「特許法等の一部を改正する法律案」が閣議決定・国会提出 - SD-NEWS

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<2015年度「特許法等の一部改正案」(1)>
「特許法等の一部を改正する法律案」が閣議決定・国会提出について
(20150316竹山宏明)
<要約>
「特許法等の一部を改正する法律案」が、平成27年3月13日付けで閣議決
定、並びに国会に提出されました。改正の主な内容は、職務発明制度の見直
し、特許料等の引き下げ、特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約へ
の加入に向けての国内法の整備です。職務発明については、あらかじめ、契
約、勤務規則等により使用者等への帰属の意思表示がある場合には、特許を受
ける権利は、発生したとき(発明が生まれたとき)から使用者等に帰属するよ
うになります。(2015/03/15作成)
1
改正の主な内容
(1)報道発表
○衆議院トップページ > 立法情報 > 議案情報 > 第189回国会
議案の一覧
(<アドレス:URL>http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/menu.htm)
・閣法の一覧
提出回次、番号、議案件名、審議状況、経過情報
189、44、特許法等の一部を改正する法律案、衆議院で審議中、経過
189、45、不正競争防止法の一部を改正する法律案、衆議院で審議中、経過
○ホーム > 新着情報一覧
(<アドレス:URL>http://www.jpo.go.jp/rireki/what.htm)
・2015年3月13日更新
・お知らせ-報道発表
・「特許法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました
(経済産業省のページへ)を掲載しました。
(<アドレス:URL>http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313001.html)
○<リンク先>
○経済産業省ホーム > お知らせ > ニュースリリース > 2014年度一覧
> 「特許法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました
(<アドレス:URL>http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313001.html)
(2)概要
○改正の主な内容は、次の通りです。
(1) 職務発明制度の見直し【特許法】
→<改正案>特許法第35条
(2) 特許料等の改定【特許法、商標法、国際出願法】
→<改正案>特許法第107条第1項、商標法第40条第1項、
国際出願法第18条第2項等
(3) 特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約の実施のための規定の整備
【特許法、商標法】→<改正案>特許法第5条、第36条の2、商標法第9条等
○改正の主な内容は、次の資料が見やすいです。
記
「発表資料
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(3) 法律案概要(参考資料)(PDF形式:152KB)PDFファイル
(<アドレス:URL>http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313001-3.pdf)
(3)リンク先
○改正案は、下記の通りです。
記
「発表資料
(1) 「特許法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました
(PDF形式:198KB)PDFファイル
(<アドレス:URL>http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313001-1.pdf)
(2) 法律案概要(PDF形式:74KB)PDFファイル
(<アドレス:URL>http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313001-2.pdf)
(3) 法律案概要(参考資料)(PDF形式:152KB)PDFファイル
(<アドレス:URL>http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313001-3.pdf)
(4) 要綱(PDF形式:57KB)PDFファイル
(<アドレス:URL>http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313 001-4.pdf)
(5) 法律案・理由(PDF形式:183KB)PDFファイル
(<アドレス:URL>http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313001-5.pdf)
(6) 新旧対照表(PDF形式:301KB)PDFファイル
(<アドレス:URL>http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313001-6.pdf)
(7)・参照条文(PDF形式:248KB)PDFファイル
(<アドレス:URL>http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150313001/20150313001-7.pdf)
2
施行日
○施行日は、下記の通りです。
記
附則
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で
定める日から施行する。
3
職務発明制度の見直し
(1)概要
○「職務発明制度の見直し」の概要は、下記の通りです。
記
「(1) 権利帰属の不安定性を解消するために、契約、勤務規則その他の定めにお
いてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたとき
は、その特許を受ける権利は、その発生した時から使用者等に帰属するもの
とします。
(2) 従業者等は、特許を受ける権利等を取得等させた場合には、相当の金銭その
他の経済上の利益を受ける権利を有するものとします。
(3) 経済産業大臣は、発明を奨励するため、産業構造審議会の意見を聴いて、相
当の金銭その他の経済上の利益の内容を決定するための手続に関する指針を定
めるものとします。」
(2)改正条文
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○特許法の改正条文は、下記の通りです。
記
*第1項に「1」の数字加入。
改正案
現行
(職務発明)
第三十五条
1 <同右>
(職務発明)
第三十五条
1 使用者、法人、国又は地方公共団体
(以下「使用者等」という。)は、従業
者、法人の役員、国家公務員又は地方公務
員(以下「従業者等」という。)がその性
質上当該使用者等の業務範囲に属し、か
つ、その発明をするに至つた行為がその使
用者等における従業者等の現在又は過去の
職務に属する発明(以下「職務発明」とい
う。)について特許を受けたとき、又は職
務発明について特許を受ける権利を承継し
た者がその発明について特許を受けたとき
は、その特許権について通常実施権を有す
る。
2 従業者等がした発明については、その
発明が職務発明である場合を除き、あらか
じめ、使用者等に特許を受ける権利を取得
させ、使用者等に特許権を承継させ、又は
使用者等のため仮専用実施権若しくは専用
実施権を設定することを定めた契約、勤務
規則その他の定めの条項は、無効とする。
2 従業者等がした発明については、その
発明が職務発明である場合を除き、あらか
じめ使用者等に特許を受ける権利若しくは
特許権を承継させ又は使用者等のため仮専
用実施権若しくは専用実施権を設定するこ
とを定めた契約、勤務規則その他の定めの
条項は、無効とする。
3 従業者等がした職務発明については、
契約、勤務規則その他の定めにおいてあら
かじめ使用者等に特許を受ける権利を取得
させることを定めたときは、その特許を受
ける権利は、その発生した時から当該使用
者等に帰属する。
(新設)
4 従業者等は、契約、勤務規則その他の
定めにより職務発明について使用者等に特
許を受ける権利を取得させ、使用者等に特
許権を承継させ、若しくは使用者等のため
専用実施権を設定したとき、又は契約、勤
務規則その他の定めにより職務発明につい
て使用者等のため仮専用実施権を設定した
場合において、第三十四条の二第二項の規
定により専用実施権が設定されたものとみ
なされたときは、相当の金銭その他の経済
上の利益(次項及び第七項において「相当
の利益」という。)を受ける権利を有す
る。
3 従業者等は、契約、勤務規則その他の
定めにより職務発明について使用者等に特
許を受ける権利若しくは特許権を承継さ
せ、若しくは使用者等のため専用実施権を
設定したとき、又は契約、勤務規則その他
の定めにより職務発明について使用者等の
ため仮専用実施権を設定した場合におい
て、第三十四条の二第二項の規定により専
用実施権が設定されたものとみなされたと
きは、相当の対価の支払を受ける権利を有
する。
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5 契約、勤務規則その他の定めにおいて
相当の利益について定める場合には、相当
の利益の内容を決定するための基準の策定
に際して使用者等と従業者等との間で行わ
れる協議の状況、策定された当該基準の開
示の状況、相当の利益の内容の決定につい
て行われる従業者等からの意見の聴取の状
況等を考慮して、その定めたところにより
相当の利益を与えることが不合理であると
認められるものであつてはならない。
4 契約、勤務規則その他の定めにおいて
前項の対価について定める場合には、対価
を決定するための基準の策定に際して使用
者等と従業者等との間で行われる協議の状
況、策定された当該基準の開示の状況、対
価の額の算定について行われる従業者等か
らの意見の聴取の状況等を考慮して、その
定めたところにより対価を支払うことが不
合理と認められるものであつてはならな
い。
6 経済産業大臣は、発明を奨励するた
め、産業構造審議会の意見を聴いて、前項
の規定により考慮すべき状況等に関する事
項について指針を定め、これを公表するも
のとする。
(新設)
7 相当の利益についての定めがない場合
又はその定めたところにより相当の利益を
与えることが第五項の規定により不合理で
あると認められる場合には、第四項の規定
により受けるべき相当の利益の内容は、そ
の発明により使用者等が受けるべき利益の
額、その発明に関連して使用者等が行う負
担、貢献及び従業者等の処遇その他の事情
を考慮して定めなければならない。
5 前項の対価についての定めがない場合
又はその定めたところにより対価を支払う
ことが同項の規定により不合理と認められ
る場合には、第三項の対価の額は、その発
明により使用者等が受けるべき利益の額、
その発明に関連して使用者等が行う負担、
貢献及び従業者等の処遇その他の事情を考
慮して定めなければならない。
4
特許料等の改定
(1)概要
○「特許料等の改定」の概要は、下記の通りです。
記
(1) 特許料について特許権の設定登録以降の各年において、10%程度引き下げま
す。→<改正案>特許法第107条第1項
(2) 商標の登録料を 25%程度、更新登録料について20%程度引き下げます。
→<改正案>商標法第40条第1項
(3) 特許協力条約に基づく国際出願に係る調査等について、明細書及び請求の範囲
が日本語又は外国語で作成されている場合に応じ、それぞれ手数料の上限額を定
めます。→<改正案>国際出願法第18条第2項等
(2)特許法の改正条文
○特許法の改正条文は、下記の通りです。
記
*第1項に「1」の数字加入。改行挿入。
改正案
(特許料)
現行
(特許料)
( 5/6 )
第百七条
1 <同右>
第百七条
1 特許権の設定の登録を受ける者又は特
許権者は、特許料として、特許権の設定の
登録の日から第六十七条第一項に規定する
存続期間(同条第二項の規定により延長さ
れたときは、その延長の期間を加えたも
の)の満了までの各年について、一件ごと
に、次の表の上欄に掲げる区分に従い同表
の下欄に掲げる金額を納付しなければなら
ない。
各年の区分
金額
各年の区分
金額
第一年から
第三年まで
毎年二千百円に
一請求項につき二百円
を加えた額
第一年から
第三年まで
毎年二千三百円に
一請求項につき二百円
を加えた額
第四年から
第六年まで
毎年六千四百円に
一請求項につき五百円
を加えた額
第四年から
第六年まで
毎年七千百円に
一請求項につき五百円
を加えた額
第七年から
第九年まで
毎年一万九千三百円に
一請求項につき千五百円
を加えた額
第七年から
第九年まで
毎年二万千四百円に
一請求項につき千七百円
を加えた額
第十年から
第二十五年ま
で
毎年五万五千四百円に
一請求項につき四千三百円
を加えた額
第十年から
第二十五年ま
で
毎年六万千六百円に
一請求項につき四千八百円
を加えた額
(3)商標法の改正条文
○商標法の改正条文は、下記の通りです。
記
*第1項に「1」の数字加入。改行挿入。
改正案
現行
(登録料)
第四十条
1 商標権の設定の登録を受ける者は、登
録料として、一件ごとに、二万八千二百円
に区分(指定商品又は指定役務が属する第
六条第二項の政令で定める商品及び役務の
区分をいう。以下同じ。)の数を乗じて得
た額を納付しなければならない。
(登録料)
第四十条
1 商標権の設定の登録を受ける者は、登
録料として、一件ごとに、三万七千六百円
に区分(指定商品又は指定役務が属する第
六条第二項の政令で定める商品及び役務の
区分をいう。以下同じ。)の数を乗じて得
た額を納付しなければならない。
2 商標権の存続期間の更新登録の申請を
する者は、登録料として、一件ごとに、
2 商標権の存続期間の更新登録の申請を
する者は、登録料として、一件ごとに、
( 6/6 )
三万八千八百円に区分の数を乗じて得た額
を納付しなければならない。
四万八千五百円に区分の数を乗じて得た額
を納付しなければならない。
3~6
3~6
(略)
(略)
(以上)