医療薬学実習 Practice in Pharmaceutical Care(1単位) 【担当研究室】 実務薬学 臨床教育 高齢者薬剤学 薬 学 科3年次後期 必修 薬科学科3年次後期 選択 分子心血管薬理学研究室 【授業概要及び目標】 (授業概要)本実習では、薬剤師業務の実践、薬物動態解析演習、医療トピックスについての思考的実 習、フィジカルアセスメント・トレーニング、模擬症例(患者)に必要な医薬品情報の検討と適切な情 報提供トレーニングを行う。 (目的・目標)薬剤師として医薬品を適正に使用するためには、医薬品の製剤上の特徴、臨床上の使用 方法、医薬品併用時の注意事項、副作用の回避方法、客観的な患者データなどを熟知し、患者さんに対 して適切に服薬指導することが求められる。本実習は、臨床薬剤師としての基礎的事項を修得する目的 として、処方せん授受から服薬指導までの流れに関連した、薬剤師職務上必要とされる基本的知識、技 能、態度を修得することを目標とする。 三年次後期 【授業計画及び授業内容】 回 項 目 <授業方法> 授 業 内 容 1 実習概要 <講義> 臨床薬剤師としての基本的な項目を理解するため、実習の目 的、一般的注意、実習に必要な基礎知識の解説。 2 薬剤師業務の実践 <実習> (1)与えられた処方せん中で指示された錠剤、カプセル剤な どを用いて実際の剤形には色々な大きさ、形があり、剤形ご こと特徴があることを理解する。さらに、処方薬の多い患者 にとって間違いなく服用することの困難さを体験し、正しく 服薬するための方法を討議する。 (2)注射剤を投与するための様々な器具について理解する。 また、実物を用いてそれぞれの特徴や工夫などを理解し、注 射剤の適正使用には何が必要かを討議する。 3 薬物動態解析演習 <講義・演習> TDM の概略を復習し、薬物血中濃度解析装置を用い、模擬血 液サンプル中の薬物濃度を測定・解析し、薬物療法における 薬物動態解析の重要性を理解する。 142 4 医療トピックに基づいた思考的実習 注目される医療トピックに関して、薬剤師・薬学研究者とし <講義・SGD・実習> ての役割を模索することで、批判的及び賛同的な思考能力、 問題解決能力、意思決定能力を養成する。具体的には、小グ ループに分かれ、各テーマの問題点等の情報を収集・評価す る(SGD)。さらに、グループ毎に見解を述べ、能動的情報提 供の発表の仕方を修得する。 5 フィジカルアセスメントトレーニン フィジカルアセスメントは薬剤の副作用や効果の確認に役 6 グモデルを用いた客観的患者データ 立つため、薬物治療を安全かつ効果的に行う上で薬剤師にも の収集、解析及び活用方法 必要な技能である。本実習では、バイタルサイン(血圧、脈 <演習> 拍、呼吸等)の取り方とシミュレーターを用いた胸部・腹部 の聴診方法を習得する。また、血圧・脈波検査や心電図検査 の意義や読み方についても理解する。 7 模擬患者に対する医薬品情報の適用 (1)与えられた症例と処方せんに対し、まず用法・用量が適 8 <演習・SGD> 正か、禁忌症に該当する疾患を罹患していないか、医薬品相 互作用が生ずる組み合わせの有無等の処方鑑査を行う。さら に、鑑査により得られた問題点について検討し、処方を完成 させる。 【授業外学習】・授業前に課題を課すことがある。十分に予習してから授業に臨むこと。 ・各授業後には、授業内容を振り返り、各自で整理して理解度を確認すること。また、 適宜レポートを課す場合がある。 【キーワード】スモールグループディスカッション(SGD) 、薬剤師業務、薬物動態、フィジカルアセ スメント、服薬指導、医薬品情報提供、医薬品の適正使用 【教科書】実習用プリントを配布する。 【参考資料】日本医薬品集、服薬指導集、MEDLINE 等 【評価方法・基準】レポート(50%)および技能達成度(50%)により総合的に評価する。 原則として実習時間の5分の4以上の出席が必要である。 履修開始時に配布する評価基準に基づき各評価を実施する。 143 三年次後期 (2)(1)で与えられた症例を基に、学外の模擬患者さんに対し 服薬指導を行う。具体的には、服薬コンプライアンスの確保、 有効性・安全性のモニタリングおよび副作用の重篤化の防止 を目的に、模擬患者さんと対話し、患者さんの抱えている薬 物治療上の問題を解決する。また、薬物治療の必要性や薬剤 の適正な使用方法を指導する。
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