第493号(H27.1) - 愛媛県土地改良事業団体連合会

2015.1
Vol.493
み ど り
水土里ネット 愛 媛
豊かな農村環境を保全する
(愛媛県土地改良事業団体連合会)
丹原を見守るとうど(西条市丹原町)
CONTENTS
ご挨拶
新年のご挨拶 水土里ネット愛媛 会長 三好 幹二········· 1
年頭のご挨拶 愛媛県農林水産部 部長 三好 晶夫········· 2
新年のご挨拶 愛媛県農林水産部 農業振興局農地整備課
課長 菊池 洋之········· 3
トピックス
第37回全国土地改良大会山梨大会 ~富士の国やまなし発~
『かけがえのない農業を次世代へ 水土里育む土地改良』········ 4
「農業農村整備の集い」の開催························································· 5
ラジアルゲートを開けなければ‼
(東日本大震災時における福島県職員の土地改良施設への
対応について)················································································ 6
取組事業の紹介
海岸保全施設整備事業(高潮)
「菰隠地区」完成報告について···· 9
県中予地方局発信!
「みんなに親しまれるため池」を目指して
−植生いかだづくり−·····························································11
水土里ネット情報
農業農村整備事業予算の確保について要望··································13
すごいもの博2014に出展·······························································13
平成26年度土地改良区基盤強化事業会計コース研修会開催······14
平成26年度 小水力等発電導入技術力向上研修会·····················15
土地改良の Q&A
教えてっ! 農業農村整備って何? №15·································16
お知らせ
第9回まつやま農林水産まつりのご案内········································ 5
イベント情報····················································································15
第22回農業農村整備事業写真コンテスト作品募集·····················18
平成 27 年1月1日
平成 27 年1月1日
新 年 の ご 挨 拶
年 頭 の ご 挨 拶
水土里ネット愛媛 (愛媛県土地改良事業団体連合会)
愛媛県農林水産部
会 長 三 好 幹 二
明けましておめでとうございます。
皆様には、お健やかに輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
旧年中は、農業農村整備事業の推進はもとより、水土里ネット愛媛の活動・運営につきましても格
別のご支援、ご指導を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、近年、日本各地では東日本大震災はいうに及ばず、地球温暖化によるものとされる集中豪雨
や異常潮位の多発化、台風の大型化と強大化、さらには御嶽山をはじめとする火山噴火など、自然災
害の多い年が続き、農地や農業用施設の破損、水稲の倒伏等、甚大なる農業被害が発生しています。
本県においては、幸いなことに、ここ数年大きな災害は発生しておりませんが、防災・減災対策の
必要性をはじめ、農業農村が有する多面的機能をあらためて再認識し、農地農業用施設の適正な維持
保全活動を通じて、災害に対する備えにしっかりと取り組んでいかなければならないと考えておりま
す。
また、農業・農村では、過疎化、高齢化、担い手不足に加え、地域活力の低下などの課題が山積し
ています。さらに、TPP 交渉の行方如何によっては、日本の安全な食と健全な農業、美しい農村に
重大な影響を与えることが懸念されるところであります。
一方で、農業・農村は、国民に食料を安定供給するとともに地域の経済を支えており、持続性に優
れた生産装置である水田、世界に評価される和食、美しい農村風景などすばらしい潜在力を有してい
ます。
政府は、これらの潜在力を最大限に引き出し、若者たちが希望を持てる「強い農林水産業」と「美
しく活力ある農山漁村」を創り上げていくため、昨年6月に「農林水産業・地域の活力創造プラン」
を改訂し、産業政策と地域政策を車の両輪として、高付加価値化・生産コスト削減に資する大区画化
と、国土強靱化を踏まえた水利施設の整備等を行うこととしています。さらに、9月には、農林水産
大臣を本部長とする「攻めの農林水産業実行本部」を設置し、
現場における課題を把握するとともに、
農林水産業・農山漁村の所得を向上させていくための更なる方策について検討を進め、
「農林水産業・
地域の活力創造プラン」に掲げた施策の着実な実行に取り組んでいくこととしています。
一方、県内においても、国の動きに呼応する形で、米政策の改革、経営所得安定対策の見直し、
(公
財)えひめ農林漁業振興機構(農地中間管理機構)の設置、日本型直接支払制度の創設など農業・農
村全体の所得倍増を目指し、新たな農政が始動することになりましたが、未だ、その実感はありませ
ん。また、共同活動を通じて地域の農地を維持するとともに、多様な担い手の育成と確保という農政
の構造改革を後押しするために実施される多面的機能支払交付金は、新たな制度への変更手続きに追
われ、昨年は新規地区を大幅に拡大するところまでには、至っておりません。
本会といたしましては、
これらの施策は、
中山間地域を多く抱えている県内の農業農村にとっても、
欠かすことのできない重要な事業であるため、これまで以上に「現場主義」の視点に立ち、会員の皆
様方にご意見をお聞かせいただきながら、引き続き、地域の実情に即した有効な制度となるよう県・
市町とともに、国に対し強く要望して参る所存であります。まさに、これからが農政改革の正念場で
あります。関係機関と十分な連携を図りながら、農業農村整備事業に積極的に取り組むとともに、会
員の皆様のご期待、ご要望に応えられるよう役職員一丸となって、精一杯努めてまいりますので会員
各位並びに関係機関の皆様方の一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
終わりになりましたが、本年が皆様方にとりまして、幸多い年となりますことを心よりお祈り申し
上げ、新年のご挨拶といたします。
1
部 長 三 好 晶 夫
平成27年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
平素から、愛媛県土地改良事業団体連合会会員の皆様方におかれましては、農業農村整備事業の推
進はもとより、本県農林水産行政の各般にわたり格別のご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
国政におきましては、昨年12月に衆議院の解散に伴う総選挙が行われ、その結果、政府は引き続き
アベノミクスを推進していく体制を整えておりますが、国の27年度予算については年度内成立を目指
しているものの流動的な状況となっております。
県では、執行の遅れによる県民生活や県内経済への影響も考慮して、やるべきものについて可能な
限り計上し、通年予算としていきたいと考えていますが、今後国の予算編成等の動向を見極めながら
機動的・弾力的に対応して参りたいと考えております。
さて、国においては農業の競争力強化に向け策定した「農林水産業・地域の活力創造プラン」に基
づく農政改革を今年度から本格的にスタートしたところであり、我国の農政は今、大きな転換期を迎
えております。
このような中、本県農業は中山間地域が多く生産条件が厳しいことに加え、過疎化や高齢化による
担い手不足、地域活力の低下といった多くの課題が山積しておりますが、県では、農業水利施設の防
災・減災対策はもとより、長寿命化対策を進めるとともに、農地集積による規模拡大、新規就農者の
確保や育成、6次産業化への支援、農産物のブランド化や国内外への販路拡大などに積極的に努めて
おり、中四国有数の農業県である愛媛の底力を最大限に発揮させ、本県農業の発展を図って参りたい
と考えております。
特に、国内有数のかんきつ生産を支える国営南予用水施設の適切かつ効率的な更新・改修に併せて
耐震化を図る「国営施設機能保全事業 南予用水地区」については今年度着手され、27年度予算政府
概算要求においても事業の計画的な推進に必要な予算が計上されており、今後とも関係機関と連携し
ながら、積極的に取組んで参る所存であります。
また、道前平野は県内有数の穀倉地帯であり、今年度、「国営緊急農地再編整備事業地区調査 道
前平野地区」が採択されたことを受け、国・県・市で行政機関の体制を整えるとともに、3者が密接
に連携し地元関係者の合意形成を図ることとしており、県としても重要施策に位置づけ、事業の早期
着手に向け積極的に取り組んで参りたいと考えております。
これらの取組みを着実に進めるため、県としても、国の施策の展開を注視しながら、各種施策をこ
れまで以上にスピード感をもって積極的に展開し、必要な予算の確保に努めて参りますので、土地改
良事業の適切かつ効率的な運営に熱心に取り組んでいただいている皆様方には、引き続き、本県農業
え がお
の振興に一層のご尽力をいただき、「愛顔あふれる、えひめの農業・農村」の実現にお力添えを賜り
ますようお願い申し上げます。
最後になりましたが、貴連合会の益々のご発展と会員の皆様方のご健勝・ご多幸を心から祈念申し
上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
2
平成 27 年1月1日
新 年 の ご 挨 拶
愛媛県農林水産部
農業振興局農地整備課
課 長 菊 池 洋 之
平成 27 年1月1日
第37回全国土地改良大会山梨大会 ~富士の国やまなし発~
『かけがえのない農業を次世代へ 水土里育む土地改良』
去る10月30日、山梨県甲府市の山梨県立産業展示交流館
(アイメッセイ山梨)に於て『富士の国やまなし発 かけ
がえのない農業を次世代へ 水土里育む土地改良』をテー
新年にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。
皆様方には、平素より本県の農業農村整備事業の推進に、格別のご理解とご協力をいただき、厚く
お礼申し上げます。
昨年は、4年に一度の冬季オリンピックやサッカーW杯の開催年であり、青野選手や長友選手など
マに第37回全国土地改良大会山梨大会が開催され、全国か
ら土地改良関係者約3,600人が参加した。
大会では、
「食料自給率の向上と食料の安定供給の確保」
「農業・農村の多面的機能の発揮」など農業農村整備事業
の役割や水土里を守り育てる土地改良の力の重要性を国内
本県出身者を含む日本選手の一挙手一投足に一喜一憂したほか、スポーツ以外でも中村修二教授(伊
外に発信した。
方町出身)のノーベル物理学賞受賞や県のイメージアップキャラクター「みきゃん」のゆるキャラ
式典に先立ち、開催県の水土里ネットやまなし白倉会長、主催者の全国水土里ネット野中会長挨拶
GP 3位入賞など、こつこつと積み上げた努力が実を結んだ喜ばしいニュースのあった1年でありま
した。
農政に目を転じますと、農地中間管理機構の創設や米の生産調整の抜本的見直し、日本型直接支払
制度の開始など「攻めの農林水産業」実現に向けた大きな変革の年でありましたが、本県におきまし
ても、「国営施設機能保全事業 南予用水地区」及び「国営緊急農地再編整備事業地区調査 道前平野
地区」が開始されるとともに、松山南部農道の「大友山トンネル」が竣工し、砥部町宮内~松山市荏
原町間が開通するなど、愛媛の農業・農村振興にとっても大きな一歩を踏み出した年となりました。
の後、来賓の小泉農林水産副大臣より来賓挨拶、横内山梨県知事、棚木山梨県議長より歓迎の言葉が
述べられた。
続いて、土地改良事業功績者表彰が行われ、農林水産大臣表彰
6名、農林水産省農村振興局長表彰15名、全国土地改良事業団体
連合会長表彰45名の受賞者が紹介されました。
本県からは愛媛県土地改良事業団体連合会 平田清夫前常務理
事が全土連会長表彰を受賞されました。
その後、小林農林水産省農村振興局次長による農業農村整備事
このような中で、今後の農業農村整備事業の推進にあたっては、将来に向けての最大の課題である
業を巡る情勢など基調報告に続いて、岩手県・宮城県・福島県よ
「担い手の確保・育成」と「優良農地の確保・保全」を図るため、
「ほ場整備や樹園地整備を契機と
り東日本大震災復旧・復興状況の基調報告、山梨県内の土地改良
した担い手の確保・育成」
「農業水利施設の保全対策とかんがい排水施設の再編整備の推進」
「農村環
境保全向上活動の促進」
「地域を守る防災・減災対策の推進」の4点を重点推進事項として、各種事
業制度を活用し、引き続き積極的に対応していくこととしております。
また、平成19年度から開始された「農地・水保全管理支払交付金」が、昨年4月の制度改正により
「多面的機能支払交付金」に生まれ変わり、新たに取り組む活動組織も着実に増加してきています。
今年4月には「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」が施行されることから、第4期
対策を迎える「中山間地域等直接支払交付金」の活動とも連携し、農業・農村が持つ多面的機能の発
事業優良事例地区の紹介が行われた。大会宣言では、専門学校 山梨県立農業大学校生二人が、「先人達から受け継がれてきた、か
けがえのない農業・農村を次世代に引き継いでいくことを高らか
に宣言します。」と力強く唱えた。
最後に、次期開催地の青森県へと大会旗が引き継ぎされた後、
閉会挨拶を行い、盛会裡に幕を閉じた。
翌31日からは、5コースに分かれ県営事業地区等の視察研修が
行われた。
全土連会長表彰
愛媛県土地改良事業団体連合会
平田清夫前常務理事
揮と本県の約7割を占める中山間地域の農業生産活動の格差是正を図り、愛媛農業の持続的発展を支
える重要な活動として、多面的機能支払交付金による活動を一層推進していくこととしております。
本県の財政は依然厳しい状況ではありますが、昨年12月からスタートした第2期中村県政では、一
次産業全体の販路拡大や近い将来予想されている南海トラフ巨大地震や大規模災害に備えたハード・
ソフト両面からの防災・減災対策の推進などを図ることとしており、目標の実現に向け「挑戦」「実
行」「現場主義」
「オール愛媛」をモットーに、地域の声に耳を傾け、愛媛農業の発展と農村の振興に
向けた事業展開を図っていくこととしておりますので、なお一層のご理解とご支援をお願い申し上げ
ます。
最後になりましたが、皆様方のご健勝とご多幸を心からお祈りいたしまして新年のご挨拶といたし
ます。
3
大会宣言をする山梨県立農業大学校生
県営事業を視察する参加者
4
平成 27 年1月1日
平成 27 年1月1日
ラジアルゲートを開けなければ‼
(東日本大震災時における福島県職員の土地改良施設への対応について)
「農業農村整備の集い」の開催
去る11月25日シェーンバッハ・サボー(東京都)において、
「農業農村整備の集い」が、全国土地
改良事業団体連合会及び都道府県土地改良事業団体連合会の共催で開催された。当日は、農林水産省
から小泉昭男農林水産副大臣をはじめ農村振興局幹部、また、石破茂地方創生担当大臣、自民党の二
階俊博総務会長、稲田朋美政調会長、衆参両院の国会議員を迎え、全国の水土里ネット関係者約700
名が参集し、盛大に開催された。
集いでは、野中広務全土連会長の挨拶の後、小泉昭男農林水産副大臣が祝辞を述べられ、三浦進農
村振興局長の情勢報告、農事組合法人、土地改良区による農業農村整備事業における2つの事例発表
と続いた。その後、国が目指すべき「強い農林水産業」
、
「美しく活力ある農山漁村」
、
「国土強靱化」
の実現に向け9事項の要請と合わせて、農業農村整備事業に対する十分な予算措置を講ずることとす
る緊急要請を含む要請書が提案され、満場一致で採択された。
最後に、熊本県土連会長の発声で“ガンバロウ三唱”が力強く唱和され、幕を閉じた。
集いの終了後、要請書の実現を目指し、衆参両院の地元選出国会議員に対し要請活動を行った。
東予地方局農村整備課 池田 武正
1 東北地方太平洋沖地震の発生
平成23年3月11日東北地方太平洋沖地震が発生、翌12
日に福島第一原子力発電所(以下「原発」という。)で発
生した事故により、原発から半径20㎞圏内は避難指示が
出され、この区域(以下「避難指示区域」という。)は立
ち入ることができなくなる。福島県庁農地管理課では、
職員の多くが避難所支援や支援物資の仕分けに手をとら
れる中、事故から6日後の3月18日、この避難指示区域
内にある坂下ダム及び大柿ダムへの対応について本格的
に話し合われ始めた。
ダム名
野中全土連会長挨拶
坂下ダム
大柿ダム
所在地
双葉郡大熊町大川原
双葉郡浪江町室町
型 式
重力式コンクリートダム
ロックフィルダム
堤長(m)
231
262
堤高(m)
43
85
貯水量(㎥)
2,840,000
19,500,000
受益面積(ha)
378
3,808
出席者全員でのガンバロウ三唱
第9回まつやま農林水産まつりのご案内
「まつやま農林水産まつり」は、松山で採れた旬の野菜や果物、また瀬戸内海で獲れた新
鮮な魚や加工品を一堂に集め、松山の農林水産物のさまざまな情報発信を行い、広く市民に
松山の農林水産業を PR するとともに、消費者に信頼される松山農林水産物の販路拡大を図
り、もって活力ある農林水産業の発展につなげていくことを目的に開催されます。
私たち水土里ネット愛媛は、「 まつやま農林水産まつり 」 を通じて農業農村整備事業の重
要性をより多くの市民の皆様に知って頂くため、松山市内で実施された事業事例のパネル展
等を行う予定です。
みなさん、ご家族そろって是非お越しください。
〈開催場所〉
アイテムえひめ(大展示場及び FAZ プラザ)
松山市大可賀2丁目1−28
〈開催日時〉
平成27年2月14日
(土)
10時から16時
平成27年2月15日
(日)
9時から15時
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お知らせ
坂下ダム(H23. 4撮影)
大柿ダム(H23. 6撮影)
2 ダムの状況
地震の発生した3月という時期は、代搔き用水を確保するため、どのダムも満水に近い状態である。
4月以降は大雨の可能性が高まり洪水が発生した場合、洪水吐ゲート上部からの越流、また流木が洪
水吐ゲート上部を閉塞した場合は、堤体から越流するという設計上想定していない事態が考えられた。
「早急にダムの安全を確保しなければならない。」
「誰かが行って、ラジアルゲート(洪水吐ゲート)の開操作をしなければ!」
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5
6
平成 27 年1月1日
【参 考】藤沼ダム決壊状況(平成23年3月11日決壊)
平成 27 年1月1日
現場での作業は、自家発電機を起動するためのバッテリー装着など若干手間取るなどしたが、2時
間ほどで無事完了する。帰りの車中、すれ違う車中の人、地震で壊れた道路を復旧している人など全
員が防護服を着ている状況を見ると、「なんとかこのまま事故収束に向かってほしい」と祈るだけで
あったという。避難指示区域から出る前までの累積線量は比較的低く、0.01ミリシーベルト(避難指
示区域内滞在時間:4時間)であった。
(参考)
自然放射線(日本年平均):2.1ミリシーベルト
胸部レントゲン :約0.06ミリシーベルト
場 所:福島県須賀川市
総貯水量:150万㎥
被 害:死者7名
行方不明1名
当時の県担当者は、
「本来、出先(相双農林事務所)が行く仕事だが、本庁で原子力安全保安院や
東京電力などと直接やり取りしている自分が行った方が、段取りが付きやすい。家族が心配するか
な?」と振り返る。
現場で行う作業については、両ダムの施設管理者(土地改良区)
、ゲート製作業者などと18日から
現場に入る直前まで、施設の起動から始まり、各機器操作方法や開操作の注意点など入念に打ち合わ
せた。
翌3月31日には別班が、大柿ダム(20㎞圏内)において、同様に洪水吐ゲートの開操作を行った。
なお、平成23年12月末までに避難指示区域内で緊急作業に携わった福島県職員は、約350人にのぼる。
4 用水供給の開始
現在、避難解除準備区域※ などになっている南相馬市小高地区が、平成28年4月の一部帰還を目
指しており、住民帰還を後押しするため、大柿ダムは避難指示区域内にあるダムとしては初めて、平
成29年度からの用水供給開始を目標に、本年度から災害復旧工事が本格的に動き始めている。
※放射線の年間積算量が20ミリシーベルト以下となることが確実と確認された地域で、復旧・復興のための支援策を迅速
に実施し、住民が帰還できるための環境整備を目指す区域
【大柿ダム復旧スケジュール】
3 避難指示区域内での作業
年 度
内 容
平成24年度
ダム天端の除染
平成24〜25年度
復旧計画の策定
用トレーニング施設を、事故収束のための前線基地として利用)で、タイベックスーツ(防護服)・
平成26〜27年度
堤体の復旧及び用水施設の補修
防護マスク・ゴーグルを装着、東京電力の準備する20㎞圏内用のバスで一路、坂下ダムへ向かった。
平成28年度
ダムの湛水試験の実施
車内では、東京電力の放射線管理員が各地点で放射線量を伝える(当時は個人に線量計は配られてい
平成29年度
小高地区(南相馬市)への用水供給開始
関係部局と調整の結果、避難指示区域内に立ち入る手配ができたことから、3月29日、坂下ダムゲー
ト開操作を行う。当日、県担当者は、原発の南20㎞の楢葉町にあるJビレッジ(東京電力がサッカー
ない)とともに、
「海外では自然放射線量が年間20ミリシーベルトという所で生活している地域もあ
ります。」など説明を行っていた。事故直後のため、放射線の影響に関する情報なども十分にないこ
とから、ただ漠然と「大丈夫なんだろうな。
」と思いつつ移動中、土地改良区などと打ち合わせた内
容を反芻したという。
(現場での作業)
◦非常用自家発電機の復旧
(長期間電源を喪失しているためバッテリーの持込みによる発動機の起動が必要)
◦ラジアルゲート(洪水吐ゲート)の開操作
◦堤体、取水ゲート及び放流バルブ等の状況確認
5 おわりに
今回、私は今なお震災の爪痕残る福島県南相馬の地で平成26年7月から9月までの3カ月間、災害
復旧支援事業に従事してまいりました。
前述の震災発生直後に避難指示区域に乗り込み、ラジアルゲートの開操作を行った当時の福島県本
庁担当者は、現在、ここ南相馬市の相双農林事務所で復興事業の陣頭指揮をとられています。
集中復興期間が平成23年度から27年度の5カ年となっており、現在その4年目に当たりますが、復
興はまだ道半ばといった状況です。最後に福島県の一日も早い「実りある緑の大地復活」をお祈りい
たします。
坂下ダム操作状況:汚染防止のためカメラをナイロンで覆っていたことから、写真が曇っている。
7
8
平成 27 年1月1日
平成 27 年1月1日
海岸保全施設整備事業(高潮)「菰隠地区」完成報告について
東予地方局産業経済部今治支局農村整備課
1 はじめに
上島町は、瀬戸内海に浮かぶ18の島々からなる4町
村(越智郡弓削町、生名村、岩城村、魚島村)が合併
して平成16年に誕生しました。弓削町は海苔の養殖、
生名村は観光・スポーツによる地域振興、岩城村は柑
橘類の栽培、魚島村は鯛などの漁業がそれぞれ盛んで、
特色ある地域が合併しているため、様々な地域を有す
る四国に例えて、
「上島四兄弟 四国の四国」と言わ
れています。
こもかくし
「菰 隠 地区」は、岩城島の南西部に位置し、周囲には赤穂根島、津波島、伯方島が点在しています
が、正面は津波島と伯方島の間が燧灘に抜けていることから、周辺部に比べ波浪が極めて高くなって
いました。また、背後地は比較的平坦で柑橘を主体とした優良農地が広がっているほか、民家や小学
校等の公共施設が混在する地域となっています。
2 事業の背景
岩城島史によると、菰隠地区は明治17年、32年の風水害により集落のほとんどが流出した経緯があ
【背後地状況】
り、また、昭和24年、26年にも家屋浸水、損壊などの被害が発生していることから、地区住民の越波
防止に対する要望は非常に強くなっていました。
さらに、既設護岸は昭和41~ 44年に海岸保全施設整備事業で改修したものですが、近年、台風や
冬季波浪の越波により背後農地の塩害が著しく、また、護岸の波返工の一部に網目状のクラックが見
られるなど不安定な状態となっていました。このため、海岸保全施設整備事業(高潮)
「菰隠地区」
により平成15年から整備に着手しました。
3 事業の概要
本地区では、前面の海浜が長年に亘る潮流の影響等により浸食が著しく、護岸の安定にも支障を来
す恐れがあることから、越波防止と護岸前面への滞砂を目的とした対策工法として離岸堤を採用しま
した。離岸堤の施工に当たり海底の基礎地盤を調査したところ、軟弱な粘性土であったため、深層混
合処理工法(セメントミルクを地盤に注入し地盤の地耐力を高める工法)を施工し、最も経済性に優
【離岸堤(直立消波ブロック)】
【モニュメント「上島四兄弟 四国の四国」】
れた直立消波ブロックにより離岸堤を設置しました。
また、老朽化した波返工の改修を行うとともに、津波、高潮等の緊急時に背後の人家、道路等の公
共施設、優良農地が浸水被害を受ける恐れがあるため、陸閘を鋼製ゲートで改修し、平成24年度に全
ての整備が完了しました。
4 おわりに
菰隠地区がある岩城島は「青いレモンの島」として有名ですが、島嶼部のため条件不利地域が多い
ことに加えて農家の高齢化や後継者不足等により、耕作放棄地も見受けられます。本事業により整備
された施設によって優良農地が保全され、さらに地域住民が安心して生活が出来、そして「上島四兄
弟 四国の四国」が今後も兄弟仲良く、元気で育って行くことを期待しています。
9
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平成 27 年1月1日
県中予地方局発信!
「みんなに親しまれるため池」を目指して
−植生いかだづくり−
平成 27 年1月1日
●植生いかだづくり
■ポット苗づくり等
①
②
愛媛県中予地方局農村整備第一課
1 はじめに
本誌2014年4月号(Vol.490)で紹介しました「ため池環境再生促進事業」について、本年度、播
磨塚池(東温市西岡土地改良区)と水泥古池(松山市水泥町土地改良区)において、ため池管理者で
ある土地改良区が中心となり地域ぐるみで植生いかだによるアオコの発生を抑制するための水質浄化
対策に取り組みましたので、その内容を報告します。
セルを利用して種まきから育苗
(庭先でも育苗可能)
セル苗完成
(種まきから約30日)
2 私たちで何ができる?
セルからポットに
移植しポットで育苗
③
■植生いかだづくり
まず、地域住民で構成する実行委員会においてみんなで考えました。その結果、愛媛大学中矢名誉
教授の助言や国土交通省が野村ダムで実施している事例を参考に、アオコ発生の要因となっている池
⑤
の富栄養化の主な原因物質である窒素、リンを吸収して育つ“中国野菜・空芯菜”を水面で水耕栽培
④
することに決定しました。
いかだの仕様は、1基あたりの大きさが縦1.0m× 横4.0m 程度で、青竹、トレイ、浮きで構成します。
①青竹は長尺(径6㎝程度)2又は4本と短尺(径4㎝程度)6本、②トレイは2列で計10個を配置
し青竹と合わせて組み立て、1トレイに5株のポット苗を定植、③浮きは試行錯誤の結果市販の発泡
スチロール製品(D350×550㎜)を両側固定とし、試作と合わせて播磨塚池8基、水泥古池6基を設
置することとしました。なお、青竹は必要数を改良区が中心となって調達しました。
3 まずは苗の確保から…
いかだづくり
ポット苗完成!
(種まきから約50日)
竹切り出し
(イベントまでに準備)
⑥
1基あたり50株のポット苗を定植するので、2池合わせて700株が必要となります。翌年度以降の
取り組みを考え、改良区理事長の全面的な理解と協力を得て、種や必要な資材を市内ホームセンター
⑦
で調達し、7月20日播磨塚池、21日水泥古池で実施する植生いかだづくりイベントに間に合うよう、
⑧
5月下旬から6月上旬に種をまき苗を育てて、購入と合わせ必要数を確保することとしました。
4 いかだ作ってみました!
イベントでは、試作での経験を踏まえ実行委員会及び改良区が中心となって、地域住民の方々総勢
63名が参加し、いかだづくりを行いました。当日改良区からは「活動を通してみんなで池をきれいに
する意識が芽生えてくれたら」と期待する声や参加者からは「今回の体験をきっかけに、池について
少し親しみを持てるようになった」との声が聞かれました。
ポット苗をいかだに設置
池に設置
池に設置
⑨
5 食べてみました ⁉
■収穫・試食
池に浮かべてから約3ヶ月。空芯菜が順調に生育しましたので10月25、26日に播磨塚池、水泥古池
それぞれで収穫を行いました。水泥古池では、池干しふれあいイベントに合わせ、昼食時に婦人会が
⑪
おひたしにして調理し、おいしく試食しました。
⑩
6 一連の活動を終えて…
今回、数基の植生いかだ設置となるため、抜本的な水質改善とはならないものですが、周辺住民が
地域の池の水質浄化に関心を持ち、自ら保全しようとする意識啓発には大きな効果があると考えられ
ます。貴重な実績を踏まえ来年度も引き続き活動を継続し、環境再生の手法や活動の継続に向けた体
制づくりを進め、同様の課題を抱える地域へも活動の輪を広げていきたいと考えております。
え がお
中予地方局では、これからも「総力結集!愛顔で県民サービス」をモットーに、地域の期待に応え
るべく、住民とともに考え活動してまいりますので、よろしくお願いします。
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試食
婦人会で調理
収穫
(注)写真は播磨塚池及び水泥古池の両活動をもとに編集しています。
12
平成 27 年1月1日
農業農村整備事業予算の確保について要望
平成 27 年1月1日
を使い展示。二日間、天候にも恵まれ多くの親子連れで賑わい農業農村整備事業を幅広くアピールす
ることができた。
去る10月28日、愛媛県土地改良事業団体連合会と愛媛県農業農村整備事業推進協議会は、愛媛県知
事をはじめ県関係者と自由民主党愛媛県支部連合会に対し、農業を核とした新しい地域産業の創出や
え がお
儲かる農業の実現を具体的に進め愛顔あふれるえひめ農業農村の実現に向けた平成27年度農業農村整
備対策予算の確保を強く要望した。
当日は、三好会長を始め横山常務理事ほか幹部職員が出席し、県下の農業農村の現状と5つの要望
事項を強く訴え、それぞれ力強い回答をいただいた。
要望の詳細については以下のとおり。
平成27年度農業農村整備対策予算の確保について
え がお
「愛顔あふれるえひめ農業農村の実現に向けた要望」
1.担い手への農地集積を図る生産基盤整備の推進
2.農業水利施設等の計画的な保全管理と再編整備の推進
3.地域を守る防災・減災対策の推進
4.日本型直接支払制度における「多面的機能支払」の推進
5.地域資源の担い手である土地改良区等の運営強化に対する支援
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平成26年度土地改良区基盤強化事業会計コース研修会開催
去る11月20日(木)当会会議室において複式簿記へ
の移行を考えている土地改良区の役職員37名が出席
し、標記研修会が開催された。
本研修会は、土地改良区の広域合併を推進する
リーダーの育成を図るため、特に複式簿記会計等の
理解を深めることを目的とした会計コース研修で、
全土連が国より受託し、本年度から3年間で全国の
土地改良区を対象に実施されるもので、冒頭全土連
の浦山参与による主催者挨拶・趣旨説明のあと、開
催県の横山常務理事から、土地改良区は公的組織で
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すごいもの博2014に出展
去る11月22日
(土)
・23日
(日・祝)の両日、松山市
堀之内の城山公園で『えひめ・まつやま産業まつり
すごいもの博2014』が開催され、松山市をはじめ
県内外から二日間で12万人を超える来場者で賑わっ
た。
水土里ネット愛媛では、農業農村整備事業の重要
性をより多くの県民の皆様に知ってもらうため、愛
媛県農林水産部農業振興局農地整備課と連携し、農
業や農村のいろいろな役割や農村の環境を守る取り
組みとして多面的機能支払交付金の制度紹介、県内
取組事例のひとつとして間伐材を利用した「バーク
堆肥づくり」などをパネルにより展示した。その他
にも、農村に棲む生き物を写真やペーパークラフト
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あり、組合員の賦課金や補助金を受けて運営を行っており、財政状況を組合員・国民に対する説明責
任が求められることにより、今後複式簿記への移行のための推進に努めて頂きたいとの挨拶があった。
研修生にはなじみの薄い複式簿記の研修会であったが、皆、真剣な表情で講義に聴き入っていた。
研修内容及び講師は次のとおり。
「検査指導基準、会計基準について」
「会計細則例、勘定科目、諸様式について」
中国四国農政局 土地改良管理課
土地改良指導官 尾崎 芳幸
「会計制度、複式簿記の基本について」
全国土地改良事業団体連合会
中央換地センター参与 浦山 正四
「土地改良区会計基準に基づく会計の実際」
全国土地改良事業団体連合会
管理システム研究部主査 田中 克哉
「小水力発電会計について」
全国土地改良事業団体連合会
中央換地センター参与 浦山 正四
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平成 27 年1月1日
平成 27 年1月1日
平成26年度 小水力等発電導入技術力向上研修会
教えてっ! 農業農村整備って何? №15
去る11月27日(木)
、愛媛県土地改良事業団体連合
このコーナーでは、Q&A形式で『農業農村整備事業(以下、NN 事業)』についての紹介をして
会4F会議室において、県・市町・土地改良区の出
います!
席のもと開催された。
前回までに『NN 事業では、どんなことが出来るの?(H23. 4月号)』という質問に対して、これまで、
本研修会は、地方公共団体及び土地改良区等に再
○「水田の整備」 (H23. 7月号)
○「樹園地の整備」 (H23.10月号)
生可能エネルギーに対する理解を深めていただくと
○「かんがい排水施設の整備」 (H24. 1・4・10月号)
ともに、職員の技術力向上と発電施設導入に必要な
○「農地防災事業(ため池 ・ 災害 ・ 地すべり ・ 海岸)」(H25. 1・4・7・10月号)
技術者を育成することを目的とするもので、冒頭、
○「中山間地域総合整備事業」 (H26. 1月号)
○「棚田地域等の保全対策」 (H26. 7月号)
横山常務理事より土地改良長期計画の政策目標とし
各務土地改良区 波能事務局長
て小水力発電等の自立・分散型エネルギーシステム
への移行と美しい農村環境の再生・創造を掲げ、再生可能エネルギーの導入に向けた計画作成済みの
地域を1,000地域と設定し全国各地で推進されており、本県でも推進されているとの挨拶があった。
プログラムは以下のとおり。
○「環境との調和」 (H26.10月号)
の紹介を行ってきました。
今回は、農業水利施設を活用した「小水力発電」に関する取り組みを紹介します。
1 小水力発電とは
愛媛県における農業用水利施設を活用した
小水力発電の取り組み状況
愛媛県農地整備課
主任 井上 猛
講演『自然をいただく!発電する用水路』
各務用水土地改良区(岐阜県)
事務局長 波能 寿子
イクロ水力発電と呼ばれています。
小水力等再生可能エネルギーの導入推進について
愛媛県土地改良事業団体連合会
事業部次長 越智 昭夫
量が極端に少ない貴重な純国産のエネルギーです。
水力発電は、水が高いところから低いところに向かって流れ落ちる落差を利用して発電します。小
水力発電とは、一般的に出力が10,000kW 未満の規模とされており、中でも100kW 以下のものは、マ
小水力発電の特徴は、二酸化炭素(CO2)の排出
また、繰り返し利用できる再生可能なエネルギーで
あることから、国による様々な取り組みが行われて
います。
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2 小水力発電の候補地
小水力による発電電力量は、水の持つエネルギーに比例するため、その候補地は、流水の落差が大
イベント情報
きく流量が多い場所が適地となります。また、通水する時間や期間が長いことも重要です。農業用水
には、取水する時期が限られることや、取水量がその年の天候に左右されるといった特徴があり、一
般的に効率的な発電をすることができないため、年間を通して通水される大規模な水路やダムなどの
イベント情報
開催日
場 所
開催主体
峡の館
TEL
HP アドレス
冬将軍まつり
2月7〜8日 砥部町
(峡の館)
089−969−2070 http://kyonoyakata.sakura.ne.jp/
佐古ダム草刈・
清掃イベント
道後平野
089−943−0922 http://www.h3.dion.ne.jp/~dogo_kai/
2月22日 東温市
(佐古ダム)
土地改良区
道後平野
通谷調整池 植栽活動 3月中旬 砥部町
(通谷調整池)
089−943−0922 http://www.h3.dion.ne.jp/~dogo_kai/
土地改良区
春のいぶきまつり
3月下旬 砥部町
(峡の館)
峡の館
089−969−2070 http://kyonoyakata.sakura.ne.jp/
水利施設が、有力な候補地となります。
3 小水力発電を導入する目的
平成23年10月に、農業水利施設を活用して発電した売電収入は、発電施設の運営経費と維持管理費
に加えて、発電事業者である土地改良区が管理する土地改良施設全体の維持管理費にも充当すること
が可能となりました。
また、平成24年7月から固定価格買取制度が始まり、売電単価が34円 /kWh(200kW 未満の小水力。
H26年度末まで。)となったことから、農業水利施設を利用した小水力発電においても採算性の可能
性が高まりました。
※H23資源エネルギー庁公表の買取制度導入前の全国平均売電単価は9円 /kWh
15
16
減させ、施設の適切な保全につなげるために、農業水利施設を活用した小水力発電の導入を促進して
います。
4 小水力発電を導入する事業
農業水利施設を活用した小水力発電施設の整備を推進するために、導入の可能性検討や、必要とな
る調査設計を実施するための補助事業があります。
小水力発電の候補地があれば、国の補助事業を活用して採算性を検討することができます。
【小水力等再生可能エネルギー導入推進事業(~平成28年度)】
事業名
内 容
補助率
案件形成支援事業
候補地点について導入の可能性を検討
国費100%
(定額)
概略設計支援事業
概略設計と経済性を検討
国費100%
(定額)
基本設計支援事業
工事発注のための実施設計
国費50%
協議 ・ 手続支援事業
施設導入に必要な関係者との協議や各種手続の支援
国費100%
(定額)
5 年間発電量と売電金額の目安
例えば、流量0.4㎥ /s、落差2.0mの小水力発電では、約5.6kW の発電が可能です。年間を通じて通
水がある場合の年間発電量は、
5.6kW×24hr×365日 × 設備利用率
(平均60%)
=29.4MWh となります。
固定買取価格制度による売電金額は、29.4MWh・年 ×34円 /kWh(200kW 未満の小水力)≒約100
万円となります。
20年間の売電収入額>20年間の支出額(発電運営費、人件費、修繕費、減価償却費、修繕積立金等)
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お知らせ
第22回農業農村整備事業写真コンテスト作品募集
◆募集テーマ 「農業や農村の生活・習慣、または土地改良施設等に関すること全般」
・地域に根ざした農業農村に関わる伝統文化やユニークな地域活動風景等
・土地改良施設のある農村風景等
・ほ場整備(区画整理)、農業用水路、農道等の農業農村整備事業の実施事例等
・農業農村整備事業完了後の営農状況等
◆応募資格 愛媛県内に在住する方
◆応募締切 平成27年4月30日(必着)
◆審 査 平成27年5月中旬(結果は、入賞者への通知または、水土里ネット愛媛 HP で発表し
ます。)
◆ 賞 最優秀賞(1点) 副賞:全国共通百貨店の商品券(3万円分)
優 秀 賞(3点) 副賞:全国共通百貨店の商品券(1万円分)
佳 作(若干名) 副賞:全国共通百貨店の商品券(5千円分)
特 別 賞(若干名) 副賞:全国共通百貨店の商品券(5千円分)
◆応募及び問い合わせ先
〒790−0064 松山市愛光町1−24(県土連ビル)
愛媛県土地改良事業団体連合会 総務部 総務課
TEL 089−927−7000 E-mail [email protected]
※詳しくは、水土里ネット愛媛ホームページをご覧ください。http://www.ehimedoren.or.jp
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県では、売電収益を土地改良区が管理する施設の維持管理費に充当することにより農家の負担を軽
平成 27 年1月1日
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平成 27 年1月1日
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となることが、小水力発電施設を導入する目安となります。
6 県内の取り組み事例
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平成25年度から、県が事業主体となって西条市の志河川ダムの放流施設を利用した小水力発電施設
の建設に着手しています。維持管理費等の支出を除いた売電収益(約400万円 / 年の見込み)を、土
地改良区が管理する土地改良施設の維持管理費に充当し、農家の負担を軽減する計画です。
あけましておめでとうございます
平成27年元旦
愛媛県農林水産部
部
長 三 好
農 業 振 興 局 長 森
農業振興局技術監 石 山
菊 池
長
事
農 地 整 備 課 長
長
理
晶
寛
啓
洋
夫
敬
二
之
愛媛県土地改良事業団体連合会
会
会
副
事
長
理
事
会
理
事
副
理
事
長
理
事
会
理
事
監
事
副
理
事
務
理
事
常
理
事
事
理
監
事
表
監
事
代
参
三 好 幹 二
梶 川 冨士喜
松 下 長 生
大 城 一 郎
横 山 定 雄
篠 原 實
髙 橋 征 三
青 野 勝
髙須賀 功
佐 川 秀 紀
髙 野 宗 城
清 水 裕
石 橋 寛 久
清 水 雅 文
井 上 善 一
莖 田 元 近
小笠原 通 夫
門 田 宜 也
職 員 一 同
農業水利施設を活用した小水力発電に興味があり導入をお考えの際は、
お近くの地方局農村整備課、
市町、水土里ネットえひめにお問い合わせください。
17
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平成 27 年1月1日
第21回 農業農村整備事業 写真コンテスト
入 選 作 品 の 紹 介
優秀賞「キャベツ畑に新幹線、現る!」
撮影場所:松野町吉野 撮影者:阿部 雄二
佳作「飴食べながら…」
特別賞「謹賀新年」
※写真コンテストの内容は水土里ネットホームページでご覧いただけます。
※写真コンテストの内容は水土里ネットホームページでご覧いただけます。
撮影場所:松山市庄 撮 影 者:山碕 敬久
撮影場所:久万高原町沢渡
撮 影 者:中野 剛 ※写真コンテストの内容は水土里ネットホームページでご覧いただけます。
※写真コンテストの内容は水土里ネットホームページでご覧いただけます。
本
本
水
水土
土里
里ネ
ネッ
ット
ト愛
愛媛
媛
愛媛県土地改良事業団体連合会
水愛媛県土地改良事業団体連合会
里ネット愛媛
部土
松山市愛光町1-24(県土連ビル)
部 松山市愛光町1-24(県土連ビル)
Tel(089)
927‐7000
(代表)
‐7001
927‐
7000
(ト
代表)
Fax(089)
927‐7001
水愛媛県土地改良事業団体連合会
土Tel(089)
里ネ
ッ
愛Fax(089)
媛 927
ホームページ
http://www.ehimedoren.or.jp
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東予事務所
今治市常盤町5丁目5-33
本
部 松山市愛光町1-24(県土連ビル)
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今治市常盤町5丁目5-33
Tel(0898)
25‐7111
(代表)
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22‐4122
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7000
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927
7001
25‐
7111
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22‐4122
本
部 Tel(0898)
松山市愛光町1-24(県土連ビル)
南予事務所
西予市宇和町卯之町3丁目434番地1
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南予事務所 今治市常盤町5丁目5-33
西予市宇和町卯之町3丁目434番地1
Tel(089)
927
(代表)
Fax(089)
927
Tel(0894)
62‐7000
7522
Fax(0894)
62‐7001
7525
東予事務所
豊かな農村環境を保全する
Tel(0894)
62‐
‐
7522
(代表)
代表)
Fax(0894)
62‐
‐4122
7525
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Tel(0898)
25
7111
(
Fax(0898)
22
東予事務所
今治市常盤町5丁目5-33
南予事務所
西予市宇和町卯之町3丁目434番地1
豊かな農村環境を保全する
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Fax(0894)
62‐7525
発行所:愛媛県土地改良事業団体連合会
TEL:089−927−7000(代表) 編集人:門田 宜也
編集人:門田 宜也
発行所:愛媛県土地改良事業団体連合会
TEL:089−927−7000(代表)
FAX:089−927−7001
印刷所:セキ株式会社
松山市愛光町1−24(県土連ビル)
印刷所:セキ株式会社
FAX:089−927−7001
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豊かな農村環境を保全する
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