─ 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。─ 使用上の注意改訂のお知らせ 選択的 NK 1 受容体拮抗型制吐剤 2 015 年 8 月 製造販売 処方箋医薬品注) R ○ イメンド カプセル 125mg イメンド カプセル 80mg イメンド カプセルセット お問い合わせ先:くすり相談室 電話 0120−626−190 R ○ R ○ R ○ 《 EMEND 》 アプレピタントカプセル 注)注意−医師等の処方箋により使用すること このたび、標記製品の〔使用上の注意〕を自主改訂致しました。 今後のご使用に際しましては、新しい添付文書をご参照下さいますようお願い申し上げます。 1. 改訂内容 (下線部分改訂) 現 行(破線部分:削除) 改 訂 2015 年 8 月改訂 2014 年 9 月改訂 〔禁忌 (次の患者には投与しないこと)〕 〔禁忌(次の患者には投与しないこと) 〕 (1)本剤の成分又はホスアプレピタントメグルミンに対し 過敏症の既往歴のある患者 (2)省略(変更なし) (1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 (2)省略 〔使用上の注意〕 〔使用上の注意〕 2 .重要な基本的注意 (1)省略(変更なし) (2)省略(変更なし) (3)潮紅、紅斑、呼吸困難、意識消失、血圧低下等のショッ ク、アナフィラキシーを起こすことがあるため、異常が認 められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 (「禁忌」及び「重大な副作用」の項参照) 2.重要な基本的注意 (1)省略 (2)省略 4.副作用 4 .副作用 (1)重大な副作用 1) 省略(変更なし) 2) 省略(変更なし) 3) ショック、アナフィラキシー ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明※)があ らわれることがあるので、観察を十分に行い、全身発疹、 潮紅、血管浮腫、紅斑、呼吸困難、意識消失、血圧低下等 の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を 行うこと。(「禁忌」及び「重要な基本的注意」の項参照) (1)重大な副作用 1)省略 2)省略 3)アナフィラキシー反応 アナフィラキシー反応(頻度不明※)があらわれることが あるので、観察を十分に行い、全身発疹、潮紅、血管浮 腫、呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止 し、適切な処置を行うこと。 ※:頻度不明は自発報告又は海外の臨床試験での報告による。 ※:頻度不明は自発報告又は海外の臨床試験での報告による。 次頁へ続く 1 2. 改訂理由 このたび、 〔禁忌〕及び〔使用上の注意〕の「重要な基本的注意」 、 「重大な副作用」の項を自主改訂致しました。 〈 〔禁忌〕の改訂理由〉 アプレピタントのプロドラッグであるホスアプレピタントの「禁忌」の記載内容に合わせ、本剤の「禁忌」においても同様の 記載を追記しました。 〈 〔使用上の注意〕の改訂理由〉 2.重要な基本的注意 アプレピタントのプロドラッグであるホスアプレピタントの「重要な基本的注意」の記載内容に合わせ、本剤の「重要な基本 的注意」においても同様の記載を追記しました。 4.副作用 (1)重大な副作用 アプレピタントのプロドラッグであるホスアプレピタントについて、国内において重篤な「アナフィラキシーショック」等の 副作用が集積されたことから、「アナフィラキシー反応」の項を『ショック、アナフィラキシー』に変更しました。 尚、流通在庫の関係から改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまでに若干の日数を必要と致しますので、当分の間はここ にご案内致しました改訂内容をご参照下さいますようお願い申し上げます。 ※次頁以降に症例紹介及び使用上の注意の全文を記載しておりますのでご参照下さい。 2 ─ アナフィラキシーショックの症例紹介 ─ 症例紹介 男性 60 歳代 副作用 使用理由:化学療法剤による嘔吐の予防 アナフィラキシーショック 1 日投与量、投与期間 合併症:胃癌 プロイメンド 150mg、1 日 経過及び処置 投与 135 日前 嚥下困難自覚し、便秘があった。 日付不明 体重減少、上腹部不快感で前医受診し、上部内視鏡を行い、胃癌と診断された。 投与 50 日前 当院外科を紹介受診し、上部内視鏡を施行した。 投与 43 日前 CT にて T4b(横隔膜、膵(疑))、N3、P(T/C 疑い)、少量腹水があった。 投与 42 日前 消化器外科に入院した。 投与 23 日前 審査腹腔鏡にて CY1、P0、噴門部の通過障害があり、胃ろうを造設した。 投与 18 日前 消化器化学療法科を初診した。内服は可能であった。 投与 10 日前 SP 療法 1 コース目を開始した。 投与 1 日前 シスプラチン投与目的に入院した。 投与開始日 シスプラチン投与予定日 (投与中止日) シスプラチンに伴う悪心、嘔吐の予防目的に、プロイメンド(150mg×1 回 / 日)単独投与 を開始したところ、開始直後にそう痒感(全身)を訴えた。 開始 10 分後 プロイメンド 33mL(100mL 中)投与時点で、同室他患者をケア中だっ た看護師に「助けてくれ、体がかゆいんだ」とふらつきながら声をかけ た。看護師が患者をベッド上に誘導したところ、意識消失したため、医 師看護師の応援を求めた。末梢触れるも血圧測定不能だった。眼球上転、 喘鳴、気道狭窄音あり、JCS:300 であった。アナフィラキシーショック と判断し、プロイメンドの投与を直ちに中止し、急変対応を開始した。 別末梢ルートを 2 ルート確保し乳酸リンゲル液(500mL×3)を投与した。 中止 10 分後 アドレナリン 0.1% 0.1mL を投与した。 中止 12 分後 アドレナリン 0.1% 0.1mL(IV)を投与、リザーバー MAX。 中止 14 分後 意識レベル 200 程度であり、ジャクソンリースで換気サポートを行った。 SpO2:96%、BP:69/40 mmHg 中止 16 分後 ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム 100mg(IV)、クロルフェ ニラミンマレイン酸塩 10mg(IV)を投与した。 中止 20 分後 SpO2:97%、BP:85/44 mmHg 中止 21 分後 アドレナリン 0.1% 0.1mL(IV)を投与した。 中止 22 分後 クロルフェニラミンマレイン酸塩 10mg(IV)を投与した。 中止 25 分後 BP:95/56 mmHg 中止 38 分後 膀胱バルーン留置。 中止 48 分後 酸素マスク 8L、BP:111/66 mmHg 中止 50 分後 ファモチジン 20mg+ 生食 20mL(IV)を投与した。 中止 55 分後 乳酸リンゲル液 500mL を投与した。 中止 57 分後 SpO2:100%、BP:105/64 mmHg 中止 66 分後 BP:93/66 mmHg 3 中止 77 分後 意識清明、尿量確保し、約 1 時間程で状態は軽快した。BP:107/63 mmHg、BT:36.8℃ 中止 100 分後 ライン 2 ルート確保し、酸素濃度マスク 8L で経過観察していたが、 close observation は必要であろうと医師が判断し、一晩、ICU 緊急入室 となった。 中止 110 分後 ファモチジン 20mg 2A+ 生食(DIV)を投与した。 中止約 6 時間後 意識清明、血圧低下および頻脈なし、頚部 / 胸部雑音なしで状態は安定 した。 中止約 8.5 時間後 夜間の再燃予防としてヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム 100mg(IV)を追加投与し、補液にてルート確保した。 中止約 9.5 時間後 酸素化良好のため 2L カヌラにテーパリングを実施した。 中止 1 日後 BT:36.4℃、BP:90/55 mmHg、SpO2:98%(room air)、HR:70 台 /min と良好で、一般 病棟へ転棟となり、内服薬などを再開した。 治療のための入院期間の延長を要したが、アナフィラキシーショックは回復した。 併用薬:シスプラチン、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、パロノセトロン塩酸塩、デキサメタゾ ンリン酸エステルナトリウム、開始液(2)、塩化カリウム、ランソプラゾール、クエン酸第一鉄ナトリ ウム 出典:未公開社内資料 (管理番号:PE2014J0330) 4 使用上の注意の全文(下線部分:改訂) 2015 年 8 月改訂 3 .相互作用 本 剤 は C Y P 3 A 4 の 基 質 で あ り、軽 度 か ら 中 程 度 の C Y P 3 A 4 阻 害(用 量 依 存 的)及 び 誘 導 作 用 を 有 し、 CYP2C9 の誘導作用も有する。 ( 「薬物動態」の項参照) 〔禁忌(次の患者には投与しないこと)〕 (1)本剤の成分又はホスアプレピタントメグルミンに対し 過敏症の既往歴のある患者 (2)ピモジド投与中の患者(「相互作用」の項参照) (1)併用禁忌(併用しないこと) 〔効能・効果〕 抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、 嘔吐) (遅発期を含む) 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 ピモジド オーラップ錠 1mg、3mg、 細粒 1% 左記薬剤の血中 濃度上昇により、 QT延長、心室性 不整脈等の重篤 な副作用を起こ すおそれがある。 本剤の用量依存的な CYP3A4 阻害作用に よって、左記薬剤の 血中濃度上昇を来す ことがあり、重篤又 は生命を脅かす事象 の原因となるおそれ がある。 〈効能・効果に関連する使用上の注意〉 本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチ ン等)の投与の場合に限り使用すること。(「臨床成績」の 項参照) (2)併用注意(併用に注意すること) 〔用法・用量〕 他の制吐剤との併用において、通常、成人及び 12 歳以上の小 児にはアプレピタントとして抗悪性腫瘍剤投与 1 日目は 125mg を、2 日目以降は 80mg を 1 日 1 回、経口投与する。 〈用法・用量に関連する使用上の注意〉 (1)がん化学療法の各コースにおいて、本剤の投与期間は 3 日間を目安とすること。また、成人では 5 日間を超 えて、12 歳以上の小児では 3 日間を超えて本剤を投与 した際の有効性及び安全性は確立していない。(「臨床 成績」の項参照) (2)本剤は、原則としてコルチコステロイド及び 5-HT3 受 容体拮抗型制吐剤と併用して使用すること。(「臨床成 績」の項参照)なお、併用するコルチコステロイド及 び 5-HT3 受容体拮抗型制吐剤の用法・用量については、 各々の薬剤の添付文書等、最新の情報を参考にし、投 与すること。ただし、コルチコステロイドの用量につ いては、本剤とコルチコステロイドの薬物相互作用を 考慮して適宜減量すること。 ( 「相互作用」 、 「薬物動態」 及び「臨床成績」の項参照) (3)本剤は、抗悪性腫瘍剤の投与 1 時間∼1 時間 30 分前に 投与し、2 日目以降は午前中に投与すること。 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 CYP3A4を阻害 する薬剤 (イトラコナゾー ル、エリスロマ イシン、クラリス ロマイシン、リト ナビル等) 本剤と強力なCYP3A4 阻害剤(例:ケトコナ ゾール)との併用は慎 重に行うこと。 (「薬物 動態」の項参照) 本剤はCYP3A4 の基 質であるた め、CYP3A4 活 性を阻害する薬 剤と併用すること によって本 剤 の 血中濃度が上昇 する場合がある。 本剤とジルチアゼムと の併用投与によって、 両薬剤への曝露が増 大する可能性がある。 ( 「薬物動態」の項参 照) 本剤及びジルチ アゼムの代 謝が 競合的に阻害さ れる。 ジルチアゼム CYP3A4を誘導 本剤の作用が減弱す 本剤はCYP3A4 する薬剤 るおそれがある。 ( 「薬 の基 質であるた (リファンピシン、 物動態」の項参照) め、これらの薬剤 により本 剤 の 代 カルバマゼピン、 謝が促 進される フェニトイン等) 場合がある。 〔使用上の注意〕 1.慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること) 重度の肝障害患者〔主として肝で代謝されるため、血中濃 度が過度に上昇するおそれがある。また、重度肝機能不全 (Child-Pugh スコア> 9)患者での使用経験はない。(「薬 物動態」の項参照)〕 2.重要な基本的注意 (1)本剤は CYP3A4 に対する用量依存的阻害作用を有し、抗 悪性腫瘍剤を含めて併用薬剤と相互作用を起こすことがあ るため、十分注意して投与すること。(「相互作用」の項参 照) (2)長期ワルファリン療法を施行している患者には、がん化学 療法の各コースにおける本剤処方の開始から 2 週間、特に 7 日目から 10 日目には、患者の血液凝固状態に関して綿 密なモニタリングを行うこと。(「相互作用」の項参照) (3)潮紅、紅斑、呼吸困難、意識消失、血圧低下等のショッ ク、アナフィラキシーを起こすことがあるため、異常が認 められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 (「禁忌」及び「重大な副作用」の項参照) 5 CYP3A4で代謝 これらの薬剤の効果 される薬剤 が増 強されるおそれ (デキサメタゾン、 がある。なお、デキサ メチルプレドニ メタゾンを併用する場 ゾロン、ミダゾ 合は、デキサメタゾン ラム等) の用量を減量するな ど用量に注意すること。 ( 「薬物動態」の項参 照) 本剤の用量依存 的なCYP3A4 阻 害作用によって、 これらの薬 剤の 代謝が阻害され る場合がある。な お、その 影 響 は 静注剤よりも経口 剤の方が大きい。 CYP2C9で代謝 される薬剤 (ワルファリン、 トルブタミド、 フェニトイン等) 本剤のCYP2C9 誘導作用により、 これらの薬 剤の 代謝が促進され る場合がある。 これらの薬剤の効果 が減 弱されるおそれ がある。 (「薬物動態」 の項参照) 薬剤名等 臨床症状・措置方法 5∼15%未満 機序・危険因子 ホルモン避妊法 これらの薬剤の効果 機序は解明され (エチニルエスト が減 弱されるおそれ て いない が、本 ラジオール等) があるので、本 剤 の 剤との併用により 投与期間中及び最終 これらの薬 剤の 投 与から1ヵ月間は、 代謝が亢進する 代りの避妊法又は補 ことが報告されて 助的避妊法を用いる いる。 必 要 がある。 (「薬 物 動態」の項参照) 4.副作用 〈成人〉 成人を対象に国内で実施された臨床試験において、318 例 中 135 例(42 . 5%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認 められた。主なものはしゃっくり42例 (13 . 2%) 、ALT (GPT) 上昇39例 (12 . 3%) 、便秘32例 (10 . 1%) 、食欲不振21例 (6 . 6 %) 、AST(GOT) 上 昇 21 例 (6 . 6%) 、尿 蛋 白 17 例 (5 . 3%) 及び BUN 上昇 15 例(4 . 7%)等であった。(承認時) 〈小児〉 12 歳以上 18 歳以下の小児を対象に国内で実施された臨床 試験において、22 例中 7 例(31 . 8%)に副作用(臨床検査値 の異常を含む)が認められた。主なものは血小板数減少 4 例 (18 . 2 %) 、白血球数減少 4 例(18 . 2%)、好中球数減少 4 例 (18 . 2%) 、リンパ球数減少 4 例 (18 . 2%) 等であった。 (用 法・用量追加時) 精神神経系 失見当識、多 頭痛、眠気、不眠症、 幸 症、不 安、 異常な夢、認 めまい 知障害 循環器 不整脈、動悸、潮紅、 徐脈、頻脈 ほてり 消化器 下 痢、悪 心、嘔 吐、 消化不良、腹痛、腹 おくび、鼓腸、 部 不 快 感、胃 食 道 胃 炎、腸 炎、 逆流性疾患、口内炎、 口内乾燥 腹部膨満 便秘、 食欲不振 AST(GOT) 、 アルカリホスファターゼ、 ALT(GPT) γ-GTP、ビリルビンの の上昇 上昇 腎 臓 蛋白尿、 BUN上昇 排尿困難、 尿 糖、クレアチニン 頻 尿、多 尿、 上昇 血尿 血 液 貧血、好中球数減少、 白血球数減少、血小 板 数 減 少、リンパ 球 数減少、単球数減少 筋骨格系 四肢痛 筋痙攣、筋痛 疲労、J怠感、味覚 異 常、発 熱、浮 腫、 高血糖、体重増加、 体重減少、口渇、ア ルブミン減少、低カリ ウム血症、低ナトリウ ム血症、低クロール 血症 無力症、胸 部不快感、 嗜眠、耳鳴、 疼痛、粘膜の 炎症、脱水、 多飲症、カン ジダ症、ブドウ 球菌感染症、 結膜炎 その他 ※:頻度不明は自発報告又は海外の臨床試験での報告による。 8 .適用上の注意 薬剤交付時:PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出し て服用するよう指導すること。 (PTP シートの誤飲により、硬い鋭角部が食 道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔 洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告 されている。 ) 光 線 過 敏 症、 多 汗 症、脂 性 肌、皮膚病変、 蕁麻疹、ざ瘡 発疹、1痒 肝 臓 咽頭炎、後鼻 漏、咳嗽 7 .小児等への投与 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は 12 歳未満の小児 に対する有効性及び安全性は確立していない(12 歳未満 の小児等に対する使用経験がない) 。 ( 「臨床成績」の項参照) 頻度不明※ 皮 膚 しゃっくり 6 .妊婦、産婦、授乳婦等への投与 (1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有 益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与するこ と。 〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。なお、 ラット、ウサギにおいて胎盤を通過することが報告されて いる。 〕 (2)授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を中止させること。 〔ラットにおいて乳汁中に移行することが報告されている。 〕 (2)その他の副作用 以下の副作用があらわれた場合には、投与を中止するなど、 適切な処置を行うこと。 5%未満 くしゃみ、 咽喉刺激感 呼吸器 頻度不明※ 5.高齢者への投与 一般に高齢者では生理機能が低下しているので慎重に投与 すること。なお、健康な高齢者は血漿中濃度(AUC、Cmax) が非高齢者に比べて若干高くなるとの報告( 「薬物動態」 の項参照)がある。 (1)重大な副作用 1) 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群) 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群、頻度不明※) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、 紅斑、1痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合 には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 2) 穿孔性十二指腸潰瘍 穿孔性十二指腸潰瘍(頻度不明※)があらわれることがあ るので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適 切な処置を行うこと。 3) ショック、アナフィラキシー ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明※)があ らわれることがあるので、観察を十分に行い、全身発疹、 潮紅、血管浮腫、紅斑、呼吸困難、意識消失、血圧低下等 の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を 行うこと。(「禁忌」及び「重要な基本的注意」の項参照) 5∼15%未満 5%未満 6 9.その他の注意 (1)ラットの 2 年間投与がん原性試験において、雌雄ラットの 125mg/kg1 日 2 回投与群以上で甲状腺濾胞細胞腺腫の発生 率の増加、雄ラットの125mg/kg1日2回投与群以上で甲状 腺濾胞細胞腺癌の発生率の増加、雄ラットの 125mg/kg 1 日 2 回投与群及び雌ラットの 5mg/kg1 日 2 回投与群以上 で肝細胞腺腫の発生率の増加、雌ラットの 125mg/kg1 日 2 回投与群以上で肝細胞癌の発生率の増加が認められたとの 報告がある。 また、マウスの 2 年間投与がん原性試験において、雌マウ スの 500mg/kg/ 日群以上で肝細胞腺腫の発生率の増加、 雄マウスの 1 , 000mg/kg/ 日群以上及び雌マウスの 500mg /kg/ 日群以上で肝細胞癌の発生率の増加が認められたと の報告がある。 (2)新生児の雌雄ラットに 7 週間反復経口投与したところ、 10mg/kg1 日 2 回投与群以上で包皮分離の遅延及び膣開口 の早期化が認められたが、これら動物の生殖行動、受胎能 力、妊娠機能、生殖器の病理学的検査において変化はなく、 生殖能への影響はなかったとの報告がある。 また、本剤の水溶性を向上させたリン酸化プロドラッグで あるホスアプレピタントを新生児の雌雄イヌに 4 週間反復 静脈内投与したところ、4mg/kg 投与群以上で子宮重量の 高値を伴う子宮角から体部にかけての内膜及び筋層の肥厚、 子宮頸部筋層の肥厚、膣粘膜固有層及び粘膜下層の浮腫、 体重増加抑制、6mg/kg 投与群で精巣重量の低値を伴うラ イディヒ細胞の小型化、体重増加抑制が認められたが、組 織構造の破壊を伴うものではなかったとの報告がある。 7
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