カセロネス銅鉱山での取り組み

生物多様性への取り組み
基本的な考え方
JX日鉱日石金属グループの前身である日立鉱山では、地域社
当社グループは、上流の資源開発事業において鉱石を採掘して
会の緑と自然を後世まで残していくために、さまざまな取り組み
おり、この事業特性上、生物多様性の保護を含む環境の保全は、
を行ってきました。例えば煙害による被害の減少や、周辺地域に
事業継続のために必要不可欠であると考えています、今後も事業
緑を取り戻すために、荒廃した山々 1,200haにおよそ500万本の
の持続的な発展のために、生物多様性の保護に自主的かつ積極
植林を実施しました。そのほかにも、周辺地域に513 万本の苗木
的に取り組んでいきます。
を無償配布し、合計で約1,000万本の植林を行っています。
カセロネス銅鉱山での取り組み
カセロネス銅鉱山を運営するMinera Lumina Copper Chile
の 指 導 の もと、最 寄りの 適 地 で あ る La
(MLCC)では、所有地総面積 385km(38,500ha)のうち、カセ
Ollita渓谷へ移植しました。その後、準保護
2
を
ロネス銅鉱山の設備建設などの影響を受ける0.87km(87ha)
植物のベガも無事に根付いていることが確
保護地域に設定し、そこに生息している動植物を保護し、生物多
認されています。また、カセロネス銅鉱山の
様性への対応を図っています。
下流にあるコピアポ川流域は水資源の枯渇
2
同地域内では「樹木を伐採した場合は、伐採した地区の面積の
が著しいため、アルファルファ農地の買収による栽培停止、および
1.6 倍の面積に植樹を行う」
「やむを得ず保護対象植物を伐採する
河岸の雑草伐採による蒸発抑制により、水の消費を抑制していま
場合は、その10倍の本数の同保護植物を植樹する」
こととしていま
す。さらに、下流域の灌漑用に海水脱塩水を提供することで、新規
を、専門家
す。Caserones渓谷に分布する湿地植物帯
(9,400m )
鉱業使用水とのバランスを図っています。
2
国内での取り組み
当社グループは、休廃止鉱山の跡地を中心に各地で森林整備活動を進めています。ここでは、2014年度に行った高玉・大江・豊羽・
亀田の各鉱山跡地での森林整備活動についてご紹介します。今後も各地で植樹や植林、下刈り作業などを続けることで、自然環境の維
持・向上に努めていきます。
高玉鉱山跡地(福島県郡山市)
豊羽鉱山石山堆積場跡地
(北海道札幌市)
2012 ~ 2018年度の7年計画の中で、植
豊羽鉱山の堆積場跡地を自然環境景観
林や既整備地の維持保全を行うこととして
林として整備するため、自生したシラカバの
います。2014年度は、前年度に地拵を実施
間伐と、間伐地への植林作業を行っていま
した場所(1.5ha)に、広葉樹(クリ・ケヤキ・コナラ・ヤマザクラ)
す。これらの整備活動は、跡地周辺の町内会からの要望に応える
の苗木を3,000本植樹しました。また、これまで植樹した地域の下
ためのもので、2014年度は、景観維持のための除草・集草や、立
刈り
(1.6ha)
や、次年度の植樹のための地拵
(1.2ha)
も実施しまし
木伐木作業などを行いました。
じごしらえ
た。同地ではこれまで10年間、森林整備活動を続けています。
高玉鉱山について
豊羽鉱山について
1914 年に買収し、日本を代表する金属鉱山として、インジウム・
1918 年に買収した後、1976 年に閉山するまでの間、金などを産
亜鉛・鉛・銀などを産出しましたが、2006 年、鉱量の枯渇により閉
出しました。現在は、グループ会社の新高玉鉱業が管理しています。
山しました。現在は、札幌市民の上水道となる豊平川に隣接してい
ることもあり、2011年に100 億円を投じて坑廃水処理施設を建設
大江鉱山跡地(北海道余市郡仁木町)
し、排水の徹低した管理を行っています。
同地では2008 ~ 2012年度まで5年計
画で整備活動を行い、良好な結果を得たこ
亀田鉱山跡地(北海道函館市)
とから、2013 年度からさらに5 ヵ年計画で
2007 年 度より植 林 活 動を続けていま
活動を行っています。2014年度は、アカエゾマツの苗木約4,700
す。2007 ~ 2011年度までの4年間に、約
本の植樹を行ったほか、地拵(2.4ha)を実施しました。
大江鉱山について
1915年に買収した後、1984年に閉山するまでの間、マンガン、
14.52haに約 31,300 本の苗木を植えまし
た。2014 年度は、植林した苗木の下刈作業(11.52ha)を行った
ほか、野そ駆除作業(14.52ha)も行いました。
金、銀、銅、鉛、亜鉛を産出しました。現在は、北進鉱業が坑廃水
亀田鉱山について
の処理を行っています。
1915 年に買収した後、1919 年に事業を休止。稼働期間中に
金、銀、銅を産出しました。
61
JX Nippon Mining & Metals Corporation Sustainability Report 2015