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2015 年7月 15 日
機関紙やどかり
7月号
vol.45 - 4(通算 505 号) 2015 年
第三種郵便物許可
2015 年7月 15 日発行
(毎月1回 15 日発行)
1987 年 12 月 19 日第三種郵便物認可
発行人 公益社団法人やどかりの里
代表者 土橋 敏孝
〒 337 - 0043
さいたま市見沼区中川 562
TEL 048 - 686 - 0494
FAX 048 - 686 - 9812
定 価 50 円(含会費)
やどかりの里 45 周年記念式典開催
ごくあたりまえの生活は平和の中にこそ
1970 年に活動を開始したやどかりの里は,創
立 45 周年を迎えた.2015 年 6 月 13 日,やどか
りの里 45 周年記念式典と祝賀会をパレスホテル
大宮にて開催した.実行委員長は理事の山田清志
が務めた.当日は,清水勇人さいたま市長をはじ
め,やどかりの里を支えて下さっている方々や関
係機関,法人会員など,200 余人の出席があった.
記念式典の冒頭,土橋代表理事より,感謝の意
と併せて障害のある人にとって厳しい社会情勢に
触れ,当事者が主人公になれる社会づくりを進め
ていきたいと挨拶があった.
来賓の方を代表して,松澤勝みんなねっと副理
事長,斎藤なを子きょうされん常務理事,鴻巣泰
治埼玉県精神保健福祉センター社会復帰部部長か
ら励ましと心温まる言葉をいただいた.
また,これまでのやどかりの里の活動へのご支
援に感謝の意を込めて,協力団体・個人8組に感
謝状をお渡しした.
次に行われたトークセッション「障害者権利条
約とやどかりの里」では,ゲストスピーカーに
日本障害者協議会代表の藤井克徳さんを迎え,3
人のメンバーの体験を中心に,やどかりの里の実
践と障害者権利条約を重ね合わせながら語りあっ
た.22 年間もの入院の経験と今の幸せな暮らし
を語った辰村泰治さんの体験について,藤井さ
んは,社会的入院は障害者権利条約 19 条に反し,
重大な人権侵害であると指摘した.また加藤康士
さんはやどかりの里の人たちとの交流の中で自信
を取り戻し,回復していく過程を語った.それを
受け,藤井さんは,本人を取り巻く環境に障害が
潜んでおり,その環境との関係で障害が重くも軽
くもなることを改めて意味づけした.最後に,こ
れからの取り組みでもある農福連携について,農
を通じた地域実践の夢が語られた.そこで働く渡
部亮太さんは,農に取り組む中で,畑の土の分け
隔てなさや,信頼できる人に囲まれて好きなこと
に無心に取り組めることに感謝していると語っ
た.藤井さんは,障害者権利条約を世界共通の楽
譜に例え,地域の人たちと共にやどかりの里らし
いハーモニーを奏でていって欲しいと期待を込め
た.
最後に藤井さんは,障害者権利条約は平和の中
でこそ映えると,第2次世界大戦時にドイツで実
行された「T 4計画」について触れた.
「T 4計
画」により,悪い遺伝子を持つとされた障害のあ
る人約 30 万人が虐殺されたという.国の政策を,
これくらいならと見逃すことで,その内,手も足
も出なくなってしまったという,当時ドイツの牧
師であった「マルティン・ニーメラー」の言葉を
引用し,今の日本の状況と似ているのではないか
と投げかけた.戦争は大量の障害者をつくり出す
最大の悪であるという国連決議にも触れ,平和を
守ることの意味を語り,締めくくられた.
戦後 70 年を迎えるこの夏,障害のある人の暮
らしの前提となる平和が揺らぎつつある.やどか
りの里も 45 周年を節目に,平和と障害のある人
の生きる権利が守られる社会の実現に向けて,こ
れまでの実践の確かさを胸に,更なる一歩を踏み
出していきたい.
(1)
2015 年7月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
公益社団法人やどかりの里 45 周年記念 祝賀会
地域の人たちと,ともに祝い,これからに向けた新たな団結へ
記念式典終了後,隣会場に場所を移し,
「公
益社団法人やどかりの里 45 周年記念祝賀会」
が行われた.45 年の活動の歴史の中で,とも
に活動を創りあってきた人たち,応援してく
れた人たち,数多くの協力者や家族,なつか
しい元職員など多くの顔ぶれのなか,山崎光夫
後援会会長の挨拶と乾杯によって幕を開けた.
活動紹介スライドショー上映
やどかりの里は5年ごとに周年行事を行な
い活動を振り返ってきた.この5年間の活動
に焦点をあてて,現在のやどかりの里の全体
像を,「やどかりの里 45 周年 1人1人が主
人公 やどかりの里の今」と題し,特に「学
習と運動・活動の広がり」を軸に映像として
まとめ上映した.そして映像の最後には「45
年の蓄積を土台に未来を描く」ビデオメッセー
ジの中で多くの職員メンバーが登場し,これ
からの夢を語った.
会場よりお祝いの言葉
清水勇人さいたま市長に御列席いただき,
「政令指定都市として唯一条例で定めているさ
いたま市のノーマライゼーション条例を,理
念だけでなく,このさいたま市で実現するた
めに,ともに協力しがんばっていきましょう」
という力強いメッセージをいただいた(写真
左).また田村拓実県議(南中野商店会会長)
など多くのご来賓の方々から温かいメッセー
ジをいただいた.
会員表彰・コーラス隊発表
法人会員として永きに渡り応援し,ともに活
動を担ってきた会員暦 30 年以上の方 19 人を表
彰した(写真右)
.当日ご出席いただいた6人
の代表として,荒田稔さん(やどかりの里職員
第一号)からは社団法人を設立した意味を,会
員歴 34 年となる田口道彦さんからはこれから
の将来に向けて熱いエールが贈られた.最後に
やどかり Stars(コーラス隊)& Dreamers(伴
奏隊)が日ごろの練習の成果を披露し,祝賀会
を締めくくった.
また,会場内にたたみの会(若手職員を中
心とした自主勉強会グループ)が活動紹介ブー
スを設置し,やどかりの里の古い資料など展
示して 45 年を振り返るコーナーとなった.
山田清志理事を実行委員長とし,メンバー,
家族,職員で記念式典と祝賀会の企画を考え
る 45 周年事業実行委員会を組織し,話し合い
を重ね,この日を迎えた.
多くの方々に支えられ,ともに活動を担っ
てきたという実感を得ながら,感謝の気持ち
を新たにした祝賀会となった.次の 50 周年に
向けてすでに歩みだしているやどかりの里で
あり,これまで同様多くの方々と協力しなが
らこれからも進んで行きたい. (田中 学)
会員表彰の様子
清水勇人市長の挨拶
(2)
2015 年7月 15 日
機関紙やどかり
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定時総会開催
活動を振り返り次なる実践を描き出す
社会保障のあり方を問い 地域に根づいた活動を展開していこう
6月 13 日(土)に本年度の定時総会がソニッ
クシティ 906 会議室にて開催された.会員数
は 290 人,既に書面により議案を承認してい
る者 46 人,委任状提出 87 人,出席 73 人によ
り過半数を満たしているため総会は成立した.
土橋敏孝代表理事は「本日は 45 周年の記念
式典や祝賀会を控えている.忙しい1日とな
るが,節目にふさわしい総会になることを期
待する」と挨拶した.柳義子理事が議長を務
めた.
第1号議案及び第 2 号議案:平成 26 年度事
業報告及び決算承認の件
平成 26 年度の活動方針は「障害者権利条約
元年 協働の活動づくり 社会保障後退に対
抗する地域実践・運動」であった.活動方針
の大きな柱である障害者権利条約のいくつか
の条文に基づいて,やどかりの里の1年間を
振り返った.やどかりの里の登録者 356 人の
データに基づくメンバーの現在の状況や,法
人の全体的な活動実績などが報告された.
生活支援活動については,平成 26 年度の活
動報告より相談支援と生活支援活動を区別し
て作成することになった.相談支援事業はさ
いたま市からの受託業務であり,
3区(見沼区・
大宮区・浦和区)で委託を受け障害者生活支
援センターを運営し,障害のある人や家族か
らの一次相談窓口となっているためである.
労働支援の現場では定期的に労働支援会議
を開催し,横断的活動が始まっている.
続いて平成 26 年度の決算状況について貸
借対照表,収支計算書,財務諸表に対する注
記などが説明された.経常収益では昨年度比
4,175 万円増であり重大な損失もなく,監査も
適正に実施されている.また公益法人として
求められる「収支相償」は充たしている.
第3号議案及び第4号議案:平成 27 年度事
業計画及び予算承認の件
事業計画書に基づき,やどかりの里を取り
巻く社会や障害者施策の状況から,平成 27 年
度の課題が明確に説明された.やどかりの里
50 周年に向けて将来ビジョンを描いていくこ
と,そのために平成 27 年度は2つの調査を実
施予定である.引き続き社会保障制度や障害
者制度,精神科医療制度等の後退を押しとど
める運動を行なって行く.予算案については,
公益目的事業を中心に説明があった.経常収
支の予算額は 5 億 2,919 万円余になる.
第5号議案:定款変更案承認
現定款 20 条の4項では当年度の事業計画及
び予算は総会決議事項となっている.この定
款では事業開始前の 3 月に総会開催が必要と
なるが,3月と6月に総会開催は現実的には
難しい.そのため事業計画及び予算案の承認
を総会の決議事項から削除することが提案さ
れた.3月中に次年度計画について話合いの
機会を設け,計画及び予算は理事会の議決事
項とするという趣旨説明があった.
このように第 1 号から第5号まで議案は承
認された.今年度の定時総会は時間の制約が
ある中で整然と開催された.会員からの率直
な意見を集約できる機会を設けながら,活動
に活かしていけるように,今後の法人運営を
考えていきたい.
(浅見 典子)
(3)
2015 年7月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
報告
「病棟転換型居住系施設について考える会」集会
権利保障の視点から精神保健福祉法制のあり方を考える
6月 26 日,「病棟転換型居住系施設につい
て考える会」の集会が東京芸術劇場にて開催
された.昨年行われた 6.26 緊急集会から丸1
年の区切りとなるこの日,会場には 130 人が
集い,やどかりの里からもメンバー・家族・
職員が参加した.
今回の集会は「6.26 から1年 病棟転換を
許さず今こそ精神保健福祉法体制を問う」と
のテーマで行われた.冒頭,杏林大学教授長
谷川利夫氏の基調報告においては,全国各地
で 反 対 運 動 に 立 ち 上 が っ た 結 果, 病 棟 転 換
型居住系施設を設置するための条例改定を見
送った自治体が 32 あり,地域で実質的に設置
を止めることに効果があったことが報告され
た.しかし一方では,
厚生労働省(以下厚労省)
はなし崩し的に病棟転換を推し進めていく姿
勢であり,今後も注視していく必要がある.
パネルディスカッションでは,精神障害当
事者尾木眞也氏,精神科医中島直氏,弁護士
鈴木利廣氏の3人により,聖マリアンナ医科
大学の精神保健指定医不正取得事件の話題か
ら,精神科医療のあり方,精神保健福祉法の
あ り 方 に つ い て の 議 論 さ れ た. 我 が 国 で は
1970 年代まで医療における患者の権利が確立
されず,精神病患者については一人の人間と
して扱われてこなかった人権侵害の歴史があ
る.宇都宮病院事件をきっかけに,患者の権
利を守る目的で作られた指定医制度は,患者
の自由を制限する制度でもあることから,そ
の専門性の担保が求められる.尾木氏は自身
の強制入院の体験で,自信を奪われ,自己主
張もできなくなったという.権利の主体は誰
なのか,生きる主体は誰なのかが問われる.
鈴木氏は病棟転換問題について,政策立案過
程に当事者の参画が十分に保障されていない
ことに疑問を呈し,
時代遅れと断じている.
「こ
の邦に生まれたるの不幸」をいつまで続ける
のか.今,病院にいることを余儀なくされて
いる人たちが地域で自分らしく生きる権利が
保障される世の中となるよう,真摯にこの問
題に取り組んでいきたい. (水村 舞)
参加者の声
野音の集会から1年を経てどう変わったの
かを聞きに行った.しかし,厚労省の考えは
変わっていないことにがっかりした.都道府
県単位では,実施を見送ると考えた所も多かっ
たのが何よりの救いだ. (門田 俊彦)
自分は退院できてよかったです.やどかりの
里にいるのは幸せなことなのだと集会に参加
して改めて感じました.今はグループホームに
住んで,働くことが夢です. (鈴木 博久)
中島氏の医師としての建前・本音が聞けた
のは収穫だった.DVD 視聴では「イタリアの
仲間と歩いて行けばいい」の演奏は心地よかっ
た.厚労省のやり方には不満を感じた.
「私た
ちのことを私たち抜きで決めないで」と言い
続けることが,多くの障害者・支援者・市民
の理解に繋がる事と思う. (沼田 光子)
強制入院と指定医の不正資格申請の話が考
えさせられた.行動の制限が多く,その人の自
信,自由だけでなく,
「自分もなくなる」とい
う言葉に,患者その人の権利とは何かを考えさ
せられた.また指定医は「患者の人権を守る最
後の砦」とされるものであり,今起きている問
題は大きな人権問題なのだと思った. 今後も
精神障害のある人だけのことではなく,人間の
権利と捉え,少しずつでも共感の輪をさらに広
げていきたいと感じた. (山田 菜々)
(4)
2015 年7月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
やどかりの里 45 周年
人から人へ
みんな楽しく,仲良く,働く!
それぞれに充実した時間を過ごして欲しい
辻野 操 さん
~情熱と笑顔で活動を支える~
今回は,エンジュ 6 年目を迎える辻野操さんを紹介します.
とまる か
よ
こ
戸丸佳予子 さん
エンジュでの仕事にも活かせていると思います.遅
毎日,ばたばたと賑わう1階の厨房.2階の事務
刻をしてきても「おはよう」
「どうしたの」と声かけ
所では,事務仕事を行う人と休憩を楽しむメンバー
今回は,浦和区障害者生活支援センターやどかりと,大宮中部活
し,仕事を依頼するうえでもその人の力を伸ばして
がいます.メンバーの心配事やトイレ掃除のやり方,
動支援センターに勤務している,戸丸佳予子さんを紹介します.
いけるようにと思っています.
パソコンの使い方などサポートし,職員の抱えきれ
ない仕事も支えてくれているのが辻野さんです.火
活動の中で大切に感じていること
やどかりの里との出会い
働く上ではみんな対等
曜日から金曜日の週4日,休憩の時間も惜しんで,エ
大宮中部活動支援センターでは,ホットサン
戸
丸さんがやどかりの里で働き始めたのは
前職の会社では障害のある人は孤立していまし
ンジュの事務仕事を担って下さっています.
た.中でも精神障害のある人は,遅刻,早退が目立
ドイッチづくりを週1回,約7年間継続してい
約7年半前.以前介護福祉士として入所施設で
ち,それを気にして辞めてしまう人も多く見てきま
少し休息をと思って
・・・
ます.戸丸さんも入職当時より携わっており,
働いていた時,入所中の人たちが地域での生活
した.しかし,
休むことなど本人が思っているほど周
一般企業に長年勤めていましたが,少し休息をと
思い入れがあるということです.
に移
行できるように支 援する役 割を担うよう
囲は拒否をしているわけではありませんでした.障
るためパートの仕事を探そうと思っていた時,妹か
「みんながおいしいと言って食べてくれるこ
になり,
社会福祉を学ぶために働きながら大学
害があることを責めるのでなく,仕事をいっしょに
ら福祉の仕事も意外と面白いよと言われたのがきっ
とが嬉しい」と,70歳を超える今でもパン焼き
に通い始めたそうです.その頃,やどかりの里
覚えられるようにサポートする気持ちの方が強いと
かけでエンジュに来ました.当時,
ハローワークにエ
を続けているメンバーや,楽しみにして参加し
に見学に来たことが,やどかりの里との初めて
いうことです.また,仕事自体はできるのですから,
ンジュの募集が載っており応募が終わっていたので
てくれるメンバーの姿が,この活動を続けてい
の出会いでした.それは,戸丸さんにとって大
障害を理由に諦めるのではなくいろいろとチャレン
すが,とりあえず履歴書を送ってくれと言われたの
きたいという戸 丸さんの原 動 力になっている
きな衝撃であったそうです.
ジしていって欲しいです.働く上では対等だと思っ
で,送ってみたところ後日採用の連絡が入りました.
といいます.
ているので,いっしょに頑張りたいですね.
これからについては,高齢化してきているメ
「地域で暮らす」とは
様々な仕事をこなして
ンバーもいる中で,日常的に活動支援センター
1990年代の社会福祉基礎構造改革の流れの
職場づくりに向けて
厨房以外のエンジュの仕事を様々こなしていま
でいっしょに過ごせるという非常勤 職員の強
中で,施設でも収容から入所という考え方に変
メンバー同士で文句をぶつけたり喧嘩したりする
す.主にメンバーの給与計算,補助金申請業務,小口
みを活かして,メンバーが充実した時間を過ご
わり,少しずつ地 域に出ていく取り組みが始
場面も見かけます.同じ職場では,
健常者も障害者も
現金の管理などです.たまに配達者がお休みの時は
せるための活 動をいっしょに創っていけたら
まっていったそうです.その頃,戸丸さんはや
関係がなく,みんな仲良く楽しく働ける職場であり
ドライバーをやったり,お菓子の出張販売も行った
いいなと,熱く思いを語ってくれました.
どかりの里の見学をして,
「地域で暮らす 」と
たいと思います.薬を飲んでいるとか覚えが悪いと
りしています.また,
職員が慌ただしくしている時な
いうことについての考え方が変わったといい
か心配している人もいますが,少しずつ覚えて一般
どメンバーからの相談に対応することもあります.
正義感とバイタリティーにあふれ,おかしい
ます.地域で生き生きと暮らすやどかりの里の
就労もチャレンジして欲しいとも思っています.諦
と思うと突き詰めたくなる性
分もあるという
メンバーの様子を目の当たりにして,
「同じよ
めることをせず,
「頑張って」と願っています.
前職の経験を活かして
戸丸さん.事務に調理にガーデニングなど,持
うな障害の状態なのに,
入所施設の中で生活し
エンジュに来る前の会社では,障害者雇用もして
ち前の器 用さを活かしてやどかりの里の活 動
ている人たちと,
どうしてこんなに違うのだろ
働く上で「障害は関係なく常に対等であり,挑戦
いました.身体障害や精神障害の人もいたので,エ
を支え続けてくださっています.
うか」
「地域性の違いだけではない」と衝撃を受
続けて欲しいこと」働き場は「楽しく仲良く働く」な
ンジュに来ても障害があるということの違和感はな
このような熱い情熱を持った戸丸さんに,
改
けたといいます.その後,転職を機に,地域の
ど職場に対する思いを率直に話して下さり,
私にとっ
かったです.また,
その会社の上司の雇う上でのモッ
めて頼もしさを感じたインタビューでした.
資源で働いてみたいと思い,
やどかりの里に入
ても刺激となりました.
いつも暖かく時にびしっとま
トーが「できる面は伸ばして,できない仕事をフォ
(鈴木 裕貴)
職したということです.
とめる存在の辻野さんでした. (聞き手 金子 猛)
ローする」この言葉が今でも印象に残っているので,
(5)
2015 年7月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
健康増進プロジェクト報告
楽しく!健康的に!
いきいきと暮らすための体づくり
病気を防ぐために
現在,グループホームに看護師1人,サポー
トステーションやどかり(以下さぽすて)に
保健師2人が配属されており,すでに罹患し
ている内科疾患への対応,重症化への対策だ
けではなく,病気にならないための予防的な
取り組みとして,
「健康」を意識した幅広い支
援を行ってきました.
さぽすてでは,長い入院生活や年齢を重ね
ることによって落ちた体力や意欲を取り戻す
ためにウォーキングや楽しく行えるストレッ
チなどの運動を定期的に行うことで,筋力アッ
プを目指しました.また,1人1人の生活習
慣に合わせた食生活の改善に向けて,お弁当
の選び方や食事の食べ方について話をする機
会を持ってきました.目に見えて結果が伝わ
るように,体重・血圧測定を定期的に行い,
記録をつけることも継続してきました.その
結 果 と し て, 入 居 者 同 士 が 声 を 掛 け 合 っ て
ウォーキングに出かけたり,間食をしないよ
うに気を遣ったり,それぞれが「健康」を意
識するようになりました.
自分の体力を知ろう!
昨年度からの運動や食生活の改善に向けた
取り組みを継続したことで,体重だけでなく
自分の体力がどの程度ついてきたのかを数字
でみえるように,今年度は,さぽすてとグルー
プホームみなみハウスで体力測定を行うこと
になりました.第1回目は,
5月 20 日と 27 日.
握力や長座位体前屈など全4項目を行いまし
た.
「思っていたよりも握力がなかった」
「普
段ウォーキングを頑張っている人はきれいな
姿勢で歩けていたね」などの感想が出されま
した.次回は秋以降に行い,この1年でどの
位数値が変化するかを見ていきます.
自分の体力を数値で見ることで,運動や食
事の管理についても目標をもって取り組み,
何よりも日々の生活の中で楽しみながら行え
るように考えるきっかけができたと思います.
健康診断の勧め
自分の体について知ることは,
「健康」に向
けての一歩を踏み出すことになります.今年
も健康診断の季節がやってきました.毎年の
健康診断を行うことで,自分の体調の変化や
傾向を見ることができます.また,病気の早
期発見,早期治療が可能となり,自分ででき
る病気を防ぐひとつの手段ともいえます.40
歳以上の人には,行政から検診の案内が届い
ていると思います.ぜひ,この機会に健康診
断を受けてみませんか. (玉手 佳苗)
握力測定の様子
(6)
長座体前屈の様子
2015 年7月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
やどかりの里の動き(6 月1日~ 30 日)
<全国ネットワーク>
6/10 埼玉県精神医療審査会第 3 合議
体に宗野(文)出席
大宮障がい者施設連絡会
6/03 役員会に鈴木(裕)出席
日本障害者協議会
その他
6/16 総会,定例会に鈴木(裕)出席
6/15 社会支援雇用研究会に増田出席
6/08 埼玉県相談支援従事者初任者
その他
6/22 広報委員会に増田出席
6/29 障害者自立支援法違憲訴訟に係
る基本合意文書に係る定期協議
(第7回)に増田,木村,萩﨑
出席
ヘルスケア関連団体ネットワーキン
研修全体会鈴木(裕)出席
6/23 指定障害福祉サービス事業者集
6/19 埼玉県障害者相談支援従事者初
団指導に鈴木(裕)
,檜山出席
任者研修演習講師として三石,
<研修事業>
鈴木(裕)出席
<さいたま市内ネットワーク>
講演
6/02 新潟県精神障害者家族会連合会
グの会
さいたま市障がい者施設連絡会
6/19 世話人会に増田出席
6/01 役員会に檜山,増田出席
体験研修等
きょうされん
6/23 総会に山田,椿原,増田,萩﨑,
6/05 越谷市家族会やまびこ会より 4
6/04 教育研修委員会に永瀬出席
若林,尾形,神崎,阿部,水村,
6/15 調査研究委員会に増田出席
金子,鈴木(裕)
,中村,檜山,
6/16 生活保護問題意見交換会に永瀬
常盤出席
出席
さいたま市精神障害者地域移行・地
病棟転換型居住系施設を考える会
域定着支援連絡会議
6/10 寄合に増田出席
6/12 連絡会議に三石,大澤,渡邉
6/26 集会に増田,石井(み)
,萩﨑
参加
<埼玉県内ネットワーク>
(奏)
,鈴木(裕)
,水村出席
埼玉県精神障害者社会福祉事業所運
士を目指す学生5名体験研修.
6/18 東京都じゅさんれんより 23 名
体験研修
6/26 けやき荘より 10 名体験研修
石,渡邉(奏)出席
6/18 教育研修委員会に鈴木(裕)出
席
6/18 東京家政学院大学より管理栄養
6/04 議長・副議長・委員長会議に三
6/06 セルプまつり開会式等に増田出
6/19 正副会長・委員長会議に増田出
看護学実習.辰村講演
6/25 長崎県から1名体験研修
6/12 地域移行支援連絡会に三石出席
ず出店
名体験研修
6/17 帝京科学大学より学生9名精神
さいたま市コーディネーター連絡会議
埼玉県セルプセンター協議会
席,やどかり情報館,すてあー
研修会で増田講演
席
6/25 全体会議に三石,渡邉(奏)
,
鈴木(裕)出席
6/25 調査研究委員会に渡邉(奏)
,
三石,中村出席
研修会参加
6/19 埼玉県相談支援従事者初任者研
修に若林参加
<やどかりの里内部の調整連絡
会議>
6/02 45 周年祝賀会実行委員会
6/02 権利擁護委員会
営協議会
サービス調整会議
6/03 チーフ会議
6/19 総会に永瀬,水村,阿部,横尾
6/19 浦和区サービス調整会議に渡邉
6/10 第1回バザー委員会
出席
埼玉県相談支援専門員協会
6/09 専門コース別研修地域移行支
援・定着支援ワーキンググルー
プに三石出席
6/19 埼玉県障害者相談支援従事者養
成初任者研修に三石,
鈴木(裕)
演習講師として参加
(奏)
,八木出席
6/26 見沼区サービス調整会議に三
石,中村,椿原出席
6/26 大宮区サービス調整会議に鈴木
(裕)
,阿部,水村出席
6/11 障害年金調査チーム打ち合わせ
6/16 単身生活者調査チーム打ち合わ
せ
6/18 生保引下げ問題担当者会議
6/18 やどかりミーティング企画会議
障害程度区分認定審査会
6/18 生活支援連絡会
6/25 浦和第3合議体に渡邉(奏)出
6/23 機関紙編集会議
6/24 危機管理委員会
席
6/24 企画委員会に三石出席
さいたま市精神保健福祉地域ネット
6/25 顧問医研修
きょうされん埼玉支部
ワーク連絡会
6/25 第2回バザー委員会
6/14 運営委員会に永瀬出席
6/18 講師打ち合わせに渡邉(奏)出
6/17 広報委員会に鈴木(真)
,永瀬
出席
埼玉県精神医療審査会
席
<その他>
きょうされんさいたま市ブロック
6/13 定期総会
6/25 ブロック会議に担当者出席
6/13 45 周年記念式典,祝賀会
(7)
2015 年7月 15 日
機関紙やどかり
第三種郵便物許可
やどかり日誌
喫茶ルポーズ
『カフェ・喫茶ショー 2015』
大宮中部活動支援センター
『やどかりの里と私』
6月 16 日,東京ビックサイトで開催された
カフェ・喫茶の専門展示会に6人で参加して
きました.1万人を超える来場者がおり,と
ても活気溢れるイベントでした.
参加した方たちからは,
「営業の人が丁寧に
商品について説明してくれてうれしかった」
「名刺交換をすることが出来て新鮮だった」等
の感想が挙がりました.店の代表者として参
加し,企業側と商談を行っていくという,ビ
ジネスの現場に参加を出来た事が,みんなに
とって良い刺激となり,明日以降の仕事の活
力に繋がったと思います. (関口 和司)
やどかりの里に来て 19 年目になります.大
宮中部活動支援センターはオープンした時か
ら利用し,何年かわからないくらい経ちます.
毎日中部で人と話をし,楽しく過ごしていま
す.ランチもおいしい!月に1度行事もあり
ます.最近は見沼合併記念公園へピクニック
に行き,数年ぶりにお弁当を自分で作って食
べました.ルポーズの掃除の仕事も週に4回
あり,行けない時もありますが頑張っていま
す.6年前に援護寮で出会った友達とは,今
は大親友です.これからも友人を増やしてい
き,節約して旅行にも行きたいです.
(石田 晃代)
あゆみ舎
『係活動の紹介「環境整備係」』
総務
『いろいろな会費がありますが』
あゆみ舎にはレク係や新聞係などがありま
すが,私は環境整備係の担当をしています.
「清
く正しく美しく」をモットーに働きやすい環
境づくりを目指しています.最近はあゆみ舎
の前に花壇が完成しました.メンバーのリク
エストから始まり,苗の購入からプランター
作りまで係活動として行われました.率先し
て朝早く水やりに来られる方もいます.
毎月第2月曜日には環境整備係のミーティ
ングがあります.ゴミの分別の仕方などにつ
いて案を出し合い,張り紙や表示を書き入れ
る工夫をしました.美化・リサイクル・緑化
を軸に整備の必要なところについて考える場
となっています. (立石 陽子)
あちこちから「会員になってと頼まれて大
変!」その気持ちごもっともとです.
やどかりの里は法人会費 10,000 円,賛助会
員なら 2,000 円,やどかり研究所は 12,000 円,
後援会は 1 口 2,000 円で 2 口以上.でもやどか
りの里にとって会費収入は運営の基礎となる
大切なものです.その上仲間を増やし運動の
資金を得るためには他の団体も助けなくては
なりません.きょうされん 3,000 円,日本障害
者協議会 4,000 円,埼玉県セルプ協議会 3,000
円……
みなさまお財布の中と相談し,優先順位を
つけどうぞ本年度の法人会費納入をよろしく
お願いします. (浅見 典子)
やどかりの里は,多くの方のご協力のもと,45 周年を迎えることができた.当初は,今よりも少ない
人数で,
「ごく当たり前の生活」を掲げ,活動をしてきた.そんな中,情勢の変化に伴って,障害者施
策も大きく変化し,その危機感から,運動の大切さをみんなで分かち合ってきた.現在も,生活保護引
き下げ問題や,
精神科病棟転換の問題など,
運動に取り組んでいる.そうした社会の動きの中にあっても,
やどかりの里として,障害のある人の実態がどうなっているのか,何を大切に活動をしていくべきなの
か,
5年後,
10 年後を見据え,
その先の未来の支援のあり方を考えていく必要がある. (鈴木 真帆)
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