淀川のシジミとカニに歓声

淀川のシジミとカニに歓声
花川干潟生き物観察会
5 月 9 日土曜日、淀川の花川干潟で「花川干潟生き物観察会」が開かれました。あいにく小雨が心配された中での実
施となりましたが、何とか最後まで降り出さず無事終了しました。
このイベントは、日本NPOセンターと東京海上日動火災保険株式会社が推進している環境保全活動「GreenGift プ
ロジェクト(GGプロジェクト)
」の一環で開催されたものです。
主催はシニア自然大学校と西淀自然文化協会。
先着 50 人で募集したところ、120 人もの応募が殺到。急遽、枠を 70 人に拡大実施となりました。当初のスタッフで
は人手が足りず、30 人を超えるスタッフや関係者が参加者を指導したり見守ったり。自然大学校からは、環境科とそら
組から 12 人程の参加で、総勢 100 人を超える観察会となりました。花川干潟は、JR塚本駅よりJR沿いに大阪駅側に
徒歩 5 分ぐらいの所です。
この日のメニューは、淀川クイズ、淀川のシジミ探しとカニ探し、花川干潟のごみ拾い、そして花川干潟の“お土産
つくり”と“一口感想”でした。
曇り空のおかげで、熱中症の心配は和らぎましたが、水辺は危険がいっぱい。ケ
ガだけでなくセアカゴケグモの生息にも気を付けるようにとの注意もありました。
淀川クイズで「淀川の水はどこから流れてくる?1.富士山、2.琵琶湖、3.
六甲山 どれ?」すかさず参加の子どもが「富士山!」
。大爆笑がおこり、これから
の観察会への期待が一気に膨らみました。
アシハラガニ かも
残念なことに、開催の時間はまだ満潮、干潟はほんの少しだけ。それでも、カニ
とり名人が多いのか、次から次へとカニを捕まえます。シジミも次々とほりだして
いきます。子どもたちは、最初はこわごわでしたが、時間と共にどんどん水に入っ
ていきました。どこからか「お母さんぬれちゃったー!」歓声が。目をやるとお尻
のあたりがずぶ濡れになった女の子が笑顔で水から出てきます。
カニはほとんどがクロベンケイガニだったようですが、アシハラガニやスナガニ
クロベンケイガニ
もいたようです。詳しい同定は行われませんでしたのではっきりしません。代わり
にシジミコドラート調査(写真注釈参照)が行われました。驚いたことに、カレイ(イ
シガレイかもしれない)の7cm程度の稚魚をゲットした家族もいました。
お土産の工作はシジミ人形作り。あらかじめ用意されたシジミの貝殻に目をつけ
たり、飾りをつけたり。思いがけないお土産作りを楽しみました。
まとめや記念の集合写真を含め、
わずか 2 時間の間に盛りだくさんのメニューに、
参加した皆さんは満足だったことでしょう。さすがシニアの手際よさ。参加者の家
シジミ
族の中には手には収穫のシジミがいっぱいの人も。
「このカニ持って帰っていい?」
お父さんは「だめ、逃がしてあげなさい。
」最後に不満を口にしていた子どももいま
した。
観察会のリーダーの村瀬りい子さん(淀川管内河川レンジャー、シニア自然大学
校環境科)
は、
終わりのまとめやスタッフの反省会で、
「淀川の環境は随分改善され、
生き物が多く戻ってきています。ここは、西淀川の宝物いっぱいの場所です。しか
カレイの稚魚 イシガレイ かも
し、ご覧のようにゴミもいっぱいあります。外来種のはびこりもすさまじく、大変
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な状況にあることにも関心を持つことも忘れないでください。
」と呼びかけていました。
「水辺は危険です、今日 3 人が
擦り傷など絆創膏を使う怪我が報告されました。解散した今も、近くで転倒した叫び声が聞こえました。子どもは生き
物がいると水際でも楽しく遊びますが、良いことだけではありません。あらゆることを想定して行動し、参加者をサポ
ートする心構えが大切です。
」
村瀬さんの活動姿勢は自然大学校の活動姿勢をそのまま表しているのではないでしょうか。
次回、7 月 25 日には矢倉干潟観察会が計画されています。参加者への案内と、スタッフへの協力要請がされていまし
た。その時はきっと炎天下の観察会になります。村瀬さんは、熱中症の対策保険が利用しづらい事の懸念も話されてい
ました。東京海上日動火災保険株式会社の皆さんにも、きっと伝わったことでしょう。
GGプロジェクトは全国 16 か所で行われています。プロジェクトを一括で管理している日本NPOセンター企画部
門のスタッフがわざわざ東京から前泊で参加されました。
翌日 10 日には札幌で同様
のイベントがありこの日終了と共に移動するとの事で、機会があれば札幌の様子も
聞いてみたいものです。
(広報 芳澤)
一言感想より抜粋
・たくさんかにがいてびっくり。はさみで頭をかくしぐさがかわいい。また来たいです。貝もたくさんでし
た。
・身近な自然にふれることができ、親子で楽しい時間が過ごせました。有難うございました。
・保育所の時のお友だち達と初めての潮干狩りをし、楽しかったです。孫はかに捕りや水遊びをしたこ
とが楽しかったみたいです。
・子どもたちの楽しそうな姿を見れて良かった。また、淀川が年々きれいになってきている。
・いろいろなお話が聞けて勉強になりました。楽しかったです。有難うございました。
・おみやげの人形、かわいらしく作れました。
・しじみを見つけるのは大変でしたが、子どももとても楽しそうで良かったです。
・カニ獲りクラフト等、こどもも大満足でした。引き続きこのような取り組みには積極的に参加させていた
だきたいと思います。
・大きなごみがあってびっくり!カニはとれなかったけど、シジミがいっぱいでたのしかったです。
・本日は楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございました。淀川にしじみがいるといううわさは
聞いていましたが、実際に見つけることができ感激でした。すばらしい体験となりました!
・赤ちゃんガニが見つかって良かったです。
・淀川にもたくさんの生き物がいてびっくりしました。また参加したいです。
・かにをみつけてたのしかったです。しじみもみつけました。うれしかったです。
・じぶんでかにとれてうれしかった
・しじみをとったのとおみやげをつくったのがたのしかった。
・たのしかったよ。みずがいっぱいついたけどたのしかったです。
・いきているしじみがたくさんみつかったとき、うれしかった!
花川干潟のごみ拾い
僅かな時間にたくさんのごみが回収
できました。
左:一言感想を皆に披露しています。 右:自転車を掲示板に工夫して、一言感想を掲示しています。
花川干潟のお土産つくり
シジミの貝殻にひもを通して、ストラ
ップ風にしたものがあらかじめ準備さ
れ、参加者は目や飾りをその場で取
り付け、お土産としました。
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コドラート調査
調査地に一定の面積の正方形を通
常複数設け、その内部の生物につい
て調査する手法のこと。ここではシジ
ミに関して、50cm×50cm の広さで行
われた。写真は、体験を重視し、枠外
で自由に採取されたものも含めて並
べられています。