金融機関等防犯カメラシステムの設計基準・解説 2 本基準の利用にあたって 本基準は、 平成 16(2004)年 1 月 30 日に当協会が策定した平成 16 年基準の改訂版である。 また、平成 16 年基準は、公益財団法人 金融情報システムセンターが策定する「金融機関 等コンピューターシステムの安全対策基準・解説書(以下、安対基準)」からも参照されて いる。そのため、本基準は安対基準との整合性を同時に保っている(参照:附属書 L) 金融 機関等コンピューターシステムの安全対策基準・解説書との対比) 。 また、本基準は、防犯カメラシステムの設計時(計画立案、機器選定) 、及び防犯カメラ システムの設置時等に使用することを想定して作成している。本基準の利用にあたっては、 以下の点に留意し、効果的な利用を期待する。 2-1 防犯カメラシステムの設計時 防犯カメラシステムの設計時には、まず、対象となる金融店舗にどの防犯部位が存在す るかを確認する。金融店舗に防犯部位が存在した場合、設計基準にある基本機能・撮影機 能の各項目にある機能を持つ防犯カメラを選定する。 次に、プロット図などを用いて、それぞれの防犯部位で要求している画角を満足できる ようにカメラ配置を検討する。防犯カメラの配置が決まれば防犯カメラ台数を合計したう えで、設計基準にある基本機能・記録機能の各項目にある機能を持ち、設置すべき防犯カ メラが接続可能なデジタルレコーダを選定する。このとき、記録機能で要求する記録レー ト・画質、及び記録期間から必要なハードディスク容量を計算し、十分な容量を持ったデ ジタルレコーダを選定する。RBSS 認定された機器であれば、当協会 HP から RBSS 画質 を満足する画質設定値を確認できる。 また、設計時には照明条件について配慮する必要がある。一般的に夜間は営業を休止し て無人となっている金融機関における夜間の建物内防犯は、専ら警備業者等が行う施設警 備委託を行っている。しかし、夜間でも利用される可能性のある夜間金庫・駐車場、外周・ 通用口、ATM の各防犯部位では何らかの配慮が必要である。例えば、照明条件が変化した 環境下においても撮影可能な防犯カメラを使用したり、人感センサーと連動する照明を追 加したりするなどして、設計基準にある基本機能・撮影機能・記録機能を満たす必要があ る。特に屋外設置の防犯カメラにおいては、警察庁策定の「安全・安心まちづくり推進要 綱 別紙1(道路、公園、駐車場・駐輪場等の整備・管理に係る防犯上の留意事項) 」を参 照し、適切な照度を確保する必要がある。 7 金融機関等防犯カメラシステムの設計基準・解説 設計開始 どの防犯部位があるかを確認 基本機能 部位別照明条件の検討 要求を満足する防犯カメラの選定 撮影機能 設置目的と画角の選定 基本機能 要求を満足するデジタルレコーダを選定 記録機能 設計終了 図 2 防犯カメラシステムの設計フロー 2-2 運用規定作成時 防犯カメラシステムがもつ本来の性能を発揮できるかどうかは、運用如何によって左右 される部分が大きい。そのため、防犯カメラシステムの設計と同時に、運用規定を作成す る。既存の運用規定がある場合は、今回導入する防犯カメラシステムが既存の運用規定で うまく運用できるかを確認し、不十分な個所は追加・修正する。 また、本基準には 3-4 運用に関する留意事項 を設けており、運用時に留意すべき項目を 列挙した。既存の運用規定がある場合は、本規定の運用時に留意すべき項目が既存の運用 規定にすでに盛り込まれているかを確認し、不十分な個所は追加・修正する。 2-3 防犯カメラシステムの設置時 防犯カメラシステムの設置時には、設計どおりの画角で防犯カメラを設置し、設計どお りの画質で記録できるように各種機器の設定を行う。このとき、当協会が作成した評価チ ャートを使用する。評価チャートの使用方法については、附属書 C) 防犯カメラシステム評 価用チャートと画角について、を参照のこと。 2-4 防犯カメラシステムの運用時 防犯カメラシステムを運用する際は、必ず運用規定に沿って行う。特に、記録データの 保全、犯罪捜査への協力のために警察等への記録データ提供、整備・点検・保守等は、運 用規定に沿った運用が必要である。 8
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