様 平 成 27 年 度 治山事業及び林道事業についての 要 望 書

様
平 成 27 年 度
治山事業及び林道事業についての
要
望
書
平成26年 8月
関東甲静地区治山林道協会連絡協議会
理 事 長
小
林
常
良
関東甲静地区治山林道協会連絡協議会 役 員
理事長
神 奈 川 県 森 林 協 会 長
小 林
常 良
理
事
一般社団法人
千葉県治山林道協会長
森
英 介
理
事
一般社団法人
茨城県治山林道協会長
山 口
伸 樹
理
事
東 京 都 治 山 林 道 協 会 長
坂 本
義 次
理
事
一般社団法人
埼玉県治山林道協会長
久 喜
邦 康
理
事
一般社団法人
山梨県治山林道協会長
辻
一 幸
理
事
公益社団法人
静岡県山林協会長
鈴 木
康 友
理
事
群 馬 県 治 山 林 道 協 会 長
織田沢
俊幸
理
事
公益社団法人
とちぎ環境・みどり推進機構
理事長
佐
藤
崇
要
望
書
森林は、木材の生産はもとより、国土の保全、水資源のかん養、二酸化
炭素の吸収・固定、生物多様性の保全など、多面的な機能発揮を通じて、
温暖化の防止や、安全・安心の暮らしを実現し、緑の社会資本として、重
要性を増しています。また、戦後に先人達が植栽した人工林を中心に本格
的な利用期を迎えており、豊富な森林資源を循環型の再生資源として、そ
の利活用が重要課題となっているところです。
しかしながら、森林づくりを支えてきた山村は、過疎化・高齢化により
地域の消滅など、悲観的な予測さえ言われております。加えて、生産基盤
整備の立ち遅れや、生産・流通構造の改革の遅れ等、森林所有者の経営意
欲は著しく減退しており、森林の適切な整備が行われない箇所も見られる
など、森林の有する多面的機能の低下が懸念されています。
このようなことから、私ども関東甲静地区治山林道協会連絡協議会は、
平成26年度通常総会において、国土保全と森林整備を推進することが最
重要課題であることを共通認識として、長期的な視点から、治山・林道事
業予算の確保と施策の新たな展開を図るため、次の事項を要請することを
決議致しました。
国、地方公共団体とも財政事情のきわめて厳しい中ではありますが、特
段のご高配を賜りますようお願い申し上げます。
治山事業 要望事項
1.治山事業の一層の推進と予算の確保と拡充
近年の異常気象や台風に伴う局地的な豪雨により山地災害が頻発して
おり、森林・国土の保全や災害の拡大防止のためにも早期の対応が必要
となっております。今後とも着実に治山事業が推進されますよう、今年
度を超える予算措置と安定的な予算の確保を要望します。
2.小規模な事業の円滑な実施を可能とするための新規事業の創設や現行採
択基準の緩和
国庫補助事業の採択対象とならない小規模な山地災害については、各
地方公共団体の財政状況から対応が進まない状況にあるため、これらの
被災箇所を放置することで、さらなる荒廃地の拡大により下流域・山腹
下方域での再度災害の発生が懸念されます。これらのことから小規模な
災害に対応できるような新規事業の創設や現行の治山事業採択基準の緩
和を要望します。
3. 治山施設維持に係る事業対象範囲の拡大と財源の確保
近年、治山施設の老朽化による機能の低下が憂慮されており、施設の
老朽化対策や適正な維持管理の重要性が認識されています。つきまして
は、森林保全・国土保全・災害の未然防止など山間地域の安心・安全の
ため、施設維持に係る事業対象範囲の拡大と財源の計画的・継続的な確
保を要望します。
4. 海岸防災林等東日本大震災の復旧対策への支援について
東日本大震災により被災した海岸防災林等について、関係県において
は積極的に復旧対策を実施しているところでありますが、集中復興期間
は平成27年度で終了することとなっております。一方、海岸防災林を
はじめ、森林の復旧・再生は、相当期間を要するものでありますので、
平成28年度以降も保安林の再生が完了するまで継続して安定的な財源
確保がなされるよう要望します。
5. 民有林直轄治山事業(大井川上流地域)の推進
静岡県大井川上流地域では、昭和41年度より民有林直轄治山事業が
実施されていますが、大規模な崩壊が発生し、土砂の生産・移動が非常
に活発で、下流域の県民の安心・安全の確保には、事業の計画的かつ早
急な実施が不可欠です。ついては十分な予算措置により事業の早期完成
を要望します。
6. 民有林直轄治山事業(小山町北郷・須走地域)の新規採択
静岡県東部の駿東郡小山町を中心とした地域では、近年の台風や集中
豪雨により甚大な山地被害を受けました。それによりスコリア等の火山
噴出物が渓流内等に堆積し、これらの不安定土砂が、降雨のたびに道路
や住宅地等へ流出し、地域住民生活への支障、被害が続いております。
このため、緊急かつ集中的な対策が必要となりますので、小山町北郷・
須走地域について、民有林直轄治山事業の新規事業化を要望します。
林道事業
要望事項
1. 国産材の活用促進に係る路網整備の促進及び技術の普及・定着
国産材シェア 50%を達成するためには、木材の生産基盤となる効率的
な作業システムに適した路網整備の促進が重要であり、また、そのため
の技術者の育成も必要です。
路網整備予算の安定的確保と技術の普及・定着を図るための森林施業
プランナー等の育成・強化を要望します。
2. 林道の維持管理に係る補助制度の創設
中央道「笹子トンネル」事故を契機に、公共土木施設の老朽化対策の推
進や適正な維持管理が重要な問題となっておりますが、主な管理者である
地方公共団体の財源が厳しく、施設の適正管理が困難な状況です。
昨年11月に 決定された「インフラ長寿命化基本計画」で、インフラ
の管理者または所管者がインフラの安全や必要な機能を確保していくこ
ととされました。
つきましては、災害の防止、通行の安全確保等から、山間地域の重要
なインフラである林道施設の適正な維持管理に対する補助制度の創設
を要望します。
共通事項
1. 農山漁村地域整備交付金の追加措置と安定的な予算の確保
農山漁村地域整備交付金は、農山漁村地域において、防災・減災対策
を総合的に推進するとともに、農林水産業の競争力を強化する基盤整備
を進めるための予算で、平成26年度は前年度に比べ大幅に減額された
ため、各県とも事業の実施に支障が起きております。治山・林道事業の
計画的また着実な実施のためには財源の確保が重要なことは言うまでも
ありません。継続して治山・林道事業を推進するため、平成26年度農
山漁村地域整備交付金の追加措置と今後の安定的な予算の確保を要望し
ます。
2. 次期森林吸収源対策のための新たな財源確保
地球温暖化対策の基軸となる京都議定書の第一約束期間は終了しまし
たが、我が国は引き続き、自主的な温暖化対策を進めることとしていま
す。つきましては、このための具体的な吸収源対策実施のための早急で
確実な財源確保を要望します。
3. 被災木を森林外に搬出するための新たな制度の創設
今年初めの大雪により被災した森林では膨大な被災木が散在し、森林
の再生に障害となっています。その処理は森林外への搬出・処分が理想
的ですが、現状では山土場や林内に集積している状況です。その量が膨
大なため二次災害の要因になることが危惧されます。つきましては、被
災木を森林外に搬出するための新たな制度の創設を要望します。
4. 森林土木事業測量設計受託資格要件の強化
治山・林道事業等の森林土木事業は、山間奥地での施工が多く、複雑
な地形や特殊な作業条件下で実施されています。
近年は入札参加の公平性・透明性という点から、一般競争入札が主体
となっていますが、このため知識や技術を有しない業者が受注する場合
があり、測量設計部門においても森林土木の技術資格を指名要件に加え
られていないのが現状です。
また、事業規模が縮小される中、発注者である都道府県市町村でも森
林土木事業に関わる知識や技術を持つ技術者が少なくなってきています。
そこで、森林土木事業が適確に実施され、また継続されていくよう測
量設計の段階から、技術士・林業技士及び森林分野 CPD の資格を有する
技術者の活用について都道府県に働きかけるなど、全国的な取組みとし
ていただけるように要望します。