研究室探訪 部・サークル紹介 退職教員からのメッセージ

研究室探訪
エビデンスに基づく看護技術の発展を目指して
その町の景観を分析すること
保健福祉学部 看護学科
デザイン学部 デザイン工学科
教授 荻野 哲也
准教授 西川 博美
荻野研究室では、様々な看護手技に伴う生体の変化を計測し、効果を客観的
岡山県で言えば、倉敷や高梁など、町家が軒を連ねた古い町並みが残された
に評価することで、有効かつ安全な看護技術の確立を目指して研究を進めてい
風景は、いま日本において高く評価されるようになっています。それらの多くは、
ます。具体的には、1:超音波診断装置を用いて皮静脈を計測することにより、
さまざまな保存事業によって景観が保存され維持されています。それは日本だ
静脈怒張法の効果を検証する、2:看護介入に伴う対象者の自律神経活動の変化
を、手掌発汗や心拍変動で評価する、3:圧力センサを用いて体圧分布を計測す
ることにより、褥瘡などのリスクを評価する、などです。最近の成果としては、
静脈穿刺の際に効果的に血管を怒張させる方法について検討を加え、以下の結
果を得ました。1:血圧計のマンシェットを用いて駆血した場合、駆血圧60
mmHg、駆血時間30から60秒が最も効果が高く、不快感も少ない [1] 。2:駆血
に加えてさらに静脈怒張を高める方法として、対象の皮静脈を軽くたたくタッ
ピング法は、道具を必要としない簡便な方法であるが有効である [2] 。3:市販の
加温器具を用いた温罨法を用いると、更に強い静脈怒張が得られる [3] 。これらに
加え、主観的に評価される静脈怒張の程度と相関する客観的な指標も解明し、
今後の研究に有用な情報となることが期待されます [4]。今後も看護過程の有効性、
けではありません。近年では、こうした町並みとその景観の保存は、世界の多
くの都市で見られます。ヨーロッパの歴史的な街区はもちろんですが、アジア
各地でも町家と同様の家屋が連なる町並みの景観が評価され、保存されるよう
になっています。しかし、その景観はその土地の風土や気候によって少しずつ
違いが見出されるのです。じつは、そこが興味深いところです。
私の研究室では、その違いをそこで暮らす人々の生活様式、あるいはそこで
の支配関係、産業の構成など多面的な要素から歴史的な視点により解き明かそ
うと調査を進めています。
多くの観光客が、古くから続く町並みを訪れ、そこで美味しいものを食べ、
お土産物を買い、記念撮影をして帰って行きます。でも、その魅力の本質はそ
の景観にこそあるのです。今度、みなさんがこうした町に訪れた時は、漠然と
通りを歩くのではなく、町や家々や、それをとりまく環境を、じっくり観察し
安全性を客観的手法で確立することで、看護技術の発展を目指します。
て分析してみてください。
文献
1: Sasaki S, et al, Acta Med Okayama. (2012), 66:67-71.
2: Ichimura M, et al, Acta Med Okayama, in press
3: 佐々木新介、他、日本看護技術学会誌、第 12 巻,14-23 頁,2014 年
4: Ichimura M, et al, Int J Nurs Pract. (2014), doi:10.1111/ijn.12313.
添付写真
写真1.ベトナムハノイ旧市街の町並み
写真2.ハノイ旧市街のショップハウス実測スケッチ
写真3.ハノイ旧市街のショップハウスの変遷を分析
図の解説
図 1 /超音波診断装置を用いた皮静脈の観察。
図 2 /静脈断面積、静脈の深さ、皮膚の隆起などを計測。
写真 3
図1
写真 1
図2
写真 2
部・サークル紹介
岡山県立大学では体育系の部・サークルが 24 団体、文化系の部・サークルが 27 団体活動しています。
体育系と文化系からそれぞれ 1 つずつ紹介します。
ハンドボール部
ボランティア部 ひまわり
ハンドボール部は2年前にできたばかりの部活です。それでも、部
員数が少なく満足に練習もできないなか、平成26年度に行われた中
四国秋季学生ハンドボール大会において3勝0敗で見事優勝し、3部
リーグ昇格が決定しました。今年の中四国春季学生ハンドボール大会
では、2部リーグ昇格を目指して日々練習に励んでおり、これからも
活発に活動していきたいと思います。
また、ハンドボール部では岡山県で行われる小学生のオフィシャル
のボランティアや社会人の大会に積極的に参加するなど、岡山県のハ
ボランティア部ひまわりです。その名の通り、ボランティア活動をしている部活です。
「ボランティア部ひまわりはどんなボランティア活動をしているの?」と思っている皆様!ここでボラン
ティア部ひまわりの活動について紹介します。部員は、約70人です。
岡山県立大学の部・サークルの中では一番多いとかそうでないとか…。そんな多くの部員が岡山県内の
様々なボランティアに参加させていただいています。ボランティアにも種類があり、管理職・専門職に就
いて活躍されている女性の方々と素麺を配ってみたり、障がいのある方と一緒にカフェをしてみたり、と
ても楽しく貴重な経験をすることが出来ます。
「ボランティアはしてみたいけど、他の部活も気になる」なんて方も大丈夫です。なぜなら、ボランティ
ア部の活動は、水曜日のお昼休みだけだからです。条件などにもよりますが、そこで紹介されたボランティ
ンドボール界の活性化にも貢献
アの中で興味があるものに自由に参加できます。ほとんどの部員が兼部しており、二つ三つの部活に入っ
しています。
ているという人もちらほら…。
ハンドボール部はまだまだ人
数が少ないので、少しでも興味
のある方は初心者でも経験者で
も大歓迎ですから、ぜひ1度見
学に来てください。
ボランティアを通して多くの方々と出逢い、お話をして、関わ
るなかで沢山のことを学び、考えることが出来ます。その経験は、
私たちに様々な成長をもたらしてくれていると感じます。そんな
活動を一緒にしてみませんか?興味のある方は、ぜひ部活をのぞ
きに来てください。部活は水曜日のお昼休み(12:00 ∼ 12:30)です。
お待ちしています。
退職教員からのメッセージ
保健福祉学部 栄養学科
山本 耕一郎 教授
(H10 年 4 月∼ H27 年 3 月)
棚に残った4本のシャン
パ ン グ ラ ス は 赴 任 当 時、
学部長の「研究は酒席で
の自由討論から」との考えで毎週のように鍋を
囲んだ時代の名残。いつかまた使われんことを。
情報工学部 スポーツシステム工学科
西山 修二 教授
(H18 年 10 月∼ H27 年 3 月)
Sir Arthur Conan Doyle(1859 ∼ 1930)
の有名な言葉があります。
“It has long been an axiom of mine that
the little things are infinitely the most
important.”
何事においても、成功するためには、些細なことを軽視して
いては成就できません。論文の査読をしていて、論文の最後
に位置している参考文献の記述にミスが目立つ論文は、本文
にも見落としがありがちです。些細なことに繊細に気配りで
きている人は、大きな過ちがないものです。
デザイン学部 造形デザイン学科
桑野 哲夫 教授
(H19 年 4 月∼ H27 年 3 月)
「絵ゴコロ」で、いろんなモノを
観て感性を磨こう。「遊びゴコロ」
で、好奇心を持って、いろんなと
ころへ出掛けよう。「デザインゴ
コロ」で、好きなモノへの愛情を
伝えよう。
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