埼玉県内企業の 2016 年新卒者採用調査

埼玉県内企業の 2016 年新卒者採用調査
調査対象:県内企業 568 社
調査方法:アンケート方式 (2 月上旬
回答企業:239 社(回答率 42.1%)
業種別内訳:製造業 138 社
郵送回収)
非製造業 101 社
要旨
○埼玉県内企業の 2016 年 4 月の新卒者採用状況は、全産業で「採用」(2015 年 4 月比採
用人数の増減にかかわらず採用をした企業。以下同じ。)は 60.3%と、前年に比べ 1.5 ㌽
減少したが、2008 年調査以来の 60%台を 2 年続けて維持した。採用内訳を見ると、採用
人数の「増加」は前年比 2.7 ㌽減の 21.8%、「減少」は 1.9 ㌽減の 11.3%、「ほぼ同じ」
は 3.1 ㌽増の 27.2%となっている。
「採用」の割合はほぼ前年並みであるが、採用人数を
「増加」とする企業はやや減少している。
○業種別で見ると、製造業では、「採用」は 57.3%で、採用人数の「増加」が前年比 4.6
㌽減の 18.1%、
「減少」が 0.5 ㌽減の 13.8%、
「ほぼ同じ」は 4.0 ㌽増の 25.4%となって
いる。非製造業では、
「採用」は 64.3%で、
「増加」が 0.3 ㌽減の 26.7%、
「減少」は 3.8
㌽減の 7.9%、
「ほぼ同じ」が 1.7 ㌽増の 29.7%となっている。非製造業では、
「採用」が
製造業を 7.0 ㌽上回っており、より積極的な採用姿勢がみてとれる。
1.新卒者採用状況
~採用は全産業の6割で実施~
(1)全産業
「採用」は 60.3%と、前年に比べ 1.5 ㌽減少したが、2008 年調査以来の 60%台を 2 年続け
て維持した。新卒者の採用内訳を見ると、採用人数を「増加」は前年比 2.7 ㌽減の 21.8%、
「減
少」は 1.9 ㌽減の 11.3%、「ほぼ同じ」は 3.1 ㌽増の 27.2%となっている。新卒者採用を行う
県内企業の「採用」の割合はほぼ前年並みであるが、採用人数を「増加」とする企業はやや減
少している。
また、
「今年は採用を見送った」が 14.2%、
「ここ数年採用していない」が 25.5%で、両者を
合わせ 39.7%と、前年に比べ 1.5 ㌽増加している。(図表1―1)
(2)業種別
製造業では、「採用」は 57.3%で、「増加」が前年比 4.6 ㌽減の 18.1%、「減少」が 0.5 ㌽減
の 13.8%、「ほぼ同じ」は 4.0 ㌽増の 25.4%となっている。非製造業では、「採用」は 64.3%
で、
「増加」が 0.3 ㌽減の 26.7%、
「減少」は 3.8 ㌽減の 7.9%、
「ほぼ同じ」が 1.7 ㌽増の 29.7%
となっている。非製造業では、
「採用」の割合が製造業を 7.0 ㌽上回っており、より積極的な採
用姿勢がみてとれる。(図表1―1)
-1-
図表1-1.2016年新卒者採用状況(業種別)
21.8
全産業(2016年)
27.2
24.5
〃 (2015年)
24.1
18.1
製造業(2016年)
25.4
22.7
〃 (2015年)
11.3
14.2
25.5
13.2
12.5
25.7
13.0
13.8
21.4
14.3
29.7
13.0
28.6
非製造業(2016年)
26.7
29.7
7.9
15.9
〃 (2015年)
27.0
28.0
11.7
11.7
0%
10%
20%
30%
前年に比べ採用人数を増加
採用を見送った
40%
50%
60%
前年に比べ採用人数はほぼ同じ
ここ数年採用していない
70%
19.8
21.6
80%
90%
100%
前年に比べ採用人数を減少
(3)規模別
「規模の大きい企業」では、「採用」は 84.2%で、「増加」が前年比 4.4 ㌽増の 31.6%、「減
少」は 3.3 ㌽減の 15.8%、
「ほぼ同じ」が 4.4 ㌽増の 36.8%となっている。
「規模の小さい企業」
では、
「採用」は 38.4%で、
「増加」は 8.9 ㌽減の 12.8%、
「減少」は 0.2 ㌽増の 7.2%、
「ほぼ
同じ」が 2.9 ㌽増の 18.4%となっている。「規模の小さい企業」は「規模の大きい企業」に比
べ「採用」を行った企業の割合が少なく、採用人数の「増加」が 1 割強に止まり、
「ここ数年採
用していない」企業も 4 割強と、新卒者採用を積極的には行えない状況が続いている。
(図表1
―2)
図表1-2.2016年新卒者採用状況(規模別)
31.6
規模の大きい企業(2016年)
36.8
27.2
〃 (2015年)
12.8
規模の小さい企業(2016年)
32.4
18.4
21.7
〃 (2015年)
0%
10%
前年に比べ採用人数を増加
採用を見送った
7.2
15.5
20%
30%
19.1
18.4
7.0
40%
8.1
6.1
13.2
43.2
17.0
50%
38.8
60%
前年に比べ採用人数はほぼ同じ
ここ数年採用していない
-2-
9.7
15.8
70%
80%
90%
100%
前年に比べ採用人数を減少
2.採用人数を前年より増加又はほぼ同じとした理由
~業種を問わず「退職者の補充」が最も多い~
(1)全産業
採用人数を「増加」あるいは「ほぼ同じ」と回答した先に、その理由を聞いたところ、
「退職
者の補充」が 50.4%と最も多く、続いて「経営戦略として例年程度採用」が 43.6%、次いで「適
切な人材が応募」が 23.9%となった。「退職者の補充」が多いのは、団塊世代(1947 年~49 年
生まれ)が 2012 年以降 65 歳に到達、退職者の増加に対応し人員を確保しているためとみられる。
(図表2―1)
図表2-1.採用を増加・ほぼ同じ理由(全産業)
50.4
退職者の補充
46.9
43.6
経営戦略として例年程度採用
39.2
23.9
適切な人材が応募
30.0
15.4
受注増加や販売好調
13.8
9.4
支店増設・生産拠点拡充
11.5
2016年
6.0
新分野進出など業務拡充
8.5
2015年
4.3
3.8
採用が容易となった
6.0
6.2
その他
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
(%)
(注)複数回答のため合計は100.0%にならない。
(2)業種別
業種別では、製造業は、
「退職者の補充」と「経営戦略として例年程度採用」がともに 46.7%
と最も多くなっている。非製造業でも、「退職者の補充」が最も多く 54.4%、次いで「経営
図表2-2.採用を増加・ほぼ同じ理由(製造業)
46.7
退職者の補充
52.9
経営戦略として例年程度採用
46.7
35.3
25.0
適切な人材が応募
26.5
11.7
11.8
受注増加や販売好調
1.7
支店増設・生産拠点拡充
4.4
6.7
新分野進出など業務拡充
2016年
10.3
5.0
採用が容易となった
2015年
2.9
5.0
その他
7.4
0.0
10.0
20.0
30.0
(注)複数回答のため合計は100.0%にならない。
-3-
40.0
50.0
60.0
(%)
戦略として例年程度採用」が 40.4%で続いている。このほか、「適切な人材が応募」が、製造
業で 25.0%、非製造業で 22.8%と 3 位に入っている。(図表2―2、2-3)
図表2-3.採用を増加・ほぼ同じ理由(非製造業)
退職者の補充
54.4
40.3
40.4
経営戦略として例年程度採用
43.5
22.8
適切な人材が応募
33.9
受注増加や販売好調
19.3
16.1
支店増設・生産拠点拡充
17.5
19.4
5.3
6.5
新分野進出など業務拡充
2016年
3.5
4.8
採用が容易となった
2015年
7.0
4.8
その他
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
(%)
(注)複数回答のため合計は100.0%にならない。
(3)規模別
「規模の大きい企業」は、
「経営戦略として例年程度採用」が 47.4%と最も多く、次いで「退
職者の補充」が 46.2%、
「適切な人材が応募」が 24.4%と続いている。一方、
「規模の小さい企
業」では、「退職者の補充」が 59.0%と最も多く、次いで「経営戦略として例年程度採用」が
35.9%、「適切な人材が応募」が 23.1%と続いている。(図表2―4、2―5)
図表2-4.採用を増加・ほぼ同じ理由(規模の大きい企業)
46.2
退職者の補充
53.1
47.4
45.7
経営戦略として例年程度採用
24.4
適切な人材が応募
28.4
19.2
受注増加や販売好調
14.8
14.1
14.8
支店増設・生産拠点拡充
6.4
新分野進出など業務拡充
8.6
2016年
5.1
採用が容易となった
2015年
2.5
3.8
その他
1.2
0.0
10.0
20.0
30.0
(注)複数回答のため合計は100.0%にならない。
-4-
40.0
50.0
60.0
(%)
図表2-5.採用を増加・ほぼ同じ理由(規模の小さい企業)
59.0
退職者の補充
36.7
35.9
経営戦略として例年程度採用
28.6
23.1
適切な人材が応募
32.7
7.7
受注増加や販売好調
12.2
0.0
支店増設・生産拠点拡充
6.1
5.1
新分野進出など業務拡充
2016年
8.2
2.6
採用が容易となった
2015年
6.1
10.3
その他
14.3
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
(%)
(注)複数回答のため合計は100.0%にならない。
3.採用人数を前年より減少又は採用を見送る理由
~「定年退職者等の継続雇用を実施」がトップ~
(1)全産業
「採用人数を減少」、「採用を見送った」、「ここ数年採用していない」と回答した企業の理由
について見ると、「定年退職者等の継続雇用を実施」が 30.3%と最も多く、次いで「適切な人
材が集まらなかった」が 26.2%、これに「臨時採用を実施」が 22.1%で続いている。「定年退
職者等の継続雇用を実施」は、前年に比べ 5.3 ㌽増と増加しているが、これは、定年後も、希
望者全員を 65 歳まで雇用することを企業に義務付けている高年齢者雇用安定法に対応してい
ることによるものとみられる。(図表3-1)
図表3-1.採用を減少・見送る理由(全産業)
30.3
定年退職者等の継続雇用を実施
25.0
適切な人材が集まらなかった
25.0
26.2
22.1
臨時採用を実施
25.7
17.2
人員に余裕
24.3
15.6
応募者がない
16.9
13.1
受注減少・販売不振
15.4
8.2
合理化のため
2016年
5.9
2015年
6.6
7.4
採用をパート・派遣社員などに切り替え
0.0
支店・生産拠点の縮小
1.5
16.4
その他
8.1
0.0
10.0
20.0
(注)複数回答のため合計は100.0%にならない。
-5-
30.0
40.0
(%)
(2)業種別
業種別では、製造業は、
「定年退職者等の継続雇用を実施」が 39.7%と最も多く、これに「適
切な人材が集まらなかった」と「臨時採用を実施」がともに 20.5%で続いている。非製造業は、
「適切な人材が集まらなかった」が 36.4%と最も多く、これに「臨時採用を実施」と「応募者
がない」がともに 25.0%で続いている。(図表3-2、3-3)
図表3-2.採用を減少・見送る理由(製造業)
39.7
定年退職者等の継続雇用を実施
29.4
20.5
22.4
適切な人材が集まらなかった
20.5
臨時採用を実施
28.2
14.1
人員に余裕
25.9
10.3
応募者がない
11.8
16.7
受注減少・販売不振
21.2
11.5
合理化のため
9.4
2016年
7.7
8.2
採用をパート・派遣社員などに切り
替え
2015年
0.0
支店・生産拠点の縮小
1.2
15.4
その他
5.9
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
(%)
(注)複数回答のため合計は100.0%にならない。
図表3-3.採用を減少・見送る理由(非製造業)
13.6
定年退職者等の継続雇用を実施
17.6
36.4
適切な人材が集まらなかった
29.4
25.0
臨時採用を実施
21.6
人員に余裕
21.6
22.7
25.0
25.5
応募者がない
6.8
受注減少・販売不振
5.9
2.3
合理化のため
2016年
0.0
4.5
採用をパート・派遣社員などに切り替え
2015年
5.9
0.0
支店・生産拠点の縮小
2.0
18.2
その他
11.8
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
(%)
(注)複数回答のため合計は100.0%にならない。
-6-
(3)規模別
「規模の大きい企業」は、
「適切な人材が集まらなかった」が 30.6%と最も多く、次いで「応
募者がない」が 27.8%、これに「定年退職者等の継続雇用を実施」が 25.0%で続いている。
「規
模の小さい企業」は、
「定年退職者等の継続雇用を実施」が 32.6%で最も多く、次いで、
「臨時
採用を実施」が 25.6%、これに、
「適切な人材が集まらなかった」が 24.4%で続いている。
「規
模の大きい企業」では「応募者がない」が、
「規模の小さい企業」では「適切な人材が集まらな
かった」が前年に比べ比率を高めている。(図表3-4、3-5)
図表3-4採用を減少・見送る理由(規模の大きい企業)
25.0
定年退職者等の継続雇用を実施
23.2
30.6
適切な人材が集まらなかった
35.7
13.9
臨時採用を実施
23.2
16.7
人員に余裕
19.6
27.8
応募者がない
19.6
13.9
受注減少・販売不振
8.9
13.9
合理化のため
2016年
10.7
8.3
採用をパート・派遣社員などに切り替え
2015年
5.4
0.0
支店・生産拠点の縮小
1.8
13.9
その他
7.1
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
(%)
(注)複数回答のため合計は100.0%にならない。
図表3-5採用を減少・見送る理由(規模の小さい企業)
32.6
定年退職者等の継続雇用を実施
26.3
24.4
適切な人材が集まらなかった
17.5
25.6
27.5
臨時採用を実施
17.4
人員に余裕
27.5
10.5
応募者がない
15.0
12.8
受注減少・販売不振
20.0
5.8
合理化のため
2016年
2.5
5.8
採用をパート・派遣社員などに切り替え
2015年
8.8
0.0
支店・生産拠点の縮小
1.3
17.4
その他
8.8
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
(%)
(注)複数回答のため合計は100.0%にならない。
以上
-7-