オープンインスティテュート検討部会活動報告書 平成 オープンインスティテュート長 27 年 2月 27 日 殿 氏 名 小山 登 下記のとおり報告いたします。 検討部会名 AIIT 産業デザイン研究所 活動の概要 (1) 同研究所設置要綱の第 4 条の(3)デザインに関する調査・研究・開発、並びに(4)PBL による製品開発 の事業として、平成 26 年度傾斜的研究費(全学)の研究として、「フルサイズ定盤レスでのフルサ イズクレイモデルの製作」の試行とモデル製作プロセスを確立させた。 (2) 同研究所設置要綱の第 4 条の(2)デザインに関する普及啓発活動として、東京商工会議所の昼食懇談 会にて、経営者向けのデザインマネジメントに関する講演「ものづくりにおけるデザインの役割と その重要性」を実施した。 (3) 同研究所設置要綱の第 4 条の(1)デザインに関する東京版スキルスタンダードの普及啓発活動の一環 として、昨年度、作成したカリキュラムを基に APEN 諸国への展開の第二ステップとして、実践教育 のための教育資料の準備を実施した。 活動の成果 (1) 平成 26 年度の PBL のサポートとして、傾斜的研究費(全学)の研究成果も踏まえ、従来から 実施しているスケールクレイモデルからフルサイズクレイモデルへと発展させる為、設備 の無い下での「フルサイズモデル用設備レスでのフルサイズクレイモデルの製作の試行と 製作プロセスの確立」について研究しフルサイズクレイモデル製作を実施した。 ① 従来、フルサイズのクレイモデルを作製するためには、定盤(鋼鉄製のフラットな基準寸法入り のプラットフォーム)とレイアウトマシン(X,Y,Z の三次元の寸法測定器)を駆使して製作するの が通例であるが、今回は以下のような工夫(主なもの)をして、モデルづくりを実現させた。 a) 軽量化のために、通常の鉄芯に替わり、木材とフォーム(スタイロフォーム)を使用。 更には、芯のスタイロフォームを CAD 図面を基に出来る限り正確に構成し、通常 50 ミリ程度 あるクレイの厚みを 10 ミリ以内にする工夫を実施。 b) 軽量化と運搬の簡素化を目的として、ハーフモデル(左右のどちらか半面)としミラー(鏡) で立体として表現すること。 c) 軽量化と寸法だしの為に、中組みの木枠を工夫し、空洞部分を極力多く構成。 ② 現在、全国の殆どの教育機関で実施されていないフルサイズクレイモデルの製作を支援 して、設備の充分でない中での新しいモデル製作方法を試行実践し、フルサイズクレイ モデル製作の提案を支援することができた。 <フルサイズモデル施設レスでのフルサイズクレイモデルのプロセス> 写真 1 フルサイズモデルの芯の製作 写真 3 フルサイズモデルの芯の構成 写真 5 モデルの芯にクレイの盛付け 写真 7 塗装され完成したモデル 写真 2 芯の木枠と空洞部分 写真 4 完成したモデルの芯 写真 6 ほぼ完成したクレイモデル 写真 8 ミラーリングで立体として完成 ③ 結果として、スケールモデルには無い実在感を安価な製作費と新たな技法でフルサイズ モデルが製作できること示すことができ、大きな研究成果となった。 (2) 平成 26 年度中の各種イベント活動 並びに 講演実施・論文作成は以下の通り。 ① H26.06.13 学 会: KEER (Kansei Engineering and Emotion Research) 2014 テーマ: Research on the Latest Decision-Making Style in 場 ② H26.06.25 Automobile Design Development 所: リンシェピング、スェーデン 学 会: HCII (Human-Computer Interaction International) 2014 テーマ: Research on User Involvement in Automobile Design Development ~Focusing on the Problems of Design Evaluation~ 場 所: イラクリオン、ギリシャ ③ H26.10.20 講 演: 東京商工会議所工業部会 所属議員昼食懇談会 テーマ: 「ものづくりにおけるデザインの役割とその重要性」 場 所: 東京商工会議所会議室 ④ H26.12.09 講 演: 企業内中核人材懇話会 テーマ: 「AIIT デザイン研究所の活動報告と デザインに関するアドバイス」 場 所: 本学 269 教室 ⑤ H26.10.20 論 文: テーマ: ⑥ H27.03.12 イベント:「創立 10 場 本学紀要第 8 号掲載 日本の自動車業界におけるデザイン意思決定の最前線 ~デザインの評価の問題を中心として~ 周年記念プレイベント~起業家・創業者の キャリア戦略~」でのフルサイズクレイモデルの展示 所: 時事通信ホール ホワイエ (3) APEN 諸国への展開の第二ステップとして、アジアの大学でのデザイン授業 (Advanced Institute of Design Innovation)に向け、(1)で製作したモデルのプロセスなどを組み込んだ新しい実践教育 のための教育資料の教育用資料の作成を進行中。 次年度の当研究所の継続研究テーマとして予定している。 以上
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