第 11 回 社会福祉会計簿記認定試験問題

第 11 回
社会福祉会計簿記認定試験問題
上級(簿記会計)
◇下欄と解答用紙に受験番号と氏名を記入してください。
◇受験票を机の通路側に見えるように置いてください。
◇机の上には筆記用具、電卓、時計、受験票以外は置かないでください。
◇会場内では携帯電話の電源をお切りください。
◇解答は楷書で明瞭にご記入ください。文字の判別ができない場合には不正解となる場合があり
ます。
◇解答欄には解答以外の記入はしないでください。解答以外の記入がある場合には不正解となる
場合があります。
◇試験時間は 10:00 から 12:00 までの2時間です。
◇途中退室は 11:00 から 11:45 の間にできます。途中退室された場合は再入室することはでき
ません。なお、体調のすぐれない方は試験監督係員にお申し出ください。
◇問題用紙・解答用紙・計算用紙はすべて回収し、返却はいたしません。
◇問題と模範解答を本日午後5時に、当法人ホームページにて発表します。
◇合否結果は1月下旬にお送りする予定です。なお、個別の採点内容や得点等についてはお答え
いたしかねますのでご了承ください。
受
験
氏
番
名
号
一般財団法人総合福祉研究会
注意事項
◇「社会福祉法人会計基準の制定について」
(平成 23 年7月 27 日雇児総発 0727 第3号・社援基 0727
第1号・障障発 0727 第2号・老総発 0727 第1号)の別紙「社会福祉法人会計基準」及び「社会福祉
法人会計基準の運用上の取扱い等について」
(平成 23 年7月 27 日雇児総発・社援基・障障発・老総
発 0727 第1号)の別紙1「社会福祉法人会計基準適用上の留意事項(運用指針)
」等を総称して、問
題文中では「会計基準」と表記している。
◇問題は大問1から大問4まであるので注意すること。
◇数字については算用数字で解答し、マイナスの場合は数字の前に「△」をつけて「△1,000」のよう
に記載すること。
◇次の勘定科目は「社会福祉法人会計基準」に定められた貸借対照表科目及び事業活動計算書科目の一
部である。特に指示のない場合には、解答に使用する勘定科目はこの中から選択すること。
貸借対照表科目
(資産の部)
現金預金 有価証券 事業未収金 未収金 未収補助金 未収収益 貯蔵品 給食用材料 立替金
前払金 前払費用 1年以内回収予定長期貸付金 1年以内回収予定事業区分間長期貸付金
1年以内回収予定拠点区分間長期貸付金 短期貸付金 事業区分間貸付金 拠点区分間貸付金
仮払金 徴収不能引当金 土地 建物 構築物 機械及び装置 車輌運搬具 器具及び備品
建設仮勘定 有形リース資産 権利 ソフトウェア 無形リース資産 投資有価証券 長期貸付金
事業区分間長期貸付金 拠点区分間長期貸付金 退職給付引当資産 長期預り金積立資産 差入保証金
(負債の部)
短期運営資金借入金 事業未払金 その他の未払金 役員等短期借入金 1年以内返済予定設備資金借入金
1年以内返済予定長期運営資金借入金 1年以内返済予定リース債務 1年以内返済予定役員等長期借入金
1年以内返済予定事業区分間長期借入金 1年以内返済予定拠点区分間長期借入金 1年以内支払予定長期未払金
未払費用 預り金 職員預り金 前受金 前受収益 事業区分間借入金 拠点区分間借入金 仮受金
賞与引当金 設備資金借入金 長期運営資金借入金 リース債務 役員等長期借入金
事業区分間長期借入金 拠点区分間長期借入金 退職給付引当金 長期未払金 長期預り金
(純資産の部)
基本金 国庫補助金等特別積立金 その他の積立金 次期繰越活動増減差額
事業活動計算書科目
(収益の部)
介護保険事業収益 老人福祉事業収益 児童福祉事業収益 保育事業収益 就労支援事業収益
障害福祉サービス等事業収益 生活保護事業収益 医療事業収益 経常経費寄附金収益
借入金利息補助金収益 受取利息配当金収益 有価証券評価益 有価証券売却益
投資有価証券評価益 投資有価証券売却益 受入研修費収益 利用者等外給食収益 為替差益
雑収益 施設整備等補助金収益 設備資金借入金元金償還補助金収益 施設整備等寄附金収益
設備資金借入金元金償還寄附金収益 長期運営資金借入金元金償還寄附金収益 固定資産受贈額
車輌運搬具売却益 器具及び備品売却益 事業区分間繰入金収益 拠点区分間繰入金収益
事業区分間固定資産移管収益 拠点区分間固定資産移管収益 徴収不能引当金戻入益
(費用の部)
役員報酬 職員給料 職員賞与 賞与引当金繰入 非常勤職員給与 退職給付費用 法定福利費
給食費 介護用品費 保健衛生費 医療費 被服費 教養娯楽費 日用品費 保育材料費
本人支給金 水道光熱費 燃料費 消耗器具備品費 保険料 賃借料 教育指導費 就職支度費
葬祭費 車輌費 福利厚生費 職員被服費 旅費交通費 研修研究費 事務消耗品費 印刷製本費
修繕費 通信運搬費 会議費 広報費 業務委託費 手数料 土地・建物賃借料 租税公課
保守料 渉外費 諸会費 雑費 利用者負担軽減額 減価償却費 国庫補助金等特別積立金取崩額
徴収不能額 徴収不能引当金繰入 支払利息 有価証券評価損 有価証券売却損 投資有価証券評価損
投資有価証券売却損 利用者等外給食費 為替差損 雑損失 基本金組入額 資産評価損
建物売却損・処分損 車輌運搬具売却損・処分損 器具及び備品売却損・処分損
国庫補助金等特別積立金取崩額(除却等) 国庫補助金等特別積立金積立額 災害損失 事業区分間繰入金費用
拠点区分間繰入金費用 事業区分間固定資産移管費用 拠点区分間固定資産移管費用
その他の特別損失 基本金取崩額 その他の積立金取崩額 その他の積立金積立額
1
(10 点)
以下の文章のうち、会計基準の規定に照らして正しいものには○、間違っているものには×をつけな
さい。
(1)会計基準に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる社会福祉法人会計の慣行を
しん酌しなければならない。
(2)資金収支計算書は、当該会計年度における支払資金の増加及び減少の状況について、事業活動に
よる収支、施設整備等による収支の2つに区分して記載する。
(3)社会福祉法人の作成する財務諸表は、資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表及び財産目
録である。
(4)補正予算が理事会で承認されている場合、資金収支計算書の「予算額」欄に記入する額は、補正
予算額ではなく当初予算額である。
(5)財産目録の金額は、貸借対照表記載の金額と同一である。
(6)流動資産である有価証券について発生した評価損益は、資金収支計算書及び事業活動計算書のい
ずれにも計上される。
(7)支払資金の増減に影響しない土地などの寄附物品については、事業活動計算書の固定資産受贈額
として計上するものとし、資金収支計算書には計上しない。
(8)交換により取得した資産の評価は、交換の相手方が計上していた帳簿価額をもって行うものとす
る。
(9)法人税、住民税及び事業税を納税する法人は、事業活動計算書等の特別増減差額と当期活動増減
差額の間に記入欄を追加する。
(10)固定資産の売却にともなって取崩された国庫補助金等特別積立金の額は、事業活動計算書の特別
増減の部に収益として計上する。
2
(20 点)
次の問いに答えなさい。なお、当該社会福祉法人の過年度及び当年度の会計処理は、適正に行われ
ている。
(1)期首の保育所施設・設備整備積立金の額を求めなさい。
内
容
① 期首の保育所施設・設備整備積立金
金
額
各自算定
② 当年度の保育所施設・設備整備積立金取崩額
4,000,000 円
③ 当年度の保育所施設・設備整備積立金積立額
2,000,000 円
④ 期末の保育所施設・設備整備積立金
25,000,000 円
(2)建物の取得価額を求めなさい。なお、建物の帳簿価額は、貸借対照表上、直接法によって表示さ
れている。また、当該建物は平成 19 年3月 31 日以前に取得していることに留意すること。
ただし、減価償却は耐用年数で除するのではなく、償却率を乗ずる方法によっている。
内
容
① 建物の取得価額
金額等
各自算定
② 取得年月(ただちに事業の用に供している。
)
③ 償却方法
平成9年9月
旧定額法
④ 耐用年数(償却率)
47 年(0.022)
⑤ 平成 27 年3月 31 日現在の決算修正後の帳簿価額
231,093,862 円
(3)車輌運搬具の取得年月を答えなさい。なお、車輌運搬具の帳簿価額は、貸借対照表上、直接法に
よって表示されている。また、当該車輌運搬具は平成 19 年4月 1 日以降に取得している。
内
容
① 車輌運搬具の取得価額
② 取得年月(ただちに事業の用に供している。
)
③ 償却方法
④ 耐用年数(償却率)
⑤ 平成 27 年3月 31 日現在の決算修正後の帳簿価額
金額等
2,856,000 円
各自算定
定額法
5年(0.2)
714,000 円
(4)期首の事業未収金の額を求めなさい。なお、当該社会福祉法人には、事業未収金以外に徴収不能
引当金の対象となるものはなく、すべて一般債権に該当する。また、当該社会福祉法人は、徴収不
能引当金の設定について差額補充法を採用しており、当該引当金は、貸借対照表上、間接法によっ
て表示されている。
内
容
① 前年度に計上した事業未収金の当年度の徴収不能額
② 当年度の徴収不能引当金繰入の額
金額等
12,400 円
9,800 円
③ 過去の徴収不能額の発生割合(前期及び当期ともに同割合)
④ 期末の徴収不能引当金の額
2%
32,400 円
(5)資金収支計算書に計上される職員賞与支出の額を求めなさい。
内
容
金
額
① 期首の賞与引当金の額
3,700,000 円
② 当年度の事業活動計算書における職員賞与の額
8,250,000 円
③ 当年度の賞与引当金繰入の額
3,850,000 円
④ 期末の賞与引当金の額
3,850,000 円
(6)当年度の資金収支計算書に計上される車輌運搬具取得支出の額を求めなさい。なお、車輌運搬具
の帳簿価額は、貸借対照表上、直接法によって表示されている。
内容
金額
① 期首の車輌運搬具の帳簿価額
4,500,000 円
② 当年度に計上した車輌運搬具受贈額
1,500,000 円
③ 当年度に除却した車輌運搬具の帳簿価額
④ 当年度に計上した車輌運搬具の減価償却費
⑤ 期末の車輌運搬具の帳簿価額
23,500 円
545,000 円
6,420,000 円
3
(30 点)
次の各々の取引について仕訳を解答用紙に記しなさい。
(1)社会福祉法人Aのイ拠点では就労支援事業を行っており、利用者が1個 40 円でパンを製造して
いる。この製造したパンのうち 100 個を、今期より他の拠点区分(ロ拠点)に1個 50 円で販売し、
ロ拠点は給食として利用者に提供している。なお、代金はその都度現金で決済している。
この 100 個のパンの販売にかかる取引について各拠点区分の仕訳と内部取引消去の仕訳をしなさ
い。
(2)社会福祉法人Bは次のような前提条件で車輌のリース契約を締結した。このリース契約の重要性
が乏しいため、社会福祉法人Bは、リース料総額から利息相当額の総額をリース期間中の各期に配
分する方法として定額法を採用している。その場合の平成 27 年度中のこのリース取引の全ての仕
訳を記しなさい。ただし1年以内返済予定リース債務への振替仕訳は期末に行うものとする。
(前提条件)
リースの形態
所有権移転外ファイナンスリース
リース開始日
平成 27 年4月1日(5年リース)
リース終了日
平成 32 年3月 31 日
リース料総額
3,600,000 円(うち利息相当額 489,600 円)リース料毎年一回期末均等払い
借り手の見積り現金購入価額
3,110,400 円
借り手の減価償却の方法
定額法(耐用年数はリース期間とし残存価額はゼロとする。
)
(3)賞与引当金の設定にあたり、次のような事項が判明している。なお、賞与引当金の決算整理前期
末残高はゼロである。
○賞与の支給対象期間は夏季が 11 月から4月まで、冬季が5月から 10 月までである。
○今期の賞与総支給額は 50,000,000 円であった。そのうち夏季は 24,000,000 円で冬季は
26,000,000 円であった。
○来期の夏季賞与の支給予定額は 25,000,000 円である。
以上をもとに、経理担当者は決算整理仕訳として次の仕訳をおこなった。
(単位:円)
賞与引当金繰入額 20,000,000 / 賞与引当金 20,000,000
この仕訳は、上記の事項のうちどの事項をもとになされたものかを答えなさい。また、この処理
が最も適切なものであるかどうかについても、その理由を付して答えなさい。
(4)社会福祉法人Cでは、平成 27 年度期末に有価証券等を保有しており各々の有価証券等の状況は
以下の通りである。期末に必要な仕訳を全て記しなさい。なお、P社債の債券額面金額と取得価額
の差は金利の調整部分により生じたものであり重要性がある。
銘
柄
購入日
原始取得価額
期末簿価
期末時価
9,500,000 円
9,600,000 円
9,450,000 円
平成 26 年4月1日
P社債
保有目的等
平成 31 年
額面 1,000 万円
満期保有目的
3月 31 日
平成 21 年4月1日
Q社債
満期日
平成 31 年
5,000,000 円
2,000,000 円
4,000,000 円
額面 500 万円
満期保有目的
3月 31 日
R株式
平成 26 年5月5日
1,000,000 円
1,000,000 円
1,200,000 円
-
短期保有
S株式
平成 20 年6月1日
2,000,000 円
2,200,000 円
1,900,000 円
-
短期保有
(5)① 次の前提条件により取得した建物について、平成 27 年度決算における国庫補助金等特別積
立金の積立て及び取崩しの仕訳を記しなさい。
取
取
得
得
価
日
平成 15 年4月1日
額
880,000,000 円
取得資金調達内訳
減
価
借
②
償
入
自己資金
220,000,000 円
補助金
550,000,000 円
借入金
110,000,000 円
却
旧定額法 耐用年数 40 年 期首帳簿価額 642,400,000 円
金
20 年償還 平成 15 年度から毎年 550 万円の全額償還補助あり
①の償還補助が、平成 27 年度は支給されることなくそれ以後の償還補助についても支給さ
れないとした場合の平成 27 年度決算における国庫補助金等特別積立金等について仕訳を記し
なさい。
4
(40 点)
社会福祉法人Dについて、次の平成 27 年3月 31 日の貸借対照表、<資料1>、<資料2>及び
<資料3>を参考にして平成 27 年度の資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表を完成させなさ
い。
第3号の1様式
貸借対照表
平成 27 年3月 31 日現在
当年度末
流動資産
101,756,213
現金預金
57,384,052
有価証券
1,130,000
事業未収金
39,062,011
未収補助金
120,000
未収収益
貯蔵品
前年度末
(単位:円)
増減
当年度末
流動負債
22,062,729
短期運営資金借入金
事業未払金
6,251,994
その他の未払金
1年以内返済予定設備資金借入金
10,000,000
1年以内返済予定リース債務
4,112,650
立替金
未払費用
預り金
前払金
140,000
職員預り金
556,335
仮払金
賞与引当金
5,254,400
その他の流動資産
その他の流動負債
徴収不能引当金
固定資産
△192,500
592,949,187
基本財産
548,828,000
土地
45,000,000
建物
503,828,000
定期預金
その他の固定資産
固定負債
99,810,872
設備資金借入金
90,000,000
長期運営資金借入金
リース債務
退職給付引当金
44,121,187
9,810,872
その他の固定負債
構築物
5,444,693
負債の部合計
車輛運搬具
5,582,916
純
器具及び備品
16,764,338
有形リース資産
ソフトウェア
121,873,601
資
基本金
無形リース資産
その他の積立金
施設整備等積立金
投資有価証券
退職給付引当資産
9,810,872
施設整備等積立資産
5,000,000
の
部
45,226,800
国庫補助金等特別積立金
1,518,368
産
378,636,600
5,000,000
5,000,000
次期繰越活動増減差額
143,968,399
(うち当期活動増減差額)
(10,620,554)
差入保証金
その他の固定資産
資産の部合計
694,705,400
純資産の部合計
572,831,799
負債及び純資産の部合計
694,705,400
前年度末
増減
<資料1> 平成 27 年度の期中取引合計額
勘定科目
借方合計
貸方合計
現
金
預
金
138,304,487
122,579,406
有
価
証
券
0
1,320,000
事
業
未
収
金
121,767,298
123,451,238
未
収
補
助
金
0
120,000
251,000
251,000
5,819,000
0
金
24,663,290
24,685,264
1 年以内返済予定設備資金借入金
10,000,000
貯
蔵
品
前
払
金
仮
払
金
徴
建
収
不
物
(
能
基
構
引
本
当
財
産
築
車
輌
金
)
物
運
搬
具
器
具
及
び
備
品
ソ
フ
ト
ウ
ェ
ア
退
職
給
付
引
当
資
産
施 設 整 備 等 積 立 資 産
短 期 運 営 資 金 借 入 金
事
業
未
払
職
員
預
り
金
6,595,221
6,681,922
賞
与
引
当
金
介護保険事業収益(収入)
0
121,971,624
経常経費寄附金収益(収入)
0
125,000
設
備
資
金
借
入
金
退
職
給
付
引
当
金
国 庫 補 助 金 等 特 別 積 立 金
人
件
費
(
支
出
)
80,592,266
0
事
業
費
(
支
出
)
10,556,224
0
事
務
費
(
支
出
)
14,129,040
0
減
価
償
却
費
国庫補助金等特別積立金取崩額
徴
収
不
能
額
受取利息配当金収益(収入)
支
払
有
価
為
利
証
息
券
替
(
支
売
出
却
差
)
定
資
産
受
1,500,000
0
0
12,909,500
4,850
0
414,182,676
414,182,676
益
益
施設設備等補助金収益(収入)
固
87,722
贈
額
固定資産売却損・処分損(固定資産除却・廃棄支出)
徴 収 不 能 引 当 金 戻 入
国庫補助金等特別積立金積立額
施 設 整 備 等 積 立 金 積 立 額
計
<資料2>
平成 27 年3月 31 日の貸借対照表に関する補足説明は以下の通りである。
① 有価証券は、全額が投資信託であり、当期に売却している。
② 貯蔵品は、全額入所者用の紙おむつの代金である。まとめ買いすると廉価であったので約5年
間で消費する量を買ったものである。
③ 前払金の 140,000 円は、平成 27 年4月5日の研修会参加費用の前払いである。
④ 基本財産の建物は、650,000,000 円で建築したものである。当初 467,500,000 円の補助金を受
領しており、建築の翌年より 15 年間にわたって毎年 10,000,000 円の設備資金借入金の元金償
還補助金を収受する予定となっている。
⑤ 国庫補助金等特別積立金は、全額基本財産の建物にかかるものであり、取崩額の計算にあたっ
ては建設当初から現在の会計基準による処理と同じ方法に拠っている。
<資料3>
<資料1>は、決算処理をする前の取引を掲載しているものであり、未処理又は既に処理しているが
疑義のある項目が次の通りある。適宜追加又は修正し、決算処理を行いなさい。なお、問題文にある
勘定科目が解答欄に無い場合は大区分の科目に含めて解答すること。
① 当期に計上すべき減価償却費は次の通りである。
24,362,000
円
1,125,500
円
732,462
円
(③の車輌を除く)
器具及び備品
1,592,788
円
(④及び⑥の器具及び備品を除く)
ソフトウエア
530,000
円
建物
構築物
車輌運搬具
② 期中に支払った賞与は、夏季と冬季の合計で 15,964,600 円であった。また、当期末に計上すべ
き賞与引当金は、5,346,700 円である。
③ 平成 27 年8月 10 日に、5,819,000 円の車輛を 2,909,500 円の補助金を受領して購入した。な
お、この車輛の耐用年数は6年で、選択している定額法による償却率は、0.167 である。
(1円未満の端数は切り捨てること)
④ 期首簿価1円のテレビを平成 27 年5月 10 日に廃棄した。この廃棄に伴い処分費用を 4,850 円
支払った。
⑤ 紙おむつについては、期中において使用に伴う会計処理はなされていなかった。期末に当たり
棚卸しをしたところ、棚卸額は 3,226,297 円であった。
⑥ 寄附を受けた中古のコピー機と新品のテレビがある。コピー機は平成 27 年 11 月 15 日に受贈し
た時価 82,000 円のものであり、テレビは平成 28 年1月 20 日に受贈した時価 440,000 円の4K
テレビであった。なお、このテレビの耐用年数は5年、選択している定額法による償却率は、
0.200 である。
⑦ 上記③・④・⑥以外には、減価償却資産の増減はない。
⑧ 当期末に貸借対照表に記載される徴収不能引当金の残高は 187,600 円であったので、修正処理
を行った。
⑨ 流動資産の預金の中に次の外貨建定期預金があり、預入時の為替レートで計上されている。
⑩
預入日
平成 27 年5月1日
満期日
平成 28 年5月1日
預入額
100,000 米ドル
預入時為替レート
120 円/ドル
平成 28 年3月 31 日の為替レート
125 円/ドル
期中に有価証券の全額を売却したが、正しい処理がわからなかったため、とりあえず売却額
によって次の処理をしたのみであった。
現金預金
1,320,000
/
有価証券
1,320,000
⑪ 前払いしていた研修会には予定通り参加したので、追加支払も返金もなかった。
⑫ 退職給付引当金は期末要支給額によって計上しており、当期末の要支給額は、10,228,762 円で
あった。ただ、退職給付引当資産は、来期に積立てる予定である。
⑬ 設備資金借入金は、基本財産の建物を取得するに当たって 150,000,000 円を借り入れ、毎年
10,000,000 円の元金返済をしているものである。