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編者
はじめに
三原斉(ものつくり大学)
近年、建設業界は、めざましい発展を遂げた。超高層の建築物や新工法および新建材の採用な
1級建築施工管理技士試験問題研究会
土田裕康(一級建築士事務所土田裕康建築工房)
北條哲男(ものつくり大学)
大塚秀三(ものつくり大学)
穐山靖司(鹿島建設)
藤井和俊(帝塚山大学)
富田博之(鹿島建設)
山健二(ものつくり大学)
三原斉(ものつくり大学)
永井香織(日本大学)
ど、建築をとり巻く環境は多様化し、日々変化している。これに伴い、建築工事における施工管
理技術者には高度なマネジメント技術が要求され、同時に、レベルの高い施工管理技術者を育成
するための建築教育が重視されている。
1 級建築施工管理技術検定試験は、国土交通大臣より指定試験機関に指定された一般財団法人
建設業振興基金が行っている。試験は、学科試験と実地試験に分かれるが、本書では学科試験に
ついての要点解説を行った。
学科試験は、近年は、これまで重要であると考えられてきた建築技術や知識に関する分野だけ
でなく、新しい分野からも多数出題されるようになってきている。
近 年 の 学 科 試 験 の 合 格 率 は、平 成 22 年 度 が 40.7%( 19.1% )
、平 成 23 年 度 が 37.3%
(15.1%)、平成 24 年度が 51.0%(17.5%)
、平成 25 年度が 47.0%(19.5%)、平成 26 年度が
41.6% となっており、依然難易度が高く、しっかりとした対策が必要である(カッコ内は最終
合格率:学科合格率×実地合格率)。
学習においては、幅広い出題内容を限られた時間の中で、いかに効率よく行うのかが鍵であ
る。そのために、本書における記述内容は、漫然と網羅的・多岐にわたるのではなく、受験者が
限られた時間の中で最も効率よく試験問題に対応した学習ができるように、最新または頻出の施
工技術や知識に関する部分に焦点を絞って執筆をした。
具体的には、過去 7 年間の問題をベースに、出題傾向を徹底して分析し、しばしば類似した傾
向の知識が問われていることから、基礎および、頻出知識の要点をまとめるよう心掛けた。
全体構成は学科試験の区分に基づき 1〜4 章に分類し、さらに出題ジャンル別の各節において
は、前半を、要点と暗記ポイントをまとめた学習ページ、後半を確認問題としている。
巻末には、平成 26 年度の学科試験問題を収録した。
読者の皆様には、本書を使用しての学習と並行して、数多くの過去問題に取り組み、合格に向
けて万全を期していただきたい。
2015 年 2 月吉日
編者
装幀・宇那木孝俊(宇那木デザイン室)
三原
斉
3
目次
はじめに … 3
仕上げ
防水工事、シーリング工事 … 152 / 石工事、タイル工事、木工事 … 156 /
試験概要
1 級建築施工管理技術検定 学科試験概要 … 6
屋根・とい工事、金属工事 … 162 / 左官工事、建具工事 … 168 /
塗装工事、内装工事 … 174 / カーテンウォール工事、ガラス工事 … 180
過去5 年間の出題内容一覧 … 8
第 1章 建築学
第3 章 施工管理法
施工計画
環境工学
施工計画 … 186 / 申請・届出 … 194 /
室内気候、換気 … 12 / 伝熱、結露 … 16 / 日照・日影、日射 … 20 /
土工事、躯体工事・仕上工事の計画 … 198 / 材料管理 … 204
採光、照明、色彩 … 26 / 音響計画、遮音・吸音ほか … 32
工程管理
力学
工程計画、工程表 … 210
力学の基礎 … 38 / 梁の応力 … 44 / ラーメン … 50 /
断面と応力度 … 54 / 座屈と梁の変形(たわみ)… 58
品質管理
品質管理、品質検査ほか … 216
一般構造
地盤、基礎 … 62 / 鉄筋コンクリート構造、免震構造ほか … 66 /
安全管理
鉄骨構造、鉄骨鉄筋コンクリート構造 … 72
安全管理、労働災害 … 226 / 災害防止対策 … 230
建築材料
コンクリートほか、金属、石材、ガラス … 76 /
屋根材料、左官、塗料ほか、内装材料 … 82
第4 章 法規
法規
設備、測量、積算ほか
建築基準法 … 238 / 建設業法 … 242 / 労働基準法 … 246 /
電気設備 … 88 / 機械設備 … 92 / 測量、植栽、舗装、屋外排水設備 … 100 / 積算、契約 … 108
労働安全衛生法 … 250 / 建設リサイクル法ほか … 254
第 2 章 施工共通
躯体
地盤調査、仮設工事、建設機械 … 116 / 杭地業 … 122 /
土工事、山留め工事 … 128 / コンクリート工事、耐震改修工事 … 134 /
鉄筋工事、型枠工事 … 140 / 鉄骨工事 … 146
◎過去問題 平成 26 年度 学科試験問題
平成26 年度 学科試験問題 … 264
平成26 年度 学科試験解答 … 286
気中の CO2 が増えればそれに応じて水蒸気・臭気なども増え、空気の質も悪くなると考えら
環境工学
れるので汚染の指標としている。多数継続在室の場合の恕限度は 0.07%(700 ppm)
、一般の
室内気候、換気
場合の恕限度は、0.10%(1,000 ppm)。
②許容一酸化炭素(CO)濃度:一酸化炭素は人体に有害なので、長時間の呼吸時の許容度は、
0.01%(100 ppm)、空気調和設備における許容度は、0.001%(10 ppm)である。
暗記ポイント
第
1
章
3
③室内の浮遊粉じんの量:0.15 mg/m 以下(空気調和設備における許容量)。
・換気方式の種類、CO、CO2 の室内の許容値、換気回数の定義などを整理しておこう。
2 換気
建
築
学
(1)必要換気量
1 室内気候
①労働安全衛生規則(第 600 条):作業上の気積(室内容積を在室人数で割った数字)は、設備の
3
(1)温度
占める容積および床面から 4 m を超える高さにある空間を除いて、1 人当たり 10 m 以上。
①摂氏:わが国で一般に用いられている温度表示で、0℃を水の凝固点、100℃を水の沸騰点とし
②労働基準法:人間 1 人当たりの必要換気量は、炭酸ガス量を基準とした場合 1 人 1 時間当たり
第
2
章
3
て基準をおき、単位は C(℃)
。
30 m 以上。
②華氏:英米で用いられ、単位は F(°
F)
。摂氏と華氏の換算式は次の通り。
5
C= ×(F−32)
9
③絶対温度:熱力学的に考えた最低の温度、−273℃を 0℃として測る温度で、単位は K(ケル
ビン)。ケルビン温度ともいう。
③換気回数:室内の空気が 1 時間に入れ替わった回数をいう。
3
施
工
共
通
3
換気回数(回/時)=1 時間の換気量(m /h)/室の容積(m )
④在室者の呼吸による必要換気量:炭酸ガス(二酸化炭素)濃度を基準とした必要換気量は次の
通り。
3
K=C+273
必要換気量(m /h)
= 室内に発生する二酸化炭素濃度/(室内の許容二酸化炭素濃度−大気
(2)湿度
第
3
章
中の二酸化炭素濃度)
①相対湿度:ある温度の空気中の水蒸気量と、同じ温度においてその空気が含みうる最大限の水
蒸気量(飽和水蒸気量)との割合を示したものである。
施
工
管
理
法
①温度差による換気(重力換気):室内の温度が外気温より高い場合、暖かい空気は上昇し、冷
相対湿度=空気中の水蒸気量÷飽和水蒸気量×100(%)
たい空気は下方から室内へ入り、浮力による圧力差が生じて換気が行われる。温度差による換
空気の飽和水蒸気量は気温が高くなるに従って大きくなるので、空気中に含まれている水蒸気
量が一定の場合には、戸外の湿度は朝夕は高く、正午ごろ低くなる。
3
(2)自然換気
3
②絶対湿度:空気 1 m 中に含まれる水蒸気の量で表し、単位は g/m 。
(3)温熱要素と有効温度
①温熱要素:人間の体感は気温、湿度、風速、放射(輻射)によって暑さや寒さを感じる。
②有効温度:ヤグローの有効温度ともいい、温熱要素のうち、気温、湿度、風速で示され、ある
気温、湿度、風速の場合に、それと同じ体感を感じる気温、湿度 100%、風速 0 m/s に相当す
るものをいう。E.T. 20℃のように表す。
③修正有効温度:空気の乾球温度の代わりにグローブ温度(グローブ温度計で測る)を用い、湿
球温度の代わりに相当湿球温度を用いる。これは放射熱の影響を考える場合に用いる。
(4)快感帯
気は、給排気口の高さの差と内外温度差の平方根および開口部面積に比例する(図 1)
。
②風圧による換気(風力換気):風によって圧力差が生じ、換気が行われる。風による換気量は
風速と開口部面積および風圧係数の差の平方根に比例する。また、開口部は対向壁に向かい合
(3)機械換気
①第一種機械換気:機械給気+機械排気。室内圧を正圧・負圧のいずれにも任意にでき、安定し
が出る」、85 以上で「全員不快」となる。夏季のみに使われる。
法
規
た換気ができるので、屋内駐車場、機械室、劇場、映画館の客席などに使用する。
②第二種機械換気:機械給気+自然排気。室内の空気を清浄に保つ必要がある場合に使用する。
手術室、クリーンルーム、ボイラー室、電気室など。
③第三種機械換気:自然給気+機械排気。汚染空気を室外に排出する必要がある場合に使用す
る。台所、便所、浴室など。
①有効温度の場合:冬季で、E.T. 17〜22℃、夏季で、E.T. 19〜24℃、湿度 40〜60%、風速 0.3 m/s。
②不快指数:0.72×(乾球温度+湿球温度)
+40.6。75 以上で「やや暑い」、80 以上で「暑くて汗
第
4
章
わせて設置した方が効果的である(図 1)
。
風速
冷たい空気 t 0<
暖かい空気 t i
換気量
風速に比例
h 高さの差
(5)室内汚染と許容量
①汚染の指標としての炭酸ガス(CO2)濃度:一般に室内の空気の汚れを調べるのに、CO2 の濃
度を測定する。CO2 は、無味無臭で高濃度にならない限り、人体に有害とはならないが、空
12
温度差による換気
風圧による換気
図1
自然換気
【環境工学】室内気候、換気
13
確認問題
問題 1
問題 4
CHECK!
CHECK!
湿り空気、湿度に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.乾燥空気と共存できる水蒸気の量は、気温が低いときよりも高いと
1.建材や接着剤などから発生するホルムアルデヒドは、室内空気汚染
第
1
章
の原因となり、室内空気環境を評価するための対象物質の一つであ
きの方が多い。
2.相対湿度は、湿り空気中に含まれている水蒸気分圧のその温度にお
問題 1
ける飽和水蒸気分圧に対する割合で示される。
3.露点温度とは、湿り空気が冷やされて空気中に存在する一部の水蒸
気が凝縮し水滴となり始める温度をいう。
4.絶対湿度を一定に保ったまま乾球温度を上昇させると、相対湿度は
2.第二種機械換気方式は室内圧を負圧に保つことができるので、クリ
4. 絶対湿度は、空気 1㎥
中に含まれる水蒸気の量
【解答】
ーンルームや病院の手術室などに用いられる。
問題 4
で、これを一定に保った
3.温度差による自然換気の場合、室内外の圧力差が 0 となる垂直方向
2. 第二種機械換気方式
まま乾球温度を上昇させ
の位置を中性帯といい、この部分に開口部を設けても換気はほとん
は、機械(給気機)で外
ると、空気中に含むこと
高くなる。
建
築
学
る。
【解答】
気を室内に送り込み、排
ど起こらない。
水蒸気量)は多くなる。
相対湿度は、空気中の水
問題 2
CHECK!
4.風上側と風下側に外部開口部をもつ室における、風力による自然換
気を押し出す方式で、室
気量は、風向きが一定であれば、外部風速に比例する。
蒸気量/飽和水蒸気量で
内が正圧になり、清浄さ
(H20)
は低くなる。(答
4)
1.在室者の呼吸による必要換気量は、室内の二酸化炭素発生量を、室
が要求されるクリーンル
ームや病院の手術室に用
表されるので、相対湿度
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
問題 5
いられる。(答
CHECK!
問題 2
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
問題 5
る。
2. 建築基準法施行令第
1.一般に、営業用の厨房は窓のない浴室よりも換気回数を多く必要と
2. 空 気 清 浄 室 は、外 部
2.室内の許容二酸化炭素濃度は、一般に 10,000 ppm(1%)とする。
3.風圧力による換気量は、他の条件が同じであれば、風上側と風下側
の風圧係数の差の平方根に比例する。
4.換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなる。
(H24)
備)第 3 項、建築物にお
CHECK!
いように室内を正圧に保
つため、機械による給気
関する法律施行令第 2 条
3.換気は人工的な動力によってファンなどを駆動して行う機械換気と、
を行い、排気を自然に行
酸化炭素の許容濃度は、
1,000 ppm( 0.1% )以 下
問題 3
する。
ける衛生的環境の確保に
準)第一号に、室内の二
う第二種機械換気方式が
風などによる自然換気に大別される。
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.室内空気の一酸化炭素の濃度は、100 ppm 以下となるようにする。
2.第 3 種機械換気方式は、自然給気と排気機による換気方式で、浴室
や便所などに用いられる。
3.必要換気量は、室内の空気環境を良好な状態に保つために必要とさ
用いられる。
4.機械換気を行う場合は、給気口と排気口の両方、又はその片方に換
ある、給気口と排気口の
(H17)
両方に機械を取り付ける
問題 6
式という。(答
CHECK!
1. 建築基準法施行令第
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
問題 6
129 条の 2 の 6(換気設
1.換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は多くなる。
1. 換気回数は次式で示
備)第 3 項、建築物にお
(建築物環境衛生管理基
準)第一号に、室内の一
する。
(H22)
酸化炭素の許容濃度は、
10 ppm( 0.001% )以 下
と定められている。
(答
14
2)
問題 3
関する法律施行令第 2 条
4.営業用の厨房は、一般に窓のない浴室よりも換気回数を多く必要と
法
規
方式を第一種機械換気方
2)
される。
2.二酸化炭素濃度を一定値以下に保つための必要換気量は、室内の人
Q
V
Q:換 気 量、V:室
換気回数 n=
ける衛生的環境の確保に
れる最小限の取入れ外気量である。
第
4
章
な お、4. の 問 題 文 に
気設備用の機械を取り付ける。
と定められている。
(答
施
工
管
理
法
から汚染空気が流入しな
2.空気清浄室(クリーンルーム)では、自然給気と機械排気を行う。
(建築物環境衛生管理基
第
3
章
2)
内の許容二酸化炭素濃度と外気の二酸化炭素濃度の差で除して求め
129 条の 2 の 6(換気設
施
工
共
通
気口より自然に室内の空
のできる水蒸気量(飽和
(H21)
第
2
章
1)
員が多いほど多くなる。
3.在室者の二酸化炭素発生量による必要換気量は、室内の二酸化炭素
容積
し た が っ て、換 気 量 Q
の許容濃度と外気の二酸化炭素濃度の差をもとに求められる。
が一定の場合、室容積 V
4.室内外温度差による自然換気量は、他の条件が同じであれば、流入
が大きくなれば、換気回
口と流出口との高低差が大きいほど多くなる。
数 n は小さくなる。
(H15)
(答
1)
【環境工学】室内気候、換気
15
躯体
の結果で求められる粒径加積曲線は、透水係数の推定に用いられる。
②液性限界・塑性限界試験の結果は、土の物理的性質の推定や塑性図を用いた土の分類に利用さ
地盤調査、仮設工事、建設機械
れる。
③シルトの粒子の直径は、粘土より大きく細砂より小さい。
暗記ポイント
2)力学的性質試験(一軸圧縮、三軸圧縮、圧密)
・地盤調査では、各種試験方法と地盤特性についての知識が求められる。
②三軸圧縮試験により、粘性土のせん断強度を求めることができる。
・仮設工事では、仮設足場、作業通路および乗入れ構台などを中心に出題されている。
③圧密試験により、粘性土の沈下特性を調べることができる。
詳細な数値も正確に記憶しておくこと。
・建設機械では、揚重用および掘削用の機械の種類と特徴について出題されている。
第
1
章
建
築
学
①一軸圧縮試験により、粘性土の強度と剛性を求めることができる。
2 仮設工事
(1)仮設足場
1 地盤調査
(1)ボーリング
ボーリングでは、地層構成の調査や土の採取(サンプリング)を行う。
(2)サウンディング(標準貫入試験)
標準貫入試験は、地盤の工学的性質(N 値)を調べるために行う。試験とあわせて乱さない土
の試料を採取する場合は、採取位置の上方 1 m 以内で行ってはならない。
(3)載荷試験(地盤の平板載荷試験、杭の水平載荷試験、孔内水平載荷試験)
①平板載荷試験は、支持地盤に載荷して、地盤の極限支持力や地盤反力係数などを求めるために
行う。
②杭の水平載荷試験は、杭頭に水平力を加え、杭の水平抵抗力などを確認するために行う。
③孔内水平載荷試験は、ボーリング孔内において地盤の変形係数や降伏圧力などを求めるために
行う。
(4)物理探査・物理検層
①常時微動測定により、地盤の卓越周期、地震時の地盤の振動特性を調べることができる。
② PS 検層は、地盤内を伝わる弾性波速度の測定に用いられる。
③電気検層(比抵抗検層)により、ボーリング孔近傍の地層の変化を知ることができる。
(5)地下水位の測定
①被圧地下水位の測定は、ボーリング孔内において、試験対象区域内の周囲からの地下水の浸入
を防ぐために遮水を行う。
②自由地下水位の測定は、ボーリング時に泥水を使わずに掘進することにより比較的精度よく行
うことができる。
(6)透水試験・揚水試験
①ボーリング孔を利用した透水試験は、地下水面下の砂質地盤の透水係数を求めるために行う。
②井戸による揚水試験は、地盤の透水性の調査に用いられる。
(7)土質試験
1)物理的性質試験
①粒度試験により、細粒分含有率などの粒度特性、地盤の均等係数を求めることができる。試験
116
墜落による危険を防止するための、仮設足場に設けるネットの網目は、角目または菱目とし、そ
第
2
章
施
工
共
通
の大きさは 10 cm 以下とする。また、高さが 5 m 以上の構造の足場の場合、足場材の緊結、取外
しの作業では、幅 20 cm 以上の足場板を設け、安全帯を使用させる。
1)単管足場
①単管足場の場合、建地の最高部から測って 31 m を超える部分は、建地を 2 本組とする。
②単管足場の脚部には、ベース金具、敷板などを用い、かつ根がらみを設ける。
2)枠組足場
第
3
章
施
工
管
理
法
建枠の幅が 1.2 m で、作業床の幅が 1 m の枠組足場の、1 層 1 スパンの許容積載荷重は 4.9
kN とする。
3)吊り足場
吊り足場の上で、脚立やはしごを用いてはいけない。
4)移動式足場
脚輪を取り付けた移動式足場は、作業中はブレーキなどで脚輪を固定させ、足場の一部を建設
物に固定させるなどの措置をする。
第
4
章
法
規
5)防護棚(朝顔)
落下物を防ぐための防護棚(朝顔)には、厚さ 30 mm 程度のひき板、合板足場板または厚さ
1.6 mm 以上の鉄板を用いる。
(2)作業通路、登りさん橋、昇降設備
1)作業通路
①架設通路については、墜落の危険のある箇所には、高さ 85 cm 以上の丈夫な手すりおよび高
さ 35 cm 以上、50 cm 以下の中さんを設ける。
②屋内の通路床面から高さ 1.8 m 以内には、障害物を置いてはならない。
2)登りさん橋
①高さ 2 m 以上の通路の勾配は、階段を設けたもの、または高さが 2 m 未満で丈夫な手掛を設
けたもの以外、30° 以下としなければならない。
②高さ 8 m 以上の登りさん橋には、7 m 以内ごとに踊り場を設けなければならない。
3)昇降設備
高さ、または深さが 1.5 m を超える箇所で作業を行うときは、安全に昇降できる設備を設ける。
【躯体】地盤調査、仮設工事、建設機械
117
中さん 35 ~ 50cm
(3)乗入れ構台
1)乗入れ構台の構造
手すり 85cm 以上
幅木 10cm 以上
スロープ 1/6 ~ 1/10
計算
▽大引下端
①構造計算で地震力を
震度法により静的水
所を考慮しなければならない。
作業床隙間 3cm 以下
大引
水平つなぎ
鋼矢板
②吊上げ荷重が同程度の場合、クローラークレーンは、油圧式トラッククレーンに比べて、一般
▽1 階スラブ上端
30cm 程度離す
筋かい
根がらみ
平力として計算する
③クローラークレーンは、油圧式トラッククレーンに比べ接地圧が大きく、地盤の悪い所での移
動性に優れる。
第
1
章
建
築
学
4)タワークレーン
①傾斜ジブ式タワークレーンは、高揚程で比較的重量の大きい荷の吊上げに用いられる。
場 合、水 平 震 度 を
敷板
0.2 とする。
②構台の大引材や根太
に最大作業半径は大きい。
図1
乗入れ構台
材の構造計算は、強
度のほかに、たわみ量についても検討する。
②ジブクレーンの定格荷重は、吊上げ荷重からフックなどの吊り具の重量に相当する荷重を除い
たもので表す。
③傾斜ジブ式タワークレーンでは、作業終了後に強風が予想される場合は、風により自由にジブ
が流されるように処置する。
2)乗入れ構台の構造 (支柱の位置、幅、高さ、勾配)
(図 1)
④地表から 60 m 以上の高さのタワークレーンには、航空障害灯を設置する。
①構台の支柱の位置は、躯体の柱、梁および壁を避けて決める。支柱の間隔は 3〜6 m 程度とする。
5)クレーン作業
②構台の幅は、施工機械、車両の使用状況に応じて決める。
①クレーンによる作業は、10 分間の平均風速が 10 m/s 以上の場合は中止する。
③乗入れ構台の幅は、最小限 1 車線で 4 m、2 車線で 6 m 必要となる。
②瞬間風速が 30 m/s を超える風が吹いた後に作業を行うときは、クレーン各部の異常の有無に
④構台の幅が狭いときは、交差部に車両が曲がるための隅切りを設ける。
⑤乗入れ構台の高さは、大引下端を 1 階スラブ上端より 20〜30 cm 程度上になるようにする(1
階床面の均し作業ができるようにする)
。
⑥道路から構台までの乗込みスロープの勾配は、1/6〜1/10 とする。
3)乗入れ構台の組立て、撤去
ついて点検を行う。
③建て方クレーンの旋回範囲に 66,000 V の送電線がある場合、送電線に対して安全な離隔距離
を 2.2 m(配電線は 1.2 m)確保する。
認する。
6)工事用エレベーター、建設用リフト
②乗入れ構台の各段の水平つなぎとブレースは、取り付けられるようになったらその都度取り付
①ロングスパン工事用エレベーターの定格速度は、毎分 10 m 以下とする。
(4)荷受け構台
①荷受け構台の作業荷重は、自重と積載荷重の合計の 10%とする。
②荷受け構台への積載荷重の偏りは、構台全スパンの 60%にわたって分布するものと仮定する。
3 建設機械
(1)揚重用の建設機械
1)トラッククレーン
①トラッククレーンを使用する場合、走行時の車輪圧と作業時におけるアウトリガー反力につい
て、その支持地盤の強度を検討する。
②油圧式トラッククレーンの吊上げ性能は、アウトリガーを最大限に張り出し、ジブ長さを最短
にし、ジブの傾斜角を最大にしたときに吊り上げることができる最大の荷重で示す。
②建設用リフトの停止階には、荷の積卸し口の遮断設備を設ける。
③建設用リフトの運転者を、搬器を上げたままで運転位置から離れさせてはいけない。
(2)掘削用の建設機械
①ショベル系掘削機では、一般にクローラー式の方がホイール式よりも登坂能力が高い。
②パワーショベルは、機体の位置より上方の掘削に適している。
2)バックホウ
バックホウは、機械の位置より低い場所の掘削に適し、基礎の掘削に用いるが、山の切取りな
どには適さない。
3)クラムシェル
クラムシェルは、掘削深さが 40 m 程度までの軟弱地盤の掘削に用いられる。
4)その他の掘削機械の比較
①リバース掘削機は、アースドリル掘削機に比べ、より深い掘削能力がある。
2)ホイールクレーン
②湿地ブルドーザーの平均接地圧は、全装備質量が同程度の場合、標準のブルドーザーの半分程
3)クローラークレーン
第
4
章
法
規
1)パワーショベル
③機械式トラッククレーンは、ブームの組立て、解体の場所を考慮しなければならない。
ホイールクレーンは、同じ運転室内でクレーンと走行の両方の操作ができ、機動性に優れている。
第
3
章
施
工
管
理
法
④クレーンで重量物を吊り上げる場合、地切り後に一旦停止して機械の安定や荷崩れの有無を確
①乗込みスロープが躯体に当たる場合、その部分の躯体をあと施工とする。
ける。
第
2
章
施
工
共
通
度である。
③タイヤローラーは、砂質土の締固めに適しており、ロードローラーに比べ機動性に優れている。
①ラチス式クローラークレーンは油圧式トラッククレーンと異なり、ブームの組立て、解体の場
118
【躯体】地盤調査、仮設工事、建設機械
119
確認問題
問題 1
CHECK!
問題 4
CHECK!
土質試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
クレーンに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.粒度試験の結果で求められる粒径から、透水係数の概略値を推定で
1.クレーンによる作業は、10 分間の平均風速が 10 m/s 以上の場合は
きる。
第
1
章
建
築
学
中止する。
2.液性限界・塑性限界試験の結果は、土の物理的性質の推定や塑性図
2.建方クレーンの旋回範囲に 66,000 V の送電線がある場合、送電線に
を用いた土の分類に利用される。
対して安全な離隔距離を 1.2m 確保する。
3.圧密試験により、砂質土の沈下特性を求めることができる。
3.クレーンで重量物をつり上げる場合、地切り後に一旦停止して機械
4.三軸圧縮試験により、粘性土のせん断強度を求めることができる。
の安定や荷崩れの有無を確認する。
(H25)
第
2
章
施
工
共
通
4.トラッククレーンを使用する場合、走行時の車輪圧と作業時におけ
るアウトリガー反力について、その支持地盤の強度を検討する。
問題 2
CHECK!
(H24)
乗入れ構台に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.車の走行を 2 車線とするため、乗入れ構台の幅を 6 m とした。
問題 5
2.構造計算で地震力を震度法により静的水平力として計算するため、
揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
水平震度を 0.1 とした。
り上げに用いられる。
【解答】
問題 1
るようにした。
2.ジブクレーンの定格荷重は、フック等のつり具の重量を含めたもの
3. 圧密試験は粘性土に
4.道路から構台までの乗込みスロープの勾配は、1/8 とした。
適しており、圧密沈下の
(H24)
予測を行う。砂質土の圧
縮性は、標準貫入試験、
平板載荷試験などで求め
CHECK!
乗入れ構台の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.乗込みスロープの勾配は、一般に 1/10〜1/6 程度にする。
る。(答
である。
【解答】
3.ロングスパン工事用エレベーターの定格速度は、毎分 10 m 以下で
ある。
4.建設用リフトの停止階には、荷の積卸口の遮断設備を設ける。
3)
2. 構造計算で地震力を
震度法により静的水平力
ける。
3.構台の支柱の位置は、使用する施工機械、車両の配置によって決め
る。
(H23)
水平震度は 0.2 とする。
2)
4.構台の大引材や根太材の構造計算は、強度検討のほかに、たわみ量
についても検討する。
3. 乗入れ構台の支柱の
(H25)
CHECK!
位置は、地下工作物、躯
体 位 置、基 礎 杭、柱、
梁、耐力壁を避けること
と、切梁の位置について
検討して決めなければな
らない。
(答
3)
電線がある場合、送電線
第
4
章
法
規
に対して安全な離隔距離
(答
2)
建設機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
問題 5
1.クラムシェルは、垂直掘削深さが 40 m 程度までの軟弱地盤の掘削
に用いられる。
2. ジブクレーンの定格
荷重は、吊上げ荷重から
2.ショベル系掘削機では、一般にクローラー式の方がホイール式より
問題 3
回範囲に 66,000 V の送
を 2.2m 確保する。
問題 6
として計算するさいは、
(答
問題 4
2. 建て方クレーンの旋
問題 2
2.構台の幅が狭いときは、交差部に、車両が曲がるための隅切りを設
120
第
3
章
施
工
管
理
法
1.傾斜ジブ式タワークレーンは、高揚程で比較的重量の大きい荷のつ
3.乗入れ構台の高さは、大引下端を 1 階スラブ上端より 30 cm 上にな
問題 3
CHECK!
フックなどの吊り具の重
量に相当する荷重を除い
も登坂能力が高い。
たものである。(答
2)
3.湿地ブルドーザーの平均接地圧は、全装備質量が同程度の場合、普
通ブルドーザーより大きい。
問題 6
4.ホイールクレーンは、同じ運転室内でクレーンと走行の操作ができ、
3. 湿地ブルドーザーの
平均接地圧は、全装備質
機動性に優れている。
量が同程度の場合、一般
(H25)
的なブルドーザーの約半
分である。(答
3)
【躯体】地盤調査、仮設工事、建設機械
121