龍谷大学・京都府立大学・神戸市立外国語大学における科学研究費補助金による 研究活動の不正行為について 1.案件概要 平成26年1月、龍谷大学に対し、同大学文学部 菅山 謙正 元教授の剽窃行為に ついての通報があった。 これを受け、大学が調査委員会を設置し調査を行うとともに、菅山元教授の元の所 属大学である、京都府立大学(平成18年度~24年度)、神戸市立外国語大学(平成 14年度~17年度)においても在職当時の発表論文について調査を実施した結果、 19編の論文等において盗用があると認定され、これらすべての論文に菅山元教授が 関与していたと判断された。 2.調査経過等 (1)龍谷大学 平成26年 1月22日 平成26年 2月 5日 平成26年 龍谷大において予備調査の実施、委員の構成を決定 予備調査結果報告、本調査委員会設置 (以降、平成26年10月20日までに委員会を計16 回開催) 3月28日 龍谷大学学長会において京都府立大学・神戸市立外国語 大学への調査依頼を決定 (2)京都府立大学 平成26年 4月 平成26年 4月 3日 4日 (3)神戸市立外国語大学 平成26年 4月 3日 平成26年 4月19日 龍谷大から調査依頼を受領 京都府立大学において調査委員会設置 (以降、平成26年9月29日までに委員会を計9回開 催) 龍谷大から調査依頼を受領 神戸市立外国語大学において調査開始 (以降、平成26年6月3日まで調査実施) (4)3大学合同 平成26年10月 7日 3大学合同会議を開催 平成26年10月31日 3大学合同で公表 3.調査結果の概要 【不正行為について】 菅山元教授が著者である19編の論文等において、適切な引用の表示が無く文章 を盗用しており、また、すべての論文は単著であった事から、菅山元教授によって 盗用が行われたと結論付けた。 【研究計画調書及び研究費の支出について】 ① 菅山元教授を研究代表者とする科学研究費補助金のうち、これらの論文が研究実績 報告書または研究成果報告書に含まれたものは4課題であるが、平成23年度~平 成25年度科学研究費補助金(基盤研究(C))において、不正行為と直接関連が あったと認定された論文の印刷料及び増刷料33,312円が支出されていた。 ② 不正行為があると認定された論文の印刷料及び増刷料の支出以外は、研究目的及び 研究計画に基づき適正に使用されていた。 (関係研究課題) ① ・研究課題名 ・課題番号 ・研究種目 Word Grammar 理論の研究 14510533 基盤研究(C) 配分額 平成14年度 平成15年度 平成16年度 計 ・不正行為と直接関連がある支出 ② ・研究課題名 ・課題番号 ・研究種目 なし 河口域英語(Estuary English)の英語学・社会言語学 的研究 1752331 基盤研究(C) 配分額 平成17年度 1,600千円 平成18年度 800千円 平成19年度 1,040千円 計 3,440千円 ・不正行為と直接関連がある支出 ③ ・研究課題名 ・課題番号 ・研究種目 1,600千円 800千円 1,100千円 3,500千円 なし New Word Grammar 理論(NWG)による英文法研究 20520444 基盤研究(C) 配分額 平成20年度 2,080千円 平成21年度 1,300千円 平成22年度 1,170千円 計 4,550千円 ・不正行為と直接関連がある支出 なし ④ ・研究課題名 ・課題番号 ・研究種目 発展した New Word Grammar による現代英語の構造の 包括的研究 23520587 基盤研究(C) 配分額 平成23年度 2,730千円 平成24年度 1,170千円 平成25年度 1,300千円 計 5,200千円 ・不正行為と直接関連がある支出 33,312円 4.機関による措置 (1)不正行為があったとされた論文の取り下げ 学会のHP及び大学の紀要から削除した。 (2)機関における処分の状況 龍谷大学における処分 懲戒解雇(平成26年10月7日) 京都府立大学における処分 退職金返納請求(平成27年3月4日) ※平成25年3月31日退職 神戸市立外国語大学における処分 名誉教授称号取消(平成26年10月29日) ※平成18年3月31日退職
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