第1学年通信 第3号 - 愛知産業大学三河高等学校

愛知産業大学三河高等学校
第1学年通信
第 3 号(担当:武藤龍一郎)
平成27年6月2日(火)
~あたりまえのことを人には真似できないほど一生懸命やる~
6月の行事予定
6月1日
月
全校朝礼
4日
木
常任委員会(16:00)
月訓『
6日 土
普通科Ⅰ類・Ⅱ類土曜講座⑤
7日
日
第 1 回実用英語技能検定、第2種電気工事士
8日
月
遅刻0週
11日
木
歯科検診(全校)
12日
金
現況報告会
13日
土
第1回漢字検定、西三河地区リーグ(サッカー)
15日
月
1年朝礼
誠実
』
19日 金
計算技術検定
20日 土
数学検定、普通科Ⅰ類・Ⅱ類土曜講座⑥、秘書検定、西三河地区リーグ(サッカー)
21日 日
珠算・電卓実務検定試験
22日 月
全校朝礼
26日 金
情報技術検定
27日 土
西三河地区リーグ(サッカー)
28日 日
簿記実務検定試験
29日 月
29日~7月3日まで1学期期末試験
スマホが学力に与える影響とは?
皆さんは一日にどのくらいスマホを利用しているだろうか??デジタルアーツ株式会社の調査結果によると、
携帯所有者における1日あたりの平均使用時間は、小・中・高校生全体で 3 時間である。小学生(4~6年生)で
は男女ともに1.5時間、男子中学生は1.8時間、女子中学生は1.9時間、高校生になると長時間化し、男
子高校生が4.1時間、女子高校生が7.0時間利用していると報告している。高校生の平均は1日約5時間ぐ
らいである。ということは、高校生は1年間では約1825時間をスマホ利用に充てていることになり、高校3
年間では、約5475時間もの時間を費やしていることになる。この時間を日にちに直すと高校3年間で、22
8日もの間ぶっ通しでスマホを使用していることになるのだ。高校生活の約5分の1をスマホに費やしているっ
て結構すごいことだと思う。しかし、この5分の1に時間を費やしている活動が、残りの生活の5分の4の部分
にも何かしら影響を与えているとしたらどうだろうか?このことを考えると結構恐ろしい事実が見えてくるか
もしれない。ここで1つの興味深い研究結果を紹介したい。
2013年に宮城県の仙台市教育委員会と東
北大学加齢医学研究所の川島隆太教授が共同で
行った調査がある。これまで、成績が悪い生徒
は教育関係者の間で「スマホを長時間使用しい
て、勉強の時間がないから」と考えられてきた
のだが、この調査結果によると、家でしっかり
勉強している生徒でも、スマホを使用する時間
が長ければ、家で勉強しない生徒よりも学力が
下がっている傾向が現れたのだ。
右のグラフを見てみよう。横軸は「スマホや
携帯電話を使用する時間」で縦軸は「数学の成
績(仙台市標準学力調査のデータ)
」である。そ
れぞれのグラフは平日の勉強時間で区別してあ
る。どのグラフからも言えることだが、1日1時間以上スマホを利用すると、成績が下がる傾向が見て取れる。
平日に2時間以上家庭で勉強している生徒層に着目すると、スマホの利用時間が1時間未満の生徒の平均点が7
5点に対し、4時間以上利用する生徒の平均点は57.7点と17.3点の開きが出ているのだ。勉強時間が3
0分未満の生徒層では、スマホの利用時間が1時間未満の場合が、63.1点であり、スマホを4時間以上利用
する生徒は47.8点と、15.3点の差がついた。つまり平日2時間以上勉強をしてもスマホを4時間以上使
っていると、勉強は30分未満だが、スマホの利用時間が1時間未満の生徒の方が平均点は高いという結果が出
たのである。これは国語、理科、社会、英語でも同様の傾向があると、川島教授は報告している。
ではどうしてこのような結果が出てくるのだろうか?川島教授によると、テレビを見たり、テレビゲームで長
時間遊んだ後の30分から1時間ほどは前頭前野(記憶する、学習する、行動を抑制する、将来を予測する、コ
ミュニケーションを円滑にするなどの働きをする脳の部位)が麻痺したような状態になり、機能がなかなか回復
しない。この状態で本を読んでも理解力が低下すると推察している。
私もリブラ(岡崎市の図書館)やむらさき館で勉強することがしばしばあるのだが、皆と同じような高校生が、
スマホをずっとさわりながら勉強をしている光景を目にすることがよくある。時には勉強はそっちのけでスマホ
を使用しながら、スマホの合間に勉強をしていることも
あるのだが、この調査結果によると、こうした高校生は、
もしかすると、全く学習効果のない活動をずっと続けて
いることになるのである。高校生活の5分の1をスマホ
に充てているがために、5分の4の部分だけでなく、も
しかすると、志望校に入れない、資格が取得できないこ
とから、その後生涯に亘って何かしら予期しない影響が
あるかもしれないのだ。ここで先生が言いたいことは、
「今後一切スマホ・携帯を禁ずる!!」ということでは
ない。グラフからもわかるのだが、実は、全くスマホを利用しない生徒より、1時間未満でスマホを利用する生
徒の方が若干数学の成績がよいことがわかる。うまくスマホと付き合えば、全く使わないより成績に対するプラ
スの効果があるかもしれないのだ。だから、勉強時間を多くしても、スマホのやり過ぎにより学習効果が低くな
る可能性があるというリスクを把握した上で、スマホを適切に使用する方法を考えていくことがとても必要だと
思う。
第4号の発行予定は7月1日(水) 担当は阪口清健先生です。お楽しみに!