多光子共鳴イオン化法・レーザー誘起蛍光法

多光子共鳴イオン化法・レーザー誘起蛍光法
Resonance-Enhanced Multiphoton Ionization/Laser-Induced Fluorescence
OVERVIEW
分子の波動関数
特徴
分子は振動や回転,スピンという内部自由度を持
つ.レーザー光による共鳴励起を利用すると,これ
らの内部状態を測定できる.
脱離分光と組み合わせることで,核スピン転換や
表面ポテンシャル,表面反応ダイナミクスの解析が
可能になる.
水素分子の核スピン異性体
回転
   e   n  un ( R )  YJM ( ,  )
電子 核スピン 振動
回転
振動
分子のエネルギー (量子化)
E  Te   (v  1 / 2)  BJ ( J  1)
電子系
v : 振動量子数,J : 回転量子数
PRINCIPLE
水素分子の断熱ポテンシャル
原理
X : 基底状態,B,C,E··· : 励起状態
回転分光の原理
単色レーザー光を用いて,電子状態を共鳴励起
BE = 4.1 meV
共鳴波長が内部状態に依存
= 波長を変えることで特定の
量子状態の分子を励起
 = 321 meV
励起状態 = E,F 1g+
Te = 12.4 eV
2光子励起 + 1光子イオン化 = (2+1)REMPI
2光子励起 + 1光子発光 = LIF
LIF via E→B
BX = 7.5 meV
 = 545 meV
励起選択則 : J = 0, ±2
励起状態 = B 1u+
1光子励起 + 1光子イオン化 = (1+1’)REMPI
励起選択則 : J = ±1
(2+1)REMPI
via X→E
(1+1’)REMPI
via X→B
X(J=0)→E(J=0) : = 201.701 nm
X(J=1)→E(J=1) : = 201.813 nm
INSTRUMENT
実験装置
・波長可変レーザー : 600-690 nm (パルス幅~5 ns)
超高真空槽
測定圧力 : 10-3-10-8 Pa
試料作製 : 清浄表面,気体吸着
X→E励起光
X→B励起光
波長変換
第2高調波 + 和周波
~201 nm (UV) for X-E励起
第2高調波 + 第3高調波
~106 nm (VUV) for X-B励起
UV : フォトダイオード,VUV : 真空紫外分光器
・信号計測
イオン : マイクロチャネルプレート (MCP)
赤外蛍光 : InGaAsP光電子増倍管
イオン検出
・超高真空槽 : 表面実験
合成石英セル : ~1気圧ガス分析
圧力 : 1-105 Pa
TYPICAL DATA
REMPI vs. 波長
ボルツマンプロット
実験結果の例
TR = 325 K
・波長を掃引
J = 0,1,2,3 に対応する共鳴ピーク
ボルツマンプロット
N ( J )  g n (2 J  1) exp(
水素分子の曝露と脱離
分子導入
試料加熱
Be J ( J  1)
) TR : 回転温度
kTR
・蛍光強度の減衰
自然寿命(200 ns) + 衝突緩和 (Jに依存)
 1   nat ( J ) 1   ( J )n
蛍光検出
I (J ) 
E→B蛍光寿命
N0 ( J )
1   nat ( J ) ( J )n
光脱離水素分子のTOF 水素分子のオルソーパラ転換
TT = 11 K
・光励起脱離 : 内部状態弁別飛行時間スペクトル
試料 : 銀表面,励起光 : 6.4 eV
・表面におけるオルトーパラ転換
試料 : アモルファス氷 転換時間 = 370 s
Institute of Industrial Science / The University of Tokyo / Fukutani Laboratory
Katsuyuki Fukutani