はなみずきだよりNo.7

武蔵野市立第四小学校
校長 河村 祐好
No.7
はなみずき学級
平成 27 年 1 月 13 日(火)
はなみずきだより
MIM(多層指導モデル)の指導
1
前田 希久子
.
明けましておめでとうございます。本年が皆様にとってよい年になりますよう、お祈りいたします。
MIMという文字指導の方法をご存知でしょうか?MIMは、文字と音と動作を組み合わせて特殊音
節(促音・長音・拗音・拗長音)の入った単語や文の読みを指導する方法です。本来は「どの子にも理
解しやすい指導方法」として通常の学級の1年生向けに作られたものですが、通級では平仮名の読み書
きにつまずきがある子への指導で活用しています。
ある子の在籍校での作文を読ませてもらうと、「きのおおにちゃんとこうえんにいて、やきうをしま
した。
」と書いてありました。「きのう」が「きのお」、「おにいちゃん」が「おにちゃん」、「やきゅう」
が「やきう」
、
「いって」が「いて」と表記されていることから、特殊音節が身に付いていない様子がう
かがえました。担任の先生によると「本人に声に出して読ませても、間違った表記を正しい単語で読ん
でしまうので間違いに気付かない。
」とのこと。早速この子にMIMの指導をしていきました。文字を
見て「手をたたく、伸ばす、ひねる」などの動作と共に声に出して読むことを繰り返すと、だんだん単
語のどの部分が長音・拗音・促音なのか分かるようになり、表記の間違いもほぼなくなりました。
中学年以上で学習が遅れがちな子を調べていくと、1年生の特殊音節の学習で既につまずいているケ
ースが多いという研究結果があります。特殊音節の読み書きを身に付けることは、実はその後の学習の
伸びにとって大変重要です。
今年度、はなみずき学級では第四小学校の1年生全員にMIMの指導を行っています。子供たちの文
章を読む力をサポートする1つの指導方法として紹介しています。
1月
月
5日
火
6日
水
7日
木
金
1日 元日
2日
8日
9日
始業式
保護者相談日
12日 成人の日
13日
保護者相談日
14日
15日
16日
21日
22日
23日 24日
通級開始
19日
20日
土曜教室
26日
27日
28日
29日
30日 31日
担任連絡会
土曜教室について
はなみずき学級を退級した子供たちの
学習教室です。
8:30~12:10
朝・帰りの会、給食
学芸会・音楽会・学習発表会の話題は終わり、加湿器とインフルエンザと冬休みが話の中心に
なった12月の朝の会でした。また、帰りの会は、昼休み時間の確保が優先し、どの曜日も短縮
版で終わってしまいました。
給食では、差配係が配膳チームと片付けチームに分担されました。そして、子供たちが互いに
誘い合い、テーブルに肩を並べるようになりました。
身体感覚の課題
火曜日
火曜日では、様々なボールパスの方法や
パスゲームを行っています。ボールパスで
は、片手投げだけでなく、チェストパスも
取り入れ、両手と足を同時に動かしたり、
力を加減して相手にパスしたりすること
を学んでいます。
パスゲームは、3~4人で敵役の教員に
ボールを取られないようにしながらパス
を回すゲームです。教員のいない場所を探
してパスを投げるため、ボールの正確な投
捕や判断力、集団で協力する経験を養いま
す。ゲームではパスをもらおうと自然と声
を出す場面が見られます。他児との関係づ
くりにも一役買っています。
水曜日
木曜日
金曜日
片足での姿勢保持や脚力の調整を目的
として、サッカーボールのパス練習をしま
した。3人の子供たちが三角形のそれぞれ
の頂点に立ち、「三角パス」をしました。
最初は、相手のいない方向へ力一杯に蹴っ
たり、片足を上げるとバランスを保てなか
ったりしていました。そこで、サッカーが
得意なC君が、「僕のやり方を真似てみ
て。」と指示を出したり、モデルを示した
りと大活躍です。1年生たちは、「C君の
ようになりたい。」と憧れをもち、あまり
得意ではない運動にも、やる気と目標をも
って取り組んでいます。
C君のサポートが生き、3人での「三角
パス」もなめらかに、かつ正確にできるよ
うになってきました。
味方と協力してゴールを目指す、フォー
メーション練習を行いました。自分の手元
にあるボールだけでなく、周囲の味方や敵
の動きを気にしなくてはならないため、大
忙しです。A さんは、自分がボールを持っ
ていない時、何もせずその場に立っていま
した。どうやって動いたらボールをもらえ
るのか分からず、困っていました。そこに、
ボール運動の得意な B 君がお手本を見せ
ます。A さんも、B 君の動きを見ているう
ちに、だんだんと動きがよくなってきまし
た。
今月は、武蔵野市・武蔵野大学インター
ンシップ実習生が8日と10日に授業実
習を行いました。
ハンドタオルの端を結び、投げ縄のよう
に回す運動では、5人ともタオルをきっち
り握っていました。手首を回す動きが一定
にできず、タオルが腕に巻きつきました。
そこで、タオルをつまむように持たせると
動きがぐっとなめらかになっています。
関係性の課題
火曜日 久しぶりに全員が揃い、活動ができました。折
り紙が得意な高学年のDさんが、講師役になって「折り
紙教室」を開催。1年生たちがうまく折れずに困ってい
ると、上学年の友達たちが気付いて、折り方の見本を見
せたり、折り目を付けたりしました。指示を聞いて行動
することが苦手なE君も、一つ一つの手順を真剣に聞き
ながら取り組み、完成させると、嬉しそうに自分の作品
を皆に見せていました。
水曜日 「たたいてかぶってジャンケンポン」で、ついに1年生が優勝しました。準決勝まで勝
ち上がると、F君は「もうすぐ、優勝できそうだ!」と興奮して大人に話していました。優勝が
決まった瞬間、右拳を高く上げて「やった!勝った、勝った!」と嬉し泣き。負けて悔しがって
いたG君やHさんが駆け寄って来ると、「おめでとう!すごいな。頑張ったな!」と声を掛けて
いました。
「勝ち」にこだわって、負けるとその場で固まっていた数人の子
供たちは、楽しみながら勝ったり負けたりを繰り返すうちに、負けても次が
あることに気付いたり、勝敗にかかわらずに皆で活動を楽しめたりすること
が増えています。
木曜日
9月から始めたクイズですが、出題方法がどんどん変化してきました。11月下旬からはジェ
スチャーでクイズを出しています。質問は今までと同様に、形状や用途などを言葉で尋ねます。
ジェスチャーでみんなに出題するのは多くても3人です。初めは、4・5年生が立候補して、大
人がなるほどとうなずくほど上手に身振り手振りで回答していました。12月は、1年生が身を
乗り出して挙手しています。
金曜日
拗ねていたI君は相談活動になっても皆から離れた場所に座っていました。しばらくすると、
I君は尐しずつ皆の所にやってきて小さく手を挙げ「学校でやった鬼ごっこ」を提案しました。
最年長のJ君は、自分が提案した遊びがあったにもかかわらず、多数決の時にI君の提案に手を
挙げました。その様子を見たK君L君も手を挙げました。三人とも、この場はI君の気持ちに沿
った方がいいと配慮したのでしょう。提案を受け入れられたI君は満面の笑顔でリーダーの役割
に取り組んでいました。
個別指導の実践報告(5)
聞いたことをイラストや図などで具体的にイメージすると、学習が定着しやすくなる子が
います。
「5の段ができるようになったよ!」と嬉しそうに教えてくれたMさん。しかし、暗唱し
てみると、
「5×1が5、5×2が15、5×3が20…。」と、せっかく覚えた九九が、曖
昧になっていました。Mさんは「あれ、覚えたはずなのに…。」と尐し残念そうな表情を見せ
ます。そこで、九九の意味を捉えられるように、具体化した教材で学習しました。
「一皿にド
ーナッツが5つ乗っているのが、5の段だよ。」と伝えると、Mさん
は「●や数字でかけ算をするより分かりやすい!」と言って、何度
もドーナッツの5の段の教材を操作し、
「5×1は5、5×2は10、
5×3は15。5ずつ増えるんだよ。
」と得意気に教えてくれるよう
になりました。翌週、5の段の暗唱をしてみました。すると、「ドー
ナッツが5個だから…。5×1が5。
」とすらすらと5×9まで答え
ていました。
その子の得意な力を生かした教材を用いて学習すると、苦手意識
をもたずに学習の定着が図られることを実感しました。
↑この教材を使用しました。
身体感覚の課題
朝・帰りの会、給食
3学期は最多でも10回の通級です。日直
の活動は1年生でも安定しているので、一年
間の自分の成長を実感できるよう、互いに言
葉を掛け合う機会を朝・帰りの会で作ります。
また、給食では、友達意識が深まるよう、
会話や関わりが自然にできる給食を設定しま
す。差配係は子供からの立候補を促し、指名
したアドバイザー役とペアで活動させます。
曜日によっては、できるだけ子供たちだけで
給食準備ができるよう、見守ります。
1・2・3月は、身体を機敏に動かしたり、
周囲の様子に合わせたりする運動に取り組
みます。
足首や手首の柔軟な使い方、ボールを見て
全身を協応させる方法、他者と自分の身体を
調節して合わせることなどを学びます。
(全曜日共通)
①ラジオ体操
1学期、2学期同様にラジオ体操を行いま
す。鏡の前で、自分の動きと他の人の動きを
関係性の課題
見比べながら行います。大人に手を持っても
(火曜日)
相手に応じて力の加減や関わり方を調整し、
ルールのある活動に参加できるようにします。
1.たたいてかぶってジャンケンポン、UNO
2.相談活動(司会と書記の役割)
3.活動リーダーを中心に皆で活動
(ねぷた鬼、ドンジャンケン等)
らったり、アドバイスを受けたりしながら、
(水曜日)
自分の思い通りにいかない状況や接触の多い活
動でも、楽しんで活動を継続できるようにします。
1.雪合戦、水道管ゲーム
2.相談活動(司会と書記の役割)
3.活動リーダーを中心に皆で活動
(だるまさんが転んだ、UNO等)
自分の身体を協応させて動かす経験を増や
します。
②ラダー
梯子状の地面を走ります。足を交差させな
がら走ったり、開閉させたりしながら走りま
す。爪先で体重を支える動きや、複雑な下肢
の使い方を身に付けます。
③縄跳び(長・短)
子供の実態に応じて、手首を柔らかく使う
必要がある短縄、他の人を意識しながら動く
必要のある長縄を使い分けて行います。いず
れにしても、目と全身を協応させる意識を高
(木曜日)
役割をもって集団活動をする中で、協力したり
助け合ったりしながら自己有能感を高めます。
1.王様ドッジボール、キックベース
2.相談活動(司会と書記の役割)
3.活動リーダーを中心に皆で活動
(野球、ねぷた鬼等)
めます。
④ボールゲーム
今まで身に付けてきたボールを操作する
力を生かし、集団で行うボールゲームに取り
組みます。他者と協力して課題を達成する、
集団参加の意識を高めます。
(金曜日)
接触のある活動でも、感情と言動を調整して集
団で楽しむ経験を広げていきます。
1.王様しっぽ取り、ツイスター
2.相談活動(司会と書記の役割)
3.活動リーダーを中心に皆で活動
(ちゃんばらごっこ、ウノ等)