
2 実施要領
(1)調査時点
2015年8月
(2)調査対象
日本政策金融公庫国民生活事業が2014年4月から同年9月にかけて融資した企業のうち、融資時点で開業後5年以内
の企業(開業前の企業も含む)1万1,353社
(3)調査方法
調査票の送付・回収ともに郵送、アンケートは無記名
(4)回 収 数
2,644社(回収率23.3%)
3 分析対象
20歳代と比較するグループは、開業時の年齢が「30~54歳」と「55歳以上」の開業者である。グループ分けは、当公庫の融資制度の一つ
である「女性、若者/シニア起業家支援資金」における若者(30歳未満)、シニア(55歳以上)に準じている。
‐1‐
Ⅱ アンケート回答企業の概要
開業時の組織形態
開業時の従業者数
業 歴
(単位:%)
(単位:%)
(単位:%)
10人以上
0~6カ月
7~12カ月
1人
1.5
7.4
25カ月以上
22.3
5~9人
17.0
31.5
34.3
法人企業
43.0
平均3.8人
(n=2,584)
(n=2,644)
平均23.5カ月
(n=2,644)
4人
8.5
57.0
個人企業
9.5
12.4
35.1
20.4
13~18カ月
19~24カ月
2人
3人
業 種
現在の月商(1カ月あたりの売上高)
現在の採算状況
(n=2,644、単位:%)
(単位:%)
(単位:%)
業 種
構成比
業 種
構成比
1,000万円以上
サービス業
22.9 製造業
4.4
医療、福祉
16.8 不動産業
3.8
10.8
100万円未満
赤字基調
500万~
1,000万円未満
30.8
11.8
飲食店、
宿泊業
13.7 情報通信業
小売業
教育、
11.8
学習支援業
3.3
平均430.5万円
(n=2,483)
32.1
(n=2,523)
2.4
67.9
黒字基調
建設業
11.3 運輸業
2.3
46.6
卸売業
6.0 その他
1.2
100万~500万円未満
資料:日本政策金融公庫総合研究所「2015年度新規開業実態調査(特別調査)」(以下同じ)
(注)構成比は小数第2位を四捨五入して表記しているため、その合計が100%にならない場合がある(以下同じ)。
‐2‐
Ⅲ 調査結果
1 属性とキャリア
~最終学歴は、専修・各種学校の割合が最も高い~
○ 20歳代の開業者に占める女性の割合は13.6%にとどまる(図-1)。
○ 最終学歴は、「専修・各種学校」の割合が36.9%と最も高く、「大学・大学院」が28.6%と続く(図-2)。他の年齢層に比べ
「専修・各種学校」の占める割合が高い。
○ 「父親」(39.0%)、「母親」(13.2%)、「祖父母」(16.1%)に事業経営経験者がいる割合が他の年齢層より高い(図-3)。
図-1 性別
図-2 最終学歴
(単位:%)
(単位:%)
女性
男性
20歳代
(n=206)
13.6
86.4
30~54歳
(n=2,058)
84.5
55歳以上
(n=380)
15.5
82.6
17.4
中学
高校
20歳代
(n=206)
6.3
23.8
30~54歳
(n=2,045)
4.2
30.9
55歳以上
(n=373)
4.0
31.6
短大・高専 大学・大学院 その他
専修・各種学校
36.9
22.7
9.9
4.4
28.6
5.0
7.2
37.1
47.2
(注) 年齢は開業時の年齢(以下同じ)。
図-3 身近な事業経営者(複数回答)
(%)
50
39.0
30~54歳
(n=2,045)
40
31.9
55歳以上
(n=370)
34.135.8
33.4
31.8
29.8
30
15.4 13.2
8.0
20
4.1
10
19.5 24.4 23.1
16.8
23.8
28.6
22.0 17.7
22.2
11.4
10.7
8.9
4.9
特にいない
1.0 0.7 0.3
その他の人
その他の
友人・知人
勤務経験を通じて
知り合った友人・
知人
‐3‐
元勤務先の
取引先の勤務者
(注) 家族や身近な人のなかに、事業を経営している、または、していた人がいるかを尋ねたもの。
元勤務先の勤務者
その他の親戚
0.0 0.2
子ども
配偶者
兄弟・姉妹
祖父母
母親
父親
0
25.4
20歳代
16.1 (n=205)
12.2 14.9
11.0
6.2
5.4
4.3
2.0 3.9
0.0
0.1
0.0
~他の年齢層に比べて少ないビジネス経験~
○ 20歳代の開業者で勤務経験を有する割合は94.7%、斯業経験を有する割合は83.2%であった(図-4①)。一方、管理職経験を有
する割合は50.7%にとどまっている。勤務経験年数の平均は7.0年、斯業経験年数の平均は6.3年、管理職経験年数の平均は3.2年であ
り、他の年齢層よりも短い(図-4②)。
○ 直前の職業は「正社員(非管理職)」(44.3%)、「非正社員」(15.5%)の割合が他の年齢層よりも高い一方、「会社や団体の
常勤役員」(2.6%)、「正社員(管理職)」(29.9%)の割合は低くなっている(図-5)。
図-4 勤務キャリア
①勤務経験
②経験年数
30~54歳
55歳以上
20歳代
(%)
99.6 98.1
94.7
100
(単位:年)
83.2 85.4
勤務経験
78.6
斯業経験
管理職経験
70.6
73.1
80
7.0
6.3
3.2
(n=187)
(n=165)
(n=103)
20歳代
50.7
60
40
18.3
13.8
9.1
(n=1,991)
(n=1,717)
(n=1,431)
30~54歳
20
33.1
21.9
18.5
(n=352)
(n=266)
(n=292)
55歳以上
0
勤務経験
斯業経験
管理職経験
(注) 「斯業経験」は現在の事業に関連する仕事をした経験。
(注) 経験年数の平均値は、経験がある人だけを集計。
図-5 直前の職業
(単位:%)
会社や団体の
常勤役員
20歳代
(n=194)
30~54歳
(n=2,006)
55歳以上
(n=365)
正社員(管理職)
正社員(非管理職)
29.9
44.3
2.6
10.8
非正社員
15.5
43.2
23.3
30.4
33.2
18.1
(注)1「非正社員」は「パートタイマー・アルバイト」と「派遣社員・契約社員」の合計である。
2「その他」には「専業主婦・主夫」「学生」が含まれる。
‐4‐
その他
7.7
8.5
11.8
7.1
13.7
~従業者規模20人未満の企業からの開業が約6割~
○ 開業する直前の勤務先の従業者規模は、「20人未満」の割合が59.6%と約6割を占め、他の年齢層に比べて高い割合となっている
(図-6)。20歳代の開業者は、他の年齢層に比べて規模の小さな企業から開業している割合が高い。
○ 1年以上従事した経験のある職種は、「接客・サービス」(67.2%)の割合が高い(表-1)。
○ 開業直前の勤務先からの離職理由は、「自らの意思による退職」(87.7%)の割合が最も高い(図-7)。
図-6 直前の勤務先の従業者規模
表-1 1年以上従事した経験のある職種(複数回答)
20人未満
20~49人
(単位:%)
50~299人 300人以上 公務員
(単位:%)
20歳代
20歳代
(n=178)
30~54歳
(n=1,848)
55歳以上
(n=312)
19.7
59.6
49.4
40.4
12.9
16.1
17.9
20.3
13.6
21.8
30~54歳
55歳以上
7.3 0.6
17.3
接客・サービス
67.2
51.2
32.4
営業・販売
36.8
50.1
55.5
製造・生産・品質管理
12.4
23.0
20.6
人事・労務
6.5
10.3
15.3
商品企画・開発
5.0
12.1
13.1
0.6
2.6
(注)20歳代の開業者の上位5職種。
事業部門の縮小・撤退に伴う退職(単位:%)
勤務先の倒産・廃業
解雇 その他
図-7 開業直前の勤務先からの離職理由
自らの意思による退職
20歳代
(n=179)
87.7
30~54歳
(n=1,849)
55歳以上
(n=310)
3.9 2.8 0.6 5.0
5.4
83.3
62.9
7.7
(注)「その他」には「定年退職」「退職していない」を含む。
‐5‐
4.5 1.3
3.5 1.7 6.2
23.5
2 事業の概要
~「サービス業」「医療、福祉」「飲食店、宿泊業」を中心に開業~
○ 開業した業種は、「サービス業」(26.2%)、「医療、福祉」(22.3%)、「飲食店、宿泊業」(16.0%)の順に多く、他の年齢
層よりも割合が高い(表-2)。一方、製造業(2.9%)、卸売業(3.4%)などは他の年齢層に比べて割合が低くなっている。
○ さらに細かく見ると、20歳代の開業者では「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所」(14.1%)、
「美容業」(9.2%)の占める割合が高い。専修・各種学校などで身につけた技術を生かした業種が多くみられる。
表-2 業種
(単位:%)
ー
サ
、
小
売
業
建
設
業
卸
売
業
製
造
業
学
習教
支育
援
業
情
報
通
信
業
、
飲
宿
食
泊
店
業
、
20歳代
(n=206)
30~54歳
(n=2,058)
55歳以上
(n=380)
医
療
不
動
産
業
運
輸
業
そ
の
他
合
計
ビ
ス
業
福
祉
26.2
22.3
16.0
11.7
10.7
3.4
2.9
1.5
1.0
1.0
1.0
2.4
100.0
23.1
16.2
14.0
11.9
11.7
5.4
4.1
2.5
3.6
2.1
4.1
1.2
100.0
20.0
16.8
10.5
11.6
9.2
10.8
6.8
2.4
2.9
4.2
3.7
1.1
100.0
【参考:「サービス業」「医療、福祉」「飲食店、宿泊業」における各年齢層の具体的な上位二業種】
(単位:%)
サービス業
一位
医療、福祉
二位
一位
飲食店、宿泊業
二位
20歳代
(n=206)
美容業
9.2
エステティック業
2.4
あん摩マッサージ指圧
師・はり師・きゅう師・
柔道整復師の施術所
14.1
30~54歳
(n=2,058)
美容業
5.5
経営コンサルタント
1.4
あん摩マッサージ指圧
師・はり師・きゅう師・
柔道整復師の施術所
55歳以上
(n=380)
他に分類されない
その他の事業サービス業
2.1
美容業
1.6
通所・短期入所
介護施設
一位
二位
訪問介護事業
1.5
酒場,ビヤホール
7.3
日本料理店
1.9
4.8
通所・短期入所
介護施設
2.7
酒場,ビヤホール
4.1
西洋料理店
1.7
5.3
訪問介護事業
2.6
酒場,ビヤホール
2.4
喫茶店
1.8
‐6‐
~従業者数は「常勤役員・正社員」「パートタイマー・アルバイト」を中心に2.3人増加~
○ 開業時の組織形態は「個人企業」が67.5%を占めており、他の年齢層よりも割合が高い(図-8)。
○ 開業時の平均従業者数は4.0人であった(図-9)。調査時の平均従業者数は6.3人であり、増加数は2.3人と他の年齢層に比べて
多い。内訳をみると「常勤役員・正社員」が0.8人から1.8人、「パートタイマー・アルバイト」が1.8人から2.9人に増加している。
図-8 開業時の組織形態
(単位:%)
法人企業
個人企業
20歳代
(n=206)
67.5
30~54歳
(n=2,058)
32.5
58.5
55歳以上
(n=380)
41.5
43.2
56.8
図-9 従業者数
経営者本人
歳代
20
開業時
(n=200)
1.0
調査時
(n=200)
1.0
パートタイマー・
派遣社員・契約社員
アルバイト
家族従業員 常勤役員・正社員
0.4
0.8
1.8
(単位:人)
0.0 <平均4.0人>
増加数
2.3人
2.9
1.8
0.5
0.2 <平均6.3人>
~
1.0
0.3
1.4
1.0
0.1
<平均3.8人>
増加数
1.9人
歳
30 開業時
(n=2,012)
54
調査時
(n=1,998)
歳以上
55
1.0
0.4
開業時
(n=372)
1.0
0.4
調査時
(n=366)
1.0
1.7
2.2
<平均5.7人>
0.3 <平均4.2人>
1.2
1.3
0.3
増加数
1.8人
0.5
2.0
1.9
0.7
<平均6.0人>
(注)1 値は小数第2位を四捨五入して表記しているため、同じ値でもグラフの長さが異なったり、内訳の合計と平均および平均の差と増加数が一致しなかったりする場合がある。
2 開業から調査時までの業歴は平均23.5カ月。
‐7‐
3 開業動機
~最も多い開業動機は「事業経営という仕事に興味があった」~
○ 20歳代の開業者の開業動機は「事業経営という仕事に興味があった」(53.9%)、「収入を増やしたかった」(52.4%)、「自由
に仕事がしたかった」(49.0%)の順に高い(図-10)。他の年齢層に比べて「事業経営という仕事に興味があった」「自分の技術
やアイデアを事業化したかった」(39.3%)の割合が高いが、「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」(33.5%)、「社会の
役に立つ仕事がしたかった」(26.2%)などの割合は低い。
図-10 開業動機(三つまでの複数回答)
(%)
70
60
20歳代
30~54歳
(n=206)
(n=2,047)
45.7
53.9
52.4 52.0
49.0 48.1
50
55歳以上
(n=374)
43.3
40.9
39.5
39.3
38.0
40
36.1
32.4
33.5
31.9
27.7
30
26.7
26.5
26.2
20
15.7
12.3
9.7 8.6
9.9
9.2
7.8
6.1 6.7
10
5.6
5.8
その他
適当な勤め先がなかった
趣味や特技を生かしたかった
時間や気持ちにゆとりが
欲しかった
‐8‐
年齢や性別に関係なく
仕事がしたかった
社会の役に立つ仕事がしたかった
仕事の経験・
知識や資格を
生かしたかった
自分の技術やアイデアを
事業化したかった
自由に仕事がしたかった
収入を増やしたかった
事業経営という仕事に
興味があった
0
7.5
7.4
5.3
~多くの開業者が「開業に必要な技術・知識・ノウハウを取得できた」ことを契機として開業~
○ なぜその年齢で開業したかを尋ねたところ、すべての年齢層で「開業に必要な技術・知識・ノウハウを取得できた」の割合が最も
高く、なかでも20歳代では76.6%と他の年齢層に比べ割合が高い(図-11)。「開業に必要な自己資金が準備できた」を挙げた割合
は32.7%と他の年齢層(30~54歳:29.8%、55歳以上:28.0%)と大きな違いはない。
図-11 その年齢で開業した理由(複数回答)
開業準備が整った
20歳代
87.8%
30~54歳 81.4%
55歳以上 75.7%
退職・就業上の問題
20歳代
21.5%
30~54歳 29.8%
55歳以上 40.7%
挑戦のタイミング
20歳代
53.7%
30~54歳 41.7%
55歳以上 36.0%
支援者が見つかった
20歳代
18.5%
30~54歳 18.4%
55歳以上 24.9%
周囲の勧め
20歳代
17.6%
30~54歳 19.6%
55歳以上 19.3%
(%)
100
76.6
80
67.7
60
30~54歳
(n=2,057) 55歳以上
(n=378)
20歳代
(n=205)
45.8
40
32.7
20
特に理由はない
その他
勤務先の取引先に勧められた
勤務先に勧められた
同業者に勧められた
資金面の支援者が現れた
経営上のパートナーが現れた
定年退職した
‐9‐
介護・育児のために
勤務が困難となった
勤務先の倒産・廃業や
業績悪化による失業
今後の昇進・収入増が
見込めなくなった
開業を先延ばしすると体力的に
経営が難しくなる
仮に失敗しても再就職・
再起業ができる
アイデアをすぐに
実現したかった
取引先を確保できた
開業に必要な免許・資格などを
取得した
開業に必要な
自己資金が準備できた
開業に必要な技術・知識・
ノウハウを取得できた
0
29.8
30.1
33.2
28.3
28.0
25.3
25.9
23.1 25.4 25.7
18.2
21.7 19.3
19.6
16.7
13.0
18.8
15.6 14.0 10.1 10.3
13.212.212.5
5.0
13.0
11.5 12.7
13.2 15.3
5.6
8.8
9.55.9
6.9
2.9
6.3
7.7 8.3
2.5
0.1
5.4
3.9
1.5 2.11.9
1.6
1.5 2.4 0.0
~「19~22歳ごろ」に起業・企業経営に関する授業を受けることで、最も起業意識が高まる~
○ 20歳代の開業者が起業・企業経営に関する授業を受けた時期は、「19~22歳ごろ」の割合が最も高く約4割が何らかの授業を受け
ている(表-3)。「起業・企業経営に関する講義・講演の聴講」(18.8%)、「ビジネスプランの作成」(9.9%)は他の時期に
比べて受講した割合が高い。
○ 授業を受けたことで起業意識が高まった割合は、すべての年齢層で「19~22歳ごろ」が最も高く、なかでも20歳代の開業者では、
授業を受けた人の88.3%が起業意識が高まったと回答している。
表-3 起業・企業経営に関する授業を受けた時期・内容・効果
(単位:%)
受けた時期
12歳以前
(小学校以前)
20歳代
(n=185)
30~54歳
(n=1,852)
13~15歳
(中学)
55歳以上
(n=312)
20歳代
(n=190)
30~54歳
(n=1,856)
16~18歳
(高校など)
55歳以上
(n=310)
20歳代
(n=188)
30~54歳
(n=1,862)
19~22歳ごろ
(大学等卒業まで)
55歳以上
(n=309)
20歳代
(n=191)
30~54歳
(n=1,826)
55歳以上
(n=303)
受けていない
68.1
80.9
94.6
60.5
84.2
94.8
71.8
84.8
91.3
57.6
78.9
84.5
受けたことがある
31.9
19.1
5.4
39.5
15.8
5.2
28.2
15.2
8.7
42.4
21.1
15.5
企業・職場見学
27.6
17.4
5.1
20.0
11.3
3.2
11.7
8.4
4.5
18.3
9.4
7.3
職業体験
12.4
3.5
0.3
27.9
7.1
2.3
18.6
8.9
3.9
23.0
11.3
7.9
起業・企業経営に関する
講義・講演の聴講
0.5
0.1
0.0
2.6
0.3
0.0
4.8
1.7
1.0
18.8
6.2
4.3
ビジネスプランの作成
0.0
0.0
0.0
0.5
0.0
0.0
1.6
0.3
0.0
9.9
2.6
1.0
模擬会社の設立・運営
1.1
0.1
0.0
0.5
0.0
0.0
1.6
0.8
1.3
1.6
1.5
0.7
29.8
22.6
31.3
37.1
29.2
40.0
70.0
49.0
33.3
88.3
66.2
66.7
起業意識が高まった割合
(注)1 受けた授業の内容については複数回答。
2 起業意識が高まった割合は、起業・企業経営に関する授業を受けたことがあると回答した人に尋ねたものである。
‐10‐
4 開業準備
~キャリアの早い段階から将来の開業・独立を意識し、開業準備に時間をかけている~
○ 20歳代の66.3%が最初の勤務先を選ぶ時点で将来の開業・独立を意識しており、その割合は他の年齢層より高い(図-12)。
○ 開業準備期間は、他の年齢層に比べ、「13カ月以上」の割合が21.5%と高く、平均値も10.9カ月と長い(図-13)。
○ 20歳代の開業者の90.3%が、開業の計画について相談をしている(図-14)。「同じ業種の事業経営者」(60.7%)、「家族・親
族」(52.9%)、「友人・知人」(41.7%)を相談相手として挙げる開業者が多かった。
図-12 最初の勤務先を選ぶ時点での開業・独立意識
意識していた
20歳代
(n=196)
66.3
30~54歳
(n=1,997)
20歳代
(n=195)
33.7
39.4
55歳以上
(n=358)
図-13 開業準備期間
(単位:%)
意識していなかった
60.6
17.6
82.4
0~6カ月
7~12カ月
54.4
24.1
30~54歳
(n=1,969)
59.8
55歳以上
(n=359)
61.0
(注)勤務経験があると回答した人を対象に尋ねたものである。
(単位:%)
13カ月以上
平均
21.5
23.3
10.9カ月
16.9
9.1カ月
15.0
7.7カ月
24.0
(注)開業準備期間は、場所の検討、取引先の探索など具体的な開業準備を始めた
ときから、事業を開始したときまでの期間である。
図-14 開業の計画を相談した相手(複数回答)
身近な知り合い
20歳代
68.4%
30~54歳 63.4%
55歳以上 55.8%
事業経営者
20歳代
65.5%
30~54歳 60.8%
55歳以上 42.1%
(%)
80
60.7
53.3
60
専門家
20歳代
33.5%
30~54歳 32.6%
55歳以上 26.8%
42.5
41.7 43.2
35.8
35.0 31.6
25.6
15.0
36.3
22.5
21.8
28.6
10.8
20
金融機関
20歳代
24.3%
30~54歳 23.0%
55歳以上 23.9%
支援機関
20歳代
16.0%
30~54歳 18.6%
55歳以上 16.1%
30~54歳
20歳代 (n=2,040) 55歳以上
(n=206)
(n=380)
52.9
40
8.3
28.5
24.5
14.5
9.5
11.27.5
13.614.912.4
5.8 6.8 10.0
4.4 5.6 5.0
9.7 6.6 11.3
1.1
1.3
1.0
相談した
相手はいない
その他
創業支援機関
商工会議所・
商工会
民間の
金融機関
‐11‐
21.4 20.2 19.7
3.9
日本政策
金融公庫
経営コン
サルタント
税理士・
会計士
元勤務先の
取引先、
その勤務者
元勤務先、
その勤務者
友人・知人
家族・親族
異なる業種の
事業経営者
同じ業種の
事業経営者
0
勤務先関係者
20歳代
33.0%
30~54歳 33.4%
55歳以上 21.3%
~他の年齢層と変わらない開業費用~
○ 開業費用は、「2,000万円以上」の割合こそ20歳代では8.6%と、30~54歳の12.6%、55歳以上の16.9%よりも低いが、「500万円
未満」「500万~1,000万円未満」の割合は、20歳代は30~54歳や55歳以上と同程度である(図-15)。「1,000万~1,500万円未満」
と「1,500万~2,000万円未満」では20歳代が最も割合が高く、20歳代でとくに開業費用が低い傾向にあるわけではない。
○ 開業者の92.7%が、なんらかの開業費用削減の工夫を行っている(図-16)。「中古の設備や備品を購入した」(42.4%)、「取
引先と交渉して有利な取引条件にした」(34.6%)などを行った割合が高い。
図-15 開業費用
500万円未満
500万~
1,000万円未満
38.4
29.2
20歳代
(n=185)
(単位:%)
1,000万~
1,500万~
2,000万円以上
1,500万円未満 2,000万円未満
16.8
7.0
8.6
平均値
中央値
883万円
600万円
1,092万円
600万円
67.6
30~54歳
(n=1,901)
39.5
29.6
12.8
5.5
12.6
69.1
55歳以上
(n=360)
34.7
28.6
14.2
5.6
16.9
1,357万円
700万円
63.3
図-16 開業費用削減の工夫(複数回答)
(%)
30~54歳
20歳代 (n=2,029)
(n=205)
60
48.8 48.8
42.4
55歳以上
(n=379)
34.6
40
28.8
26.5
17.7
19.3
16.4
20
24.9 23.1 23.5 22.9
17.9 17.9 20.0
13.912.7
26.4
22.6
18.0
16.4
11.6
5.9 6.4 6.9
7.3
5.4 5.6 5.5
1.0 1.6 1.8
特にない
その他
インキュベーション施設に
入居した
外注やアウトソーシングを
利用した
知人の店舗、事務所などの
一部を間借りした
‐12‐
自宅の一部を店舗、事務所
などにした
扱う商品やサービスを
絞り込んだ
従業員を雇用せず家族に
働いてもらった
レンタルやリースの設備や
備品を利用した
店舗、事務所などの
内装工事を自分で行った
取引先と交渉して
有利な取引条件にした
中古の設備や
備品を購入した
0
3.9 3.0 1.6
~時間をかけて自己資金を準備~
○ 自己資金の準備を始めた時期は、開業の「3~5年前」(28.9%)の割合が最も高く、56.4%が2年以上前から自己資金の準備を始め
ている(図-17)。他の年齢層に比べて自己資金の準備を始める時期は早い。
○ 20歳代の開業者の開業時の資金調達額は、平均で976.6万円であった(図-18)。内訳は「金融機関等からの借入」が560.5万円、
「自己資金」が220.1万円、「配偶者・親・兄弟・親戚」が114.7万円などとなっている。
図-17 自己資金の準備を始めた時期
(単位:%)
自己資金の準備は
していない
20歳代
(n=204)
13.2
半年前
1年前
2年前
14.7
15.7
17.6
3~5年前
6年以上前
28.9
9.8
56.4
30~54歳
(n=2,022)
23.0
20.8
13.9
10.9
18.0
13.4
42.2
55歳以上
(n=377)
25.2
32.6
15.9
6.4
10.9
9.0
26.3
(注)開業のどれぐらい前から自己資金の準備を始めたかを尋ねたものである。
図-18 資金調達額
(単位:万円)
自己資金
20歳代
(n=188)
30~54歳
(n=1,938)
55歳以上
(n=369)
配偶者・親・
兄弟・親戚 友人・知人
金融機関等からの借入
その他
<平均976.6万円>
114.7
220.1
296.9
33.5
107.7
444.7
560.5
53.6
47.8
21.9 <平均1,248.9万円>
768.9
75.6
111.0
794.8
‐13‐
82.1
<平均1,508.2万円>
5 開業後の状況と課題
~20歳代開業者は早期に黒字化を達成~
○ 現在の月商は、「100万~500万円未満」の割合が50.8%と最も高い(図-19①)。
○ 開業前に予想した月商を達成している割合は63.4%であり、他の年齢層に比べて高い(図-19②)。
○ 黒字基調の割合は74.5%であった(図-20①)。他の年齢層に比べ、黒字基調の割合は高い。
○ 黒字基調になるまでの期間は「0~3カ月」の割合が40.0%であった(図-20②)。他の年齢層よりも早期に黒字基調となっている。
図-19 売 上
①現在の月商
100万~
500万円未満
100万円未満
20歳代
(n=187)
50.8
27.3
(単位:%)
500万~ 1,000万円
1,000万円未満 以上
11.2
10.7
②予想月商達成率 75~
75%未満
20歳代
(n=186)
100%未満
15.6
21.0
(単位:%)
100~
125%未満
125%以上
21.5
41.9
63.4
30~54歳
(n=1,937)
29.9
12.0
47.7
10.4
30~54歳
(n=1,922)
26.8
18.7
21.9
32.6
54.5
55歳以上
(n=359)
37.6
38.7
11.1
12.5
55歳以上
(n=354)
34.7
16.9
24.9
23.4
48.3
(注)予想月商達成率=(調査時点の月商÷開業前に予想していた月商)×100
図-20 採 算
(単位:%)
①現在の採算状況
②黒字基調になるまでの期間
(単位:%)
黒字基調
20歳代
(n=196)
赤字基調
25.5
74.5
0~3カ月
4~6カ月
40.0
25.5
20歳代
(n=145)
7~9カ月 10~12カ月 13カ月以上
6.2
17.2
11.0
65.5
30~54歳
(n=1,976)
69.4
30.6
30~54歳
(n=1,354)
25.1
31.2
7.7
21.0
15.0
56.3
55歳以上
(n=351)
56.1
43.9
55歳以上
(n=196)
20.9
25.5
8.2
25.5
46.4
(注)現在の採算状況が黒字基調と回答した人に尋ねたものである。
‐14‐
19.9
~時間の経過とともに、知識・能力が不足していると感じる割合は低下~
○ 起業家を志したときには、20歳代の開業者は、他の年齢層に比べすべての知識・能力で不足していると感じていた割合が高く、「経
理・税務・法律などの知識」(83.7%)、「顧客を開拓する営業力」(67.5%)を挙げる開業者が多い(表-4)。
○ 時間の経過とともに、不足していると感じる割合はすべての知識・能力において低下しており、「業界に関する知識」(起業家を志
したとき56.2%→調査時点11.9%)や「人的ネットワーク(人脈)」(起業家を志したとき61.1%→調査時点27.4%)では大幅に割合
が低下している。起業家を志したときから調査時点にかけての変化幅は、すべての項目で20歳代開業者が最も減少している。
表-4 不足していると感じていた・感じている知識・能力(複数回答)
(単位:%)
(
)
開業時点
調査時点
イ
通
ン
じ
タ
た
情
ネ
報
発
ト
信
等
力
を
商
品
知
・
識
サ
・
技
ビ
術
ス
の
商
企品
画・
・サ
開
発ビ
力ス
の
事
業
を
体営
力む
た
め
の
感
じ
不
て感
足
いじ
し
るて
て
もい
い
のた
る
は・
と
な
い
20歳代(n=203)
83.7
67.5
61.1
59.1
56.2
55.2
50.2
48.3
46.8
41.4
26.6
4.4
30~54歳(n=2,023)
76.8
48.0
46.5
48.0
41.1
38.2
39.7
43.3
31.1
28.9
21.4
4.3
55歳以上(n=367)
59.4
32.4
24.8
29.4
36.2
18.5
27.8
31.6
16.3
14.4
11.7
9.8
20歳代(n=202)
75.2
50.0
44.6
52.0
24.3
43.1
41.6
44.1
21.3
19.8
15.3
3.5
30~54歳(n=2,021)
69.7
38.9
31.4
40.0
19.7
26.1
32.7
34.9
13.9
15.3
14.7
4.9
55歳以上(n=360)
53.1
35.8
20.6
23.1
25.8
14.2
25.8
30.0
13.3
10.3
11.9
11.9
20歳代(n=201)
53.7
35.8
27.4
43.3
11.9
33.3
33.8
34.8
14.4
14.4
14.4
7.5
30~54歳(n=2,001)
53.4
34.0
25.0
33.9
10.3
22.1
31.5
31.5
10.7
14.9
17.7
8.5
55歳以上(n=364)
37.1
34.9
19.5
18.1
14.0
11.8
29.4
30.8
9.9
10.2
23.4
14.6
▲ 30.0 ▲ 31.7 ▲ 33.7 ▲ 15.8 ▲ 44.2 ▲ 21.8 ▲ 16.4 ▲ 13.4 ▲ 32.4 ▲ 27.0 ▲ 12.2
3.0
30~54歳
▲ 23.3 ▲ 14.0 ▲ 21.4 ▲ 14.1 ▲ 30.8 ▲ 16.1
▲ 3.7
4.2
55歳以上
▲ 22.3
11.6
4.8
20歳代
変 起業家を志したとき
化
↓
調査時点
幅
業
務
効
I
率
T
化
知
の
識
た
め
の
ー
起業家を志したとき
組
織
関マ
すネ
るジ
知メ
識ン
ト
に
ー
ク
業
界
に
関
す
る
知
識
ッ
人
脈ト
ワ
人
人
材
事
教
・
育
労
の
務
知
や
識
ー
人
的
ネ
ー
顧
客
営を
業開
力拓
す
る
ッ
法
経
律
理
な
・
ど
税
の
務
知
・
識
2.5
▲ 5.3 ▲ 11.3 ▲ 22.2
▲ 6.7
▲ 8.3 ▲ 11.8 ▲ 20.4 ▲ 14.0
1.6
▲ 0.8
▲ 6.5
▲ 4.3
(注)割合が50%以上の項目に濃い網掛けを、30%以上50%未満の項目には薄い網掛けをしている。また、変化幅については、それぞれの項目で最も減少している年齢層に
網掛けをしている。
‐15‐
~経営者・起業家との交流などに積極的に取り組むことで、知識・能力を向上・補完~
○ 20歳代の開業者は、知識・能力の向上・補完のために「先輩経営者との交流」(開業前61.3%、開業後71.1%)に取り組む割合
が最も高い(表-5)。また、開業後には「同じステージの起業家との交流」(開業前36.1%、開業後50.5%)が大きく増加してお
り、約半数の開業者が取り組んでいる。
○ 利用した開業に関する支援策は、「先輩経営者との交流会」(52.7%)の割合が最も高く、「起業家同士の交流会」(37.8%)と
続く(表-6)。多くの支援策で20歳代開業者が利用している割合が高い。
表-5 知識・能力を向上・補完するための取り組み(複数回答)
表-6 利用した開業に関する支援策(複数回答)
(単位:%)
(単位:%)
20歳代
(n=194)
開業前
30~54歳 55歳以上
(n=1,912) (n=321)
20歳代
(n=194)
開業後
30~54歳 55歳以上
(n=1,897) (n=313)
先輩経営者との交流
61.3
50.4
37.7
71.1
58.0
40.3
インターネット
による情報収集
59.8
46.9
33.3
57.2
52.5
41.9
同じ業界での勤務
47.9
35.1
17.4
8.8
8.2
3.5
現在の事業を通じた
知識・技術の習得
専門書などの書籍を
通じた知識習得
セミナー等への参加
47.9
32.1
26.8
41.2
35.4
34.8
37.6
32.2
26.8
37.1
29.4
25.6
37.1
36.2
27.7
41.8
38.3
30.0
同じステージの
起業家との交流
36.1
30.8
23.4
50.5
42.8
28.4
専修・各種学校への通学
15.5
7.3
4.0
3.1
1.2
0.3
異なる業界での勤務
12.4
7.6
3.1
4.6
2.0
0.6
通信教育の受講
4.6
3.6
3.4
2.6
1.8
1.6
大学・大学院への通学
3.1
2.7
2.2
1.5
0.7
0.0
その他
17.5
13.6
11.8
18.6
18.7
21.1
取り組んではいない
2.6
8.2
12.1
1.0
6.5
9.3
(注)1 不足していると感じていた・感じている知識・能力があると回答した人に尋ねたものである。
2 割合が50%以上の項目に濃い網掛けを、30%以上50%未満の項目には薄い網掛けをしている。
‐16‐
20歳代
30~54歳
55歳以上
先輩経営者との
交流会
52.7
39.4
24.1
起業家同士の
交流会
37.8
29.6
19.5
経営に関する
セミナー・講演会
34.5
30.6
27.6
地方公共団体による
低金利融資制度
28.4
22.6
21.3
税制面の優遇措置
26.3
21.5
19.5
企業支援サイトに
よる情報提供
25.9
23.7
19.1
ビジネスマッチング等による
取引先紹介
10.1
10.1
9.4
インキュベーション
施設の利用
6.1
4.2
4.5
(注)割合が50%以上の項目に濃い網掛けを、30%以上50%未満の項目
には薄い網掛けをしている。
Ⅳ まとめ
20歳代開業者は、キャリアの早い段階から将来の開業・独立を意識しており、他の年齢層に比べ
て準備に時間をかけて開業に踏み切っている。
また、若さゆえの知識・能力の不足は、先輩経営者や起業家との交流などによって向上・補完に
努め、好調な業績をあげている。
○ 専修・各種学校の卒業者が多く、専門的な技術を生かせる業種で開業
20歳代開業者の最終学歴は専修・各種学校の割合が36.9%と最も高く、学生時代から専門的な技術の習得に取り組んでいる。
開業した業種は専門的な技術を生かし、「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所」(14.1%)、
「美容業」(9.2%)などの割合が高い。
○ キャリアの早い段階から将来の開業・独立を意識し、開業に必要な準備に時間をかけている
20歳代開業者の66.3%(30~54歳:39.4%、55歳以上:17.6%)が、最初の勤務先を選ぶ時点で将来の開業・独立を意識して
いる。開業準備に平均10.9カ月(30~54歳:9.1カ月、55歳以上:7.7カ月)をかけ、56.4%が開業の2年以上前から自己資金の
準備を始める(30~54歳:42.2%、55歳以上:26.3%)など、キャリアの早い段階から将来の開業・独立を意識し、開業に必要
な準備に時間をかけている。
○ 早期に黒字化を達成し、開業前の予想を超える月商をあげている
20歳代開業者は、黒字基調の割合が74.5%と他の年齢層よりも高く、そのうち40.0%が3カ月以内に黒字化を達成している。
開業前の予想を超える月商をあげている企業も6割を超えており、業績好調な企業が多い。
○ 先輩経営者や他の起業家との交流などを通じて、不足する知識・能力の向上・補完に努めている
20歳代開業者は他の年齢層に比べてビジネス経験が少なく、知識・能力に不足を感じながら開業しているが、先輩経営者や起
業家との交流などにより向上・補完に努めている。「業界に関する知識」が不足していると感じている割合は起業家を志したと
きの56.2%から調査時点は11.9%へと44.2ポイント低下、「人的ネットワーク(人脈)」が不足していると感じている割合は同
じく61.1%から27.4%へと33.7ポイント低下している。
‐17‐