スマート・ベータ: 年金基金等への2015年グロー バル調査の結果 当資料は、 ロンドン証券取引所グループに属する会社が作成した英文を 抄訳したものです。 ftserussell.com 目次 1 はじめに 2 主要テーマのまとめ 4 調査のバックグラウンド 6 セクション1:スマート・ベータの採用状況と今後 の見通しは、第一に地域、第二に資産規模が主 導する形となっている 14 セクション2:スマート・ベータ戦略は単独では 使われておらず、年金基金等の大半がそれらの 戦略を組み合わせることに重点を置いている 22 セクション3:外部の運用会社がスマート・ベー タの検討プロセスに影響を及ぼす一方で、内部 の運用担当者、CIO、 コンサルタントの3者が、意 思決定や資産配分のモニターに責任を負って いる 27 セクション4:年金基金等の間では、 スマート・ベ ータの戦略的な利用と戦術的な利用が明確に 区別されている 32 対応が求められるスマート・ベータのその他の トピックに関する調査回答者からのフィードバ ック 34 巻末資料 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 はじめに 「スマート・ベータ」が初めて繰り返し使われるようになった時 期を振り返ると、時価総額と運用スタイルを区別した1980年代 まで ることができます。 スマート・ベータのアプローチはその 時期に投資ツールとして登場し、今後もなお引き続き投資業界 に変革をもたらし、影響を及ぼすだろうことは間違いありませ ん。 「スマート・ベータ」は現在では、一般的に2種類のエクスポ ージャ、すなわち戦略ベースとファクター・ベースのエクスポー ジャに分類される、幅広い投資戦略を定義する用語として頻繁 に使われています。 戦略ベースのエクスポージャはここ数年 間で非常に注目されるようになっていま す。同エクスポージャは概して非時価総額 加重であり、均等加重指数やファンダメン タル加重指数がそれに該当します。 ファク ター・ベースのエクスポージャは、モメン タムや低ボラティリティといった似通った 特徴を持つファクターを捉えて、 システマ チックにリターンを獲得する源泉になる ことを目指しています。 こうしたスマート・ ベータ指数を用いたパッシブ運用商品 は、特定の市場セグメント、ポートフォリ オのリスク、投資理念に合わせて、投資家 がエクスポージャを調整するための新た な方法を提供しています。 FTSEラッセルは、 スマート・ベータの認識 度や採用のグローバルな動向に関してさ らに理解を深めるため、反響が大きかっ た2014年の調査の続編として、年金基金 等の機関投資家(以下、 「年金基金等」 と 表記)への2回目の調査を2015年に入っ て実施しました。前回の調査と同様に、 さ まざまな規模の運用資産総額(AUM) を 有し、 スマート・ベータを検討する異なる 段階にある年金基金等を意識的に選び 出し、 その株式投資の意思決定者に回答 をお願いしました。 その結果をもとに、 ま すます支持されつつあるスマート・ベー タについてのさらなる洞察や、投資家が これらの戦略を検討し、ポートフォリオに 組み入れる際の主な留意点をまとめたの が本報告書です。 今年の調査に盛り込むのをやめた質問 の1つに、 「スマート・ベータ」 と呼ばれる このアプローチに適した呼称に関するも のがあります。別の呼称も数多く提案され ていますが、 どれも広く受け入れられてい ないのが実状です。 また、提案されている それらの呼称が抱える問題の1つは、例え ば「ファクター指数」や「非価格加重指数」 のように定義が狭くなりすぎる傾向があ る点です。 これに対して、 「スマート・ベー タ」は体系的な戦略やエクスポージャを 網羅しており、 それらは範囲が広くまた拡 大中であるため、広義の呼称を必要とし ているのです。 この呼称に対する一般的 な反論の1つに応えると、 「スマート・ベー タ」の「スマート」には、伝統的な時価総額 加重指数のファンドを運用する投資家が 賢明でないことを行っているというニュア ンスはないと、我々は認識しています。 ま た、呼称を巡る論争が投資家を教育する という真のニーズから逸れているのも確 かです。呼称ではなく、 これらの戦略の実 体に焦点を当てるべきだと我々は考えて います。 そうした傾向が意味のあるものだと推測 することには我々は慎重ですが、2015年 と2014年の調査結果には興味深い相違 点がいくつかあります。2014年には、 スマ ート・ベータ戦略に資産配分していると した調査回答者の40%が、 その配分を5 %以下にとどめていました。2015年にな ると、5%以下の配分にとどめている回答 者は24%足らずとなり、代わって10%以 上配分している回答者が55%に上りまし た。 もう1つの興味深い相違点は、 スマー ト・ベータ戦略を複数利用している年金 基金等の数です。2014年には、当社の調 査に回答した年金基金等の59%が2つ スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 以上の戦略を利用していました。2015年 になると71%が2つ以上の戦略を利用し ているうえ、 そのうち22%が4つ以上の戦 略を利用していることが分かりました。 こ れらの相違点は、 スマート・ベータ戦略へ の資産配分がますます増えているだけで なく、 ファクター・ベースや戦略ベースの 指標を複数組み合わせる動きがあること を浮き彫りにしています。 以上のような当社の新たな調査結果は、 年金基金等のあいだでスマート・ベータ 戦略を採用することへの関心が高まって いるほか、 さらなる教育、情報、助言が必 要であることを明確にしています。 スマー ト・ベータ指数は、年金基金等やそのコン サルタントが運用成果重視のポートフォ リオを構築する際の選択肢を増やし、柔 軟性を高めています。 しかし、選択肢が増 えて柔軟性が高まるということは、投資家 が正しい判断を行うよう努めるに当たり、 より一層の情報を必要とすることを意味 しているに他なりません。本調査の結果 が、 スマート・ベータ戦略の採用を検討さ れている投資家の皆様に何らかの知見を 提供するものとなれば幸甚です。 ロルフ・アガサー、CFA 北米、 リサーチ担当 マネージング・ディレクター ピーター・ガンソープ リサーチおよび分析担当 マネージング・ディレクター 1 主要テーマのまとめ スマート・ベータの採用状況と 今後の見通しは、第一に地域、 第二に資産規模が主導する形 となっている。 $10B+ 100億ドル以上のAUMを有する欧州の 年金基金等が、 スマート・ベータの採用 で先行している。 スマート・ベータのユーザーは、 自身の スマート・ベータ戦略に「満足」 あるいは 「大変満足」 していると回答している。大 半のユーザーは資産配分を増やす予定 であり、減らそうとしているユーザーは いない。 スマート・ベータ戦略を現在採用してい る年金基金等は、株式へのアクティブお よびパッシブな資産配分の一環として、 さまざまな規模の投資を行っている。 10億ドル∼100億ドルのAUMを有する 北米の年金基金等が、今後18ヶ月間にス マート・ベータを初めて検討する可能性 が最も高い。 2 平均すると、年金基金等は4つの異なる スマート・ベータ戦略を検討している。 92% スマート・ベータを検討したことはある が、資産配分は行っていない年金基金 等では、 「最良の戦略や複数の戦略の組 み合わせを決める難しさ」 、 「限られた運 用実績」 、 「投資メリットに関する疑念」 がその主な理由となっている。 そうした 年金基金等の92%はスマート・ベータ のモニターを続け、改めて検討する予定 である。 $1B – $10B 4 2つ以上のスマート・ベータ戦略を検討 している年金基金等のうち、1つの戦略 のみを選択する予定の年金基金等はほ とんどなかった。. 70% 年金基金等は複数のスマート・ベータ戦 略を検討しているだけではなく、70%以 上が複数のスマート・ベータ戦略を組み 合わせて利用している。 スマート・ベータを現在検討している年 金基金等のうち、実際に半分は資産配分 を行うだろうと考えており、残り半分は「 まだわからない」 と回答した。 スマート・ベータ戦略は単独で は使われておらず、年金基金等 の大半がそれらの戦略を組み 合わせることに重点を置いてい る。 スマート・ベータ戦略を現在検討してい る年金基金等は、すでにスマート・ベー タを採用している年金基金等と比較する と、複数ファクターの組み合わせやディフ ェンシブ戦略により重点を置いている。 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 スマート・ベータの組み合わせの一部と して最も使われている戦略は、低ボラテ ィリティと割安である。 内部の運用担当者とCIOがスマート・ベ ータ戦略の検討プロセスへの関与を深 めており、たいていはCIOが第一の意思 決定者となっている。 年金基金等の3分の1が、戦略的のみな らず、戦術的な目的で、 スマート・ベータ を利用しているか、利用を検討している。 1つのスマート・ベータ戦略のみを使っ スマート・ベータに戦略的な資産配分を ている年金基金等が選好しているのは、 ほとんどの場合「ファンダメンタル」 であ スマート・ベータへの資産配分をモニタ 行うに当たっては、AUMが10億ドル未 満の回答者のあいだでは上場投資信託 る。 ーし、調整する責任者は、回答者のAUM (ETF)へのニーズが高く、 また、100億ド によって異なり、 コンサルタント、内部の ル以上の回答者のあいだでは内部運用 外部の運用会社がスマート・ベ 運用担当者、CIOのいずれかとなってい への関心が高くなっている。 ータの検討プロセスに影響を る。 及ぼす一方で、内部の運用担 当者、最高投資責任者(CIO) 、 コンサルタントの3者が、意思 決定や資産配分のモニターに 責任を負っている。 年金基金等のあいだでは、 スマ ート・ベータの戦略的な利用と 戦術的な利用が明確に区別さ れている1。 スマート・ベータ戦略の戦術的な利用に おいては、全回答者の半分近くがETFを 選好している。 年金基金等は長期間(5年以上)にわた るスマート・ベータの戦略的利用に重点 外部の運用会社はスマート・ベータの議論 を置いている。 を始めており、 年金基金等が求めているス マート・ベータ戦略に関して信頼できる情 1 FTSEラッセルでは、戦略的な利用を長期的な資産配分として、 また、戦術的な利用をポートフォリオの短期的な調整として捉え 報を提供している。 ている。 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 スマート・ベータの投資プロセスをより 充実してサポートするために、 スマート・ ベータ戦略に適したベンチマークが必 要とされている。 3 調査の背景 本調査は2015年1月∼2月に実施しまし た。調査に回答した214の年金基金等 は、 北米 (61%) 、 欧州 (26%) 、 その他地域 (13%)から選びました。回答者の90% 近くが、株式投資アプローチを選ぶ直接 的な責任を負っているか、 アプローチを 選ぶチームに所属していました。 回答者にはさまざまな種類の組織を 含まれており、23%が企業や民間事業 者、22%が政府機関、14%が非営利団 体や大学、13%が組合や業界全体の年 金制度、残りが医療組織、保険会社、資 産家の資産管理会社、政府系ファンド でした。 回答者の65%が確定給付年金資産、38 %が確定拠出年金資産、17%が寄贈基 金や財団資産を運用していました。 ま た、回答者には、保険一般勘定を保有す る年金基金等、政府系ファンド、その他 の種類の制度組織も含んでいました。 AUM別では、回答者の29%が10億ド ル未満、33%が10億ドル以上100億ド ル未満、38%が100億ドル以上となり、 調査を実施したAUM別の各層にほぼ 均等に分かれました。本調査回答者の AUMを合計すると2兆ドルを超えるもの と推定されます。なお、回答者層の詳細 当社が本調査を実施した のは今年で2年目であり、 その傾向に関して論じる自 信を深めるべく3年分の調 査データを蓄積するまで、 前年からの変化点には焦 点を当てないことにしてい ます。 昨年の調査と比較すると、今年は北米の 回答者やAUMが10億ドル未満の回答者 が多くなっています。 「スマート・ベータ」は本調査の目的に おいて、伝統的な時価総額加重ではな い、指数ベースの投資戦略(すなわち、 ファンダメンタル加重、均等加重、 ファク ター加重、最適化など) として定義して います。 214のサンプル規模では、許容誤差はプ ラスマイナス7%、信頼度は95%です。本 報告書の全体にわたり、四捨五入の関 係か、いくつかの質問では複数回答が可 能であるため、百分率の合計が100にな らない場合があります。複数回答が可能 な質問は、該当する図表の脚注に注記し ています。 については巻末資料をご覧ください。 4 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 調査に回答した年金基金等は 以下の地域に所在しています: 61% 北米 26% 欧州 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 13% その他地域 5 1 スマート・ベータの採用状況と今後の見通しは、 第一に地域、第二に資産規模が主導する形とな っている。 100億ドル以上のAUMを有する欧州の回答者が、 スマート・ベータの採用で先行している。 今年の調査では、100億ドル以上のAUM を有する欧州の回答者の約70%が、 ス マート・ベータへの資産配分を行ってい ることがわかりました。 これは、北米の回 答者の約25%が資産配分を行っている のより高い水準となっています。 AUMが100億ドル未満の欧州の回答者 は、AUMが100億ドル以上の北米の回答 者と同程度スマート・ベータを採用して いるほか、 スマート・ベータへの資産配 分を行っています。具体的には、 どちらの グループでも25%近くが資産配分を行 っている一方で、3分の1が採用を検討し たことがあるものの、踏み切っておらず、 また、5分の1が採用を現在検討中です。 図表1 あなたの組織によるスマート・ベータの採用状況を最も良く表現しているのは次の内どれですか? 米国 21% 欧州 13% 21% 27% 40% 21% 68% 19% 14% 22% 19% スマート・ベータに資産配分している 検討はしたが、実施しないと決定した 現在スマート・ベータを検討中 今後18ヶ月以内にスマート・ベータを 検討する見込み 今後18ヶ月以内にはスマート・ベータ の検討は行わない見込み 14% 23% 18% 13% 16% 36% 32% 27% 23% 38% 25% 23% 7% 21% 15% 19% 5% 5% 18% 21% 11% 2% 全回答 10億米ドル 10億− 100億米ドル 未満 100億米ドル 以上 全回答 4% 10億米ドル未 100億米ドル 満−100億米ドル 以上 欧州:100億米ドル以上の標本数は19(望ましい標本数30を下回る) 6 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 10億ドル∼100億ドルのAUMを有する北米の回答者が、今後18ヶ月間にスマート・ベータを初めて 検討する可能性が最も高い。 年金基金等の過半数がすでにスマート・ ベータを検討したことがあるか、現在検 討中です。欧州では、 スマート・ベータ戦 略を検討したことがない年金基金等は 21%にとどまり、今後18ヶ月間に検討す る予定がない年金基金等は2%足らず です。 これに対して北米では、検討したこ とがないのは39%、今後18ヶ月間に検 討する予定がないのは23%となってい ます。 また、今後18ヶ月間にスマート・ベ ータを初めて検討する可能性が最も高 いのは、10億ドル∼100億ドルのAUMを 有する北米の回答者です。 います。一方、今後18ヶ月間に検討する 予定がある回答者は、 まだ検討していな い主な理由としてリソース不足を挙げて います。 今後18ヶ月間にスマート・ベータを検討 する予定がない回答者のあいだでは、 「 コンサルタントがそうした選択肢を提案 していない」 ことが一番の理由となって 図表 2 あなたがまだスマート・ベータ戦略の検討 「今後18ヶ月以内にスマート・ベータを を行っていない主な理由は何ですか? 検討する見込み」 とした回答者 「今後18ヶ月以内にはスマート・ベー タの検討は行わない見込み」 とした回 答者 投資するメリットがあると信じていない 7% 21% コンサルタントがこの選択肢を推奨しな かった 22% 45% このタイプの戦略に対してAUMが小さ過 ぎる 15% 12% 検討を行うための投資資源が不足してい る 44% 18% パッシブな投資を信じていない 0% 15% その他 26% 9% 複数回答 対象回答者は「今後18ヶ月以内にスマート・ベータを検討する見込み」ならびに「今後18ヶ月以内にはスマート・ベータの検討は行わない見込み」 と した回答者 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 7 スマート・ベータ戦略を現在採用している年金基金等は、株式へのアクティブおよびパッシブな資産 配分の一環として、 さまざまな規模の投資を行っている。 年金基金等のおよそ半分が自身の株式 ポートフォリオの10%以下を、 また、残り の半分が11%以上をスマート・ベータ戦 略に投資しています。 図表 3 あなたの組織の株式ポートフォリオのうち、 スマート・ベー タ戦略に投資されているのは何パーセントですか? 0% - 5% 24% 6% - 10% 22% 11% - 15% 13% 16% - 20% 22% 20%以上 20% 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 とした回答者 年金基金等の50%近くが、 スマート・ベ ータをアクティブとパッシブの資産配分 枠の両方を使っているか、 その利用を検 討しています。特に、 スマート・ベータ戦 略を現在検討している年金基金等では、 8 アクティブとパッシブの資産配分枠の一 部を利用して同戦略を実行する可能性 が高まっており、パッシブな資産配分枠 のみを使う可能性はかなり低くなってい ます。 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 図表 4 スマート・ベータ戦略をどの資産配分の一 回答者全体 部として使用していますか、 または検討して いますか? 「スマート・ベータに資 産配分している」 とした 回答者 「現在スマート・ベータを 検討中」 とした回答者 アクティブ運用への資産配分 22% 24% 19% パッシブ運用への資産配分 21% 29% 10% アクティブ、パッシブ運用への資産配分 47% 40% 58% 7% 13% いずれでもなく、新規の資産クラスと考え 9% る 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 または「現在スマート・ベータを検討中」 とした回答者 スマート・ベータのユーザーは、 自身のスマート・ベータ戦略に 「満足」 あるいは 「大変満足」 してい る。大半のユーザーは資産配分を増やす予定であり、減らそうとしているユーザーはいない。 スマート・ベータの現行ユーザーのうち していると回答しました。 また、27%は運 61%は、 自身のスマート・ベータ戦略が 用成果を評価するのは時期尚早と回答 目指している運用成果を上げることがで しました。 きる能力に、 「満足」 あるいは「大変満足」 これに対して、 「不満」 とした回答者はわ ずか2%にとどまり、 「大変不満」 とした回 答者はいませんでした。 図表 5 自身のスマート・ベータ戦略が目指してい 「スマート・ベータに資産配分している」 る運用成果を上げることができる能力にど とした回答者 のくらい満足していますか? 大変不満 0% 不満 2% どちらでもない 9% 満足 43% 大変満足 18% 評価するには早い /わからない 27% 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 とした回答者 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 9 こうした満足度のレベルは、 スマート・ベ ータの利用増加見通しからも明らかで す。 スマート・ベータに資産配分している 年金基金等の61%が配分を増やす予定 であり、減らそうとしている年金基金等 はありません。 図表 6 あなたはご自身のポートフォリオにおけるスマート・ベータの 今後18ヶ月以内の利用についてどのような見通しを持って いますか? 61% 配分率を増加する 39% 現在の配分を維持する 0% 配分率を低下させる 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 とした回答者 10 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 スマート・ベータを現在検討している年金基金等のうち、実際に半分は資産配分を行うだろうと考え ており、残り半分は 「まだわからない」 と回答した。 スマート・ベータを現在検討している年 残りの年金基金等の回答は、 「資資産配 金基金等のうち、資産配分を行わないだ 分をする見込み」 、 「まだわからない」の ろうと考えているのはわずか6%であり、 いずれかに二分されました。 図表 7 あなたはご自身のポートフォリオにおけるスマート・ベータの今後18ヶ 月以内の利用についてどのような見通しを持っていますか? 47% 資産配分をする見込み 47% わからない 6% 資産配分の見込みは ない 対象回答者は「現在スマート・ベータを検討中」 とした回答者 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 11 スマート・ベータを検討したことはあるが、資産配分しなかった年金基金等では、 「自身のポートフォ リオにとって最良の戦略や複数の戦略の組み合わせを決める難しさ」 、 「限られた運用実績」 、 「投資 メリットがあるとは考えていない」 というのがその主な理由となっている。 年金基金等の5分の1はスマート・ベータ を検討したことはあるものの、 さまざま な理由から資産配分は行っていません。 回答者が挙げた3大理由は、 「投資メリッ トがあるとは考えていない」 、 「自身のポ ートフォリオにとって最良の戦略や複数 の戦略の組み合わせを決める難しさ」 、 「 限られた運用実績」 となっています。 図表 8 あなたがスマート・ベータ戦略を実施しない3大理由は何ですか? 投資メリットがあるとは考えていない 24% 限られた運用実績 24% 自身のポートフォリオにとって最良の戦略や複数の 戦略の組み合わせを決める難しさ 21% 意図せざるセクター・バイアス 17% 当該戦略の実施時期を決定する難しさ 14% ベンチマークに対するトラッキング・エラー 12% 意図せざるファクター・バイアス 12% 実施に要するコスト 12% 当該の提案が投資委員会で否決された 10% ベンチマーク指数に対するパフォーマンスの劣後 7% コンサルタントがコンセプトを支持していない 7% 売買回転率 5% ポートフォリオにおける配分比率決定の難しさ 5% 透明性の不足 2% 利用可能な既存運用商品の不足 2% その他 19% 複数回答 対象回答者は「スマート・ベータの検討はしたが、実施しないと決定した」 とした回答者 12 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 スマート・ベータを検討したことはあるが、資産配分しなかった年金基金等の92%は、 ス マート・ベータのモニターを続け、改めて検討する予定である。 スマート・ベータを検討したことはある ものの、採用しなかった回答者の92% は、モニターや検討を続ける予定です。 言い換えれば、採用しないとしたのは最 終決定ではありません。 図表 9 あなたはご自身のポートフォリオにおけるスマート・ベータの今後18ヶ月にお ける利用についてどのような見通しを持っていますか? 92% 監視を続け、再度検討する 8% 再検討はしない 対象回答者は「スマート・ベータの検討はしたが、実施しないと決定した」 とした回答者 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 13 2 スマート・ベータ戦略は単独では使われておら ず、年金基金等の大半がそれらの戦略を組み合 わせることに重点を置いている。 平均すると、回答者は4つの異なるスマート・ベータ戦略を検討している。 平均すると、年金基金等は4つの異なる 合わせ、割安、 ファンダメンタルが通常検 スマート・ベータ戦略を検討しています。 討されている戦略です。 低ボラティリティ、複数ファクターの組み 図表 10 あなたが検討したまたは現在検討中のスマート・ベータ戦略は何ですか? 67% 47% 41% 41% 32% 31% 低ボラティリティ 複数ファクター の組み合わせ ファンダメンタルl 割安 最小分散 均等加重 14% 31% 30% 27% 21% 19% リスク・パリティ モメンタム 高クオリティ 配当金 / 利益 / 利回り 最大分散効果 ディフェンシブ 複数回答 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 「検討はしたが、実施しないと決定した」 または「現在スマート・ベータを検討中」 とした回答者 14 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 図表 11 検討したスマート・ベータ戦略の数 4 検討した戦略の平均数 検討した戦略の数 15% 1件 31% 2∼3件 29% 4∼5件 25% 6件以上 複数回答 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 「検討はしたが、実施しないと決定した」 または「現在スマート・ベ ータを検討中」 とした回答者 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 15 2つ以上のスマート・ベータ戦略を検討している年金基金等のうち、1つの戦略のみを選択する 予定の年金基金等はほとんどなかった。 2つ以上のスマート・ベータ戦略を検討 している年金基金等が最もよく言及する 目標は、 それらの戦略を組み合わせると どのように機能するのかについての理 解を深めるというものです。 それに続く のは、明確な投資目的を持つ複数の戦 略を選択するという目標です。1つの戦 略のみを選択する予定だとする回答者 はほとんどいませんでした。. 図表 12 あなたが2つ以上のスマート・ベータ戦略を検討する目的を最もうまく表現しているのはどれですか? 52% 34% 8% 6% 1つの戦略に絞り込むため 異なる戦略の組み合わせ がどう機能するか理解す るため 明確な投資目標を持つ複 数の戦略を選択するため その他 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 「検討はしたが、実施しな いと決定した」 または「現在スマート・ベータを検討中」 「1つ以上の戦略を検討 中」 とした回答者 16 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 年金基金等は複数のスマート・ベータ戦略を検討しているだけではなく、70%以上が複数のスマー ト・ベータ戦略を組み合わせて利用している。 図表 13 利用しているスマート・ベータ戦略の数 29% 1件 29% 2件 20% 3件 14% 4件 8% 5件以上 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 とした回答者 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 17 1つのスマート・ベータ戦略のみを使っている年金基金等が選好するのは、 ほとんどの場合「ファンダ メンタル」 である。 1つの戦略のみを使っている年金基金等 のあいだでは、 ファンダメンタルが有力 な選択肢です。 ファンダメンタルのユー ザーの約40%はファンダメンタルのみ を利用しており、60%はファンダメンタ ルと他の戦略を組み合わせて利用して います。 図表 14 あなたが採用しているスマートベータの戦略はどのタイプですか? (単一で利用されている戦略) 57% ファンダメンタル 14% 割安 7% 7% 7% 7% 均等加重 最小分散 低ボラティ リスク・ リティ パリティ 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」かつ「1つの戦略のみ採用」 とした回答者. 標本数は14(望ましい標本数30を下回 る) 18 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 スマート・ベータの組み合わせの一部として最も使われている戦略は、低ボラティリティと割安で ある。 年金基金等がスマート・ベータ戦略を組 み合わせる際、最もよく利用しているの が低ボラティリティと割安です。多くの場 合、低ボラティリティは、割安、 ファンダメ ンタル、最大分散、均等加重と組み合わ せ、割安は、低ボラティリティ、高クオリテ ィと組み合わされています。 図表 15 あなたが採用しているスマートベータの戦略はどのタイプですか? (複数の組み合わせの中で利用されている戦略) 54% 51% 31% 29% 低ボラティリティ 割安 ファンダメンタル 複数ファクターの 組み合わせ 26% 26% 20% 17% 17% 17% 最小分散 モメンタム 高クオリティ 最大分散効果 均等加重 リスク・ パリティ 11% 3% 11% 配当金 / 利益 / 利回り ディフェン その他 シブ 複数回答 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」かつ「2つ以上の戦略を採用」 とした回答者 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 19 複数のスマート・ベータ戦略を利用するという目標は、 スマート・ベータを採用する際の主な課題で もある。 図表 16 スマート・ベータ戦略の実行に際して、以下の項目のそれぞれにどの程度の関心を持っているか、7を重大な関心として、1から7 の範囲で答えてください。 (図表は6か7と答えた割合を示している) 自分のポートフォリオのための最適な戦略の 決定 47% 意図せざるファクター・バイアス 40% 戦術的利用におけるエクスポージャの監視・調 整方法 33% ベンチマークに対するパフォーマンスの劣後 33% ポートフォリオ中の配分割合の決定方法 31% 意図せざるセクター・バイアス 31% 執行コスト 26% 高い売買回転率 25% 透明性の不足 24% ベンチマークに対するトラッキング・エラー 23% 当該戦略の実行時期の見極め 21% 20 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 年金基金等のあいだでは、 スマート・ベータを現在検討しているのか、 すでに採用しているのかによ って、重点を置いている戦略に違いがある。 スマート・ベータ戦略を現在検討してい る年金基金等は、すでにスマート・ベー タを採用している年金基金等と比較する と、複数ファクターの組み合わせやディ フェンシブ戦略により重点を置いていま す。 その一方で、 ファンダメンタル、割安、 低ボラティリティといった現在既に利用 されている主要な戦略を検討している 年金基金等は少なくなっています。 以上 のことから、今後は異なるスマート・ベー タ戦略の利用が進む可能性があること が分かります。 図表 17 「現在スマート・ベータを検討中」 とした回答者と 「スマート・ベータに資産配分している」 とした回答者 との間の戦略検討率の違い 複数ファクターの組み合わせ 17% ディフェンシブ 16% 配当金/利益/利回り 8% 最小分散 8% 6% 均等加重 最大分散効果 1% リスク・パリティ 1% その他 0% 高クオリティ -5% -9% ファンダメンタル -13% 低ボラティリティ -15% モメンタム 割安 -21% スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 複数回答 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 ま たは「現在スマート・ベータを検討中」 とした回答者 21 3 外部の運用会社がスマート・ベータの検討プロ セスに影響を及ぼす一方で、内部の運用担当者、 CIO、 コンサルタントの3者が、意思決定や資産配分 のモニターに責任を負っている。 外部の運用会社はスマート・ベータの議論を始めており、年金基金等が求めているスマート・ベータ 戦略に関して信頼できる情報を提供している。 北米では、外部の運用会社、専門誌、 コ ンサルタントからの情報が、 スマート・ ベータに関する3大情報源となっていま す。欧州では、業界イベントやシンポジウ ム、外部の運用会社、専門誌が3大情報 源となっています。 図表 18 スマート・ベータ戦略に関する外部の情報 回答者全体 としてあなたが最も信頼する情報源は何 ですか? 北米の回答者 欧州の回答者 外部の運用会社 53% 58% 44% 専門誌 49% 46% 42% 業界のイベント/シンポジウム 48% 43% 60% コンサルタント 39% 45% 33% インデックス提供会社 36% 39% 37% 同業者 31% 32% 33% 一般的な金融/投資関連のニュース・ メディア 26% 28% 21% 金融/投資業界専門のニュース・メディア 23% 25% 27% オンライン上の業界フォーラムなど 11% 10% 13% その他 6% 4% 8% 複数回答 22 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 外部の運用会社はどの市場でもスマート・ ベータ戦略の評価を始めています。学術 研究機関が行うレビューやインデックスの 提供業者が発信する情報においても、 ス マート・ベータの評価が始まっています。 図表 19 スマート・ベータ戦略を検討するきっかけとなった事象は何ですか? 学術研究機関が行うレビュー 46% 外部運用会社からの情報 42% インデックス提供会社からの情報 30% 最近の報道 18% 役員会または投資委員会の委員の関心 17% コンサルタントからの推奨 16% スマート・ベータ戦略を実行している同業者 7% その他 6% 複数回答 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 「検討はしたが、実施しないと決定した」 または「現在スマート・ベータを検討中」 とした回答者 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 23 内部の運用担当者とCIOがスマート・ベータ戦略の検討プロセスへの関与を深めており、 ほとんどの 場合CIOが第一の意思決定者となっている。 内部の運用担当者とCIOが主としてスマ ート・ベータ戦略の検討プロセスに関与 しており、たいていはCIOが第一の意思 決定者となっています。 スマート・ベータ 戦略を検討するチームに関して言えば、 外部の運用会社が重要な役割を担って います。 図表 20a あなたの会社でまたはあなたの会社を代表してスマ ート・ベータ戦略を検討するのは誰ですか? CIO 48% 当該戦略の運用マネジャー 38% コンサルタント 25% 株式部門のヘッド 25% 役員会 18% リスク部門のヘッド 15% 外部の運用会社 12% インデックスの提供会社 その他 4% 15% 複数回答 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 「検討はしたが、実施しないと決定した」 または「現在スマート・ベータを 検討中」 とした回答者 24 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 図表 20b あなたの会社でまたはあなたの会社を代表してスマート・ベータ戦略を検討する際の 主要な意思決定者は誰ですか? CIO 53% 役員会 17% 株式部門のヘッド 10% 当該戦略の運用マネジャー リスク部門のヘッド 外部の運用会社 コンサルタント インデックスの提供会社 その他 5% 1% 1% 1% 0% 13% 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 「検討はしたが、実施しないと決定した」 または「現在スマート・ベータを 検討中」 とした回答者 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 25 スマート・ベータへの資産配分をモニターし、調整する責任者は、回答者のAUMによって異なり、 コ ンサルタント、内部の運用担当者、CIOのいずれかとなっている。 AUMが10億ドル未満の回答者は、 コン サルタントあるいは内部の運用担当者 が、 スマート・ベータへの資産配分をモ ニターし、調整することを期待していま す。AUMが10億ドル以上100億ドル未満 の回答者ではCIOが、 また、AUMが100 億ドル以上の回答者ではCIOと内部の 運用担当者がそうした責任を負ってい ます。 図表 21 スマート・ベータへの資産配分をモニターし、調整す 回答者全体 る責任者は誰ですか? <10億ドルの回 答者 10億ドル‒100億 100億ドル+の ドルの回答者 回答者 CIO 34% 12% 55% 34% 当該戦略の運用マネジャー 33% 24% 20% 42% コンサルタント 16% 41% 20% 3% 株式部門のヘッド 8% 0% 0% 16% 外部運用会社 5% 12% 5% 3% リスク部門のヘッド 1% 6% 0% 0% その他 3% 6% 0% 3% 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 または「現在スマート・ベータを検討中」 とした回答者 標本数は「<10億ドル」 で17、 「10億ドル-100億ドル」 で20(共に望ましい標本数30を下回る) 26 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 4 年金基金等の間では、 スマート・ベータの戦略的 な利用と戦術的な利用が明確に区別されている。 年金基金等は長期間(5年以上) にわたるスマート・ベータの戦略的利用に重点を置いている。 大半の年金基金等は自身の投資目的を 達成するため、 スマート・ベータ戦略へ の資産配分を5年間かそれ以上保有する ことを想定しています。 図表 22 自身の投資目的を達成するため、 スマート・ベータ戦略を どのくらいの期間続ける見込みですか? 0% 1年以下 6% 1∼3年 21% 3年∼5年 71% 5年以上 2% その他 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 または「現在スマート・ベータを検討中」 とした回 答者 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 27 年金基金等の3分の1が、戦略的のみならず、戦術的な目的で、 スマート・ベータを使っているか、 そ の利用を検討している。 年金基金等の大部分である64%が、戦 略的利用を目的としてスマート・ベータ を使っているか、検討しています。3分の 1は、戦略的利用、戦術的利用の両方を 目的としてスマート・ベータを使っている か、使う予定です。 図表 23 あなたは以下のどの目的でスマート・ベータ戦略 を利用、 または利用の検討を行っていますか? 64% 33% 1% 戦略的利用 (長期的配分) 戦術的利用(ポートフォリオ の短期的な調整) 1% 戦略的利用、戦術的利用の 両方 その他 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 または「現在スマート・ベータを検討中」 とした回答者 28 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 スマート・ベータに戦略的な資産配分を行うに当たっては、AUMが10億ドル未満の回答者のあいだ ではETFへのニーズが高く、 また、100億ドル以上の回答者のあいだでは内部運用への関心が高くな っている。 スマート・ベータを戦略的に利用する目 的で選好される投資手段は、年金基金 等のAUMによって決まっています。AUM が10億ドル未満の回答者はETFや集団 投資信託(CIT) を求めています。100億ド ル以上の回答者は内部運用や個別勘定 を通した運用に最も関心があり、10億ド ル以上100億ドル未満の回答者は個別 勘定やCITを検討しています。 図表 24 スマート・ベータ戦略の戦略的な利用には、 どの投資手段を選 好しますか? 回答者全体 <10億ドルの 回答者 10億ドル‒ 100億ドルの 回答者 100億ドル+の 回答者 自社運用 26% 6% 6% 44% ETF 11% 31% 0% 8% ミューチュアル・ファンド 10% 13% 18% 6% セパレート・アカウント 36% 19% 35% 42% 集団的投資信託 14% 25% 35% 0% 派生資産 3% 6% 6% 0% 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 または「現在スマート・ベータを検討中」かつ「戦略的利用をしている、 もしくは予定」 とした回答者 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 29 スマート・ベータ戦略の戦術的な利用においては、全回答者の半分近くがETFを選好している。 スマート・ベータを戦術的に利用する目 的で最も選好されている投資手段はETF であり、内部運用がそれに続いています が、内部運用はもっぱらAUMが100 億ドル以上の回答者に選好されて います。. 図表 25 スマート・ベータ戦略の戦術的な利用には、 どの投資手段を選 好しますか? 43% 29% ETF 自社運用 10% 10% ミューチュア ル・ファンド 派生資産 5% 5% セパレート・ アカウント 集団的 投資信託 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 または「現在スマート・ベータを検討中」かつ「戦術的利用をしている、 も しくは予定」 とした回答者 30 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 スマート・ベータの投資プロセスへのサポートを充実させるため、 スマート・ベータ戦略に適したベ ンチマークが必要とされている。 スマート・ベータを現在検討している年 金基金等は、 より教育的なリソースや適 切なベンチマークを用いることができる でしょう。 スマート・ベータを検討したも のの、採用しなかった年金基金等は、 ス マート・ベータ戦略をモニターするのに 役立つ取引前および取引後ツールが最 も必要だと指摘しています。 図表 26 スマート・ベータの投資プロセスを充実させるために必要なサ 「スマート・ベ ポート・ツールまたは資源はなんですか? ータに資産配 分している」 と した回答者 「現在スマー 「検討はしたが、 回答者 ト・ベータを検 実施しないと決 全体 討中」 とした回 定した」 とした回 答者 答者 社内スタッフの増員 4% 10% 18% 10% 投資方針の変更 32% 43% 18% 30% 適切なベンチマーク 40% 57% 20% 38% 21% 30% 40% 30% 取引後のツール(例:スタイル分析、 リスク・エクスポージャ、 リ ターン分解などのツール) 32% 37% 50% 39% より教育的な資源 26% 47% 30% 32% その他 4% 10% 15% 9% 取引前のツール (例:シナリオのモデリングやポートフォリオ構築のツール) 複数回答 対象回答者は「スマート・ベータに資産配分している」 「検討はしたが、実施しないと決定した」 または「現在スマート・ベータを検討中」 とした回答者 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 31 対応が求められるスマート・ベータのその他のト ピックに関する調査回答者からのフィードバック スマート・ベータ戦略の枠組み を改善する必要性 年金基金等は選好するESG主 導型の新たな戦略 退職給付制度加入者とのコミュ ニケーション 「 『スマート・ベータ』はさまざ 「株主投票に関する年金基金 「加入者とのコミュニケーショ まな非時価総額加重アプロ 等の方針や、 スチュワードシッ ンに絡んだ問題」 ーチを総称しているに過ぎず、プとESGを統合する動きも、 こ 年金基金等、企業または民間事業者 あまりに一般的である。私た れまでより賢明なパッシブ・ア ちは、小型株/割安、 ファンダ プローチへの関心をかき立て メンタル、ボラティリティ・キャ ている。 これは、保有している アクティブ運用とスマート・ベー タの重複 プチャー、低ボラティリティ・マ 何千もの株式銘柄へのリソー ンデートを別々に採用してお ス負担が大きいほか、ESGや 「制約を受けないアクティブ 運用会社と、 スマート・ベータ り、 それらの戦略を個々の投 例えば低炭素社会のような 資目的とともに全体的なポー 長期テーマを柔軟に採用で を利用するパッシブ運用会 社の重複。 その多くがベンチ トフォリオに組み込んでいる」 きないためだ」 マークを無視している」 年金基金等、政府 年金基金等、政府系ファンド 年金基金等、資産家の資産管理会社 「業界内で標準化した定義や ひな形があれば役立つだろ グローバルなファクター対各国 「予定している資産・負債総合 特有のファクター 管理(ALM)の研究の一環とし う」 ファクターに関する議論を 年金基金等、企業または民間事業者 「各国への資産配分対ワール て、 深めたい」 ドワイド」 「私たちはリスク均等アプロー 年金基金等、組合または業界全体の年 年金基金等、企業または民間事業者 チをとっており、 それがスマー 金制度 ト・ベータだと考えたことはな かったが、議論の余地はある だろう」 年金基金等、企業または民間事業者 32 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 他の資産クラスのスマート・ベ ータ 確定拠出年金制度向けのスマー 懐疑的な見方は存在する ト・ベータの選択肢 「数年前のポータブル・アルフ ァや130ロング/30ショートに 次いで業界が無理やり勧め ている商品のような印象があ る。...ただ単に業界が騒ぎ立て ているという理由で、年金制 し、定年後も継続することが 度が真剣に検討すべきもの できる」 になる訳ではなく、採用は少 年金基金等、企業または民間事業者 ないだろう」 「スマート・ベータは株式投 「機関投資家向けと個人投資 資に限ったことではない。 し 家向けの両方のマルチ・ファ たがって、他の資産クラスに クター・ファンドが欲しい。 そ おける採用を無視するのは うすれば、確定拠出年金制 ばかげているように思える」 度の加入者は定年まで投資 年金基金等、政府 運用実績の不足 年金基金等、企業または民間事業者 スマート・ベータで難しいの 税引き後リターン 「スマート・ベータは販売用に は、 さまざまな銀行の提案 を運用会社と比較することだ。 「確かにそうだ。 オーストラリ 梱包し直したまやかしではな これは、 そのほとんどに十分 アの退職年金保証制度の積 いかと疑っているが、定かで 長い期間の運用実績がない 立資産にとっては、高い銘柄 はない。裏に何かがあるのか ためである。 したがって、そ 回転率に起因する低い税引 もしれない」 のポートフォリオの構築やリ き後リターンのせいで、 スマ 年金基金等、政府 バランス、そうした仕組みの ート・ベータの魅力は著しく 費用に加えて、仮にアクティ 薄れている。 こうした要素は 「なぜ30年以上も存在してき ブ運用する場合、 そのアクテ しばしば見過ごされたり、無 た戦略が、相場が大きく崩れ るたびに話題になり続けるの ィブ運用会社がどのような付 視されているようだ」 加価値を与えているのかの 年金基金等、組合または業界全体の年 だろうか」 年金基金等、企業または民間事業者 裏付けや、そうしたアクティブ 金制度 運用の費用対効果について、 自分たちが理解しなければ ならない。」 年金基金等、大学 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 33 巻末資料 運用資産総額(AUM) あなたの組織は以下のうちどれ 国 に分類されますか? 23% 営利団体または民間企業 22% 政府機関 14% 非営利団体、大学 13% 連合会または業界レベルの年金 スキーム 28% その他 あなたの役職に一番近いのは どれですか? 米国 47% カナダ 14% 英国 10% オーストラリア 4% オランダ 3% 中東 3% ドイツ 2% デンマーク 1% フランス 1% アイルランド 1% スウェーデン 1% スイス 1% その他 11% 29% 10億ドル 以下 100% ポートフォリオ・マネジャー 15% アナリスト 15% 役員会または投資委員会の 委員 10% 61% ∼ 80% 9% 投資担当者または投資部長 8% 41% ∼ 60% 4% 18% 運用担当者/ 副ポートフォリオ・マネジャー 21% ∼ 40% 22% リスク・マネジャー 2% 人事/従業員福利厚生マネジ ャー 2% 1% ∼ 20% 42% 34 100億ドル 以上 0% 23% その他 10億ドル100億ドル 38% あなたの組織の株式ポートフォリオにおける時価総額加重のパッシブ 運用の占める割合は何%ですか? 役員 (CEO, CFO, CIO, EVP) コンプライアンス・オフィサー/ 1% 法務 33% 5% 81% ∼ 99% 0% 4% 17% スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 年金制度 当てはまるもの全て選択 確定給付型年金プラン 65% 確定拠出型年金プラン 38% 寄贈基金/財団 17% 株式の資産配分には以下の いずれの戦略を使っていま すか? 以前にスマート・ベータという 用語を聞いたことがあります か? スマート・ベータ指数の適切な 利用法は何だと思われますか? 70% 投資戦略 望まないエクスポージャーを 54% 制御する、 または望むエクスポ ージャーを取り入れる手段 ベンチマーク 39% 調査と分析 27% その他 3% 17% アクティブ・ファンド 5% パッシブ・ファンド 77% アクティブ、パッシブ両方 8% いいえ 92% はい 株式投資の検討および選択に関するあなたの組織内での役割を最も適切に表現しているのは以下 のいずれですか? 57% 32% 11% 一定の役割を 持っている 直接的な責任を 持っている スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 株式投資の検討および 選択に関する役割は 持っていない 35 スマート・ベータ戦略を検討する動機となった投資目的は何ですか? 収益率の向上 52% リスクの低下 52% 分散効果の向上 40% 特定のファクター・エクスポージャーの提供 24% コストの節減 16% インカムの獲得 その他 5% 3% スマート・ベータ戦略への配分を何年続けていますか? 4年以上 40% 2∼3年 12% 1∼2年 32% 1年以下 16% 36 スマート・ベータ:年金基金等への2015年グローバル調査の結果 重要情報 © 2015 London Stock Exchange Group companies. ロンドン証券取引所グループに属する 会社には、FTSEインターナショナル・リミ テッド ( 「FTSE」 ) 、 フランク・ラッセル・カ ンパニー( 「ラッセル」 ) 、MTSネクスト・リ ミテッド ( 「MTS」 ) 、FTSE TMXグローバ ル・デット・キャピタル・マーケッツ・イン ク ( 「FTSE TMX」 )が含まれます。無断複 写、転載を禁じます。 FTSEまたはラッセルのインデックスに 関する 「FTSE ® 」 「Russell ®」 「MTS ®」 「FTSE TMX ®」 「FTSE Russell」および その他の役務商標マークおよび登録商 標マークはロンドン証券取引所グルー プに属する会社の登録商標マークであ り、FTSE、MTS、FTSE TMXおよびラッセル が許可を得て使用します。 すべての情報はその提供のみを目的と しています。当発行物に含まれるすべて の情報が正確であるようにするあらゆる 努力を払っていますが、 ロンドン証券取 引所グループに属する会社またはその ライセンサーは、当発行物のいかなる誤 りや当発行物を使用することから生じる いかなる損失についても、一切の責任を 負いません。 ロンドン証券取引所グループに属する 会社またはそのライセンサーはいずれ も、FTSまたはラッセルのインデックスを 使用することから生じる結果や、同イン デックスが当てはめられる可能性がある いかなる特定の目的への同インデックス の適応性、適合性のいずれについても、 明示的または黙示的に、いかなる主張、 予測、保証、説明も一切行いません。 当発行物に含まれるいかなる情報も、 金融助言や投資助言に該当すると捉え るべきではありません。いかなる資産へ の投資妥当性についても、 ロンドン証券 取引所グループに属する会社は説明し ていません。当発行物に含まれるいか なる情報に基づいても、一切のそのよう な資産への投資判断を行うべきではあ りません。 インデックスには直接投資で きません。 インデックスへの資産組み入 れは、 その資産の買い、売り、保有を推奨 するものではありません。有資格専門家 の法務助言、税務助言、投資助言を受け ず、当発行物に含まれる一般的な情報 に基づいて投資行動をとるべきではあ りません。 ロンドン証券取引所グループに属する 会社の書面による事前の許可がない 限り、一切の情報の複製、情報検索シ ステムへの保存、伝達は、電子的、機械 的、複写、記録その他のいかなる形式 や手段においてもご遠慮ください。 ロ ンドン証券取引所グループに属する会 社のインデックス数値の発信や、同イン デックスを使用した金融商品の組成に は、FTSE、FTSE TMX、MTS、および/また はラッセル、および/またはそのライセ ンサーとのライセンス契約が必要です。 2015年5月初回使用 CORP-10343-04-2016 FTSE Russellについて FTSEラッセルはインデックス・ベンチマークやその分析 情報を提供するグローバル・リーダーであり、世界中の投 資家に向けてインデックスを通じたソリューションを開発 し、提供しています。長年蓄積してきたノウハウに加え、投 資家ニーズや優先順位を踏まえた先進的なアプローチに より、確かな情報に基づく投資判断を行うための支援ツ ールをお客様に提供しています。 世界中の機関投資家、個人投資家、 トレーダーがFTSEラッ セルの専門知識や商品シリーズを求めています。主要な 年金基金等、資産運用機関、ETF提供業者、投資銀行が自 身の投資パフォーマンスのベンチマークとして、 またETF、 機関投資家向けの個別勘定、 インデックスに基づく派生 商品を組成する手段として、FTSEラッセルのインデックス を使用しています。 お問い合わせ窓口: ラッセル・インベストメント株式会社 マーケティング&コミュニケーション部 TEL:03-5411-3790 EMAIL:[email protected] エフティーエスイー・ジャパン・リミテッド 荻野祐次 TEL:03-3581-2811 EMAIL:[email protected] ftserussell.com
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