大学名 神戸大学経済学研究科 表 題 兵庫県中山間地域での多角的地域連携事業 概 要 兵庫県多可町「菜の花エコプロジェクト」と「ASABANプロジェクト」を支援する地域連携事業 2005年11月に兵庫県の中山間地域(多自然居住地域)加美町、中町、八千代町の「合併」により「多可町」が発足しまし た。本事業は、多自然居住地域の課題を明らかにするため、2007年、08年の2か年におよぶ集落への訪問調査から始まりま した。経済社会政策(藤岡)と経済地理学(中川)を専門とする研究者と大学院生・学部学生による調査の中で、「新しい取り組 み」への意欲を示された「多可町加美区の観音寺集落」と「八千代区の門脇織物」において、それぞれの「6次産業化」への 挑戦を支援することから、神戸大学と地域との連携が始まっています。 観音寺集落では、神戸大学学生サークル「学生流むらづくりプロジェクト『木の家』」(顧問:藤岡 秀英) 八千代区中野間集落の「ASABANプロジェクト」では、経済学部藤岡 秀英ゼミナールが、主として携わってきました。 本事業に関する学術的成果:山岡 淳 , 藤岡秀英, 貴志 匡博 , 中川 聡史:「多自然地域における逆流人口移動の現状と課題 : 神戸大学経済学研究科と兵庫県多可町の協力協定にもとづく調査研究より 」,國民經濟雜誌 203(3), 39-56, 2011-03。 ならび、藤岡 秀英「兵庫県多可町における地域連携事業の実践と大学教育としての意義」,国民経済雑誌209(6),25-41, 2016—06。 平成26年度現在、「藤岡ゼミ」「学生流むらづくりプロジェクト木の家」と多可町地域住民との連携により、 「多可町菜の花エコプロジェクト」「ASABANプロジェクト」が地域産業として着実な成果を上げ始めていま す。これらの事業をさらに発展・展開させ、雇用を生み出し、人口減少に歯止めをかけることが主たる目的です。 以下、本事業の目的と成果を整理いたします。 (1)2つの事業を通じて、営農組合、ASABANプロジェクトへの参加者と神戸大学の大学院生、学部学生が交流 を深め、協力することで「地域雇用につながる事業展開」を目指しています。 (2)大学院生、学部学生にとっては、地域コミュニティのなかで活動することで、さまざまなリベラルアーツを 習得し、とくに「6次産業化」をめぐる具体的な困難、課題についての研究に取り組む舞台となりました。研究成 果として、以下の論文があります。 修士論文:魏 然 「内発的発展理論と里山資本主義思想による地域再生の可能性」 学部卒業論文:村上眞矢 「日本農業の6次産業化の活路と農協の存在意義」 (3)兵庫県姫路市夢前町小畑集落からASABANプロジェクトへの参加申し出があり「亜麻の栽培」が試みられ ました。 (4)3年以上無農薬、無肥料により「亜麻」を栽培してきた農地に稲作(品種「キヌムスメ」)を行ったとこ ろ、食味検査で87ポイントと高い評価を受けました。この米を「亜麻の舞(米)」と名づけ、多可町八千代区 で、稲作の裏作として「亜麻の栽培」を宣伝・普及を始めました。 (5)亜麻の種を使った「ケーキ、パン」の製造、販売と、「亜麻の繊維から織物の製造」も軌道に乗りつつあり ます。 5月「亜麻の花祭り」でのボランティア 6月 亜麻の舞(田植え実習) ASABANプロジェクトの製品 2013年11月『木の家』のログハウス竣工式 URL http://kinoieproject.jimdo.com/ http://www.asaban.jp/project.htm 「学生流むらづくりプロジェクト『木の家』」 ASABANプロジェクト(門脇織物) http://www.econ.kobe-u.ac.jp/~fujioka/sub3.html 藤岡研究室
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