伝えていくべきものは

学 校 だ よ り
第 1 0 号
平 成 2 7 年 2 月 1 0 日
新 潟 市 立 和 納 小 学 校
http://www.wanow.city-niigata.ed.jp/
教育目標「心身ともに健康で実践力のある子ども」
℡0256-82-3028 Fax0256 -82-5780
伝えていくべきものは
校長 永井 喜博
先日,突然の吹雪で,一面の冬景色となりました。そうかと思えば,予報に反して晴れ間が広がり,
グランドで思いっきり遊ぶことができた日もありました。冬と春の境目の時期なのでしようか。これか
らも,降雪には注意が必要ですが,暦の上では,すでに春になりました。
今,上学年の子ども達は,19日の児童朝会時に行われるマーチング引継式の準備に入っています。
6年生は,自分達が身に付けているすべてを,全部伝えて卒業する意気込みで後輩を指導しています。
5年生,4年生は,尊敬する気持ちをもって指導を受けています。合同の練習は,あと数回を残すのみ
です。もっと上手になりたいので必死に練習します。指導する6年生も必死です。今年度最後の「ホー
ンズ,アップ!」は,あと一回。引継式のみとなりました。今度は,5年生,4年生がマーチングのよ
き伝統を受け継ぎ,守りながら伝えていくことになります。
昨年の創立記念日の全校集会で,第11代PTA会長大岩清一さんから,マーチングの創設について
お話をしていただきました。当時は,中学校には既に吹奏楽部があり,岩室小学校ではマーチングが行
われていたそうです。しかし,和納小学校には金管楽器が無かったため,マーチングを行うことはでき
ず,子ども達が中学校に進学したとき,吹奏楽部を選択すると不利益にならないかと,心配されたそう
です。そこで,PTA活動の実行目標に「金管楽器の購入」を掲げたそうです。大岩清一さんは,「和
納小学校PTA会報のぞみ」(昭和53年3月24日付)に,次のように寄稿(抜粋)しています。
金管楽器が,PTA役員,後援会,学区民の皆さんの多大なご協力によって購入することができまし
て,心からお礼と感謝を申し上げます。さて,期待の金管楽器が四月三十日に購入され,その翌日から
毎日,授業が終業すると,小林弘先生の指導のもとで基礎から始まる練習に,息の続く限り練習を重ね,
口と指の休むことなく,訓練が続く子ども達の姿には,六月の和納小学校大運動会に備えて金管パレー
ドを見てもらいたいがために,汗だか涙か,わからない,一分とも時間の無駄のない,手に汗握る四十
日間の訓練が続いていたのです。そして,苦しい訓練を受けている子ども達は,自分の手にする金管の
音色が耳に聞こえると喜び,いままでの苦しい訓練をされたことを忘れたかのように,子ども達にも思
い通りの演奏が一曲二曲できるようになったことで,少しずつ笑い声が聞こえてきたとのことでした。
そして,六月の大運動会にグランド一周という見事な金管パレードが行われたのです。そのとき,パ
レードを見にきてくださった方々は,目頭を熱くして,落ちる涙をこらえて大拍手を送ってくださった
に違いありません。
「会報のぞみ」から,保護者の熱い思いや期待,楽器
の購入にあたっての苦労,子ども達の努力する姿などが
伝わってきます。それらは,今,引継式に向かって練習
している子ども達にも確実に伝わっています。昭和52
年度にマーチングを誕生させた精神は,38年間経った
今でも,しっかりと受け継がれています。大人は,これ
からも,子ども達の姿をいつも近くで見守りながら,応
援していきたいと考えています。
(平成27年2月4日)