平成28年度 相模原市政に関する要望

平成28年度
相模原市政に関する要望
相 模 原 商 工 会 議 所
平成28年度
相模原市政に関する要望
時下、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素から、当商工会議所の運営に対しまして、格別のご支援、ご協力を賜り、厚く
お礼申し上げます。
さて、わが国は、安倍政権のアベノミクスによる「三本の矢」によって、長く続い
たデフレ経済からの脱却に向けて着実に前進していますが、中小企業・小規模事業者
は、急激な円安による原材料・エネルギーコストの高騰を価格転嫁できず大変厳しい
経済環境におかれております。当地域においても、都市の成長エンジンとしてリード
してきた多種多様な業種が揃う製造業の分野等において、多くの企業が苦境に立たさ
れており、地域経済の根幹を成す中小企業は先行き不透明感が拭えず、疲弊の度を深
めております。
このような状況のなか、国では、小規模支援法(商工会及び商工会議所による小規
模事業者の支援に関する法律)の一部を改正し、「経営改善普及事業」の中で「経営
発達支援事業」を位置づけ、今後、商工会議所が市や関係団体などと連携して意欲あ
る小規模企業を支援するための取り組み体制が整備されたところであります。また、
消費税率10%への引き上げを控える中、急激な円安による電気料金や燃料、原材料
の値上げなどは、中小・小規模企業の経営への悪影響が懸念されることから、今後も
大胆で切れ目のない経済政策が強く求められているところでございます。
さらに、本市におかれましては、相模原市がんばる中小企業を応援する条例の制定
により、手厚い経済・雇用対策に取り組まれておりますことに深く感謝申し上げます
とともに、さがみ縦貫道路のインターチェンジ周辺の新たな産業拠点の整備や、リニ
ア中央新幹線など交通新線の乗り入れが予定されている橋本駅並びに相模原駅周辺
には、多くの企業の進出が見込まれ、さらなる産業振興につながるものと期待してい
るところでございます。
当商工会議所といたしましては、相模原市とこれまで以上に連携を図り、現在、策
定されている「
(仮称)新・さがみはら産業振興ビジョン」の理解を深め、企業が進
出しやすい環境づくりや企業誘致につながる取り組みを進めるとともに、関係団体や
近隣の商工会議所等とも連携を図りながら、相模原市のさらなる発展につなげてまい
りたいと考えております。
つきましては、地域産業の発展と中小・小規模企業への支援をさらに強化していた
だきたく、平成28年度の相模原市政に関し、地域産業振興の観点から、次のとおり
要望をいたしますので、特段のご配慮を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
1
記
1.地域産業振興事業補助金の十分な予算の確保について
本市においては、「がんばる中小企業を応援する条例」が施行され1年半が経過し
ましたが、この条例により中小企業振興策への取り組み姿勢を明確にし、従来より取
り組んでいる経済・雇用対策の一層の充実について、中小企業者の経営改善及び向上
のための支援に積極的に取り組むものとされております。
また、第2次安倍内閣では「日本再興戦略」において、ローカルアベノミクスを推
進していくため、昨年「まち・ひと・しごと創生本部」を設置し、人口減少の克服と
地方創生に全力で取り組むこととされており、その中で「中堅・中小企業・小規模事
業者の『稼ぐ力』の徹底強化」を主要政策課題としております。
こうしたなかで、当所としましては、中小企業の「稼ぐ力」の強化を基本的な方向
性とし、具体的な施策として、①中小企業・小規模事業者へのきめ細かな対応、②経
営支援体制の強化、③地域の小規模事業者の活性化、④販路開拓の支援、⑤人材確保
支援の充実、⑥資金繰り支援等を実施して企業の更なる発展に取り組んでまいる所存
でございます。
つきましては、中小企業や小規模企業の振興を図ることは、地域経済や雇用を支え
るとともに、また本市の税の増収にもつながることから、今後とも商工会議所等の経
営支援がより積極的に展開できるように安定的・継続的な予算確保にご尽力いただく
とともに、市の中小企業・小規模事業者支援策と当所の事業との相乗効果により、市
内中小企業等の経営力向上と地域の課題解決等がさらに図られますよう、地域産業振
興事業補助金の増額について、特段の措置が講じられるよう要望いたします。
2.小規模事業者経営改善資金(マルケイ資金)に対する利子補給の継続について
当所では、小規模事業者の経営の改善発達を支援するため、小規模事業者の資金繰
りの円滑化と、経営上の課題解決を併せて支援するマルケイ資金を取り扱っておりま
す。担保余力に乏しい小規模事業者にとっては、無担保・無保証人で融資が受けられ
るマルケイ融資は、金融面におけるセーフティネット的な役割をもっており、極め
て重要な制度と考えております。
そうした中、本市におかれましては、厳しい財政状況にも係らず、寛大な措置を講
じていただくとともに、平成23年1月以降、約300件のマルケイ融資利用者に利
子補給していただき、大変、感謝申し上げる次第であります。
こうした相模原市の支援により、マルケイ融資の利用が促進され、当所においては、
融資の推薦件数・推薦金額とも増加しており、同融資の利子補給制度は、小規模事業
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者の資金繰りの安定化や借入金の早期返済など経営基盤の強化をはかれることから、
業績向上に大きな効果があり、新たな産業の創出など、本市経済の発展と振興に大き
く寄与しています。
小規模事業者を取り巻く経済環境は、消費税増税による価格転嫁対策等、依然、厳
しい局面が続くことが予測でき、マルケイ資金及び同融資の利子補給制度の活用によ
る金融面での経営支援はより一層重要なものとなりますので、今後も、小規模事業者
の経営改善にとって有効な支援策である利子補給制度の継続を強く望むものであり
ます。
3.(仮称)中心市街地における業務系機能集積促進事業補助金の創設について
本市では、リニア中央新幹線の駅設置や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の整備、
相模総合補給廠の一部返還等、様々な大規模プロジェクトが進行し、首都圏南西部に
おける広域交流拠点のまちづくりが順調に進んでいます。
こうしたなかで、本市の基幹産業である製造業を中心とした産業集積基盤の強化を
図り、雇用の促進や経済波及効果などによる持続可能な都市運営を実現するため産業
集積促進方策(STEP50)に基づき、リーディング産業の積極的な誘致に取り組ま
れておりますが、将来、さらに発展していくためには、その基盤となる経済発展がも
とめられることから、金融業や情報通信業などの事業所向けサービス業の集積度を高
めていく必要があると考えています。
つきましては、中心市街地に立地するオフィスビル等への企業等の入居を支援し、
様々なサービス等を提供する高次都市機能の集積する商業・業務地の形成を図るとと
もに、本市の顔として広域的な求心力を高められるよう、企業等が中心市街地に、新
たな事業所等を開設する場合、その賃料の一部を助成する制度の創設を要望します。
4.地区中心商業地の更なる振興と公共施設の再整備計画について
本市では、市内に散在する複数の商業地について、それぞれの商業集積の現況、交
通の拠点性及び将来の発展性などを加味しながら、
「中心商業地」、
「地区中心商業地」、
「近隣商業地」と機能を分類し、その機能に適合する商業地形成事業が進められてい
ます。
こうした中で、中心市街地の整備につきましては、相模大野地区の周辺整備事業が
概ね終了し、相模原・橋本地区においては、広域交流拠点の整備にむけた、新たな取
り組みがすすめられているところでございます。
一方、地区中心商業地の振興につきましては、さまざまな活動を通して、コミュニ
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ティの場、ふれあいの場、安全・安心の場として機能するよう商店街の全体的、ある
いは個店を対象とした補助事業を中心に、一定の効果を得ていましたが、商店街の組
織力低下・後継者不足・大型店舗や家電専門店等の出店の影響により年々店舗数が減
少したこともあり、賑わい創出の効果が薄れつつある状況におかれております。
また、当該地域は、比較的乗降客の多い駅周辺で、後背地にまとまった住宅地を控
えており、公民館などの多くの公共施設が分散して立地していることから、魅力ある
商店街づくりを推進するための買い物環境の整備・充実を図る商業施策と、人がにぎ
わい、憩い、集う空間を創出する公共施設整備が総合的に行われることが求められて
おります。
特に、JAXA、東京国立近代美術館フィルムセンタ-相模原分館の最寄り駅とし
て、利用者が大変多い状況となっている淵野辺駅周辺や、交通新線の乗り入れが予定
されている上溝駅周辺については、都市基盤の再整備を含めた新たなまちづくりが求
められています。
つきましては、すでに老朽化している公共施設の建て替え等の更新を迎える時期を
鑑みて、公共施設の集約化、公共施設と商業施設等の複合・多機能化、民間の活力の
活用などによる再整備により利便性や機能性の向上など、公共施設の新たな役割の創
出と地区中心商業地の更なる振興について、総合的な見地から、まちづくりをすすめ
ていただきますよう要望いたします。
5.産業用地創出に向けた拠点整備について
市におかれましては、地域経済の活性化や市内の雇用機会の拡大を図ることを目的
として、さがみ縦貫道路インターチェンジ周辺に、産業用地を創出するための市街地
整備への取り組みが進められておりますが、企業を誘致することは、職住近接型のま
ちづくりをすすめることができ、「税収の増加」、「雇用機会の確保・拡大」等、地域
経済に様々な波及効果をもたらすことから、地方創生・人口減少の克服のための重要
な施策と考えております。
つきましては、企業誘致の促進と市内企業育成の視点から、次のとおり要望します。
(1)麻溝台・新磯野地区について
麻溝台・新磯野地区は、すでに事業認可を得て、事業への取り組みが進められて
おりますが、基盤整備や建築工事等について、市内企業への優先発注が行われるよ
う、特段の配慮をお願いしたい。
(2)金原・串川地区について
圏央道の相模原インター開設に伴う交通の利便性の向上を契機に、まちづくりが
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計画されている、金原・串川地区についても、早期事業化に向けて取り組むととも
に、事業化に際しては、工事等の市内企業への優先発注について特段の配慮をお願
いしたい。
6.魅力ある観光の振興について
市におかれましては、政令指定都市へ移行後、さがみ縦貫道路の開通や、リニア中
央新幹線など交通新線の乗り入れ等市内観光を取り巻く環境が大きく変貌するため、
魅力ある観光の振興に取り組まれています。つきましては、地域観光産業の振興につ
ながるよう次のとおり要望いたします。
・当商工会議所や大手旅行会社等関連・関係団体等と連携を図りながら、JAXA
相模原キャンパス等と各商店街の食文化等が有機的に連携した新たな観光プロ
グラムを開発するなど、市内商店街のさらなる振興につながる取り組みを図るこ
と。
・JAXA相模原キャンパス、市立博物館、東京国立近代美術館フィルムセンタ-
相模原分館などの公共施設の有機的な連携による新しい観光振興策の検討
・市内に設置される予定のリニア中央新幹線の車両基地は、津久井地域の豊かな自
然と融合した魅力ある観光の核になるとともに、さがみ縦貫道路の開通により交
通の利便性が高まり、県内全域などをめぐる周遊型観光が可能となるため、津久
井地域を含む観光資源や車両基地などを観光ルートに組み込むよう関係機関へ
積極的に働きかけをおこなうこと。
7.シティセールスのさらなる推進について
市におかれましては、市内外へ向けたテレビやインターネット、刊行物を活用した
情報発信、マスコミの取材誘致、さらには相模原市シティセールスサポーターズや相
模原市観光協会等の諸事業などを通じてシティセールスの推進に積極的に取り組ま
れております。
一方、当商工会議所では、相模原市シティセールス推進協議会を通じて全市的なシ
ティセールスを推進するとともに、マスコット着ぐるみ「てるて姫」を活用したイベ
ント支援事業やスポーツホームタウンチームへの支援など、様々な取り組みをおこな
っております。
こうしたなかで、国内で、2019 年にはラグビーワールドカップ(RWC)、そして
2020年には、東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まり、全国各地で、
事前練習キャンプなどの誘致活動が推進されています。
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つきましては、本市におきましても、事前練習キャンプなどの誘致活動を推進し、
相模原市の良さを全世界へアピールし、インバウンド観光客による多くの経済効果を
もたらすよう、関係方面への働き掛けをお願いします。
また、本市の持つ様々な魅力や知名度をさらに高めるために、市内外の方への相模
原市情報の接触度を増やすことが必要と考えています。
つきましては、従来から行政の持っている広報メディアでの発信力強化と、パブリ
シティ活動(プレスリリースなど行政情報の提供)の強化をさらに進めるとともに、
公的機関等(NHK、気象庁(天気予報)、日本道路公団(道路情報))と連携するな
ど、新たなメディアを活用した情報発信をより一層推進されるよう要望いたします。
8.広域交通ネットワーク形成について
広域的な交流を支える交通体系の確立は、企業立地の促進や市民生活の利便性向上
に寄与するとともに、新しい拠点の整備、さらには観光振興にも期待できることから、
交通ネットワークの形成について、次のとおり要望いたします。
なお、整備促進を積極的に図っていくためには、官民一体となった活動が肝要であ
ることから、これまで以上に相模原市公共交通網の整備を促進する会とも連携しなが
ら、要望活動や事業を推進するよう併せて要望いたします。
(1)さがみ縦貫道路の整備促進等について
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)は、現在までに約 196km が開通していますが、
平成27年3月の寒川北 IC から海老名 JCT の開通により、さがみ縦貫道路は全線
開通となりました。このことにより、東名高速道路と中央・関越自動車道が直結し、
これまで以上に物流等交通の利便性、所要時間の短縮等により経済の活性化が図ら
れるとともに、国道 129 号等の交通量が減少し、交通環境の改善が図られています
が、さらなる広域的な交流連携や経済活動の弾みとなるよう次のとおり要望いたし
ます。
①東名高速道路から圏央道へと連絡する海老名ジャンクションにおいて、新たな渋
滞が発生し、東名厚木インターの乗り降りにも、時間帯によっては大きな支障を
きたしていることから、抜本的解決に向けた合流部分の改修と圏央道の全線開通
について、国や関係機関への働きかけをおこなうこと。
②相模原愛川インターチェンジへのアクセス道路では、平成26年5月に都市計画
決定された県道46号から市道古淵麻溝台までの区間について、早期に整備をお
こなうこと。
③相模原インターチェンジへのアクセス道路である津久井広域道路について早期
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に整備をおこなうこと。
(2)リニア中央新幹線の早期建設等について
平成26年10月に全国新幹線鉄道整備法に基づく工事実施計画が認可されたこ
とにより、平成39年の開業に向けて、リニア中央新幹線の整備が本格的に開始さ
れることになりました。リニア中央新幹線は、首都圏と中京圏、京阪神圏を1時間
程度で結ぶ超高速鉄道であり、とりわけ、経済界では時間距離の短縮による様々な
ビジネスチャンスの創出や生産性の向上により、地域経済ひいてはわが国経済の活
性化が図られることに大きな期待を寄せております。つきましては、標記のことに
ついて、次のとおり要望します。
①現在、全国新幹線鉄道整備法に基づく手続きが進められているリニア中央新幹線
については、早期建設に向けて関係機関へより一層の働きかけをおこなうこと。
②リニア中央新幹線の県内駅周辺には、産業や複合都市機能、広域観光等に対応す
る交通広場の設置等が予定されていることから、駅設置が予定されている、県立
相原高校の移転を円滑に進めるため、移転先用地である「職業能力開発総合大学
校相模原キャンパス跡地」の環境整備が早期に進められるよう関係機関に働きか
けをおこなうこと。
③市内に設置される予定のリニア中央新幹線の車両基地は、当該地域の豊かな自然
と融合した魅力ある観光の核になるとともに、県土全域をめぐる周遊型観光とし
て期待されるため、車両基地を観光資源とするよう積極的に関係機関へ働きかけ
をおこなうこと。
(3)小田急多摩線延伸の促進について
小田急多摩線の延伸については、平成12年1月の運輸政策審議会答申第18号
において、唐木田駅から「JR横浜線、JR相模線方面への延伸について、今後整
備について検討すべき路線」として位置づけられております。
小田急多摩線延伸促進協議会等では、リニア中央新幹線(東京都・名古屋市間)
の開業が予定される平成39年までの延伸の実現(開業)を目指し、町田市内及び
相模原駅、上溝駅、さらには田名地区を経由し、愛川・厚木方面へ延伸させるため、
平成27年3月、小田急多摩線延伸促進協議会と町田市、愛川町の住民団体で協調
して、国に対する署名活動を実施し、約18万人分の署名を集め、太田 昭宏 国土
交通大臣(要望先
安倍 普三 内閣総理大臣)へ提出いたしました。
こうしたなかで、昨年9月に、相模総合補給廠の一部約15ヘクタールのほか、
鉄道及び道路用地として約2ヘクタールの土地が日本政府へ返還されたことによ
り、延伸にあたっての大きな課題の一つが解消され、より一層、延伸の実現可能性
が高まったところでございます。
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経済界としても、小田急多摩線が延伸されれば、都心へのアクセスが飛躍的に向
上し、経済活動の活性化が図られるとともに、橋本・相模原両駅周辺の一体的な市
街地再開発により、都市機能の集積やまちづくりが進展するなど、リニア中央新幹
線の早期開通とともに、鉄道ネットワークの充実が図られることに大きな期待を寄
せております。ついては標記のことについて、以下のとおり要望します。
①平成27年度末に予定されている交通政策審議会答申において、唐木田駅から
「JR横浜線、JR相模線方面への延伸について、今後整備すべきA路線」とし
て位置づけがなされるよう、国及び鉄道事業者等へ事業促進に向け、関係機関へ
働きかけること。なお、答申で位置づけがなされた場合は、早期事業化にむけて
関係機関へこれまで以上に働きかけること。
②田名地域を経由し、厚木・愛川方面への延伸については、新たな広域公共交通網
の実現の観点から、交通政策審議会答申において、「今後整備を検討すべきB路
線」として位置づけがなされるよう、国及び鉄道事業者等へ事業促進に向け、関
係機関へこれまで以上に働きかけをおこなうこと。
(4)J R 横 浜 線 連 続 立 体 交 差 事 業 の 推 進
現 在 、市 で 検 討 を 進 め て い る J R 横 浜 線 の 連 続 立 体 交 差 事 業 検 討 区 間( 矢
部 駅 か ら 橋 本 駅 付 近 )で は 、交 通 渋 滞 や 地 域 の 分 断 な ど の 問 題 が 生 じ て い る 。
連 続 立 体 交 差 事 業 は 、渋 滞 解 消 や 安 全 性 の 向 上 だ け で な く 、地 域 の 活 性 化 や
防 災 性 の 向 上 等 に 大 き く 寄 与 す る 事 業 で あ る た め 、こ の 事 業 の 実 施 に 必 要 な
財源の確保について国に強く働きかけること。
9.水素ステーションの整備促進にかかる財政支援について
水素は、多種多様なエネルギー源から製造が可能であり、利用段階では二酸化炭素
(CO2)を排出しない「究極のクリーンエネルギー」として、エネルギーの安定的
な確保や環境負荷の低減などに大きく貢献する次世代エネルギーとして期待されて
います。
国では平成26年6月に「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定し、3段階の
ステップ・バイ・ステップで2040年(平成52年)頃までに水素社会の実現を目
指しています。
こうしたなか、本市では、水素エネルギー普及促進ビジョンを策定し、中長期的な
視点から、水素社会への実現のステップを3段階にわけ、平成28年度から32年度
までの第2段階では、水素ステーション(定置式)を市内に数箇所に配置を目指すこと
としています。
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つきましては、本ビジョンが掲げる水素ステーションの設置が早期に実現できるよ
う、初期費用に対する効果的な財政支援について、特段の措置が講じられるよう要望
いたします。
10.市内に「商工会議所」と「商工会」組織の併存について
現在、市内の緑区には、当所と4つの商工会が併存しております。各々が産業振興
支援機関として、中小・小規模事業者への経営支援はもとより、まちづくりや観光振
興などに取り組んでいますが、それぞれが独立した組織・運営、事業内容等であるこ
とから、市内経済の活性化と均衡ある発展がなかなか進まない現状にあります。
こうしたことから、当所と4つの商工会では、役員あるいは事務局レベルで交流を
深めながら、一部、広域連携事業等を実施し、組織・運営や事業内容の温度差をうめ
ようとしていますが、前に進まず、更なる改革の必要性を感じております。
本市では、政令市への移行に伴いまして、「一行政区域に一経済団体」という原則
が崩れてしまいましたが、政令市である、堺市や浜松市では、商工会議所と商工会が
すでに合併して「一行政区域に一経済団体」になっており、こうした動きは、全国で
も数多くの事例がございます。
つきましては、市内経済の活性化と均衡ある発展のため、商工会議所と商工会との
併存する不合理な現状が早急に解消されるよう、様々な角度からご検討いただきたく
お願い申し上げます。
11.宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスの存続について
円高による取引先の生産拠点の海外シフトが進み、国内の産業構造が変化する中に
おいて、市内の中小企業は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との技術連携による
新商品開発に取り組んでおります。これまでには、ロケット先端部の開発過程で生ま
れた断熱材技術を応用した建築用断熱塗料や、宇宙下着の技術から汗のにおいなどを
大幅に減らす下着などをJAXAと共同開発した実績があり、市内には、同機関と取
引している企業が数多くあります。
また、市と産業界が協働して、「はやぶさの故郷」や「宇宙」をシティセールスの
重要戦略に掲げて、これらをテーマに近隣商店街と連携したイベントや広報活動等を
展開しており、地域経済の活性化が図られています。
こうしたことから、当所としましては、従来に増して、同機関と市内中小企業と
コンソーシアム形式による共同研究の実施や宇宙航空関連産業の誘致などに積極的
に取り組むとともに、「はやぶさ」等をテーマにした商品開発やグッズの作成、イベ
ント開催など、同機関と連携した様々な取り組みにより、さらなる地域経済の活性化
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に取り組んでいきたいと考えております。
一方、宇宙航空研究開発機構の施設がある6つの市町(北海道大樹町、秋田県能代
市、岩手県大船渡市、長野県佐久市、鹿児島県肝付町及び相模原市)では、宇宙平和
の一翼を担っていることから、昭和62年に「銀河連邦共和国」を設立しました。銀
河連邦共和国では、行政及び産業界が交流を深めており、これまでの30年間の活動
は、地方経済の振興につながる取組みとして、地方創生の一翼を担っているものと認
識しております。
つきましては、同機関が市外移転した場合には、本市経済の発展に大きな打撃とな
るばかりか、銀河連邦共和国の枠組みを揺るがす事態となりますので、引き続き、同
所において、事業展開が図られるよう、国や関係機関に強く働きかけるよう要望いた
します。
平成27年10月14日
相模原市長 加山
俊夫
殿
相 模 原 商 工 会 議 所
会
10
頭
杉 岡
芳 樹
相模原市における広域交流拠点の
まちづくりに関する要望
相 模 原 商 工 会 議 所
相模原市における広域交流拠点のまちづくりに関する要望
時下、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素から、当商工会議所の運営に対しまして、格別のご支援、ご協力を賜り、
厚くお礼申し上げます。
さて、広域交流拠点のまちづくりにつきましては、橋本駅を中心として首都圏・
中部圏・近畿圏を一体化する「スーパー・メガリージョン」形成の一翼を担うリ
ニア中央新幹線の建設が具体的な取り組みとして動きはじめているほか、相模原
駅におきましても、相模総合補給廠の跡地利用をはじめ、JR横浜線の連続立体
交差事業や今年度、国の交通政策審議会答申に注目が集まる小田急多摩線の延伸
等、本市を取り巻く重要事業が着実に進められているところでございます。
こうした中で、現在、この橋本・相模原両駅周辺を核とする広域交流拠点整備
計画の策定に取り組まれているところであり、当商工会議所では、広域交流拠点
の形成が首都圏南西部全体の発展を牽引し、様々なビジネスチャンスの創出や生
産性の向上により、地域経済ひいては我が国経済の活性化が図られることに大き
な期待を寄せております。
つきましては、50年、100年先を見据えた「人や企業に選ばれる都市」を
実現するため、整備計画の策定に当たりましては、とりわけ地域産業振興の観点
から、次のとおり要望をいたしますので、特段のご配慮を賜りますようよろしく
お願い申し上げます。
記
1. リニア中央新幹線の建設や圏央道の開通など、本市を取り巻く大規模プ
ロジェクトの効果を最大限に活用し、橋本駅周辺地区を多くの来街者で賑
わう広域的なターミナル駅としていくため、リニア中央新幹線と在来線と
の乗換利便性の向上や賑わい空間の創出に向けて、交通事業者と連携して
「便利な駅」「訪れてみたくなる駅」としての施設整備をはかること。
2. 広域交流拠点基本計画で位置付けられている「ものづくり産業交流ゾー
ン」においては、首都圏南西部だけでなく東京、名古屋、大阪、ひいては
海外から多くのビジネス客が訪れ、産業情報等の交流拠点となることから、
技術革新や販路開拓、高度産業人材の育成、市内事業者の活性化に直結す
る機能集積を行うこと。
3. 橋本・相模原駅周辺においては広域交流拠点都市として、本市の産業、
文化、歴史、自然環境を活かしたまちづくりを行い、交流人口拡大や産業
振興に大きく寄与する「広域交流機能」として、情報発信や技術交流を図
るための国際コンベンション機能の導入検討やそれに係わるシティホテル
の誘致等をはかること。
4. 人口減少や高齢化が進む社会の中でも、持続可能なまちづくりを行うた
め、次世代へ引き継ぐ街として、安全・安心に暮らせる社会を考え、市民
へのサービス提供や施設管理の効率化という視点を踏まえ、街を支える原
動力となりうる公共施設のあり方について、今後、相模総合補給廠一部返
還地を視野に、本庁舎機能を含んだ行政施設の再編の検討を行うこと。
5. 都市社会の要素となっている「住、働、憩(くらし、なりわい、いきが
い)」をつなぐ交通という要素を、より効果的に結ぶために、人が使いやす
く、人を呼ぶ交通ネットワークを再構築するため、広域交通ネットワークの
確立や早期の小田急多摩線の延伸、JR 横浜線の連続立体交差事業の検討を
行うこと。
以
平成27年10月14日
相模原市長
加山
俊夫
殿
相 模 原 商 工 会 議 所
会 頭
杉 岡 芳 樹
上