運輸安全マネジメントに関する取り組みについて

平成27年7月9日
運輸安全マネジメントに関する取り組みについて
神奈川中央交通株式会社
≪安全方針≫
◇ 安 全 最 優 先「安 全 第 一」
◇ 法 令 の 遵 守「きまりを守る」
神奈川中央交通株式会社
取締役社長 三澤 憲一
私達は、
「指差呼称による安全確認」「スピードの抑制」「車間距離の保持」を
確実に行い安全運行に努めます。
1.輸送の安全に関する基本的な方針
(1)社長および役員は、輸送の安全確保が当社の事業経営の根幹であることを
深く認識し、社内において輸送の安全確保に主導的な役割を果たします。
(2)社長および役員は、現場における安全に関する声に真摯に耳を傾けるなど
現場の状況を十分踏まえつつ、従業員に対し輸送の安全確保が最も重要であ
るという意識を徹底させます。
(3)当社は、輸送の安全に関する計画の策定、実行、チェック、改善を確実に
実施し、安全対策を不断に見直し、全従業員が一丸となって業務を遂行する
ことにより、絶えず輸送の安全性の向上に努めます。また、輸送の安全に関
する情報については、積極的に公表いたします。
(4)当社は、従業員がヒヤリ・ハット等の輸送の安全を損なうリスク情報を通
報・報告することを奨励し、その内容が虚偽、法令違反、重大な怠慢および
故意によるものを除き、その通報・報告内容により処罰は行いません。
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2.輸送の安全に関する目標
平成27年度の輸送の安全に関する目標は以下のとおりです。
(1)死亡事故
「ゼロ」
(2)有責人身事故
55件以下
(平成30年までに有責人身事故半減)
(3)飲酒運転
「ゼロ」
(4)危険ドラッグ等規制薬物使用禁止
(5)有責重大事故
「ゼロ」
(6)有責車内人身事故
22件以下
(7)回送時の有責事故
14件以下
(1)から(4)までの目標は、「事業用自動車総合安全プラン2009」を
踏まえたものです。
(5)から(7)までの目標は、「事業用自動車総合安全プラン2009」を
踏まえ、当社が独自に掲げた目標です。
3.輸送の安全に関する重点施策
(1)運輸安全マネジメントおよびリスクマネジメント研修を実施し、輸送の安
全確保が最も重要であるという意識を徹底します。また、関係法令および安
全管理規程に定められた事項を遵守いたします。
(2)輸送の安全に関する費用支出および投資・人員配置等を積極的かつ効率的
に行うよう努めます。
(3)輸送の安全に関する内部監査を行い、必要な是正措置または予防措置を講
じます。
(4)輸送の安全に関する情報の連絡体制を確立し、社内においてヒヤリ・ハッ
ト情報の共有や安全方針等を社内報に掲載し、必要な情報を速やかに伝達し、
共有いたします。
(5)輸送の安全に関する教育および訓練に関する具体的な計画を策定し、これ
を適確に実施いたします。
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4.目標の達成状況
平成26年度の輸送の安全に関する目標の達成状況は以下のとおりです。
目
標
(1)死亡事故
達成状況
「ゼロ」
死亡事故の発生はございません。
(2)有責人身事故
59件以下
平成26年度・・・・・70件
(平成30年までに有責人身事故半減) 平成25年度・・・・・76件
(3)飲酒運転
「ゼロ」
飲酒運転事案はございません。
(4)危険ドラッグ等規制薬物使用禁止
使用事案はございません。
(5)有責重大事故
「ゼロ」
有責重大事故の発生はございません。
(6)有責車内人身事故
23件以下
平成26年度・・・・・37件
平成25年度・・・・・32件
(7)回送時の有責事故 15件以下
(漫然運転の防止・法定速度の遵守)
平成26年度・・・・・25件
平成25年度・・・・・26件
(8)ヒヤリ・ハット情報の共有と一層の 営業所ごとに収集分析し450箇所の
活用
危険箇所収集とともに写真・注意事項の
掲示および教育を実施いたしました。
(9)運輸安全マネジメント体制を維持す 経営管理部門および現業管理職・事務
るための必要な教育の実施と適正な人 職に対し、運輸安全マネジメントに関す
員配置
る研修の充実を図るとともに、グループ
会社の管理職に対しても研修の充実を図
りました。
(10)全従業員に対し、運輸安全マネジ 安全方針を職場内に掲示するととも
メントに係る安全方針等を、継続的に社 に、全社員に安全方針カードを配布しネ
内報等による周知
ックストラップにて常時携帯させており
ます。また、社内報に安全への取組み等
を掲載し、安全意識向上に努めました。
(11)コンプライアンス意識の更なる向
上
経営管理部門および現業管理職に対し
て、コンプライアンスに関する研修の充
実を図るとともに、リスクマネジメント
委員による営業所巡回教育等の各種教育
を実施し、意識の向上に努めました。
(1)から(7)までの事故件数には、神奈交バス各社への委託路線分を含みます。
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5.輸送の安全に関する計画
(1)教育計画
①乗務員に対して、年間教育計画に基づき教育を実施します。
②交差点における事故防止対策として、交差点右左折時、横断歩道手前での一
時停止による安全確認を徹底するとともに、営業所車庫内に交差点を再現
し、交差点安全確認方法、通過方法、内輪差、死角等を体験する教育を継続
して実施します。
また、一時停止による安全確認の実施状況について、確認および指導のため
交差点等における街頭指導教育を積極的に実施します。
③車内人身事故防止対策として、バス発車時に指差呼称『車内よし』により車
内の確実な安全確認を実施するよう指導徹底を図ります。
また、お客さまの身になった運転を心掛けるべく、高齢者疑似体験教育をあ
わせて実施します。
④静止物への接触事故防止のため、車庫内に円を描き、円の中でバスを転回、
後退、切り返し等を行うことにより、車両特性および車幅感覚の向上を図る
体験教育(トレーニングサークル)を継続して実施し、車庫内や駅前ターミ
ナル、狭隘道路等における接触事故防止を図ります。
⑤脳・心臓疾患に起因する事故防止のため「事業用自動車の運転者の健康管理
マニュアル」に基づき、乗務員の健康状態の把握および指導強化に努めると
ともに、全乗務員に配布した「健康手帳」による自己の健康増進の支援を行
い、適切な健康管理をより一層推進します。
また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いのある乗務員に対し検査を実施
し、SASの早期発見に努めるとともに治療および生活習慣の改善につい
て指導を継続します。
⑥アイマークレコーダーによる運転中の視線や速度・エンジン回転数・左右前
後の動揺などの記録再生が可能な運転訓練車ならびにセイフティレコーダ
(運行記録計)およびドライブレコーダ(映像記録装置)により、経験や勘
だけに頼らず、より客観的な指導教育を実施します。
⑦運転シミュレーションにより運転適性の記録・分析が可能なナスバネット
(運転適性診断)にて、診断結果により乗務員の運転上の特性(クセ)を見
出し、指導教育を実施します。
⑧発生した事故の原因を根本的なところまで掘り下げる「なぜなぜ分析」を取
り入れた事故防止教育を実施します。
⑨ドライブレコーダによるヒヤリ・ハット情報を積極的に収集し、ヒヤリ・ハ
ット情報に基づいた危険箇所について教育を実施するとともに、危険箇所
を年1回更新します。
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⑩社長は定期的、継続的に営業所へ赴き、乗務員等と直接対話を行う懇談会を
実施します。
また、運輸担当役員ならびに運輸計画部長および運輸営業部長は毎月1回、
全営業所を対象とした巡視教育や乗務員との意見交換を行うとともに、運
輸担当役員および経営管理部門による早朝点呼査察や街頭指導も毎月定期
的に実施します。
⑪社長および役員は、営業所巡回時に安全方針等を説示するとともに、年6回
発行の社内報にも掲載する等、全従業員の安全意識向上に努めます。
⑫本社管理部門・現業部門の責任者等に対して、運輸安全マネジメントおよび
リスクマネジメントに関する研修・講習会を実施します。
また、運輸安全マネジメントのより一層の推進を図るべく、事務職や運転職
を対象とした新たな研修・講習会の開催も検討します。
⑬警察、消防関係および地元自治体等と協力し、重大事故等に対する訓練を各
営業所にて実施し、情報共有の強化を図るとともに、迅速な対応が図れるよ
う教育を実施します。
また、子どもや高齢者等、地域の方を対象とした交通事故防止教室、自転車
交通ルール講習会等によるお客さまへの啓蒙活動を実施します。
⑭乗務員等へ「麻薬、覚せい剤、危険ドラック等」の規制薬物使用禁止および
飲酒運転の禁止について、各種教育を通じ指導徹底を図ります。
⑮事業継続計画(BCP)に基づき、地震等の大規模災害等発生時における情
報共有の強化を図るとともに、乗務員が対応すべき事項についてまとめた
「災害時乗務員対応マニュアル」により、迅速な対応が図れるよう教育を実
施します。
また、大規模災害発生を想定した初動対応、通信・避難誘導訓練を全社で実
施し、上記策定を実効的なものとするとともに、見直し・改善を実施します。
(2)内部監査
①計画
・本社管理部門
・営業所
②監査項目
年2回実施いたします。
年間計画により1回実施いたします。
・関係法令や安全管理規程等への適合性
・重点施策等の実施状況および有効性
・各種委員会議事録等の作成および維持
・前年度指摘事項に対する改善状況
③監査実施者
当社法務監査室
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(3)安全運動
①春の全国交通安全運動(4月上旬)
②ゴールデンウィーク期間中における事故防止運動(4月下旬~5月上旬)
③車内事故防止キャンペーン(7月)
④夏の事故防止運動(7月中旬)
⑤秋の全国交通安全運動(9月下旬)
⑥環境にやさしいエコドライブ運動(11月)
⑦旅客接遇総点検(11月下旬)
⑧年末年始輸送安全総点検(12月上旬~1月上旬)
(4)各委員会等の開催
①運輸安全推進委員会
毎月1回安全統括管理者を中心に、経営管理部門と神奈交バス各社代表取
締役が出席して、輸送の安全を確保するための事業運営等について協議い
たします。
②事故防止対策委員会
毎月1回運輸計画部長を中心に、運行管理者および運転士等から選任され
た委員ならびに当該事故を発生させた運転士も同席して運転事故に関する
調査研究を行い、事故防止に関する対策を協議いたします。
③飲酒運転防止対策委員会
毎月1回事故防止対策委員と同様の委員で飲酒運転防止に関する調査研究
を行い、飲酒運転防止に関する対策を協議いたします。
④サービス向上委員会
毎月1回運輸営業部長を中心に、運行管理者および運転士等から選任され
た委員にて、車内事故防止にもつながるサービス向上に関する調査研究を
行い、対策を協議いたします。
⑤車両故障防止対策委員会
毎月1回運輸営業部長を中心に、整備管理者等にて車両故障防止に関する
調査研究を行い、車両故障防止に関する対策を協議いたします。
⑥ブロック別意見交換会
管轄する営業区域をブロック毎(東部、西部、中部、北部)に分け、各ブロ
ックにおける走行環境等を踏まえ、営業所と本社が輸送の安全に関する情
報を共有して、安全性の向上を図る目的で定期的に開催いたします。
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6.輸送の安全に関する予算・実績額
(神奈川中央交通グループ全体)
区
平成26年度
実績
平成27年度
予算
198
204
5
4
29
22
232
230
運行に関するもの※
18
38
事故防止に関するもの
34
38
分
人件費に
関する費用
主な項目
教育・訓練に関するもの
運転適性診断に関するもの
添乗監査に関するもの
小
機器類等に
関する費用
(単位:百万円)
計
小
計
52
76
合
計
284
306
※平成27年度は、ドライブレコーダ機器の更新費用を新たに計上しております。
7.輸送の安全に関する組織体制および指揮命令系統
別紙 「安全管理体制組織図」参照
別紙 「緊急連絡図」参照
8.安全統括管理者
専務取締役
堀
康紀
9.安全管理規程
別紙 「安全管理規程」参照
10.輸送の安全に関する内部監査結果およびそれを踏まえた処置内容
指摘事項はございません。
運輸安全マネジメントのより一層の推進を図るべく、社長のコミットメントと
リーダーシップの下に安全統括管理者が中心となり、輸送の安全に関するPDC
Aサイクルを確実に実施し、安全対策を不断に見直し、更なる輸送の安全性向上の
取り組みを継続いたします。
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11.事故統計
(1)平成26年度発生事故統計(当社が第2当事者の事故を含む)
(神奈交バス5社への委託路線分も含みます。)
事
故
種
類
自動車事故報告規則
第2条に規定する事故
平成26年度
平成25年度
0件
13件
増
減
▲13件
(▲100%)
※平成26年度は、当社において報告事故となる事故は発生しませんでした。
【参考】自動車事故報告規則第2条に規定する事故について(概要)
・死者または重傷者を発生させた事故
病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以
上のもの。
または、14日以上病院に入院することを要する傷害を受けたもの。
・操縦装置または乗降口の扉を開閉する操作装置の不適切な操作により
11日以上医師の治療を要する傷害
(2)平成26年度発生車両故障統計
(神奈交バス5社への委託路線分も含みます。)
車両故障種類
平成26年度
平成25年度
自動車事故報告規則
第2条に規定する車両故障
40件
75件
増
減
▲35件
(▲47%)
※平成26年度は、部品の交換サイクルを短縮するなどの結果、件数が大幅に
減少いたしました。
【参考】自動車事故報告規則第2条に規定する車両故障について(概要)
・操縦装置、制動装置など道路運送車両法第41条に掲げられた装置の故障
により、自動車が運行できなくなったもの
以
8
上