第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 第1問 【解答】 仕 借 方 科 目 当 座 預 金 訳 金 額 貸 100,000,000 1 3 4 5 店 金 50,000,000 資 本 準 備 金 50,000,000 本 額 700,000 当 座 預 金 700,000 売 上 割 戻 105,000 現 売上割戻引当金 55,000 売 満期保有目的債券 99,000,000 有価証券利息 150,000 減 価 償 却 費 5,400,000 本 2 金 500,000 立 500,000 科 金 創 費 目 資 方 現 金 80,000 金 80,000 当 座 預 金 99,150,000 車両減価償却累計額 5,400,000 掛 【解説】 (1) 資本金・資本準備金、創立費の問題 まず、発行可能株式数ではなく、実際に発行した 2,500 株で計算することに注意。当座 預金に振り込まれた金額は次のように計算される。 2,500 株 × ¥40,000 = ¥100,000,000 次に、資本金と資本準備金の金額計算である。資本金を会社法で認められる最低額とす ると、払い込み金額の半額となる。 最後に、会社設立のための諸費用は創立費として処理される。 新版日商簿記 2 級商業簿記 テキスト Chapter 8、P.104~105、107~109 参照 (2)本支店間取引の問題 東京支店が本店の買掛金を立て替えて支払った取引。東京支店の仕訳が要請されている。 東京支店は小切手を振り出して支払っている。したがって、次のように貸方は当座預金と なる。 1 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 (借) (貸) 当 座 預 金 700,000 支店独立会計制度の場合、支店は本店勘定を用いる。ここでは借方に本店勘定が用いら れる。 (借) 本 店 700,000 (貸) 新版日商簿記 2 級商業簿記 当 座 預 金 700,000 テキスト Chapter 14、P.212~213 参照 (3)売上割戻の問題 売上割戻は、売上勘定、仕入勘定、繰越商品勘定の 3 勘定を用いて仕訳をする場合、次 のようになる。 (借) 売 上 ××× (貸) 売 掛 金 ××× しかし使用できる勘定科目に売上勘定がなく、売上割戻勘定が指示されている場合は、 次のようになる。 (借) 売 上 割 戻 ××× (貸)売 掛 金 ××× 神奈川商店に対しては、売掛金の相殺ではなく現金払いなので、次のようになる。 (借) 売 上 割 戻 80,000 (貸) 現 金 80,000 静岡商店に対しては、売掛金から相殺するため、貸方は売掛金¥80,000 となる。また、 売上割戻引当金が¥55,000 設定されている。そこで、これを取り崩し、借方に計上する。 売上割戻引当金で足りない部分は売上割戻とする。 (借) 売上割戻引当金 売 上 割 戻 55,000 (貸) 売 掛 金 80,000 25,000 神奈川商店に関する仕訳と静岡商店に関する仕訳をあわせると解答の仕訳となる。 新版日商簿記 2 級商業簿記 テキスト Chapter4、P.43、Chapter7、P.102 参照 (4)満期保有目的債券取得の問題 有価証券の分類 当該社債を満期日に償還されるまで保有する予定で取得している。したがって、当該 社債は満期保有目的債券に分類される。 取得原価 額面@¥100 に対して@¥99 で取得している。つまり、額面の 99%の金額で取得し ている。取得した社債の額面総額は¥100,000,000 であるからその 99%は、¥99,000,000 2 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 となる。 端数利息 取得した有価証券にかかわる利息は有価証券利息勘定で処理する。社債の取得だから といって、社債利息としないこと。 金額計算 端数利息は取得した社債の額面総額をもとに算定する。1 年分の利息は次のようにな る。 ¥100,000,000 × 1.825% = ¥1,825,000 日割計算は、取得日直前の利払日の翌日から、取得日までの日数を用いて計算する。 取得日は 4 月 30 日で、直前の利払日は 3 月 31 日である。利払日の翌日は 4 月 1 日 なので、4 月 1 日から 4 月 30 日までの 30 日間で計算することになる。 ¥1,825,000 × 30 日 ÷ 365 日 = ¥150,000 新版日商簿記 2 級商業簿記 テキスト Chapter 3、P.33~35 参照 (5)減価償却の問題 生産高比例法でも、残存価額は償却しない。したがって、減価償却費の計算に当たって、 10%の残存価額¥3,000,000 は取得原価¥30,000,000 から引かなければならない。 当該トラックの減価償却は生産高比例法による。総走行可能距離 400,000km に対する、 時走行距離 80,000km の割合で当期の減価償却費を計算する。 (¥30,000,000 − ¥3,000,000) × 80,000km = ¥5,400,000 400,000km 新版日商簿記 2 級商業簿記 3 テキスト Chapter 6、P.71~72 参照 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 第2問 【解答】 仕 訳 日 計 表 平成 27 年 6 月 1 日 借 方 658,000 30,000 540,000 400,000 勘 定 科 目 現 受 取 手 売 掛 未 収 (土 支 払 手 買 掛 未 払 借 入 売 仕 支 払 手 数 固 定 資 産 売 却 元丁 省 39,000 285,000 150,000 380,000 35,000 50,000 2,567,000 略 元丁 金 形 金 金 地) 形 金 金 金 上 入 料 損 省 貸 方 379,000 53,000 570,000 45,000 450,000 80,000 380,000 70,000 540,000 略 2,567,000 総 勘 定 元 帳 受 取 手 形 平成 27 年 6 1 〃 〃 摘用 仕 丁 借方 89,000 30,000 前 月 繰 越 仕訳日計表 省 略 〃 支 平成 27 年 6 1 〃 〃 摘用 仕 丁 前 月 繰 越 仕訳日計表 省 略 〃 貸方 払 手 借方 53,000 4 借 〃 〃 残高 89,000 119,000 66,000 形 貸方 39,000 借/貸 52,000 80,000 借/貸 貸 〃 〃 残高 52,000 132,000 93,000 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 仕 入 先 元 帳 北 陸 商 店 平成 27 年 6 1 〃 〃 〃 摘用 前 月 繰 越 出 金 伝 票 振 替 伝 票 〃 仕 丁 借 摘用 省 略 前 月 繰 越 出 金 伝 票 振 替 伝 票 〃 仕 丁 省 略 貸 120,000 80,000 海 商 借方 90,000 50,000 方 218,000 65,000 東 平成 27 年 6 1 〃 〃 〃 方 借/貸 貸 〃 〃 〃 残 高 218,000 153,000 273,000 193,000 店 貸方 155,000 260,000 借/貸 貸 〃 〃 〃 残高 155,000 65,000 325,000 275,000 【解説】 推定問題を解く順番は特に決まっていないが、解説の都合上、当問題については次の順 序で解答するものとして説明する。 ① 解答用紙の仕訳日計表に数字が記載されている項目につき、特定できるものを 各伝票の空欄または各種元帳の適切な箇所に記入する。 ② 伝票および仕訳日計表から総勘定元帳の受取手形勘定と支払手形勘定を完成さ せる。また、仕訳日計表の受取手形欄、支払手形欄の記入を完成させる。 ③ 解答用紙の仕入先元帳から特定できるものを各伝票の空欄に入れる。同時に各 種伝票の記載事項から仕入先元帳への記入も完成させる。 ④ 各種伝票から仕訳日計表に適切な金額を入れる。 5 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 ①売掛金貸方¥570,000 ・伝票から貸方売掛金を探す。 入金伝票 No.102 ¥ 180,000 入金伝票 No.104 ¥ 310,000 振替伝票 No.306 ¥ 30,000 振替伝票 No.307 (¥ 合計 ¥ 570,000 ) 振替伝票 No.307 の金額が、差額で¥50,000 と計算される。これを振替伝票 No.307 の 空欄に記入する。 支払手形貸方¥80,000 ・伝票から貸方支払手形を探す。 振替伝票 No.305 (¥ ) 貸方支払手形はこれだけなので、金額が¥80,000 とわかる。 未払金借方¥150,000 ・伝票から借方未払金を探す。 出金伝票 No.205 (¥ ) 借方未払金はこれだけなので、金額が¥150,000 とわかる。 借入金貸方¥70,000 ・伝票から貸方借入金を探す。 入金伝票 No.101 (¥ ) 貸方借入金はこれだけなので、金額が¥70,000 とわかる。 6 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 ②受取手形勘定、支払手形勘定の完成 受取手形 ・伝票から借方受取手形をさがす。 振替伝票 No.306 ¥ 30,000 借 方 受 取 手 形 は こ れ だ け な の で 、 受 取 手 形 勘 定 の 借 方 に ¥ 30,000 を 記 入 。 残 高 欄 の ¥89,000 に¥30,000 を加えた¥119,000 を記入。 ・残高¥119,000 から貸方の¥53,000 を差し引き、残高欄に¥66,000 と記入。 ・受取手形勘定の貸方¥53,000 を伝票から探す。 入金伝票 No.105 (¥ ) 貸方受取手形はこれだけなので、伝票に¥53,000 と記入。 ※これで入金伝票すべての金額が判明する。 支払手形 ・伝票から貸方支払手形を探す。 振替伝票 No.305 ¥ 80,000 貸方支払手形はこれだけなので、支払手形勘定の貸方に¥80,000 と記入。 また、残高欄の¥52,000 に¥80,000 を加えて¥132,000 と記入。 ・伝票から借方支払手形を探す。 出金伝票 No.204 ¥39,000 借方支払手形はこれだけなので、支払手形勘定の借方に¥39,000 と記入。 また、残高欄に¥132,000 から¥39,000 を差し引いた¥93,000 を記入。 ※これで受取手形勘定と支払手形勘定への記入が完了。 ③仕入先元帳(買掛金元帳)への記入 北陸商店 ・摘要欄 出金伝票の行 貸方残高が¥218,000 から¥153,000 に減少。 差額の¥65,000 を借方に記入。 ・出金伝票から借方買掛金を探す。 出金伝票 No.201 (¥ ) 7 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 空欄に¥65,000 を記入。 ※これで出金伝票のすべての金額が判明する。 ・摘要欄から振替伝票からの転記であることがわかる。 ・振替伝票から買掛金(北陸商店)を探す。 振替伝票 No.301 貸方 ¥ 120,000 買掛金(北陸商店)の貸方に¥120,000 を記入。 貸方残高¥153,000 に¥120,000 を加えた¥273,000 を残高欄に記入。 振替伝票 No.305 借方 ¥ 80,000 買掛金(北陸商店)の借方に¥80,000 を記入。 貸方残高¥273,000 から¥80,000 を引いた¥193,000 を残高欄に記入。 ※これで買掛金(北陸商店)勘定が完成する。 東海商店 ・摘要欄から出金伝票からの転記であるとわかる。 ・出金伝票から買掛金(東海商店)を探す。 出金伝票 No.203 ¥ 90,000 買掛金(東海商店)勘定の借方に¥90,000 を記入。 貸方残高¥155,000 から¥90,000 を引いた¥65,000 を残高欄に記入。 ・貸方¥260,000 は、摘要欄から振替伝票からの転記であるとわかる。 ・振替伝票から買掛金(東海商店)を探す。 振替伝票 No.302 (¥ ) 当該伝票に¥260,000 と記入する。 買掛金(東海商店)勘定の貸方残高¥65,000 に¥260,000 を加えた¥325,000 を残高欄に 記入する。 ・摘要欄などから、振替伝票からの転記がもうひとつあることがわかる。 ・振替伝票から買掛金(東海商店)を探す。 振替伝票 No.307 ¥50,000 買掛金(東海商店)勘定の借方に¥50,000 と記入する。 貸方残高¥325,000 から¥50,000 を引いた¥275,000 を残高欄に記入する。 8 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 ④その他 ・振替伝票 No.308 ) 貸方土地(¥ 借方合計から¥450,000 と判明。 ※これですべての伝票の金額が判明し、仕訳日計表の完成に必要な数値が出揃う。 新版日商簿記 2 級 9 テキスト Chapter10、P.126 以降参照 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 第3問 【解答】 損 益 計 平成 26 年 4 月 1 日から平成 Ⅰ 売 上 高 売 上 原 価 Ⅱ 1 期 首 商 品 棚 卸 高 ( 2 当 期 商 品 仕 入 高 ( 合 計 ( 3 期 末 商 品 棚 卸 高 ( 差 引 ( 4 棚 卸 減 耗 損 ( 5( 商 品 評 価 損 ) ( 売 上 総 利 益 Ⅲ 販売費及び一般管理費 1 給 料 ( 2 旅 費 交 通 費 ( 3 水 道 光 熱 費 ( 4 通 信 費 ( 5 保 険 料 6 減 価 償 却 費 ( 7 ( の れ ん ) 償 却 ( 8 (貸 倒 引 当 金 )繰 入 ( 9 貸 倒 損 失 ( 10 退 職 給 付 費 用 ( 営 業 利 益 Ⅳ 営 業 外 収 益 1 受 取 利 息 ( 2 (有 価 証 券 売 却 益 ) ( Ⅴ 営 業 外 費 用 1 支 払 利 息 ( 経 常 利 益 ) Ⅵ 特別利益 1 ( 土 地 売 却 益 ) Ⅶ 特別損失 1 (固 定 資 産 除 却 損 ) 税引前当期純利益 法人税、住民税及び事業税 ( 当 期 純 利 益 ) 算 書 27 年 3 月 31 日まで ( 3,316,600) 11,640,000) 14,956,600) 3,212,000) 11,744,600) 10,000) 15,000) 3,515,000) 252,400) 325,000) 260,000) 120,000 90,000) 2,000) 24,050) 8,000) 116,000) 19,900) 1,500) ( ( 11,769,600) 5,212,850) ( ( 4,712,450) 500,400) ( 21,400) ( ( 42,800) 479,000) ( 25,000) ( ( ( ( 4,000) 500,000) 185,000) 315,000) 【解説】 資料から必要となる修正仕訳、決算整理仕訳を以下に記していく。 10 16,982,450) 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 資料Ⅱ 未処理事項 1.仮払金の修正 仮払いを現金で支払っていたとすると、すでに次のような仕訳がなされていると考えら れる。 (借) 仮 払 金 51,000 (貸) 現 金 51,000 この借方仮払金¥51,000 のうち、¥49,000 を退職給付引当金に修正する。修正のため の仕訳は次のとおり。 (借) 退職給付引当金 49,000 (貸) 仮 払 金 49,000 退職給付引当金は貸借対照表項目ではあるが、資料Ⅲの7における退職給付費用算定に 影響を及ぼす。 新版日商簿記 2 級商業簿記 テキスト Chapter7、P.99 参照 2.受取手形の不渡り 入金処理をしていたが、実際は入金されずに不渡りとなった。修正は次のように 2 段階 となる。 ①.入金処理の取り消し ②.不渡りの処理 修正仕訳は次のとおり ① (借) 受 取 手 形 8,000 (貸) 当 座 預 金 8,000 ② (借) 不 渡 手 形 8,000 (貸) 受 取 手 形 8,000 受取手形は差し引きゼロで残高は変わらない。このことは資料Ⅲの 1 における貸倒引当 金繰入の計算上留意すべき点となる。 新版日商簿記 2 級商業簿記 テキスト Chapter2、P.15 参照 3.売上の返品 未処理である返品の仕訳は次のとおり。 (借) 売 上 15,000 (貸) 売 掛 金 15,000 ただし、返品された商品の原価¥12,000 は資料Ⅲの 3 における期末商品棚卸高に関連す る処理において考慮される。 11 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 資料 3 決算整理事項 1.貸倒に関する処理 資料Ⅱの 2 の不渡手形 全額貸倒なので、次の処理が必要となる。 (借) 貸 倒 損 8,000 失 (貸) 不 渡 手 形 8,000 当該不渡手形は当期受取分の手形である。したがって、貸倒引当金は設定されていない。 受取手形、売掛金期末残高に対する貸倒引当金の設定 修 正 前 残 高 : 受取手形¥188,000 修 : 受取手形 正 高 + + ¥8,000 売掛金 -¥15,000 合計で -¥15,000 売掛金¥2,472,000 - 修 正 後 残 高 : ¥2,660,000 - ¥15,000 = 貸倒引当金額 : ¥2,645,000 貸倒引当金繰入額 : ¥26,450 × - 1% ¥2,400 = = ¥2,660,000 ¥8,000 ¥2,645,000(貸倒引当金設定対象) ¥26,450 = 新版日商簿記 2 級商業簿記 ¥24,050 テキスト Chapter7、P.94~96 参照 2.未払費用の処理 未処理の再振替仕訳は次のとおり。 (借) 未 払 費 用 355,000 料 320,000 水 道 光 熱 費 35,000 (貸) 給 当期末の決算整理仕訳は次のとおり。 料 355,000 水 道 光 熱 費 40,000 (借) 給 (貸) 未 12 払 費 用 395,000 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 当期の給料および水道光熱費額は、次のように勘定で示すことができる。 給 当期支出 料 水 道 光 熱 費 前期未払 ¥320,000 当期支出 ¥ 320,000 ¥3,500,00 前期未払 ¥ 35,000 当期未払 当期費用額 当期未払 ¥335,000 ¥3,515,000 ¥ 新版日商簿記 2 級商業簿記 テキスト Chapter12、P.170 参照 40,000 当期費用額 ¥ 325,000 3.棚卸資産に関する決算整理 期首商品棚卸高 決算整理前残高試算表に示されている繰越商品の金額¥3,316,600 を、損益計算書の期 首商品棚卸高の欄に記入する。 当期商品仕入高 資料Ⅱの未処理事項に仕入に関する項目はない。そこで決算整理前残高試算表に示され る¥11,640,000 を、損益計算書の当期商品仕入高の欄に記入する。 期末商品棚卸高 まず、期末における帳簿棚卸高を、損益計算書の期末商品棚卸高の欄に記入しなければ ならない。実地棚卸高ではないことに注意。 期末帳簿棚卸高は¥3,200,000 とある。しかしこの金額には資料Ⅱの3で返品されてき た商品(原価¥12,000)が含まれていない。 返品商品をプラスした¥3,212,000 を、損益計算書の期末商品棚卸高の欄に記入する。 棚卸減耗損 返品商品をプラスした¥3,212,000 と、実地棚卸高¥3,202,000 を比較する。 実地棚卸高が¥10,000 減っている。したがって、棚卸減耗損は¥10,000 となる。 13 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 商品評価損 品質不良品¥30,000 の販売価格が、原価の 50%に下落している。このため商品評価損 が生じる。 損益計算書における棚卸減耗損下の空欄は、商品評価損となる。 金額は¥30,000 の半額であるから、¥15,000 となる。 売上原価の算定 期 末 商 品 棚 卸 高 下 の 差 引 の 金 額 ¥ 11,744,600 に 、 棚 卸 減 耗 費 ¥ 10,000、 商 品 評 価 損 ¥15,000 を加算して売上原価¥11,769,600 を算定する。 新版日商簿記 2 級商業簿記 テキスト Chapter4、P.44~47 参照 4.前払費用 平成 27 年 3 月 1 日の利息 3 か月分¥12,000(決算整理前残高試算表の金額)支払い時に、 全額前払費用としている。現金で支払ったとするとつきのようになる (借) 前 払 費 12,000 用 (貸) 現 金 12,000 3 月末日が決算日なので、3 月分が当期の費用、4 月と 5 月の 2 か月分が前払いとなる。 上記仕訳にある 3 か月分の前払費用のうち、1 か月分を当期の費用である支払利息にし なければならない。そこで¥12,000 の 3 分の 1 である¥4,000 について次の仕訳を行う。 (借)支 払 利 4,000 息 (貸) 前 払 費 用 4,000 結果、損益計算書における支払利息の金額は次のようになる。 決算整理前残高試算表の金額 ¥38,800 決算整理仕訳の支払利息 + ¥4,000 当期費用額 = 新版日商簿記 2 級商業簿記 ¥42,800 テキスト Chapter12、P.172~173 参照 5.減価償却 3 月の減価償却費は、建物¥4,000、備品¥3,500、合計で¥7,500 である。 この¥7,500 を決算整理前残高試算表に示されている減価償却費¥82,500 に加えて、当 期の減価償却費を計算する。計算式を示すと次のようになる。 3 月分の減価償却費 決算整理前残高試算表の金額 ¥82,500 + ¥7,500 当期減価償却費 = 新版日商簿記 2 級商業簿記 14 ¥90,000 テキスト Chapter6、P.70~71 参照 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 6.中古建物の除却 建設仮勘定に含まれる中古建物¥4,000 を固定資産除却損として費用処理する。仕訳を 示すと次のようになる。 4,000 (借) 固定資産除却損 4,000 (貸) 建 設 仮 勘 定 新版日商簿記 2 級商業簿記 テキスト Chapter6、P.83~85 参照 7.退職給付の処理 退職給付に関する決算整理仕訳を示すと次のようになる。 (借) 退 職 給 付 費 用 116,000 (貸) 退職給付引当金 116,000 金額は次のような手順で算定される。 決算整理前残高試算表の貸方残高は¥523,000 である。 しかし、資料Ⅱの1で¥49,000 取り崩されている。 勘定で示すと次のようになる。 退職給付引当金 取崩高 ¥49,000 決算整理前 残高試算表残高 ¥523,000 ¥474,000 要設定額 ¥590,000 補充額 (当期費用額) 補充額(当期費 用額)¥116,000 ¥116,000 資料Ⅱの1による修正後の退職給付引当金残高は¥474,000 となる。 退職給付引当金要設定額は¥590,000 であるから、差額の¥116,000 が当期に補充すべ き退職給付費用の金額となる。 新版日商簿記 2 級商業簿記 テキスト Chapter7、P.99 参照 8.のれんの償却 のれんに関する決算整理仕訳を示すと次のようになる。 (借) の れ ん 償 却 2,000 (貸) の 金額計算は次のようになる。 15 れ ん 2,000 第 140 回 日商簿記 2 級 解答解説 実教出版株式会社 まず、償却期間 10 年のうち、期首までにどれだけ償却されてきたかを確認する。 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 償却済み 償却済み 償却済み 当期(未償却) 上記の当期までの時系列により、3 年分償却されていることがわかる。 したがって、残りは 7 年分となる。 決算整理前残高試算表におけるのれんの金額は¥14,000 であるから、7 で割った¥2,000 が当期の償却額となる。 なお、のれん償却は販売費及び一般管理費に含まれる。 新版日商簿記 2 級商業簿記 テキスト Chapter6、P.91 参照 9.法人税、住民税及び事業税の処理 これまでの計算で税引き前当期純利益は¥500,000 となる。 その 40%は¥200,000 と計算される。 問 題 の 指 示 に よ り 決 算 整 理 前 残 高 試 算 表 に お け る 未 払 法 人 税 等 の 金 額 ¥ 15,000 を ¥200,000 から差し引き、算出された¥185,000 を損益計算書における法人税、住民税及 び事業税の欄に記入する。 新版日商簿記 2 級商業簿記 16 テキスト Chapter8、P.115~117 参照
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