メ ン テ ナ ン ス

メ ン テ ナ ン ス
株式会社プラズマテック
東京都あきる野市瀬戸岡427−1
TEL:042-550-6192
FAX:042-550-6194
Mail:[email protected]
2004,3,30
Ver 1.01
目 次
1、概要
2、EB源本体
3、メンテナンス説明
4、組立時の注意事項
5、フィラメント切断・すり上がり
6、良くある質問
1 概要
Electron-Beam源を安定に使用するために
は、定期的なメンテナンスが必要です。
今回は、このメンテナンス手法について説
明します。
1-1 メンテナンスを行わないと
・ 異常放電の多発
・ フィラメントの消耗時間の短縮
・ 構成部品の劣化
・ 安定な成膜ができない
・ 膜へのコンタミが多くなる
1-2 準備するもの
部品
1 六角レンチ
M4用、M3用
用途
部品脱着
2 サンドペーパ
#600以上
部品清浄
No.
3
4
5
6
布
アルコール
ピンセット
ドライヤ
部品清浄
部品清浄
フィラメント脱着
部品乾燥
2 EB源本体
本体
高圧導入端子
2-1 EB源本体分解図
第一ポールピース
第二ポールピース
磁性体
永久磁石
第三ポールピース
シャント板
2-2 フィラメント部アッセンブリ
碍子
アノード
アース電位部
ウェーネルト
フィラメント
高圧部
(加速電圧)
アース電位部
3 メンテナンス説明
3-1 清浄手順
3-2 碍子類の清浄
3-3 フィラメント押え部の清浄
3-4 ポールピース部の清浄
3-5 高圧導入端子の清浄
3-6 他アッセンブリの清浄
3-1 清掃手順
サンドペーパ等で汚れ面を清浄
↓
エアー等で細かいゴミを吹き飛ばす
↓
アルコール類で清浄
↓
高温炉等でガス出し
注意:ショットブラストは使用しないで下さい
3-2 碍子類の清掃
マスク
板碍子と他の部品の接触
面をマスキングして行う
上面と底面をマスキン
グして行う
3-3 フィラメント押え部の清浄
フィラメント押え
フィラメント取付部
溝部
ペーパ等で清浄する。
溝部はフィラメント取付時の位置精度を決めています
ので十分に注意して行う事
3-4 ポールピース部の清浄
A面
B面
C面
A面、B面、C面は各磁性体が磁気的に接触する場所です
キズ等をつけない事
また、これらの部品は絶対変形させない事
3-5 高圧導入端子部の清浄
端子部
カバー
B部
C部
A部
A部、B部、C部表面を清浄する
A部:絶縁不良回避
B部:導通不良回避
C部:異常放電回避
3-6 他アッセンブリの清浄
ガンベース部
フィラメント取付部
B面
アノード取付部
C面
A部
A部の円柱碍子
接触面はマスキ
ングを行う
B面は高圧接続
ブロックに接触
するためキズを
つけないこと
C面の板碍子
接触面はマス
キングを行う
4 組立時の注意事項
4-1 フィラメントの取付
4-2 板碍子の取付
4-3 アノード取付部の取付
4-4 取付後の寸法
4-5 各ポールピースのチェック
4-6 シャント板のチェック
4-7 その他
4-1 フィラメントの取付向き
アノード側に向く
アノード
フィラメント
フィラメント押え
フィラメントブロック
フィラメント
A面が前面になる事
4-1-1 フィラメントの取付
フィラメントを
溝に合わせる
フィラメントを
仮止めする
フィラメントを
ブロックで押
し上げ、ネジ
を締める
フィラメントの足
がフィラメント押
えの下端と合っ
ていることを確
認し、ブロック
をネジ止めする
右側も同様に
行う
4-1-2 ウェーネルト取付冶具の
使い方
フィラメント取付部Lとウェーネルトの隙間
(0.5mm)を一定にするために使用します。
引抜方向
*使い方*
正面から見て右側のフィラメント取付部RのC面部
にかぶせ、その上よりウェーネルトを取り付ける。
4-1-3 アノード取付部のチェック
赤線部隙間:0.5mm
Right View
右側から見た場合、約
0.5mmの隙間がウェーネル
トの間にあります。
Left View
左側から見た場合は、
隙間無くウェーネルトが取付
く。
4-1-4 アノード取付冶具の使い方
アノードとウェーネルトの隙間(1.5mm)を一定にす
るために使用します。
挿入方向
*使い方*
ウェーネルトの留めネジの方から挿入す
る。
4-1-5 チェック①
1.5mm
0.5mm
フィラメントーウェーネルト間: 0.5mm
ウェーネルトーアノード間 : 1.5mm
0.5mm
4-1-6 チェック②
①正面から見た場合、フィ
ラメントが半分見える事。
②アノードに対して、ウェーネル
トが0.5mm上に配置されて
いる事。
4-2 板碍子の取付
裏面部
表面部
赤○部に板碍子を当てながらネジを締め、ここが隙間無く
接触している事を確認して下さい。
4-3 アノード取付部の取付
左面を平らな所で合わせて、平行をとります。
(注:反対面は約0.5mm程段差になります)
4-4 取付後の寸法
アノード
フィラメント
ウェーネルト
4-5 各ポールピースのチェック
A)左右対称に取付いている
B)変形していない
C)接触部に浮きがないか
ポールピース
ビーム軌道の安定化
4-6 シャント板のチェック
OK
NG
シャント板
本体
偏向ビームの安定化
隙間が無い事
4-7 その他
カバー
<カバー>
A)表面導通が取れ
ている事
B)アース電位になっ
ている事
ビーム軌道の確保
5 フィラメントの断線・すり上がり
5-1 正常なフィラメントの断線
5-2 フィラメントの取付異常時の
断線例
5-3 フィラメントの取付異常時の
変形例
5-1 正常なフィラメントの断線
消耗進化中
初期
40時間後
切断
86時間後
O2:6.5×10-3Pa
6000V-300mA
5-2 フィラメント取付異常時の断線例
ーーーー原因例)−−−−
①フィラメントの接触不良によ
る過電流
②フィラメント・ウェーネルトの接触
による局所加熱
フィラメント中央部からの断線
O2:1.2×10-2Pa
フィラメント電流:44A
5-3 フィラメント取付異常時の変形例
正常
片側すり上がり(異常)
ーーーー原因例)−−−−−−
①初期取付時からの変形締付
48時間使用後
②締付不足
6 よくある質問
6-1 良くある質問
① ビームの位置が時間と共に変動する。
⇒
A) フィラメント取付の緩み
B) ハースライナの導通が不安定
C) シャッタ板が汚れている
D) 試料表面の抵抗値
6-2 良くある質問
② ビームの位置がずれた
⇒
A) 各ポールピースがずれている
B) シャント板がずれている
C) フィラメント、アノード、ウェーネルト
が正規に取り付いていない
D) ビーム軌道近傍に障害がある
6-3 良くある質問
③ アーキングが多い
⇒
A) ウェーネルト・アノード間の隙間が狭い
B) フィラメント近傍の汚れ
C) 各碍子部の汚れ
D) 高電圧印加部の汚れ
E) 真空度が悪い又は変動が激しい
終わりに
本日は有難うございました