三寒四温という言葉のとおり、厳しい寒さも本当に少しずつ少しずつ和らぎ

三寒四温という言葉のとおり、厳しい寒さも本当に少しずつ少しずつ和らぎ、光の中に
春の訪れを感じさせるような季節となりました。
本日ここに平成26年度第50回卒業式を挙行するに当たりまして、東京都議会議員の
大場やすのぶ様、塩村あやか様を始め、設置者を代表して東京都中部学校経営支援センタ
ー経営支援室統括学校経営支援主事の根本浩太郎様、ご来賓として国際ロータリークラブ
(世田谷南地区)の三田正博様、日本体育大学学生支援センター副センター長の横山順一様、
同窓会長の中澤信一様、PTA会長の塚原(ひろ)裕子様を始めとした役員の皆様のご出
席を賜りましたこと、さらには保護者の皆様方のご参列を頂きましたことに、高い所から
ではございますが心より御礼申し上げます。
さて、ただいま呼名された168名の3年生の皆さん。ご卒業おめでとうございます。
皆さんが、この深沢高等学校に入学した3年前の4月9日(月曜日)午前10時の東京
都の気温は16.5度、快晴でした。3年前の入学当時の姿に比べると、体も大きくなり、
精神的にもすっかり成長しました。保護者の皆様方も皆さん方の成長ぶりを大変頼もしく
思っていらっしゃることでしょう。
私が今年の3年生を見ていて感じたことは実に素晴らしい笑顔です。特に今年2月12
日(木曜日)のマラソン大会へ参加していた3年生の笑顔は飛びっきりの笑顔でした。普
段、練習をしていない3年生にとって、1・2年生と同じ距離を走ることは、きっと苦痛
だったと思います。しかし、その苦痛を越えて堂々と2位でゴールに入ってきた姿を見て、
私は「喜びに全身を震わせる」とは、このことを言うのだなと思いました。人生、嬉しい
ことや楽しいことを、たくさん味わえることは良いことだと思います。しかし時に辛く、
悲しく、せつないことが続いても、何かを成し遂げたときの充実感や達成感こそ、私は喜
びのある、幸せな人生だと思っています。マックスウェル・ウェルの「ミッキーと医学生」
でも明るいラグビー部員が入院したときに、元気な友人をやっかみ、花やケーキを捨てて
しまう場面があります。しかし看護士の勧めで大変、危険な手術をする少女に「試合に招
待するよ。」「アイスクリームをご馳走するよ。」「一緒に公園でボートへ乗ろう。」と
励ましの手紙を書き送るようになって、めきめき快方に向かい退院の日を迎えるという話
しです。実は、この少女は看護士の作り話だったのですが、ミッキーは、その後、医学部
に進むという物語です。この物語は「人間は自分以外の人のことを一生懸命に考えてあげ
ることでハッピーになれる」という看護士の話が、とても印象的だと思います。卒業を期
に「自分だけが楽しい人生から、人も自分も大変だが喜びの有る人生」へ切り替えてみま
せんか。
次に保護者の皆様、お子様のご卒業まことにおめでとうございます。心からお祝いの言
葉を申し上げます。思い出はつきませんが、この三年間、本校にご理解とご協力を賜りま
してまことにありがとうございました。今後のお子様の、ますますのご成長をお祈り申し
上げております。
最後に卒業生の皆さん、これからも健康が第一です。そして皆さん方の100万ドルの
笑顔、挨拶をぜひ、これからも続けてください。
皆さん方の前途を、お祈り申し上げまして私の式辞と致します。
平成27年3月6日
東京都立深沢高等学校
校長
星野 純一郎