武部力也の週間為替相場見通し

2016年4月1日発行
岡三オンライン証券 投資情報部長 兼 シニアストラテジスト 武部力也
武部力也の週間為替相場見通し
4/4週号
サクラ咲く頃の「ゲス(guess/推測)の円売り」期待場面
ドル円予想レンジ 111.50-113.80
「Yellen reiterates need for rates caution(イエレン議長が利上げ
の慎重性を再表明)」-。これは3/30の英紙一面だ。3月中旬以降、
複数FRB幹部から俄かにインフレ見通しの見解が噴出。早ければ4
月FOMCでの議題に再利上げ案浮上との推測となった。しかしイエ
レン議長は、インフレ加速が持続するかは定かではないとし、利上
げを慎重に進めることが依然適切との認識を示し鎮静させている。
20日線
■弱気な推測は失望のドル売りへ■
イエレン認識は早期利上げの思惑を拡げた複数FRB幹部らの見
解を全否定した格好となった。本来は雇用の改善が賃金性向や消
費者物価の伸びを押し上げる筈だが、イエレン議長にしてみれば無
理をして断続的な利上げに踏み切る状況ではないとの見方なのだ
ろう。結果、米経済の脆弱性を露呈させ、ドル自律高期待の限界を
感じる局面となった。
5日線
■安倍首相の円売り(株高)方程式■
3/29に新年度・平成28年度予算が成立。これを受け安倍首相は、
日本経済の再生に向けて可能なものから予算を前倒し執行するよ
う、麻生財務相に指示する考えを示した。3/30には「(追加経済対策
について)政府として検討する」とも表明している。今後を推測するう
えで注視したのは、3/23に政府が3月の月例経済報告で景気判断
を5カ月ぶりに下方修正したことだ。個人消費と企業収益の弱さを認
め、4/1発表の日銀短観はそれを裏付けてしまった。そこで思い浮
かぶのが2014年10-12月の①「日銀ハロウイン緩和」②「消費増税
延期」③「衆院解散」④「自民党圧勝」である。2014年9月の月例報
告では今般同様、5か月ぶりの下方修正をし、前号でも記したが、有
識者からの増税延期提言が起点となった。今般も当時同様に安倍
政権の勝利の方程式に円安(株高)の変数が組み込まれるのではな
いか。国内機関投資家による新年度外債・外株投資は、サクラ咲く
頃の円売り材料として推測(ゲス・guess)している。
出所:岡三アクティブFX取引画面
ドル円の終値と買い比率(2016/2/26~3/31)
79%
116.00
買い比率
115.00
77%
114.00
75%
113.00
73%
112.00
71%
■4/4週のドル円■
上値焦点は113円超、3/16-29高値113.82-83。日足一目均衡表雲
下限114.55は114円突破を阻む抵抗体だが、一部ではバーゼルⅢ
条項に伴う資本増強や期初に関わる需給がフォワード市場のドル
金利上昇を引き起こし、直物相場にもドル買いが及ぶ可能性が指
摘されている。一応の留意だ。下値は112円台前半で維持に失敗す
ると111.80、3/22戻り安値111.52、安値111.37が焦点として意識され
るだろう。
終値
69%
2/26 3/2 3/7 3/12 3/17 3/22 3/27
※岡三オンライン証券の対東京金融取引所
(くりっく365)における買い比率
※買い比率( 買残玉÷(売残玉+買残玉)×100 )
111.00
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