平成26年第6回(12月)定例会-12 月 11 日-05 号 議長(小川眞和) 次

平成26年第6回(12月)定例会-12 月 11 日-05 号
○議長(小川眞和) 次に,5番藤田仁志議員。
(5番藤田仁志議員登壇)(拍手)
◆5番(藤田仁志) 皆さんお疲れの様子ですが,ラスト30分です。よろしく
お願いいたします。
障害福祉サービス事業費の伸びは顕著で,平成21年度は38億2600万
円であったものが,4年後の平成25年度には69億5300万円に増加して
います。実に,毎年7億8000万円ずつの伸びを示しています。先日の一般会
計決算委員会でその原因を尋ねたところ,児童・就学時のデイサービス及び就労
支援の事業所の伸びが主な原因とのことでした。また,これらの事業費が今後ど
うなるのか,見通しについての答弁は,増加するのは間違いないが,その額は予
想がつかないとのことでした。
一方,平成27年度の予算編成方針では,26年度の予算編成方針とは明らか
に違っていることが読み取れました。財政部の危機感に対し,福祉部局は現在の
福祉サービスの認定を行うだけでなく,今後必ず増大する福祉サービス事業費
に対し何らかの対応が必要と思いますが,いかがお考えですか。
次に,こども発達支援センターについてお伺いします。
先日,私は校医として数校の就学時健診を受け持ちました。昨年との違いは,
就学に際し何らかの心配がある児童の半数近くが,既にこども発達支援センタ
ーで相談していることでした。これは,センターが堅実に役割を果たしている結
果だと評価するものですが,次の段階として何をすべきとお考えですか。
私は,センターにリーダーとなるソーシャルスキルトレーニング担当者を数
名雇い入れ,幼稚園,保育所での療育指導を展開すべきと考えます。福祉サービ
ス事業費の抑制に直接つながり,今福山市にできる福祉の向上と財政の救助を
兼ね備えた良策と考えますが,いかがですか。
5歳0カ月発達相談を幼稚園,保育所で取り入れれば,4月生まれの子どもは
約2年,園での療育が展開できます。現在のセンターの力で,十分5歳0カ月発
達相談でピックアップされた児童の診断をこなす能力があると思います。SS
T以外にセンターに入れるべき機能があれば,お示しください。
学校給食についてお伺いします。
今後,福山市では小中全校において学校給食の実施を目指すものと思います。
国の食育基本法では,子どもに何より重要なのは食であると説き,国民運動とし
て食育を推進するように求めています。福山市では,子ども・子育て支援事業計
画の中で,子育てに関する親の悩みは子どもの安全・安心に関することであると
分析し,基本方針として子どもの安全・安心の確保を上げています。学校教育環
境検討委員会答申の中で,安全で安心な食の提供をうたっています。
さてそこで,安全で安心な食材とは具体的に何を意味しているのか,お答えく
ださい。
私は,現在の栽培方法ではネオニコチノイドのような神経毒を持つ農薬が排
除されておらず,現時点では採用を自粛した方が子どもの健康に対し,安全とい
う立場をとっていますが,いかがお考えですか。
これで第1回の質問を終わります。
(羽田 皓市長登壇)
◎市長(羽田皓) 藤田議員の御質問にお答えいたします。
初めに,障害福祉サービス費の増加への対応についてであります。
障害福祉サービス費の増加の主な要因といたしましては,一つには2012
年平成24年の児童福祉法の改正により,障害児通所支援事業が県から移譲さ
れ,児童に対する事業費が大幅に増加したものであります。2つ目として,障害
者の就労意欲の高まりにより,就労系利用者や生活介護,グループホーム利用者
が増加したことによるものであると考えております。これら障害福祉サービス
の支給決定に当たっては,現在も利用者の状況を確認しながら支給決定に努め
ているところでありますが,今後全ての申請者に相談支援専門員による計画相
談が実施されることから,障害者が地域で安心して生活するために必要なサー
ビス提供がより適切に決定できるものと考えております。
また,就労意欲のある障害者に対しては,関係部署,関係機関と連携を図り,
一般就労の促進に向け,取り組むこととしております。
次に,こども発達支援センターの業務内容についてであります。
今後の業務につきましては,日ごろから課題を抱える児童の支援を行ってい
る保育士,幼稚園教諭等へのフォローの充実が必要と考えております。このため,
昨年度からこども発達支援センター職員が,より専門的支援が必要な6市2町
の児童を対象に,保育所,幼稚園等を訪問し,クラス担任等の支援に取り組んで
いるところであります。
訪問時には,集団での児童の様子を観察し,センターでの医学的知見を踏まえ,
社会性を育む取り組みをクラス担任等とともに進めているところであります。
このような取り組みを継続していくことで,子どもの自立につながるものと考
えております。
こども発達支援センターの今後の業務につきましては,5歳児の発達相談へ
の対応も含め,センターに必要な機能について共同運営している6市2町と協
議をしてまいります。
以上で,藤田議員の御質問に対する答弁といたします。
教育行政につきましては,教育長から答弁をいたします。
(三好雅章教育長登壇)
◎教育長(三好雅章) 教育行政についてお答えいたします。
学校給食についてであります。学校給食は,学校給食法に基づき実施しており,
給食の安心・安全については学校給食衛生管理基準に照らし,適切な衛生管理に
努めているところです。
給食で使用する農産物は,各種法令等に基づき管理され,市場に流通している
ものであります。
引き続き,食材の選定時に原産地や品質の確認,地場産及び国内産の使用,地
産地消の推進などにより,給食の安全確保に努めてまいります。
以上,教育行政の答弁とさせていただきます。
◆5番(藤田仁志) ありがとうございました。時間の関係上,3番の学校給食
のことから質問させていただきます。
まず,食の安全という点から,有機栽培,無農薬栽培,減農薬栽培の違いは何
だというふうにお考えでしょうか。
◎農林水産部長(石岡徹) 議員御指摘の大きい枠組みでいいますと,環境保全
型農業という枠の中に入ることでございますが,認定制度でいいますと,まず有
機農業につきましては,これは内容でいいますと農薬化学肥料について一切使
用しないもの。それから,特別栽培農産物という,こういう定義がございまして,
これにつきましては農薬化学肥料については2分の1以上の低減をすると,こ
ういうものでございます。それからもう一つ,エコファーマーというのがござい
まして,これは2割以上を低減をすると。これが認定制度の内容でございます。
◆5番(藤田仁志) ありがとうございました。
今の化学薬品を使った農薬の中で,安全と考えられるものというのはあるの
でしょうか。その辺はいかがでしょうか。
◎農林水産部長(石岡徹) 農薬につきましては,農薬取締法,これによりまし
て国の方でさまざま審査をした上で,安全性を確認をされたものについて,その
使用基準も設けて販売を許可をすると,使用許可をすると,こういう手続がござ
います。
◆5番(藤田仁志) 国が安全と定めたものは安全であるという立場に立って使
用しているということだと思うんですけども,ネオニコチノイドというのは,水
溶性ですし,浸透性がございます。これはやはり残留農薬でははかり切れない,
かなり問題をはらんだ農薬だというふうに思うのですが,それを発育途中の子
どもに使用するということに対して,国が安全だから本当に安全だというより,
何も考えずに使用するのはちょっと危険かなという気がするんですけども,教
育委員会としては子どもたちにいつも,みずから考え,判断するという教育をさ
れているわけで,教育委員会としてはこの農薬問題についてはどのようにお考
えでしょうか。
◎学校教育部長(宇根一成) 教育委員会の考えをお尋ねでございますけれども,
関係諸法令でやはりきちっと管理をされているということで流通がされている
というふうに捉えております。
以上です。
◆5番(藤田仁志) 多分これは議論してもどこまでも平行線だと思いますので,
この件に関しては見解が違うということで打ち切りますが,ただ私自身はやっ
ぱり有機栽培の作物が安全だというふうに考えています。それと,国の方も有機
農業推進法において,現在の0.4%からこの5年の間に1%に作付面積をふや
すようにということと,それとそれの販路の拡大も求めてますし,また消費者の
理解を深めることっていうこの点も,この推進法の中でうたってると思うんで
すけども,そうすると中学校の給食が始まるときというのは,福山の中で販路が
急速に拡大するわけで,そうすると福山市として有機栽培を推奨しますよって
声をかけることで,今国が推進しているこの部分も一度に解消し,なおかつ子ど
もの安全,もちろん有機栽培全て給食賄えるとはもちろん思わないんですけど
も,ただそれを表明すること自体は,福山市が子どもの安全に対していかに真摯
に考えているかという証明にもなるんじゃないかというふうに思うんですけど
も,ただし,有機栽培の場合,市場の価格に対して2割増しぐらいの価格になる
と思います。2割増しで子どもの安全を買うというのは,いかがなもんなんでし
ょうか。どのようにお考えでしょうか。
◎学校教育部長(宇根一成) 議員おっしゃられましたように,有機栽培約2倍
という価格になっていきます。また,供給量の問題もございます。現段階では非
常に課題が大きいというふうに捉えております。
以上です。
◆5番(藤田仁志) ちょっと観点を変えて話をしたいと思うんですけども,今
子どもだけでなく,大人のアレルギーがすごくふえてます。それも生野菜と果実
のアレルギーがすごくふえてるんですけども,それはどのようにお考えでしょ
うか。どうしてふえているんだというふうにお考えでしょうか。
◎保健所長兼保健部参与(田中知徳) 学校給食から今度は大人の方のアレルギ
ーの問題ということで,失礼ですが,お答えさせていただきます。
現時点で,私も最新の知見を持って,これが原因だということを私も理解して
おりませんが,ただこれまでいろいろ言われてるのは,さまざまな環境要因なり,
いろいろ化学物質についての過敏性から一つの免疫系が惹起されるとも言われ
ておりますので,そういった点が恐らく可能性としてはあると思いますが,これ
が絶対原因だということは私も認識しておりません。
◆5番(藤田仁志) ありがとうございました。私も全く同感で,言われてるの
は花粉症との関係というのは言われてると思うんですけども,ただ現時点でじ
ゃあ本当にその化学物質が,化学薬品が,農薬がアレルギーの惹起してるんかど
うかというのはまだよくわかってないというのが現状だと思います。ただ,臨床
している自分としては,やはりこのふえ方というのはすごく異常だなというふ
うに思っておりまして,疑わしいものを,本当,国がオーケーしてるからという
理由だけでそのまま進むのはやはり危険だと,一度やはり立ちどまって,もう少
しこの農薬の問題については考えた上で中学給食を進めていくというのが,本
当に福山市政,子どものための福山,子どもが育ちやすい福山ということを考え
ると,ぜひそのようにしていただきたいという思いで,少し考え方は違うんです
けども,ぜひその観点を入れていただきたいということで,この問題は終わらせ
ていただこうと思います。
次に,2番目のこども発達支援センターに関連して質問をさせていただきま
す。
私自身は,以前から5歳0カ月の発達健診,それもできれば就学健診で行って
いる幼稚園,保育園のチェックしていただいているリスト,それを前倒しして5
歳0カ月の発達健診をすればどうかというふうに言ってきたわけですけども,
現実にそれを行う上で何か支障があるなり,懸念があるんでしたら,その部分を
お答えください。
◎保健部長(神原大造) いわゆる5歳児健診についてでございます。
これについては,5歳児にいわゆる保育所,幼稚園で言えば年中というところ
に当たるわけですが,そこで一定の発達障害にかかわるスクリーニングをやる
ということについての意義というのは確かに私はあるとは認識いたしておりま
す。そこで気づきができれば,就学まで2年間期間があると,その間に何らかの
手だてあるいは親御さんへの受容ということを進めるということについては意
義があるというふうに理解しておりますが,今現在そういった一斉の健診とい
うことになってまいりますと,やはりそこに至る人的な体制の整備,これは嘱託
医の方もそうでしょうし,現在の保育所の行事あるいは幼稚園の行事の中にど
うやって組み入れていくか,こういったことも出てこようかと思っております。
そういったことを総合的に判断いたしますと,今後の実施の可能性ということ
で言えば,個別の保育所,幼稚園なりの手上げ方式,こういったものが一つの道
筋になるのかなというふうなことは思っておるところでございます。
以上でございます。
◆5番(藤田仁志) 何も言うことはありません。ありがとうございます。ぜひ
そういう形で進めていただきたいなというふうに思いますし,例えば来年度,も
し,その手上げ方式で何園かできて,その次の年に全幼稚園,保育所でできれば,
それこそ100周年の記念事業といっても変ですけども,随分福祉に対しても
進んだ100周年の大きなイベントになるんではないかというふうに期待もし
ております。ぜひよろしくお願いします。
ちょっとまた質問を変えるんですけども,就学時健診のときに現在,保育所,
幼稚園にチェックリストをつくっていただいてると思うんですけども,それは
1枚に対して幾らか報酬を払ってるんでしょうか。
◎学校教育部長(宇根一成) 報酬についてのお尋ねですけれども,現段階その
ことは手持ち資料もございませんし,わかりません。
以上です。
◆5番(藤田仁志) 多分チェックリスクをつくるに当たって,報告書を上げる
に当たって報酬は多分払われてなくって,ボランティアというか,健診の意義を
認めて,協力していただいてるという状態やと思うんです。普通我々も紹介状を
いただいて,見させていただいたら,返事を書くのが常識なんですけども,そう
やって無償で,ボランティアでやっていただいたことに対して,園とか幼稚園,
保育所にどうなったかという報告書はいまだに行ってないと思うんですけども,
これは社会人としていかがなものかというふうに思ったりもするんですけども,
その辺はいかがでしょうか。
◎学校教育部長(宇根一成) 現状を把握をして対応が必要ならば対応してまい
ります。
◆5番(藤田仁志) もちろん報酬を出してほしいということを言ってるんでは
ありません。現状は小学校よりも幼稚園,保育所での方が,実際に発達障害の子
をきちっと見る時間もありますし,きちんとされてるなという気がします。それ
と,市の方で企画されている発達障害の勉強会なんかも,やっぱり幼稚園,保育
園の先生方ってすごく熱心に参加されてますし,その質問内容も年々向上して
るというのは本当実感するわけですけども,そうすると,今それと小学校で学校
の先生が多忙化っていう話もいろいろ出てる中で,やっぱし幼稚園,保育所で1
年ないし2年見ていただく,そういう環境を早くつくるというのがすごく小学
校の先生にとってもいいことかなというふうに思いますので,先ほどの神原部
長の話,ぜひ本当,来年度にはスタートさせていただきたいというふうに思いま
す。
次に,1番の福祉サービスについての質問を行います。
現在,就労A,就労Bがふえてる理由として,就労の意欲が高まっているから
だということでしたが,実際にどういう疾患の方がその就労A,就労Bでふえて
きてるんか,その辺の把握はどういうふうになってるんでしょうか。
◎福祉部長兼福祉事務所長(高村明雄) 就労A,Bの増加している障害疾患別
の増加の状況ということでございますけども,今そういった分析について取り
組んでおりますけれども,数字としてはまだ十分できてはおりませんけども,精
神障害疾患の方が就労BとかあるいはAの方で伸びているんではないかと,3
障害の中で精神障害あるいは身体障害,知的障害の中では精神障害の方が増加
しているというふうに思っております。
以上です。
◆5番(藤田仁志) 私自身は,就労のAはハローワークの方で募集をかけると
人が集まるという形になってますから,割と今まで就労してなかったけども,何
かちょっと働いてみようかな,それも週に1日4時間とか短い時間で就労がで
きますので,そういうハードルが低くなったせいで就労Aが減ってるんだろう
というふうに思いますし,就労のBに関して言うと,やはり介護施設もいろいろ
生き残りをかけてというか,次の戦略として就労Bの方に参入されているとこ
ろがふえてるというような形を私自身は考えております。
そこで問題になってくるのが,もちろん施設として認可されるだけの要件を
満たしておれば認可せざるを得ないんですけども,果たして本当にそれが就労
に,きちんと一般就労に向けて,まあ就労支援するんだという答弁でしたけども,
果たして本当にその一般就労に向けてのきちんとした支援になってるんかどう
か,ここをきちっとチェックしていくという仕事も福祉部局の方でできるんあ
ればしていかないといけないと思いますし,またそれが福祉部局の仕事でない
んなら,どこかやっぱしそれをしていかないと,本当に福祉のお金だけが伸びる
けども,実質一般就労はふえないというような形になってしまったら,本当にま
ずいなというふうに思います。その辺いかがでしょうか。
◎福祉部長兼福祉事務所長(高村明雄) 就労Bからの一般就労に向けての実態
の調査等も必要ではないかという御質問だったと思いますけども,障害福祉サ
ービスに当たってサービス事業者の方々については集団指導をやったり,ある
いは個別には実地指導ということで,職員が参りましての必要な指導であると
か助言についても行っているとこでございます。
就労Bについては,うちの方で把握するという制度にはなっておりませんけ
れども,そういった現地での実地指導であるとか,そういった中でどういう状況
であるかというのは確認もさせていただいておりますので,そういった事業所
の今後の質的な面での向上ということも取り組んでまいりたいというふうに考
えております。
以上です。
◆5番(藤田仁志) ありがとうございました。ぜひそういう形で取り組んでい
ただいて,本当の意味の福祉が充実するように頑張っていただきたいというふ
うに思います。
時間が余りましたが,これで質問を終わらせていただきます。ありがとうござ
いました。
◎学校教育部長(宇根一成) 先ほど報酬についてのお尋ねがございました。報
酬は特段してないということ,御協力をいただいているということでございま
す。
また,フィードバックにつきましては,就学後,学校と園とで連携をとらせて
いただいているという状況です。
◆5番(藤田仁志)
ありがとうございました。(拍手)
(5番藤田仁志議員質問席を退席)