J-PARCのミューオンg-2/EDM実験のための 3次元らせん軌道ビーム入射手法の開発とテスト実験の現状報告 高エネ研 飯沼裕美、中山久義、日立・日立研 阿部充志 東海村/J-PARC ミューオンス ピン歳差運動 = 異常磁気モーメント g-2 + 電気双極子 EDM 時間反転対称性 S B cost s 大強度陽子加速器施設J-PARCの物質・生命 科学実験施設(MLF)の、世界トップクラスの パルスミュオンビームを用いる。 歳差運動角運動量 e g 2 2c g 2 EDM B EDM B m 2 1000 1 g-2 EDM ベクトルの向きを を超精密測定 超精密測<0.01mrad <0.1ppm 予想観測データ 予想観測 データ 実験成功の鍵は、超精密に調整した蓄積部の磁場を乱さずに ミューオンビームを入射・軌道保持する手法の確立 (2) ミューオンビームの入射・ 蓄積軌道の3次元制御 (1)医療用MRI電磁石の磁場調整技術を 応用した超高精度な蓄積磁場 貯蔵ビーム軌道を0.01mradで制御するために独自に3次元らせん 軌道入射手法を考案 F (3) 3次元らせん軌道入射実証実験 入射機能・蓄積機能を一体化させた貯蔵リングの開発 垂直キック 3T 超電導ソレノイド磁石 鉄ヨーク 上蓋 冷却装置 鉄ヨーク 垂直キック 3次元らせん軌道ビーム入射手法とは? 鉄ヨーク上蓋に開けたビーム通過穴を通過し、斜め上から入射したビームはソ レノイド磁石のフリンジ部の径方向の磁場BRにより徐々に垂直方向の運動が 弱まり、蓄積領域付近では、10mrad程度になる。更に300~500ナノ秒程度の (40~70周回程度)の垂直キックを与えて垂直方向の運動を止め、蓄積領域内 (弱収束磁場勾配のある領域内)にビームを保持する。 axisymmetrically-excited field mV R=0.333m面のシミング後の磁場、R=0.333mの磁場は 0.1ppmレベルでシミング可能。水平磁場成分は残る が蓄積ビームに影響が出るレベルではない。 軸方向位置Z(×0.1m) 半径0.333m, 高さ0.3m の円筒面上の軸方向磁 場成分を評価する。 フリンジ部の 径方向磁場BRが ビーム入射角度 を変える パルス磁場キッカー装置の開発 科学研究費 若手研究B (2011~2013) 半径33.3cmの軌道を挟むように内外の2ペアコイルを上下40cmの地点に設 置し、コイルにパルス電流を与えて、径方向のパルス磁場を発生させる。 超電導ソレノ イドコイル シミング用鉄片配置ポケット 半径0.72mで長さ1.80mとし、 24(軸方向)x21(周回方向) 個を配置 • 軌道半径33.3cm • 周回周期7.4nsec ビーム通過穴 • 高さ3m • 鉄ヨーク外半径2m 鉄ヨーク上蓋を 開けずにシム 鉄の調整可能 p BR 2 Gauss Uncertainty for each point is from reading fluctuation of oscilloscope +1.34E-4 1 Gauss -1.04E-7 半径33.3cm +1.04E-7 -1.04E-4 1. 飯沼裕美、阿部充志、他「3次元らせん軌道ビーム入射のためのパルス状磁場発生装置の開発」 第10回日本加速器学会年会 2013年8月3-5日 名古屋大学http://www.pasj.jp/web_publish/pasj10/proceedings/PDF/MOOS/MOOS14.pdf 2. 飯沼裕美、阿部充志、他「3次元らせん軌道ビーム入射のためのX-Yカップリングの大きいビームの調整・輸送ラインの設計」 第11回日本加速器学会年会 2014年8月9-11日 リンクステーションホール青森 周回方向位置(ラジアン) [特許1]阿部充志 他、特許第4902787号、「MRI装置用磁場調整」、 平成24年1月13日登録、日本国特許庁 [論文1] M. Abe, K. Shibata, “Consideration on Current and Coil Block Placements with Good Homogeneity for MRI Magnets using Truncated SVD”, IEEE Trans. Magn., vol. 49, no. 6, pp. 2873-2880, June. 2013. [学会発表1]阿部充志、「打ち切り特異値分解法による正則化計算を用いた磁場分布調整手法」、 第42回日本磁気共鳴医学会大会、発表No.P-2-120、京都2014年9月18-20日。 3次元らせん軌道入射の原理実証実験 1/3スケール蓄積磁石 電子銃 110keV ビームライン全長2m 60cm • 1/3スケールの蓄積電磁石に電子銃からの 電子ビームを3次元らせん軌道入射する。 • 入射ビームは半永久的な貯蔵が可能。 • アルゴンガス中の電離による可視化を行う。 J-PARC本番 パラメータ比較 実証実験 実験 3 .0 (1ppm) 0.01 (10-4) 蓄積磁場 [T] ビーム粒子 ミューオン 電子 0.112 運動量[MeV/c] 300 Example shot in Argon gas. 写真は2014年12月 科研費基盤B (2014~) 80cm 超伝導ソレノイド型蓄積磁石の設計・製作 中心磁場は3テスラ、磁石サイズは医療用MRI磁石と同程度だが、有効磁場空 間は以下に示すように従来よりも広い範囲になる。 1. ミューオンビームを蓄積する領域を含む磁石中心部(長手方向に10cm、半 径35cm以内の領域)に弱収束磁場勾配を持たせる。更に、磁場調整精度を 従来よりも10倍向上させてローカルに1ppm以内の調整をする、 2. ミューオンビームが通過するため、フリンジ部の磁場の3次元分布も100ppm で調整する。 これを実現するために、要求磁場からコイル配置、鉄の配置を算出するアルゴ リズムを開発[論文1]、および、受動的、能動的シミング手法の開発 [特許1、学 会発表1]を行った。 http://www.pasj.jp/web_publish/pasj2014/proceedings/PDF/SUP0/SUP061.pdf ビームサイズ 1.5×10-6 [rad-m] 垂直キック[nsec] 300~500 3×10-7 100~300 周回周期[nsec] 7.4 2.4 軌道半径 [m] 0.115 実験ホームページ http://research.kek.jp/people/hiromi/MyHomePage/MiniSolExp.html 0.33
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