origin monthly HM

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オリジン・マンスリーHM Vol.13
2011年6月号
前田浩明農学博士の
つれづれエッセイ
Scientific 花鳥風月
VOL.13
水無月に思う
6月です。旧暦では水無月(みなづき)と呼
んでいます。梅雨で雨の多い季節に不似合い
の呼び方のように感じます。語源的には、水
無月の無は「の」にあたる連体助詞「な」で、
「水の月」という意味になるとのことです。
やはり、古来6月は水の多い月であったよう
です。モンスーン気候帯に位置する日本は、
この時期梅雨前線の停滞によって雨季になり
ます。この多湿と夏の照りと秋口の涼しさが、
豊かな米作地帯を形成しています。神代の時
代から、日本の成り立ちは「豊あし原の瑞穂
の国」、即ち、美しい水田が広がる豊かな国
でありました。また、琵琶湖の恵みの伝統食
鮒ずしも水の産物です。昔々琵琶湖の治水は
充分でなく、大雨が降る度に水があふれ周辺
の水田は冠水し水がひいた後、水田には鮒が
群れていたそうです。この鮒をその水田でと
れたお米を使って発酵させた保存食が鮒ずし
の始まりとのことです。すし乳酸菌SU-6®もま
た水の贈り物ということができます。
東日本大震災に遭われた地方の一日も早い復
興と、より一層美しい日本の再生を願うばか
りです。
日本は島国ですから、土壌は大陸の堆積土壌
と異なり溶脱型でミネラル類の含有量が少な
いことが特徴です。そのため、日本人の骨格
が欧米人に比べて劣っていたり、また、過去
日本産の競走馬が欧米のレースに挑戦するた
びに惨敗していましたが、それは、牧草に含
まれるミネラルの量に原因があります。
しかし、一方で良いこともあります。水です。
日本の水は、適度な軟水で、しかも定期的な
降雨のためフレッシュで、私たちは水道水を
そのまま飲むことができます。私たち日本人
はこのことを当たり前と思っていますが、世
界広しと言えどもそのような国は数少ないこ
とを誇りとしましょう。
福島第一原発の事故直後、江戸川水系の首
都圏の水道水が放射能汚染のために飲用禁
止となり、店頭からミネラルウォーターが
消え、文字通り水無月になってしまいまし
た。しかし、逆に諸外国の人たちの多くは、
日本人が水道水を飲用していることを初め
て知ったのではないでしょうか。
東京電力管内では、電力不足による節電が
唱えられています。また、巨大東海沖地震
の発生が予測されている震源地の中心にあ
る浜岡原子力発電所の全面停止が決定しま
した。ここはじっくりと腹をすえて目先の
利便性にとらわれず国民全体で日本の将来
のあるべき姿を考え、対応すべきだと思い
ます。喉元を過ぎた熱さを決して忘れては
いけません。この度の震災で我々は便利な
ことは決して幸せではないと、改めて思い
知らされました。原始生活に戻る必要はあ
りませんが、程ほどのところで自然との共
存をはかり、口先だけのエコ運動ではなく、
地球を汚してきた大罪を、いまこそ私たち
は反省しなくてはなりません。
梅雨の雨が山紫水明の国土に戻し、豊かな
稔りと豊かな心をもたらしてくれる「恵み
の雨」となることを、切に願いたいと思い
ます。
気分はいつもフォローの風!
前田 浩明(農学博士)
前田浩明のクリニック訪問 Vol.13
おかざき
としゆき
岡崎 敏幸
笑顔と緑のハートフルホスピタル
先生
波佐見病院 院長
陶器の町、長崎県東彼杵郡波佐見町の小高い丘に立地する総
合病院波佐見病院に岡崎敏幸院長をお訪ねし、お話をお聞きし
ました。
前田(以下Q): こちらの病院は、地域の核医療的施設だと思いますが、先生が目指されて
いる地域医療をお聞かせ下さい。
岡崎先生: 私たちは、地域の方々の健康管理をさせていただく立場にあります。そのため、
西洋医学による一般治療を行い、人工透析、高齢者医療、健康診断を行っています。
また、高齢者の健康を守るために、自然療法を融合させた統合医療を目指して努力
しています。
Q:
治療にあたって先生が理想とされる形とは、どのようなものでしょうか。
岡崎: 病気の治療にあたっては、病態から一日も早く回復されるよう最善の努力をすることはもちろんですが、治療中におい
ても、生活の質(QOL)を高く保ち、生命力を最大限発揮していただき、根本的な治癒に導かれるようお手伝いさせて
いただくことが、理想的な治療だと考えています。
Q:
患者さんの治癒力向上のために、どのような療法をされていますか。
岡崎: 一般的に、治癒力を向上させる医療は代替医療と呼ばれていますが、私は漢方と食事療法をはじめとした自然療法
をとり入れています。とくに自律神経のバランスを整え、免疫力を強化するとともに、腸内環境を正常化し、血行を改善
させ、自然治癒力が向上するよう、様ざまな療法を採用しています。具体的には、オゾン療法、アルファリポ酸点滴、ア
ミグダリン点滴、高濃度ビタミンC点滴等です。
Q:
先生は、予防医療にも力を注いでおられるそうですが、こちらではどんな未病の検査が受けられますか。
岡崎: 血液分析検査(LBA)で隠れた疾患の発見や健康状態をチェックします。毛髪検査では、体内のミネラルバランス、有
害金属の蓄積状態をチェックします。フリーラジカル、抗酸化検査では、体内のさび付き度合いと活性酸素に対抗する
力の程度をチェックします。その他、アンチエイジング検査、脳年齢検査、遺伝子診断等を行っています。
Q:
食事療法とサプリメントの扱いについてお聞かせ下さい。
岡崎: 玄米食とミネラル水を基本に、果物と野菜を中心とした食事療法をしています。
機能の強化には、ハウエル博士の酵素栄養学の指導と腸内環境を改善する酵素と
乳酸菌製剤を使っています。また、リンパ球活性化、活性酸素除去、抗酸化等の作用
のある各種サプリメントを勧めています。
Q:
オリザロース®、すし乳酸菌SU-6®については、いかがですか。
岡崎: 代替医療を受療中の患者さん数名にテスト的にお勧めし、免疫療法、高濃度ビタミン
C点滴等との併用での有効性を観察しています。二つとも、基礎的な作用性が明らか
なサプリメントですから、良好な結果が得られると期待しています。
明るくて落ち着きのある
ヒーリングルーム
恵まれた自然環境の中で、患者さんの健やかな回復を願い、院長先生やスタッフの時間をかけた
丁寧な治療が行われています。理想的な地域医療を、そこに感じました。
波佐見病院様のホームページ
http://www6.ocn.ne.jp/~hasami.h/
ご案内
■第6回 日本臨床食物機能研究会学術集会
10/16(日) (会場:学士会館(東京))
■第5回 日本臨床食物機能研究会海外研修会 11/4(金) (会場:台北医学大学(台湾))
株式会社 オリジン生化学研究所 発行 前田浩明
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